JPS6125350Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はコアレスモータの改良に関する。

従来のコアレスモータは、第１図の半断側面図
に示すように、インナーヨークａの中央筒部ｂと
アウターヨークｃの内周面とを対抗せしめ、中央
筒部ｂの外周面にリング状界磁磁石ｄを固定する
と共に、該磁石の外周面とアウターヨークｃの内
周面との間の空隙内に電機子巻線筒ｅを回転自在
に挿入するものである。ところがこの従来装置に
おいては、インナーヨークａを磁性肉厚円筒材か
らその一部を外周切削して中央筒部ｂ及びフラン
ジ部ｆを形成するものであるから、インナーヨー
クａの形成に複雑な加工を要する。またインナー
ヨークａはそのフランジ部ｆが、アウターヨーク
ｃの下方内周段部ｇに嵌合固定されるため、両ヨ
ークａ，ｃの磁路形成及び心合せのために、フラ
ンジ部ｆの外径寸法及び内周段部ｇの内径寸法の
精度を高める必要があり、高度の加工技術を要す
る。

本考案はかかる点に鑑み考案されてものにし
て、以下本考案の一実施例を図面に基いて説明す
る。第２図は本考案によるコアレスモータの半断
側面図である。この図において、１はインナーヨ
ーク、２はアウターヨークにして、両ヨークは
夫々予め防錆のための表面処理が施された磁性板
から、絞り加工により有底筒状に形成される。両
ヨーク１，２は夫々筒部３，４及び底板部５，６
を有し、該底板部の中央には夫々中央孔７，８が
穿設されている。９はスリーブ状の軸受ホルダー
して、中央孔１０の両端に夫々軸受１１，１２が
取付けられており、軸受ホルダー９の下端部には
外周段部１３が形成されている。該外周段部に
は、両ヨーク１，２の底板部５，６が重合するよ
うに、両中央孔７，８が嵌合されて両ヨーク１，
２の心合せがなされる。両ヨーク１，２は軸受ホ
ルダー９の下端を加締ることにより、固着され
る。

両ヨーク１，２の筒部３，４の対抗面の一方、
たとえばアウターヨーク２の内周面にリング状界
磁磁石１４が取付けられる。

１５は回転子にして、軸受１１，１２にて回転
自在に支持される回転軸１６と、該軸に取付けら
れる端板１７と、電機子巻線筒群を筒状に配置固
着して形成され、端板１７に固定される電機子巻
線筒１８と、端板１７の中央に取付けられた整流
子１９とからなる。電機子巻線筒１８はインナー
ヨーク１の筒部３の外周面と界磁磁石１４の内周
面との間の空隙２０内に位置せしめられる。尚ア
ウターヨーク２の上方開口は図示しないが、ブラ
ケツトにて施蓋され、該ブラケツトには整流子１
９に摺接する刷子が取付けられている。

第２図では両ヨーク１，２の底板部５，６の中
央孔７，８を軸受ホルダー９の外周段部１３に嵌
合した状態を示しているが、第３図に示す如く、
スリーブ軸受２１を使用し、該スリーブ軸受の下
端部に形成した外周段部２２に、中央孔７，８を
嵌合し、スリーブ軸受２１の下端を加締るように
してもよい。

以上の如く本考案によれば、有底筒状のインナ
ーヨーク及びアウターヨークを夫々磁性板の絞り
加工により形成するようにしたから、従来装置の
如く両ヨークを夫々磁性肉厚円筒材から切削加工
により形成するものに比し、製造が容易となる。

また、切削加工の場合は、高価な磁性材を多量
に切削屑化することとなるので、材料加工損が多
くなるが、本考案によれば、材料加工損は外径切
削屑のみとなり、きわめて屑損を少なくすること
ができ、高価な磁性材料の歩留りを大幅に改善す
ることができる。さらに、両ヨークの底板部に設
けた各中央孔を、前記底板部が重合するように、
スリーブ状の軸受ホルダー又はスリーブ軸受の一
端部に設けた外周段部に嵌合したので、両ヨーク
の心合せが容易になると共に磁路形成が容易にな
り、安価なコアレスモータを提供することができ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のコアレスモータの半断側面図、
第２図及び第３図は本考案によるコアレスモータ
の異なる実施例を示す半断側面図である。 １……インナーヨーク、２……アウターヨー
ク、５，６……底板部、７，８……中央孔、９…
…軸受ホルダー、２１……スリーブ軸受、１３，
２２……外周段部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 有底筒状のインナーヨーク及びアウターヨーク
   を夫々磁性板の絞り加工により形成すると共に両
   ヨークの底板部中央に夫々中央孔を設け、前記両
   ヨークの底板部が重合するように前記両中央孔
   を、スリーブ状の軸受ホルダー又はスリーブ軸受
   の一端部に設けた外周段部に嵌合したことを特徴
   とするコアレスモータ。