JPS6124515Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、プラテン上に対設した搬送ベルトに
ブロツク状の原稿送り部材を設けてなる複写機の
原稿送り装置に関するものである。

従来複写すべき原稿を搬送ベルトによりプラテ
ン上へ搬送する形式の複写機には、幅広な１枚の
搬送ベルトを使用したものと、幅方向に複数分割
された搬送ベルトを使用したものとがある。前者
の幅広な１枚の搬送ベルトを使用したものでは、
薄手でかつ透過性のある原稿を複写する場合、ベ
ルトの影を防止できる利点がある反面、原稿を位
置合せ部材に突き当てて位置決めする際、搬送ベ
ルトの一部が浮き上るため、原稿の停止位置が不
規則となつたり、プラテン全面に搬送ベルトが当
接するため、原稿の搬送が確実で、しかも原稿の
損傷が少ない範囲に原稿を設定するこそが困難で
あると共に、搬送ベルト面が汚染されやすいた
め、薄手の原稿を複写する際汚染が複写に影響す
るなどの不具合がある。また後者の分割された搬
送ベルトを使用したものでは、原稿の位置合せが
確実にできる反面、薄手の透過性原稿を複写する
場合、得られる複写物にベルトの影が複写される
不具合がある。

このような不具合を解決するための改良として
第１図および第２図に示すような原稿送り装置が
ある。

図において１は複写機（図示せず）に設けられ
たプラテン、２は該プラテン１上へ複写すべき原
稿３を搬送するための搬送ベルトである。上記搬
送ベルト２は幅広な１枚の無端ベルトよりなり、
プラテン１の上方において搬送方向に離間して設
置された一対のローラ４間に捲装されて、図示し
ない駆動系により矢印方向へ回転されるようにな
つていると共に、上記搬送ベルト２の表面には２
群のブロツク状原稿送り部材５が搬送方向にベル
ト全長のほぼ２分の１離間して突設されている。
各群の原稿送り部材５は搬送ベルト２の幅方向に
複数分割されていて、これら原稿送り部材５によ
りプラテン１の搬入側（図では右側）より搬入さ
れた原稿３がプラテン１上面に沿つて搬送される
と共に、プラテン１の搬出側には各原稿送り部材
５の間に位置するよう位置合せ部材６が設けられ
ていて、これら位置合せ部材６によつてプラテン
１上へ搬入された原稿３が位置合せされる。

一方７は原稿搬入側に設けられた原稿検出セン
サで、この原稿検出センサ７により原稿３の挿入
が検出されると、搬送ベルトが矢印の方向へ回転
を開始するようになつていると共に、原稿搬出側
には搬送ベルト２の側縁部に設けられた切欠２ａ
を検出して、搬送ベルト２が２分の１周したとこ
ろで停止させる原稿停止センサ８が設けられてい
る。

ところがこのようにした原稿送り装置では原稿
送り部材の停止位置のバラツキが原稿を送る性能
に大きく影響する。すなわち、第３図のように停
止が早過ぎるとプラテンとの間にニツプが形成さ
れないで位置合せができず、第４図のように停止
が遅過ぎると原稿を搬送する部分が少なく途中で
離脱しやすい。

上記のことを解決する手段としては、電磁ブレ
ーキあるいは機械的なブレーキを設けることが考
えられるが、電磁ブレーキによる場合、スペース
が大きくなつてコストアツプになる。また機械的
なブレーキでは負荷が大きくなり、ドライブ系の
クラツチ、モータに悪影響を及ぼすという欠点を
有する。

本考案は上記のことにかんがみなされたもの
で、慣性回転状態の搬送ベルトの原稿送り部材に
当接して、この慣性力にうち勝て搬送ベルトを停
止し、搬送ベルトが搬送回転されているときには
原稿送り部材で容易に押しあげられるようにした
弾性変形するストツパを、停止時の原稿送り部材
の移動方向前端に対向して設けることにより、安
価な構成でもつて搬送ベルトの慣性回転を確実に
停止でき、しかもベルトの通常回転状態での負荷
がことさらに増加するようなことがないようにし
た原稿送り装置を提供しようとするものである。

以下その構成を第５図以下に示した実施例に基
づいて説明する。なおこの実施例において、従来
例と同一部材は同一符号をつけてその説明を省略
する。

搬送ベルト２の原稿搬出側上方に、搬送ベルト
２の原稿送り部材５の移動方向前端に当接するス
トツパ９がフレーム１０に固着して設けてある。
このストツパ９は板ばねにて構成してあり、搬送
ベルト２が通常の回転するときには原稿送り部材
５にて容易に押しあげられ、慣性回転状態では原
稿送り部材５に当接して搬送ベルト２を停止する
ようなばね付勢力を有する構成となつている。

本考案は以上のようになるから、安価な構成で
もつて搬送ベルトの慣性回転を確実に停止でき、
しかもベルトの通常回転状態での負荷がことさら
に増加することがない。

【図面の簡単な説明】

第１図は通常の原稿送り装置の側面図、第２図
は搬送ベルトの斜視図、第３図、第４図は搬送ベ
ルトの停止位置がずれた場合の説明図、第５図以
下は本考案の実施例の要部を示すもので、第５図
は側面図、第６図は斜視図である。 １はプラテン、２は搬送ベルト、３は原稿、５
は原稿送り部材、９はストツパ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 幅広な搬送ベルトの表面に、幅方向に複数分割
   された少なくとも２群の原稿送り部材を、原稿の
   搬送方向に離間して突設し、この原稿送り部材と
   プラテンとの間に原稿をはさんで搬送ベルトの回
   転により原稿をプラテン上に搬送する複写機の原
   稿送り装置において、搬送ベルトの原稿送り部材
   に当接して、この慣性力にうち勝て搬送ベルトを
   停止し、搬送ベルトが搬送回転されているときに
   は原稿送り部材により容易に押しあげられるよう
   にした弾性変形するストツパを、停止時の原稿送
   り部材の移動方向前端に対向して設けたことを特
   徴とする複写機の原稿送り装置。