JPS6125169Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 考案の技術分野 本考案は白熱電球と互換性を備えたけい光ラン
プ装置に関する。

考案の技術的背景とその問題点 けい光ランプは一般の白熱電球に比べて低電力
で使用でき、かつ長寿命であることから、最近本
出願人によつてけい光ランプにE26型の如きねじ
込み形の口金を取着し、既存の白熱電球用ソケツ
トにそのままねじ込んで使用できるけい光ランプ
装置が実用化され、省電力光源として広く普及し
つつある。このけい光ランプ装置は、一端に口金
を有しかつ他端が開口されたカバー内に、点灯回
路を構成する点灯回路部品、を収容するととも
に、このカバー内の他端開口部側に概略鞍形状に
曲成された曲管形けい光ランプを配置し、この曲
管形けい光ランプの周囲を上記カバーの他端開口
部に被冠されたグローブによつて覆つた構造とな
つている。

ところで、点灯回路としてはチヨークコイル形
が一般的であるが、トランジスタインバータによ
り容易に商用周波数電源を高周波に変換できるよ
うになつたのに伴い、けい光ランプの高周波点灯
が検討され、既に実用化されている。この高周波
点灯回路は回路基板上に所定の回路パターンを形
成し、この回路パターン上に開設されたリード孔
にトランジスタやコンデンサ等の点灯回路部品の
リードを挿入した後、これらリードと回路パター
ンとを半田付けして構成され、上記チヨークコイ
ル形の点灯回路に比べて重量が軽くコンパクトで
あるので上述の如きカバー内に限られた空間内に
点灯回路を収容する場合に特に好都合となる。

しかして、このように外部とは区画独立された
狭い空間内に高周波点灯回路を収容した場合に
は、この高周波点灯回路をランプ点灯中のけい光
ランプの輻射熱から保護する必要があるのはもち
ろん、この回路自体の発熱に伴う温度上昇につい
てもその放熱対策を考慮する必要がある。この対
策としてはグローブやカバーの周面に通気孔を開
設してグローブおよびカバー内の通気性を高め、
装置内の熱を速やかに外部に排出させる構造が考
えられる。

しかしながら、高周波点灯回路にあつては、通
常トランジスタやコンデンサ等の各種点灯回路部
品は回路基板上に密接もしくはきわめて近接した
状態で固定されているため、折角カバー内に外気
を流通させるようにしたにも拘わらず、回路部品
相互間ならびに回路基板との間に外気が行き亘ら
ない場合が多い。この結果、回路基板上に熱がこ
もり易くなり、回路基板が高温に昇温されたり、
点灯回路部品個々の放熱効果が充分に得られない
等の不具合がある。

考案の目的 本考案はこのような事情にもとづいてなされた
もので、高周波点灯回路内の通気性が向上し、回
路基板および点灯回路部品個々の温度上昇を確実
に防止できるとともに、点灯回路部品に対するけ
い光ランプからの熱影響も少なくて済むけい光ラ
ンプ装置の提供を目的とする。

考案の概要 すなわち、本考案は上記目的を達成するため、
点灯回路部品と回路基板との間に通気用の空間を
設けるとともに、回路基板には上記空間に連なる
透孔を開設し、かつけい光ランプの両端部と回路
部品との間には、これら両者間の対流を防止する
隔壁を設けたことを特徴とする。

考案の実施例 以下本考案を図面に示す一実施例にもとづいて
説明する。

図中１は耐熱合成樹脂製のシヤーシであり、一
端に中空円筒状をなす筒状部２を備えている。筒
状部２の外周面には口金取り付け用の雄ねじ部３
が設けられているとともに、この外周面の互に対
向する２個所には軸方向に沿う装着溝４，４が設
けられており、装着溝４，４の一霜端は筒状部２
の先端開口端面に開口されている。そして筒状部
２の基端開口部には、１対の支持アーム５，５が
互に対向して突設されており、これら支持アーム
５，５は先端側に進むに従つて互に拡開するよう
に導出されるとともに、その先端部には夫々平板
状の支持板６，６が設けられている。なお、これ
ら一対の支持板６，６と直交する方向には支持板
が設けられていなく、この方向は開放されてい
る。

