JPS6124717B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、画像担持体に近接して位置する非磁
性部材と、該非磁性部材上に現像剤の穂を形成
し、該現像剤の穂が、第１のモードにおいて前記
画像担持体に形成された静電潜像を顕像化する用
をなし、且つ第２のモードにおいて画像担持体に
残存する現像剤をクリーニングする用をなすよう
に構成された、電子複写機等における現像兼クリ
ーニング装置に関する。

例えば、画像担持体が二回転することにより一
回の複写サイクルを行う電子複写機又は静電記録
装置において、磁気ブラシ現像装置にその本来の
機能である現像機能の外、画像担持体表面の残存
トナーを清掃する機能をも兼用させた上記形式の
現像兼クリーニング装置は公知である。この装置
を用いれば、独立のクリーニング装置を省略で
き、又はこの独立したクリーニング装置の負担を
著しく軽減することができ有利である。

従来のこの種現像兼クリーニング装置は、現像
剤の穂がクリーニング時においても現像時におい
てもほゞ同一の形状に保たれ、装置がクリーニン
グを行うか現像を行うかは、画像担持体の表面電
位が低いか高いかにより自ずと決まるようになつ
ている（クリーニング時の画像担持体は除電さ
れ、現像時の画像担持体は帯電されているため、
画像担持体表面の電位はクリーニング時と現像時
とで自ずと変化する）。しかし、この形式の装置
では、そのクリーニング機能が独立したクリーニ
ング装置に比して著しく劣り、クリーニング後の
画像担持体表面に残像が観られることが少なくな
い。この不都合を除去するために、装置の非磁性
部材（一般には、磁石を内設した非磁性現像スリ
ーブ）に印加するバイアス電圧を現像時とクリー
ニング時とで変化させ、現像時には穂からトナー
を画像担持体に押し付けるように作用させ、クリ
ーニング時にはトナーを画像担持体から穂側に引
きはがすように作用させるようにすることが提案
されている。この構成の現像兼クリーニング装置
は、比較的クリーニング機能に優れてはいるが、
クリーニング時にトナーが画像担持体から引きは
がされるような力が作用するとき、非磁性部材近
傍のトナーもこの非磁性部材表面に強く引き付け
られ、繰返し現像・クリーニング作用を行つてい
る間に、非磁性部材表面にトナーが蓄積し、これ
が、非磁性部材へのバイアス電圧の印加効率を低
下せしめ、複写画像の地汚れ現象を生ぜしめる恐
れがある。この不都合を除去するには、非磁性部
材表面を清掃するクリーニング手段を付設する必
要を生ずるが、このようにすれば装置が大型化す
ることは免れない。

また、従来のこの種装置では、クリーニングモ
ードと現像モードとを、電気的な力のみによつて
切換えているため、画像担持体に残存するトナー
粒子のうち帯電が所期の値になつていないような
ものがあると、すなわち帯電量の小さすぎるトナ
ーが存在する場合、これがクリーニングモードに
おいてクリーニングされず、画像担持体に残り、
これが経時的に蓄積して画像を乱す結果となる。

本発明は、上述した従来の欠点を除去した現像
兼クリーニング装置を提供しようとするものであ
る。本発明では、現像時とクリーニング時とで、
現像剤の穂に作用する磁力の強さを変化させ、現
像とクリーニングとにそれぞれ適した形の穂を形
成せしめることにより、上記目的を達成する。以
下に本発明を電子複写機の現像兼クリーニング装
置に適用した実施例を図面に従つて説明する。

第１図は本発明を適用した電子複写機の一例を
示す概略図であり、本発明の理解のため、先ずこ
の複写機の概要を説明する。第１図において、感
光体ドラム１として構成された画像担持体は複写
機の機枠に回転可能に支承されている。このドラ
ム１が回転して帯電器２を通過するとき、ドラム
１の表面はこの帯電器２によつて帯電され、次い
で露光装置３で露光されて、ドラム１上に原稿
（図示せず）に対応した静電潜像が形成される。
この潜像が、後に詳しく説明する現像兼クリーニ
ング装置４の現像剤の穂５ａ（第２図参照）を摺
接するとき、トナー粒子が潜像に転移され、これ
によつて潜像がトナー像化され、かく形成された
トナー像は転写装置６によつて転写シート７に転
写される。この場合、転写を終えた感光体ドラム
１の表面にわずかなトナー粉が残存することは免
れない。このように残存トナーの付着したドラム
１表面が除電器８を通過するとき、この表面の帯
電電荷は除去される。更に、残存トナーを担持し
たドラムの表面部分は、前記帯電器２及び露光装
置３を再び通過するが、このときは帯電及び露光
作用を受けることはない。引き続き上記ドラム表
面部分は再度、現像兼クリーニング装置４を通過
し、そのときドラム表面に残存したトナー粉が後
述する態様に従つてクリーニングされる。残留ト
ナーを清掃されたドラム表面部分は、再び初期位
置に戻り、複写動作を終える。このようにドラム
１が２回転することにより１回の複写サイクルを
終了する。

