JPS61252853A - ２サイクル内燃機関のシリンダスリ−ブ取付構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、２サイクル内燃機関のシリンダスリーブ取付
構造に関する。

［従来の技術］ ２サイクル内燃機関には、シリンダブロックにシリンダ
スリーブを圧入（焼ばめ）し、シリンダスリーブに掃気
口を開口し、上記掃気口に連なる掃気通路をシリンダス
リーブの裏面とシリンダブロックとによって形成してな
るものがある。

ここで、上記シリンダブロックに対するシリンダスリー
ブの装着過程で、シリンダスリーブの掃気通路に対応す
る部分は、シリンダブロックによる背面支持状態を受け
ることがないため、掃気通路側に突出する。シリンダブ
ロックに対する圧入直後のシリンダスリーブは、上記掃
気通路に対応する部分の突出変形によって、その内面の
真円状態に歪を生ずる。そこで、従来の内燃機関にあっ
ては、シリンダスリーブの上記圧入後に、シリンダスリ
ーブの内面を円形に切削し、その内面の真円化を図って
いる。

［発明が解決しようとする問題点］ しかしながら、上記従来の内燃機関にあっては、シリン
ダブロックに対するシリンダスリーブの装着過程でシリ
ンダスリーブの内面の真円化は図られるものの、掃気通
路に対応するシリンダスリーブの外面は該掃気通路に突
出゛する状態を残存し、シリンダスリーブの掃気通路に
対応する部分の肉厚が他の部分より大となる状態を生ず
る。したがって、このようなシリンダスリーブを持つエ
ンジンの運転時には、シリンダブロックとシリンダスリ
ーブの熱膨張下で生ずるシリンダスリーブの内面の変形
がその周方向において不均一となる。これにより、シリ
ンダスリーブの内面の一部が他の部分よりも内方に突出
し、シリンダスリーブとピストンのスカート部との間に
焼付を生ずるおそれがある。

これは、シリンダブロックに対するシリンダスリーブの
圧入の締代を低下させることによって防止可能である。

しかしながら、装入領域の全てに渡って上記圧入の締代
を低下させると、シリンダスリーブがシリンダブロック
に対して上下および周方向に移動し、シリンダスリーブ
の掃気口の、シリンダブロック側の掃気通路に対する位
置ずれを生ずる。

これにより、エンジンの掃気効率が悪化し、エンジン性
能が著しく低下する。

上記間題を解決するため、装入領域の全てに渡ってシリ
ンダブロックに対するシリンダスリーブの圧入をなくし
、シリンダブロックとシリンダスリーブの間にノックビ
ン等の位置決め手段を介在することも考えることができ
る。しかしながら、この場合には、シリンダスリーブと
シリンダブロックの間の全領域に空気層が形成され、シ
リンダスリーブからシリンダブロックへの熱伝達が低下
し、燃焼熱の円滑な放熱が阻害される。

本発明は、シリンダスリーブをシリンダブロックに対し
て確実に圧入し；スリーブとシリンダブロックとの位置
ずれ防止能と放熱性を確保した状態下で、シリンダスリ
ーブの周方向における不均一な変形の発生を防止し、シ
リンダスリーブとピストンのスカート部との焼付の発生
を確実に防止可能とすることを目的とする。

［問題点を解決するための手段］ 本発明は、シリンダブロックにシリンダスリーブを圧入
し、シリンダスリーブに掃気口を開口し、上記掃気口に
連なる掃気通路をシリンダスリーブの裏面とシリンダブ
ロックとによって形成してなる２サイクル内燃機関のシ
リンダスリーブ取付構造において、シリンダブロックに
対するシリンダスリーブの装入領域のうち、少なくとも
、ピストンの移動範囲内にあり、かつ掃気口より下方の
掃気通路に対応する部分の周方向に連続して　。

隣接する部分を締代低減領域とし、該締代低減領域にお
けるシリンダブロックとシリンダスリーブの締代を他の
装入領域における両者の締代に比して低減するようにし
たものである。

［作　用］ 本発明によれば、シリンダブロックとシリンダスリーブ
とは、締代低減領域を除く領域において十分な圧入の締
代を得て、シリンダスリーブをシリンダブロックに対し
て確実に圧入することが可能となる。