また符号７は耐熱合成樹脂製のカバーであり、
このカバー７は一端側が絞られるとともに、他端
側に進むに従つて拡開された形状をなし、かつこ
の他端は開口されている。カバー７の一端底部に
は上記筒状部２が挿通可能な挿通孔８が開設さ
れ、この挿通孔８の内周面には装着溝４，４内に
嵌入可能な突起９，９が突設されている。そして
挿通孔８内にはカバー７の他端開口側から筒状部
２が挿通されており、この挿通孔８から導出され
た筒状部２の雄ねじ部３には、例えば白熱電球用
のE26型の如き口金１０が螺装されている。この
口金１０はその開口縁部と装着溝４，４の終端と
の間で上記突起９，９を挾圧しており、この挾圧
によりシヤーシ１とカバー７とを結合させてい
る。そしてこの結合によつてカバー７の一端に口
金１０が連設されている。このようなカバー７の
他端開口には、透光性を有する略球状のグローブ
１１が被冠されており、このグローブ１１の被冠
によつて外観がホワイトボール形の白熱電球に近
似された外囲器１２が構成されている。

なお、カバー７およびグローブ１１の頂部には
外囲器１２内外を連通させる複数の通気孔１３…
および１４…が開設されている。ところで、この
外囲器１２内には曲管形けい光ランプ１５が収容
されている。曲管形けい光ランプ１５は、直管形
ガラスバルブをその両端部１６，１６間の中央で
略Ｕ字状に曲成せしめて中央曲成部１７を形成す
るとともに、この中央曲成部１７と両端部１６，
１６との間のに中央を、上記Ｕ字形を含む平面と
の略直交する方向に略Ｕ字状に曲成せしめて１対
の両端曲成部１８，１８を形成したもので、これ
ら２回の曲げにより両端部１６，１６と中央曲成
部１７とが互に隣接して同方向に位置された概略
鞍形状に曲成されている。そしてこの曲管形けい
光ランプ１５は、その両端部１６，１６および中
央曲成部１７を上記支持板６，６の両外側に位置
させた姿勢で固定されており、この固定構造は詳
図しないが、本実施例の場合は、一方の支持板６
に設けた支持ステー１９に中央曲成部１７を係止
させることによつて固定してある。したがつて、
この曲管形けい光ランプ１５はグローブ１１内に
収容されている。さらに外囲器１２内には第３図
に示されるような高周波点灯回路２０が収容され
ている。すなわち、２１はその回路基板であつ
て、ベーク板等の電気絶縁材から構成される。回
路基板２１は平板状をなすとともに、上記支持板
６，６間にカバー７内とグローブ１１内とを仕切
る姿勢で固定されており、このため、ランプ点灯
中最も高温となる両端部１６，１６と高周波点灯
回路２０との間に支持板６が介装され、この支持
板６が遮熱用の隔壁として機能するようになつて
いる。この回路基板２１のグローブ１１側の面に
は、所定の回路パターン２２が形成されており、
回路パターン２２上には多数のリード孔２３…が
開設されている。これらリード孔２３…内には口
金１０側からトランジスタ、ダイオード、および
コンデンサ等の点灯回路部品２４…から延びるリ
ード２５…の先端部が挿入されて上記回路パター
ン２２に半田付けされており、この半田付けによ
り点灯回路部品２４…相互が所定の回路構成に接
続されている。なお、高周波点灯回路２０は口金
１０および曲管形けい光ランプ１５に接続される
が、この詳細な回路構成については既に公知であ
るのでその説明は省略する。

また、点灯回路部品２４…は、回路基板２１と
支持板６，６とで囲まれた空間に配置されること
になるが、この空間は回路基板２１および支持板
６，６と直交する方向（第１図で左右方向）に
は、空間を遮断する仕切り壁がなくて開放されて
おり、よつてグローブ内と連通している。

そして、上記個々の点灯回路部品２４…はリー
ド２５…の長さ分だけ回路基板２１上から離間し
て位置されており、これら点灯回路部品２４…と
回路基板２１との間には略２〜３mm程度の通気用
の空間２６が設けられている。また、回路基板２
１における回路パターン２２が形成されていない
部分には、多数の透孔２７…が開設されており、
これら透孔２７…は上記空間２６に連なるととも
に、個々の点灯回路部品２４…に対向して位置さ
れている。

