JPS6122945Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は超重量物を取扱う非旋回式ジブクレー
ン或はフローテイングクレーン等に使用されるバ
ツクステイに関する。

超重量物を取扱う非回転式ジブクレーンの一例
として第１図に示す如きものがある。

即ち、ジブ１及びフロントステイ２をその基部
に於てジブ軸受架台３に軸支すると共にフロント
ステイ２の先端と地盤４とをバツクステイ５によ
り繋結する。而して、ウインチ架台６に配設した
起伏装置７より繰出した起伏ロープ８をジブ１の
先端とフロントステイ２の先端との間に掛け渡
し、起伏ロープ８の繰込み、繰出しによつてジブ
１の起伏を行い得るようにし、又ウインチ架台６
に配設した巻上げ装置９より繰出した巻上げロー
プ１０をフロントステイ２の先端及びジブ１の先
端に掛け回し、巻上げロープ１０により吊具１１
をジブ１の先端下方に吊下げ、巻上げロープ１０
の巻込み、巻戻しで吊具１１を昇降させ得る様に
したものである。

図中１２はジブ転倒防止の為のストツパフレー
ム、１３はクレーン組立時にフロントステイ２を
支持する支持フレームである。

上記したジブクレーンでは、ジブ１の軸力とフ
ロントステイ２の軸力とが両者の軸支点で交差す
る為、両軸力の水平力が相殺させジブ軸受架台３
には垂直力のみが作用する。従つてジブ軸受架台
３は整地した地盤上に据置いているだけである。
この為ジブ軸受架台３は据置誤差、或は地盤４の
不等沈下で傾くことが考えられる。ジブ軸受架台
３の傾斜のうち、クレーン前後方向（第１図に対
し左右方向）の傾斜は機能上問題とならないが、
クレーンの左右方向（第１図に於て紙面に垂直な
方向）の傾斜があつた場合は問題となる。

即ち、フロントステイ２がクレーン左右方向に
幅がある様構成されているとフロントステイ中心
軸線、ジブ中心軸線を左右方向に移動せしめて形
成されるそれぞれの中心軸面も又左右方向に傾斜
する。特にフロントステイ２の傾斜はその先端が
バツクステイ５を介し地盤に拘束されている為問
題があり、フロントステイ２が捩れるという結果
を招く。斯かるフロントステイ２の捩れはフロン
トステイ自体、或は枢着部の破損の原因となりか
ねない。従つて、この様な不具合を避ける為には
据置誤差を可及的に少くするか、不等沈下の虞れ
がある時地盤を補強する等の手段を溝じなければ
ならない。

この為据付に熟練を要し、又基礎工事が必要と
なる等の問題がある。

本考案は斯かる問題を解消すべくなしたもので
あつて、ジブクレーンのフロントステイ先端の左
右側部それぞれを屈撓材を介し地盤に繋結し、バ
ツクステイ先端と地盤間の左右それぞれの屈撓材
長さを変化させ得る様構成したことを特徴とする
ものである。

以下第１図〜第３図に基き本考案の実施例を説
明する。

第１図は本考案に係るバツクステイ５を用いた
非旋回式ジブクレーンであり、その概要は前述し
た通りである。第２図は第１図のＡ矢視図、第３
図は第２図の詳細説明図であつて、いずれもバツ
クステイ５を示すものである。

カウンターウエイト１４にバツクステイロープ
架台１５，１５′を左右一対固着し、該バツクス
テイロープ架台１５，１５′にそれぞれ下部シー
ブブロツク１６、１６′を枢着する。又、前記フ
ロントステイ２の左右先端部に下部シーブブロツ
ク１６、１６′に対峙せしめて上部シーブブロツ
ク１７、１７′を枢着する。

前記した下部シーブブロツク１６、１６′はク
レーンの左右方向に延びる軸１８，１８′に枢着
したシーブ群１９，１９′の他にクレーンの前後
方向に延びる軸２０，２０′に枢着したシーブ２
１，２１′を備えている。