また、シリンダブロックに対するシリンダスリーブの装
着過程で、シリンダブロックとシリンダスリーブとは、
締代低減領域を除く上記のような圧入領域においては周
方向に均一な工大変形を生じ、締代低減領域においては
その締代の低減効果によって周方向に全くもしくはほと
んど不均一変形を生ずることがない、したがって、この
内燃機関においては、その運転時にシリンダブロックと
シリンダスリーブが熱膨張を生ずる状態下でも、シリン
ダスリーブの内面の変形がその周方向において不均一と
なることがなく、シリンダスリーブとピストンのスカー
ト部との間に焼付を生ずることもない。

なお、この内燃機関においては、シリンダスリーブがシ
リンダブロックに対して確実に圧入されて移動すること
がないため、シリンダスリーブの掃気口とシリンダブロ
ック側の掃気通路とはそれらの位置関係を安定保持し、
掃気効率を低下させることがない。

また、この内燃機関においては、シリンダスリーブがシ
リンダブロックに対して確実に圧入され、燃焼室の周囲
に相互に密着する部分を得ることが可能であり、シリン
ダスリーブからシリンダブロックへの熱伝遣を低下する
ことがなく、燃焼室の放熱を阻害することがない、特に
、シリンダブロックとシリンダスリーブの上死点側の装
入領域を締代付与領域とすることにより、着火直後に燃
焼室を形成する上部シリンダからの放熱性を良好とし、
高い冷却能力を得ることが可能となる。

また、この内燃機関においては、排気口の周囲に排気洩
れ防止領域を設定し、この領域におけるシリンダブロッ
クとシリンダスリーブの間を完全に閉塞したので、たと
え締代低減領域を排気口の周縁部を含む部分の近傍もし
くは該周縁部を含む部分にまで拡張したとしても、掃気
口と排気口をシリンダスリーブの裏面において連通ずる
ことがなく、掃気効率、排気効率を低下させることがな
い。

［実施例］ 第１図は本発明が適用されてなる船外機用２サイクル内
燃機関１０を示す断面図、第２図は第１図の■−■線に
沿う断面図、第３図は第２図の要部を取出して示す断面
図である。

この内燃機関１０は、横置型であり、シリンダブロック
１１に設けた上下の装着孔１２に、それぞれシリンダス
リーブ１３を水平方向に圧入（焼ばめ）している。シリ
ンダブロック１１には、シリンダへラド１４が一体化さ
れるとともに、クランクケース１５が一体化されている
。クランクケース１５にはクランク軸１６が軸支され、
クランク軸１６には連接棒１７の大端部が連結され、連
接棒１７の小端部はピストン１８に連結されている。

クランクケース１５とシリンダブロック１１とで形成さ
れるクランク室１９には、リード弁が内蔵される吸気管
２０を介して、気化器２１が接続されている。

また、シリンダスリーブ１３とシリンダへラド。

１４とピストン１８は、燃焼室２２を形成し、シリンダ
ヘッド１４には点火栓２３が配置されている。

また、シリンダスリーブ１３には排気口２４が形成され
、シリンダブロック１８には上記排気口２４に連なる排
気通路２５が形成されている。

また、シリンダスリーブ１３には、排気口２４に対する
下死点方向位置に、シュニーレ掃気方式を形成する下掃
気口２６Ａ、主掃気ロ２６Ｂ、中掃気口２６Ｃの３つ掃
気口２６が形成されている。ここで、上記各掃気口２６
に連なる３つの掃気通路２７は、シリンダスリーブ１３
の裏面と、シリンダブロック１１に形成される凹状溝に
よって形成されている。

しかして、この実施例において、シリンダブロック１１
に対するシリンダスリーブ１３の装入領域のうち、シリ
ンダスリーブ１３の長手方向において掃気口２６より下
方（クランク軸１６の側）に位置す°ることとなる部分
を締代低減領域Ｌｌとしている。この締代低減領域に対
応するシリンダスリーブ１３の外面２８は小径部２９と
され、他の装入領域であって締代付与領域を構成する領
域に対応する外面３０との間に段差を形成している。こ
れにより、この内燃機関ｌＯは、シリンダブロック１１
の装着孔１２とシリンダスリーブ１，３の外面３０とを
所定の圧入締代によって相互に圧入するとともに、シリ
ンダブロック１１の装着孔１２とシリンダスリーブ１３
の外面２８との間の上記締代低減領域に間隙を形成し、
その締代低減領域における両者の締代を零としている。

また、上記内燃機関ｌＯにおいて、シリンダブロック１
１に対するシリンダスリーブ１３の装入領域のうち、排
気口２４の周縁部に対応する部分は排気洩れ防と領域と
されている。ここで、排気口２４は前述のように掃気口
２６の上死点方向位置に形成され、排気口２４はシリン
ダスリーブ１３の外面３０の側に形成されている。した
がって、上記排気口２４の周縁部、すなわち排気洩れ防
止領域におけるシリンダブロック１１の装着孔１２とシ
リンダスリーブ１３の外面３０とは前記所定の圧入締代
下で密着し、両者の間を何ら間隙の発生なく閉塞化して
いる。