このような構成によると、点灯回路部品２４…
と回路基板２１との間に通気用の空間２６を設
け、回路基板２１にはこの空間２６に連なる透孔
２７…を設けてあるので、通気孔１３…および１
４…を経て外囲器１２内に流入した外気は第３図
中矢印で示す如く透孔２７…および空間２６を介
して点灯回路部品２４…と回路基板２１との間に
円滑に導びかれる。このため高周波点灯回路２０
内の通気性が格段に向上し、特にこの実施例では
個々の点灯回路部品２４…に対向する位置に透孔
２７…を設けてあるので、各点灯回路部品２４…
が全体にわたつて均一に冷却される。このため点
灯回路部品２４…の温度上昇が抑えられるととも
に、熱が回路基板２１側に伝わり難くなり、高周
波点灯回路２０の放熱性が良好となる。一方、口
金１０を上向きまたは下向きにして垂直点灯させ
た場合、外囲器１２内の空気の一部は、上記のよ
うに透孔２７…を通じて回路基板２１上の点灯回
路部品２４…を冷却するとともに、他の一部は点
灯中発熱するけい光ランプ１５を冷却する。この
場合、上記点灯回路部品２４…はランプ点灯中最
も高温となる両端部１６，１６と中央曲成部１７
との間に位置されているが、この両端部１６，１
６と点灯回路部品２４…との間には支持板６が介
装されているので、両端部１６，１６を冷却して
緩められた空気が点灯回路部品２４…側に流れ込
もうとしても、上記支持板６，６の存在によつて
点灯回路部品２４…側への流通が妨げられる。そ
れとともに、この空気の流ればかりでなく、両端
部１６，１６からの輻射熱も支持板６によつて遮
られることになる。したがつて、この高周波点灯
回路２０自体の放熱が良好となることに加えて、
けい光ランプ１５からの熱影響も少なく抑えられ
るので、長寿命となる利点がある。

なお、上述した実施例にあつては、カバーおよ
びグローブに通気孔を開設したが、本考案を実施
するに当つては通気孔は必ずしも設ける必要はな
い。この場合には、外気の流入はなくなるが、外
囲器内の空気が熱対流により点灯回路部品と回路
基板との間に導びかれるので、上述した実施例と
同様に高周波点灯回路内の通気性を確保でき、点
灯回路部品への熱集中や回路基板の部品的熱集中
を防止できる。

さらに、上記実施例では曲管形けい光ランプを
鞍形状としたが、例えばＵ字形のものや両端部間
にループ部を設けた形状のものであつても良く、
さらに外囲器の形状もホワイトボール形に特定さ
れない。また透孔は、すべての回路部品に対応し
て設ける必要はなく、主に発熱性の回路部品に対
応する位置に設けてもよい。

考案の効果 以上詳述した本考案によれば、外囲器内の空気
が熱対流によつて回路基板と点灯回路部品との間
に導かれることになり、このため、高周波点灯回
路内の通気性が格段に向上し、熱がこもり難くな
る。しかも、点灯回路部品は点灯中発熱するけい
光ランプとは反対側の口金側に配置されているこ
とに加えて、ランプ点灯中最も高温となるけい光
ランプの両端部と点灯回路部品との間には、隔壁
が介装されているので、両端部を冷却して暖めら
れた空気が対流によつて点灯回路部品側に流れ込
もうとしても、上記隔壁の存在によつて点灯回路
部品側への流通が妨げられるとともに、この空気
の流ればかりでなく、両端部からの輻射熱も隔壁
によつて遮られることになる。したがつて、この
高周波点灯回路自体の放熱が良好となるととも
に、けい光ランプからの熱影響も少なく抑えられ
るので、高周波点灯回路が長寿命となり、長期に
亙つて安定した点灯を維持できる利点がある。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示し、第１図は全体
の断面図、第２図は第１図中−線に沿う断面
図、第３図は高周波点灯回路の断面図である。 ６……隔壁（支持板）、７……カバー、１０…
…口金、１１……グローブ、１２……外囲器、１
５……曲管形けい光ランプ、１６……両端部、１
７……中央曲成部、２０……高周波点灯回路、２
１……回路基板、２２……回路パターン、２４…
…点灯回路部品、２６……空間、２７……透孔。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 一端に口金を有するカバーの他端開口部にグ
   ローブを被嵌して外囲器を構成し、この外囲器
   内に、両端部とこれら両端部間に位置する中央
   曲成部とが互いに隣接して同方向に位置された
   鞍形状のけい光ランプおよびこのけい光ランプ
   を点灯させるための高周波点灯回路を収容して
   なるけい光ランプ装置において、 上記高周波点灯回路は、上記けい光ランプの
   両端部と中央曲成部との間に配置され、かつ一
   面に回路パターンが形成された回路基板と、こ
   の回路基板のけい光ランプとは反対側の口金側
   の面に取付けられた点灯回路部品とからなり、
   この点灯回路部品は上記回路基板との間に空間
   を存して取付けるとともに、回路基板には上記
   空間に連なる透孔を設け、この点灯回路部品と
   上記けい光ランプの両端部との間には、これら
   両者間の対流を防止する隔壁が設けられている
   ことを特徴とするけい光ランプ装置。 (2) 上記透孔を、個々の点灯回路部品に対応する
   位置に設けたことを特徴とする実用新案登録請
   求の範囲第(1)項記載のけい光ランプ装置。