JPS6125615Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は苗を巻取るテープ量に関係なく、常に
均一適正な状態で苗の巻取りを可能とする苗巻付
装置の改良に関するものである。

従来、この種苗巻付装置にあつては、ローラ間
に掛渡した一方向に回動する無端ベルトの表面に
長手方向に沿つて夫々両端部に相対向する一対の
ブロツク体を複数個適隔において配列して長手方
向中央部に苗を巻付けるテープを案内する中央平
面部を構成し、この中央平面部に下側テープを導
き、長手方向に隣合うブロツク体間に苗を配する
ことにより下側テープ上に苗を位置させ、この下
側テープの表面を上側テープで押えながら巻取ロ
ーラに上下側テープを巻取り、苗をテープに巻付
ける構成になつている。

しかし、前記巻取ローラとこの巻取ローラ側に
位置する先端側のローラ間は相当長い間隔（距
離）があり、このため中間部位置に下側テープを
支持するローラ受けを支持してあるが、周知のよ
うにこの上下側テープは共に柔軟性のある材料で
構成してあるから、ローラ受けと接していない
と、上下側テープは密に接合状態を保つことがで
きず、苗は空間に浮いた状態となり、機械の振
動、風の状態、その他諸々の原因で苗が互いに交
差したり、苗の間隔が不均衡となつたり、さらに
球根部の位置がずれる等不揃い状態となり、苗を
上下側テープ正確に挾んで巻付けるとができず、
苗植付作業に於いて苗を傾斜状に植付けたり、均
等間隔ごとに植付けることができなかつたり、浅
植や深植の原因を生じ、収穫の減少になる欠点が
あつた。

これを第６図及び第７図を参照しながら具体的
に詳しく説明すると、１は機枠で、この機枠１の
先後端部には駆動用ローラ２とローラ３を設け、
これら２，３間に無端ベルト４を逆時計方向に駆
動するように掛渡してある。無端ベルト４の表面
には、長手方向に沿つて、両端部に相対向し合う
一対の直方体状のブロツク体５，５を複数個適間
隔６を設けた配列して長手方向中央部に苗Ａを巻
付けるテープを案内する中央平面部７を構成して
ある。この中央平面部７に前記ローラ３の下方位
置に設けたテープローラ８に巻かれている下側テ
ープ９を導き、隣合うブロツク体５，５の間隔６
に苗Ａをおいて、下側テープ９上に苗Ａを配しな
がら、無端ベルト４の移動に伴なつて下側テープ
９は前記駆動用ローラ２側に移動し、ついでこの
駆動用ローラ２の上方位置に於いて、テープロー
ラ１０の上側テープ１１が下側テープ９の表面に
案内され、ブロツク体５，５の間隔６間に位置し
ている苗Ａを上下側テープ９，１１によつて挾み
ながら、先端部に設けた軸１２の巻取ローラ１３
に上下側テープ９，１１を巻取ることにより、こ
のテープ９，１１に苗Ａを挾んで、苗の巻付けを
行うものであり、駆動用ローラ２の上方位置に於
いて接触する上側テープ１１のローラ受１４と駆
動用ローラ２の先端部に下側テープ９の裏面に接
触する下側テープ９のローラ受１５を夫々設け
て、苗Ａを挾んでいる上下側テープ９，１１を密
に接合しうるように構成してある。

しかし、図からも明らかなように前記巻取ロー
ラ１３に巻取られている上下側テープ９，１１の
巻取量、つまり巻付作業の開始時には、そのテー
プ量が少なく、その径が小である場合、駆動用ロ
ーラ２と巻取ローラ１３間の距離Ｌが長く、上下
側テープ９，１１は共に柔軟性のある材料である
ために、前記理由により苗Ａは上下側テープ９，
１１間で浮いた状態となり、図示のように苗Ａが
交差したり、等間隔に巻付けることができない等
苗が不揃になる欠点を生ずるものである。

本考案はこのような欠点を解消し、常に均一適
正な状態で苗の巻付けを可能とする苗巻付け装置
を提供せんとするものである。

以下本考案の実施例を図面を参照しながら説明
する。前記構成の苗巻付装置に於いて、駆動用ロ
ーラ２の先端部に設けてある下側テープ９のロー
ラ受１５に変え、巻取ローラ１３に巻取られるテ
ープ量の変化に対応して駆動用ローラ２から巻取
ローラ１３に移行する上下側テープ９，１１に常
に接触しうる苗受コンベヤー１６を構成し、不揃
いの巻付けを防止することを特色とするものであ
る。