次に、上記実施例の作用について説明する。

上記実施例によれば、シリンダブロック１１とシリンダ
スリーブ１３とは、締代低減領域を除く領域において十
分な圧入の締代を得て、シリンダスリーブ１３をシリン
ダブロック１１に対して確実に圧入可能とする。

また、シリンダブロック１１に対するシリンダスリーブ
１３の装着過程で、シリンダブロック１１とシリンダス
リーブ１３とは、締代低減領域を除く上記のような圧入
領域においては周方向に均一な正大変形を生じ、締代低
減領域においてはその締代の消失効果によって周方向に
全く不均一変形を生ずることがない、したがって、この
内燃機関１０においては、その運転時にシリンダブロッ
ク１１とシリンダスリーブ１３が熱ｗｇ脹を生ずる状態
下でも、シリンダスリーブ１３の内面の変形がその周方
向において不均一となることがなく、シリンダスリーブ
１３とピストン１８のスカート部との間に焼付を生ずる
こともない。

なお、この内燃機関１０においては、シリンダスリーブ
１３がシリンダブロック１１に対して確実に圧入されて
移動することがないため、シリンダスリーブ１３の掃気
口２６、排気口２４とシリンダブロックｌｌ側の掃気通
路２７、排気通路２５とはそれらの位置関係を安定保持
し、掃気効率、排気効率を低下させることがない。

また、この内燃機関１０においては、シリンダスリーブ
１３がシリンダブロック１１に対して確実に圧入され、
燃焼室２２の周囲に相互に密着する部分を得ることが可
能であり、シリンダスリーブ１３からシリンダブロック
１１への熱伝導を低下することなく、燃焼熱の放熱を阻
害することがない、特に、上記内燃機関１０にあっては
、シリンダブロック１１とシリンダスリーブ１３の上死
点側の装入領域を締代付与領域とすることによ′　リ、
着火直後に燃焼室２２を形成する上部シリンダからの放
熱性を良好とし、高い冷却能力を得ることが可能となる
。

また、この内燃機関１０に轟いては、排気口２４の周囲
に排気洩れ防止領域を設定し、この領域におけるシリン
ダブロック１１とシリンダスリーブ１３の間を完全に閉
塞したので、たとえ上記締代低減領域を排気口２４の周
縁部の近傍にまで拡張したとしても、掃気口２６・と排
気口２４をシリンダスリーブ１３の裏面において連通ず
ることがなく、掃気効率、排気効率を低下させることが
ない。

第４図は本発明の変形例を示す断面図である。

この変形例においては、上記実施例における締代低減領
域Ｌ１をより上方にまで延設し、シリンダブロック１１
に対するシリンダスリーブ１３の装入領域のうち、シリ
ンダスリーブ１３の長手方向における排気口２４の上方
（シリンダヘッド１４の側）に位置することとなる部分
までを締代低減領域Ｌ２としている。この締代低減領域
に対応するシリンダスリーブ１３の外面２８Ａは小径部
２９Ａとされ、他の装入領域であって締代付与領域を構
成する領域に対応する外面３０Ａとの間に段差を形成し
ている。これにより、この変形例においては、シリンダ
ブロック１１の装着孔１２とシリンダスリーブ１３の外
面３０Ａとを所定の圧入締代によって相互に圧入すると
ともに、シリンダブロック１１の装着孔１２とシリンダ
スリーブ１３の外面２８Ａとの間の締代低減領域に間隙
を形成し、その締代低減領域における両者の締代を零と
している。

また、この変形例においては、シリンダブロック１１に
対するシリンダスリーブ１３の装入領域のうち、排気口
２４の周縁部に対応する部分を排気洩れ防止領域とし、
この排気洩れ防止領域におけるシリンダブロック１１と
シリンダスリーブ１３の間をシール部材３１によって完
全に閉塞している。シール部材３１は、Ｏリング等の無
端状とされ、シリンダブロック１１における装着孔１２
の内面に形成される装着溝３２に支持され、シリンダス
リーブ１３との間に圧縮状態で装入される。これにより
、この変形例においては、締代低減領域を排気口２４の
周縁部を含む部分にまで拡張しているものの、掃気口２
６と排気口２４をシリンダスリーブ１３の裏面において
連通ずることがない。