而して、左右バツクステイロープ架台１５，１
５′の間にはバツクステイロープ長さ調整装置２
２を設ける。

バツクステイロープ長さ調整装置２２は、バツ
クステイロープ架台１５，１５′に橋渡した支持
台２３にクレーン左右方向に延びる２本のスクリ
ユーシヤフト２４を回転自在に取付け、該スクリ
ユーシヤフト２４に一対のシーブ２５，２５′を
軸支してなるスライダ２６を螺合せしめ、更にス
クリユーシヤフト２４を該シヤフト２４に固着し
たハンドル２７により手動或はその他の手段によ
つて回転させ得る様にしたものである。

次に、バツクステイロープ２８、２８′の一端
を前記下部シーブブロツク１６、１６′の所要箇
所に繋結した後、下部シーブブロツク１６、１
６′と上部シーブブロツク１７、１７′とを掛け回
し、シーブ２１、２１′で90゜方向変換させ長さ
調整装置２２のシーブ２５、２５′に掛け回し、
バツクステイロープ２８、２８′の他端をバツク
ステイロープ架台１５，１５′に繋結する。

次に、ジブ軸受架台３が不等沈下等で傾斜し、
フロントステイ２の中心軸面が傾斜した場合の上
記実施例で示したバツクステイの作動について説
明する。

フロントステイ２の中心軸面が左右方向に傾斜
すると、その上端左右で高低差を生ずる。ここで
第２図、第３図に於て右端が高じた場合について
述べると、ハンドル２７を回してスクリユーシヤ
フト２４を回転させスライダ２６を紙面右方へ移
動する。このスライダ２６の右方への移動により
シーブ２５，２５′が右側のバツクステイロープ
架台１５へ近接し、スライダの移動量の２倍に相
当する長さだけ下部シーブブロツク１６と上部シ
ーブブロツク１７間に掛け回したバツクステイロ
ープ長が長くなり、又同様の理由で左側のバツク
ステイロープ長が短くなる。従つて、フロントス
テイ２先端左右の高低に合致せしめた下部シーブ
ブロツク１６、１６′と上部シーブブロツク１
７、１７′の距離とすることができる。

斯かる調整により、フロントステイ２の捩れを
防止することができ、フロントステイ自体、或は
その枢着部の破損事故が防げる。

尚、上記実施例に於て、スクリユーシヤフトを
回す手段は手動であつてもモータ等であつてもよ
く、更に該実施例では長さ調整装置を使用した
が、バツクステイロープ架台１５，１５′にそれ
ぞれ巻取装置を設け、左右のバツクステイロープ
２８，２８′をそれぞれ独立に巻取り巻戻す等し
て或はいずれか一方のバツクステイロープ架台に
巻取装置を取付けバツクステイロープのいずれか
一方について上下シーブブロツクの距離を変化さ
せてもよく、更にバツクステイロープ２８，２
８′に代えチエーン等の屈撓材であつてもよい。

以上述べた如く本考案によれば、ジブ、フロン
トステイを枢着した架台が傾斜しても、フロント
ステイの捩れを防止できるので据付作業が極めて
容易になると共に後発的理由によるフロントステ
イの捩れに対し多大の効果を発揮するものであ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るバツクステイを用いた非
旋回式ジブクレーンの概略図、第２図は第１図の
Ａ矢視図、第３図は第２図の詳細説明図である。 ２はフロントステイ、１６，１６′は下部シー
ブブロツク、１７，１７′は上部シーブブロツ
ク、２２はバツクステイロープ長さ調整装置、２
８，２８′はバツクステイロープを示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ジブクレーンのフロントステイ先端の左右側部
   それぞれを屈撓材を介し地盤に繋結し、バツクス
   テイ先端と地盤間の左右それぞれの屈撓材長さを
   変化させ得る様構成したことを特徴とするジブク
   レーンのバツクステイ。