上記説明から判るように、現像兼クリーニング
装置４は、感光体ドラム１の静電潜像を顕像化す
る機能と、このドラム１の表面に残存するトナー
を清掃する機能とを兼用しており、ここでこの現
像兼クリーニング装置４の詳細を説明する。

本例における現像兼クリーニング装置４は、特
に第２図に明示するように、粉状の現像剤５を収
容する現像タンク９を有し、このタンクには非磁
性材スリーブ１０として構成された非磁性部材が
配置されている。このスリーブ１０は感光体ドラ
ム１に近接してこれに対して平行に延在してお
り、しかも図示していない駆動装置によつて矢印
方向に回転駆動されるようになつている。本例に
おいては、上記現像剤としてトナーとキヤリヤと
から成る二成分系現像剤が使用されている。

スリーブ１０内には適数の磁石が配設され、本
例では、スリーブの表面に現像剤５を汲み上げる
ための汲み上げ磁石１１と、静電潜像の顕像化な
いしは感光体ドラムのクリーニング動作に直接寄
与する現像剤の穂５ａを形成するための主磁石１
２とが配設されている。この場合主磁石１２は、
発明により、スリーブ１０の半径方向に可動に支
承され、実線で示す第１の位置と鎖線で示す第２
の位置とを占めることができるようになつてい
る。この可動より、本例の現像剤の穂に作用する
磁力の強さを変化させる手段を構成する。尚、１
３はスリーブ１０上に形成される現像剤の穂５ａ
の高さを規制する穂高規制ブレード、１４はスリ
ーブ１０上の現像剤を剥離する分離板、そして１
５はスリーブ１０にバイアス電圧を印加するため
の電源である。

上記構成の現像兼クリーニング装置４はそのス
リーブ１０が反時計方向に回転駆動され、この回
転と磁石１１，１２との協働作用により、現像剤
５がスリーブ１０の表面に汲み上げられスリーブ
１０上を搬送されると共に、上述した現像剤の穂
５ａがスリーブ１０の表面に形成されるようにな
つている。

第１図に関連して先に説明した複写動作におい
て、現像兼クリーニング装置が静電潜像の現像を
行うとき（第１のモード）、スリーブ１０内の主
磁石１２は実線で示す第１の位置、即ち現像剤の
穂５ａから比較的離間した位置を占めている。従
つてスリーブ表面の磁力は比較的弱く、現像剤の
穂５ａに作用する磁力の強さも比較的弱い状態に
ある。換言すれば、主磁石１２が鎖線で示す第２
の位置にあるときよりも、穂中のトナー粒子がス
リーブ１０から離れやすい状態にある。かかる状
態の穂５ａを上述の如く静電潜像が摺接すれば、
この潜像の電荷と逆極性に帯電された穂５ａ中の
トナー粒子は、静電潜像に効率よく移転され、効
果的に潜像の顕像化が行われる。尚、このときス
リーブ１０には電源１５によつて感光体ドラム表
面の電荷と同極性のバイアス電荷が印加されてお
り、これによつてドラム表面のトナー像における
地肌部の汚れ現象が低減される。

一方、現像兼クリーニング装置４がドラム表面
の清掃を行うとき（第２のモード）には、主磁石
１２は鎖線で示す第２の位置に移動されている。
これによつて、主磁石１２は現像剤の穂５ａに一
層接近し、この穂に作用する磁力の強さが増大さ
れる。このため、クリーニング時における穂５ａ
は、現像時に比して、強固になり、この穂５ａ
は、これに摺接するドラム表面を比較的強くこす
るように作用する。従つて、このドラム表面に残
存するトナー粉は、この現像剤の穂５ａによつて
効率的に掻き落され、穂５ａの方へ移される。

上記構成によれば、現像時には現像剤の穂に作
用する磁力の強さを弱めて現像効率を高める一
方、クリーニング時には穂に作用する磁力を強め
て、ドラム表面の残留トナーを効率よくクリーニ
ングでき、しかもこれを達成するために、単に主
磁石を移動させることだけでよく、構成が簡単で
ある。尚、現像時における現像効果を高め高品質
のトナー画像を得るためには、上記の如く、穂に
作用する磁力をできるだけ弱めることが望ましい
が、この磁力が余り弱すぎると穂中のキヤリヤが
ドラム表面に付着する恐れがあるので、この不都
合が生じない範囲でできるだけ弱い磁力が現像剤
の穂に作用するように主磁石１２の第１の位置を
選択すべきである。また同様に、クリーニング時
におけるクリーニング効果を高める意味では、穂
に作用する磁力はできるだけ強くし、穂をできる
だけ強固に形成することが望ましいが、穂が余り
固いとドラム表面に傷を付ける恐もあるので、こ
の不都合を生じない範囲でできるだけ穂に作用す
る磁力が強くなるように主磁力の第２の位置を予
め選択しておくべきである。