なお、本発明は、シリンダブロックへの装入時における
シリンダスリーブの外面が掃気通路の側に突出変形する
ことを防止し、かつその突出変形に起因するピストンの
焼付発生を防止することを意図するものである。したが
って、本発明の実施において、シリンダブロックとシリ
ンダスリーブの装入領域内に設定される締付低減領域の
設定範囲は、少なくとも、ピストンの移動範囲内にあり
、かつ掃気口より下方の掃気通路に対応する部分の周方
向に連続して隣接する部分に設定するものであって足り
る。

また、上記各実施例は締代低減領域における締代を零と
したが、本発明の実施においては、締代低減領域の締代
を他の装入領域における締代に比して低減するものであ
れば、締代低減領域にわずかな締代をもたせるものであ
ってもよい。

［発明の効果］ 以上のように、本発明は、シリンダブロックにシリンダ
スリーブを圧入し、シリンダスリーブに掃気口を開口し
、上記掃気口に連なる掃気通路をシリンダスリーブの裏
面とシリンダブロックとによって形成してなる２サイク
ル内燃機関のシリンダスリーブ取付構造において、シリ
ンダブロックに対するシリンダスリーブの装入領域のう
ち、少なくとも、ピストンの移動範囲内にあり、かつ掃
気口より下方の掃気通路に対応する部分の周方向に連続
して隣接する部分を締代低減領域とし、該締代低減領域
におけるシリンダブロックとシリンダスリーブの締代を
他の装入領域における両者の締代に比して低減するよう
にしたものである。

したがって、シリンダブロックとシリンダスリーブとは
、締代低減領域を除く領域において十分な圧入の締代を
得て、シリンダスリーブをシリンダブロックに対して確
実に圧入することが可能となる。

また、シリンダブロックに対するシリンダスリーブの装
着過程で、シリンダブロックとシリンダスリーブとは、
締代低減領域を除く上記のような圧入領域においては周
方向に均一な圧入変形を生じ、締代低減領域においては
その締代の低減効果によって周方向に全くもしくはほと
んど不均一変形を生ずることがない、したがって、この
内燃機関においては、その運転時にシリンダブロックと
シリンダスリーブが然ｗ脹を生ずる状態下でも、シリン
ダスリーブの内面の変形がその周方向において不均一と
、なることがなく、シリンダスリーブとピストンのスカ
ート部との間に焼付を生ずることもない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明が適用されてなる内燃機関を示す断面図
、第２図は第１図の■−■線に沿う断面図、第３図は第
２図の要部を取出して示す断面図、第４図は本発明の変
形例を示す断面図である。 ｌＯ・・・内燃機関、１１・・・シリンダブロック、１
３・・・シリンダスリーブ、１８・・・ピストン、２４
・・・排気口、２６・・・掃気口、２７・・・掃気通路
、ＬＬ、Ｌ２・・・締代低減領域、３１・・・シール部
材。 代理人　　弁理士　　塩　川　修　治 く−哨

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. （１）シリンダブロックにシリンダスリーブを圧入し、
   シリンダスリーブに掃気口を開口し、上記掃気口に連な
   る掃気通路をシリンダスリーブの裏面とシリンダブロッ
   クとによって形成してなる２サイクル内燃機関のシリン
   ダスリーブ取付構造において、シリンダブロックに対す
   るシリンダスリーブの装入領域のうち、少なくとも、ピ
   ストンの移動範囲内にあり、かつ掃気口より下方の掃気
   通路に対応する部分の周方向に連続して隣接する部分を
   締代低減領域とし、該締代低減領域におけるシリンダブ
   ロックとシリンダスリーブの締代を他の装入領域におけ
   る両者の締代に比して低減したことを特徴とする２サイ
   クル内燃機関のシリンダスリーブ取付構造。
2. （２）前記シリンダブロックに対するシリンダスリーブ
   の装入領域のうち、上死点側の部分を、前記締代低減領
   域におけるより大なる締代を与えられる締代付与領域と
   したことを特徴とする特許請求の範囲第１項に記載の２
   サイクル内燃機関のシリンダスリーブ取付構造。
3. （３）前記シリンダスリーブに排気口を開口するととも
   に、前記シリンダブロックに対するシリンダスリーブの
   装入領域のうち、排気口の周縁部に対応する部分を排気
   洩れ防止領域とし、該排気洩れ防止領域におけるシリン
   ダブロックとシリンダスリーブの間を完全に閉塞したこ
   とを特徴とする特許請求の範囲第１項に記載の２サイク
   ル内燃機関のシリンダスリーブ取付構造。