つまり、１７，１７は前記機枠１の側枠１８，
１８の先端部に設けた支持具で、これにベヤリン
グ１９，１９を配した駆動軸２０を横架し、駆動
軸２０にはコンベヤーローラ２１を取付けてあ
る。２２，２２は駆動軸２０の両端部から先端に
位置する巻取ローラ１３方向に延設する枠体で、
ベヤリング２３のケース２４，２４を介して回動
自在に駆動軸２０に取付けてある。２５，２５は
この枠体２２のの先端部に駆動軸に伸縮自在に取
付けた調節枠体で、具体的には夫々穿つた小孔に
ボルト２６とナツト２７を介して調節枠体２５，
２５の伸縮を調節するように構成してある。２８
はこの調節枠体２５，２５間に横架した軸２９に
ベヤリング３０を介して取付けたコンベヤーロー
ラで、前記コンベヤーローラ２１とこのコンベヤ
ーローラ２８間に苗受コンベヤー１６を掛渡して
ある。３１はこの苗受コンベヤー１６の裏面に接
触する台板で、前記枠体２２に設けた金具３２，
３２……を介して取付けてある。この台板３１は
図示でか円弧状を形成してあるが、直線状に平坦
に形成しても差障りないものである。

３３は前記苗受コンベヤー１６を巻取ローラ１
３に巻取られるテープ量に対応して、常に下側テ
ープ９の裏面に接触するように苗受コンベヤー１
６を回動するためにバランスを保持するバランス
装置であり、前記枠体２２の基端部に一端部を連
結したステー３４の他端部にロツド３５の一端部
を取付け、このロツド３５の他端部に機枠１の台
枠３６に固定したクランク支持具３７を連結し、
これにクランク３８の一端部を取付け、クランク
３８の他端部ウエート３９を設けてバランスを保
持する構成になつている。

４０は前記巻取ローラ１３が巻取るテープの量
に対応して、巻取ローラ１３の回転速度を変化さ
せる変速装置で、機枠１に傾斜状に取付けた支持
枠４１の先端部に軸杆４２を介して回動自在に
略々垂下状に配した腕枠４３の先端部に前記巻取
ローラ軸１２を設けてあり、腕枠４３の先端部の
金具４４に一端部を取付けたターンバツル４５を
介在して長さを任意に伸縮自在にしうるロツ４６
の他端部を無段変速４７の腕片４８に連結し、腕
枠４３の垂下状態、つまり支持枠４１に対する腕
枠４３の角度変化に応じて、無段変速機の腕片４
８を変化させて、後記する駆動源４９から伝わる
動力を変速させ、巻取ローラ１３の巻取ローラ軸
１２の回動速度を調節する。すなわち、無端ベル
ト４の移動速度は常に一定であるに対し、この巻
取ローラ１３は巻取ローラ軸１２によつて回転し
て、苗Ａを挾んでいる上下側テープ９，１１を巻
取る構成であるが、その巻取りの開始時はテープ
の量がなく、順次テープ量が増大して行くので、
始めは巻取ローラ１３の速度は速く、順次遅くし
ないと、苗Ａを適正に巻付けることができない。
このためにこのような変速装置４０を必要とする
のである。

以上構成の巻付装置の駆動源４９の動力伝導装
置は、例えば第２図のようにモータ５０の動力を
伝導装５１，５２を介して駆動ローラ２に伝える
と共に伝導装置５３を介して苗受コンベヤーロー
ラ２１の駆動軸２０に伝え、他方伝導装置５４を
介して無段変速機４７と、さらに伝導装置５５，
５６を介して巻取ローラ１３に伝えるものであ
る。

本考案は以上の構成であれば、その上下側テー
プ９，１１間に苗Ａを挾んで駆動用ローラ２から
巻取ローラ１３に移動する場合、この下側テープ
９の裏面には、常に苗受コンベヤー１６が接触を
保ち、上下側テープ９，１を保持するので、上下
側テープ９，１１が巻取ローラ１３に巻取られる
量に関係なく、常にそのテープ９，１１は密に接
合しているので、苗Ａは不揃いになることなく巻
付作業を行うことができ、従来の欠点を解消でき
る効果を期待できるものである。

また、この苗受コンベヤー１６は、そのウエー
ト３８によりバランスが保持できるので、上下側
テープ９，１１の巻取り量に対応して常に下側テ
ープ９の裏面に接触することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の斜視図、第２図は主として駆
動源の伝導装置を説明する概略拡大側面図、第３
図は同一部切欠平面図、第４図及び第５図は使用
状態を説明する概略側面図、第６図は従来例の概
略側面図、第７図は同平面図である。 Ａ……苗、２……駆動用ローラ、９……下側テ
ープ、１１……上側テープ、１６……苗受コンベ
ヤー、２０……駆動軸、２１，２８……コンベヤ
ーローラ、２２……枠体、３９……ウエート。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 駆動用ローラ２を設けた機枠１の先端部に駆動
   軸２０を横架し、これにコンベヤーローラ２１と
   この駆動軸２０を中心に回動自在な枠体２２を取
   付け、この枠体２２の先端に取付けたコンベヤー
   ローラ２８と前記コンベヤーローラ２１間に掛渡
   したウエート３９によりバランスを保つて苗受コ
   ンベヤー１６は、機体１に回動自在に略々垂下状
   に配した腕枠４３の先端に設けた巻取ローラ１３
   に巻取られている苗Ａを挾んだ上下側テープ９，
   １１の下側テープ９の裏面に常に接触するように
   してなる苗巻付装置。