第３図に示す実施例においては、主磁石１２が
固定配置され、その代りにスリーブの周方向に沿
つて矢印方向に往復動可能な円孤状の磁性体１６
がスリーブに内設されている。そしてクリーニン
グ時（第２のモード）においてはこの磁性体１６
は鎖線で示す如く、スリーブの内側表面と主磁石
１２との間に位置し、これによつて現像剤の穂５
ａに作用する磁力の強さが増大される。一方、第
１のモード、即ち現像時にはこの磁性体１６は実
線で示す位置に引き込められ、穂５ａに作用する
磁力が低下されるように構成されている。往復動
する磁性体１６により、本例の主磁石における現
像剤の穂に作用する磁力の強さを変化させる手段
を構成する。これによつても第２図の場合と同様
な作用効果が得られる。

第４図に示す実施例においては、スリーブ１０
の内部に、矢印Ａ方向に往復動可能な可動磁石１
７が支承されている。そして、現像時において
は、可動磁石１７は、実線で示す如く、固定主磁
石１２から離れた第１の位置を占める。そしてこ
の場合、可動磁石１７が主磁石１２に影響を与え
ないか又はほとんど影響を与えないように構成さ
れている。次いでクリーニング時には、可動磁石
１７は鎖線で示す第２の位置まで回転する。この
とき、可動磁石１７の一方の極の部分１７ａが、
主磁石１２におけるドラム１と反対方向を向いた
極の部分１２ａに接近し、この場合、可動磁石１
７の上記部分１７ａの極（図の例ではＮ極）と、
主磁石１２における上記部分１２ａの極（図の例
ではＳ極）とが異極となるように予め設定されて
いる。これによつて現像剤の穂５ａに作用する磁
力は、現像時におけるよりも増大し、クリーニン
グに適した穂５ａの形態が得られる。この可動磁
石１７が本例の主磁石１２における現像剤の穂に
作用する磁力の強さを変化させる手段を構成す
る。これによつても第２図の場合と全く同様な作
用効果が達成される。

以上、本発明の好ましい実施例を説明したが、
本発明は上記実施例に限定されず各種改変可能で
ある。例えば現像剤の穂を形成する非磁性部材
は、スリーブとして構成できるだけでなく、これ
をベルト状に形成することも可能であり、また上
記実施例では画像担持体の一例として感光体ドラ
ムを示したが、他の形式の画像担持体、例えば感
光体ベルト、又は絶縁体ないし誘電体（静電記録
装置の場合）等を用いた場合にも本発明を適用で
きる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明を適用可能な電子複写機の概略
説明図、第２図は現像兼クリーニング装置の断面
図、第３図及び第４図はそれぞれ第２図とは異な
る実施例を示す断面図である。 １……画像担持体、４……現像兼クリーニング
装置、５ａ……現像剤の穂、１０……非磁性部
材、１２……主磁石、１６……磁性体、１７……
可動磁石。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 画像担持体に近接して位置する非磁性部材上
   に現像剤の穂を形成し、該現像剤の穂が、第１の
   モードにおいて前記画像担持体に形成された静電
   潜像を顕像化する作用をなし、且つ第２のモード
   において画像担持体に残存する現像剤をクリーニ
   ングする作用をなすように構成された、電子複写
   機等における現像兼クリーニング装置において、
   前記現像剤の穂を形成し、現像時及びクリーニン
   グ時に共通に用いる主磁石と、該主磁石の前記現
   像剤の穂に作用する磁力の強さを変化させる手段
   とを有し、該手段が、前記第１のモードと第２の
   モードとで前記磁力の強さを変化させ、第１のモ
   ードにおける磁力の強さを第２のモードにおける
   磁力の強さよりも弱くすることを特徴とする前記
   現像兼クリーニング装置。 ２ 前記主磁石が、前記画像担持体から離れる位
   置と近づく位置との間で移動可能であることを特
   徴とする特許請求の範囲第１項記載の現像兼クリ
   ーニング装置。 ３ 前記手磁石が位置固定であり、該主磁石と前
   記画像担持体と対向する側の非磁性部材との間か
   ら外れた位置と入り込む位置との間で移動可能な
   磁性体を設けていることを特徴とする特許請求の
   範囲第１項記載の現像兼クリーニング装置。 ４ 前記主磁石が位置固定であり、該主磁石の画
   像担持体と反対側端部に離れる位置と近づく位置
   との間で移動可能に磁石を設け、該移動可能な磁
   石と主磁石との対向する側の部分が異性であるこ
   とを特徴とする特許請求の範囲第１項記載の現像
   兼クリーニング装置。