JPS6122854Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は断熱箱、詳しくは、釣用クラーなどの
断熱箱に関する。

一般に、釣用クーラー、レジヤー用クーラーな
どの断熱箱の箱本体は、底壁及び該底壁の周縁か
ら起立する側壁とから成る内罐と外罐と、これら
内外罐間に介装する発泡樹脂製の断熱材とにより
形成しているが、前記内罐、外罐は、主として合
成樹脂を用いてインジエクシヨンにより成形して
いるため、肉厚が厚くなつて重量が重く、その結
果全体が非常に重くなり、また、コススト高とな
る問題がある。

そこで本考案出願人は、前記箱本体を発泡樹脂
により形成し、該箱本体の少なくとも外側に、塩
化ビニール樹脂から成る薄肉の外箱を、外装する
ことにより軽量化した断熱箱を先に開発して出願
したのである。

所で、この先願考案の断熱箱は、箱本体を射出
成形により形成する一方、外箱をブロー成形によ
り形成して、この外箱を前記箱本体の外側に挿入
するのであるが、薄肉の外箱を単に箱本体の外側
に挿入しただけでは、この外箱の長さ方向中間部
が、前記箱本体の外表面に充分にフイツトせず、
この外箱に弛みが生じて、箱本体の外表面に対し
浮上がる弊害がある。

本考案は以上の点に鑑み考案したもので、目的
とする処は、軽量に形成することができると共
に、外箱の箱本体外表面に対する浮上がりをなく
することのできる断熱箱を提供する点にある。

しかして本考案は、発泡樹脂から成る箱本体の
少なくとも外側に、薄肉の外箱を外装した断熱箱
であつて、前記外箱の相対向する側面及び底面
に、これら各面において連続する複数の凹凸条を
設け、前記外箱を、その長手方向に伸縮可能と
し、かつ、前記箱本体の長手方向の長さを、前記
外箱の長手方向長さよりやゝ長目として、前記外
箱を伸長状に前記箱本体に外装するごとくしたこ
とを特徴とするものである。

以下本考案断熱箱の実施例を図面に基づいて説
明する。

図において、１は底壁１ａ及び該底壁１ａの周
縁から起立する四つの側壁１ｂ，１ｃ，１ｄ，１
ｅとから成る横断面矩形状の箱本体であつて、主
として発泡スチロール樹脂又は発泡スチレン樹脂
を用い、射出成形により形成するのである。

しかしてこの箱本体１の外側には、底面２ａ及
び該底面２ａの周縁から起立する四つの側面２
ｂ，２ｃ，２ｄ，２ｅとを備えた例えば塩化ビニ
ール樹脂から成る薄肉の外箱２を外装するのであ
つて、この外箱２は、その相対向する側面２ｂ，
２ｄ及び底面２ａに、これら各面２ａ，２ｂ，２
ｄにおいて連続する複数の蛇腹状の凹凸条２１，
２２，２３を設け、前記外箱２を、その長手方向
（第１，３図Ｘ−Ｘ方向）に伸縮可能とするもの
である。そして、前記箱本体１の長手方向（前記
Ｘ−Ｘ方向）の長さ_１を、前記外箱２の長手方
向長さ_２よりやゝ長目に形成し、前記外箱２を
伸長状に前記箱本体１の外側に嵌込んで外装する
のであつて、前記外箱２の伸長により、前記箱本
体１に密着させ、前記外箱２中間部が箱本体１外
表面に対し浮上がらないようにしたものである。

尚、前記外箱２は、例えば塩化ビニールなどの
合成樹脂を用い、ブロー成形により形成するので
あるが、合成樹脂以外の材料、例えばアルミニウ
ムなどの軽合金により形成してもよい。

又、前記箱本体１の長手方向長さ_１は、外箱
２を箱本体１に外装したとき、第２図に示す如く
前記凹凸条２１〜２３部分をほゞ完全に伸長させ
る長さとするのであるが、凹凸条２１〜２３部分
が完全に伸長しない長さであつても差支えない。
この場合、凹凸条２１〜２３を、外箱２の補強リ
ブとして利用できるので、この凹凸条２１〜２３
近くの箱本体１外表面に対する浮上がりをなくす
ることができるのである。

又、前記箱本体１には、図示した如く、その内
側に、例えば塩化ビニルから成る薄肉の内箱３を
内装して、前記箱本体１の内表面を保護するのが
好ましい。この場合、前記外箱２と同様、内箱３
の相対向する側面３ａ，３ｂ及び底面３ｃに、こ
れら各面３ａ〜３ｃにおいて連続する複数の蛇腹
状の凹凸条３１，３２，３３を設け、前記内箱３
を、その長手方向（前記Ｘ−Ｘ方向）に伸縮可能
とし、かつ前記箱本体１の内側における長手方向
長さ_３を、前記内箱３の長手方向長さ_４より
やゝ短目として、前記内箱３を圧縮状に前記箱本
体１内に嵌込んで内装し、内箱３中間部の箱本体
１内表面に対する浮上がりを防止するごとく成し
てもよいし、その他、内箱３中間部の浮上がりを
防止する手段として、第４図に示す如く箱本体１
及び内箱３の一方に、他方側に突出する外広がり
状の突起４を設け、他方に、前記突起４と係合す
る内広がり状の係合部５を設けて、内箱３の箱本
体１内への挿入時、前記突起４を係合部５に嵌込
んで係合させるごとく成してもよい。

尚、図中６は、前記箱本体１の開口部を閉鎖す
る蓋体であつて、発泡樹脂から成り、その内側及
び外側には、例えば塩化ビニルから成る薄肉の内
箱７及び外箱８を設けている。又、９は前記箱本
体１、内箱３及び外箱２の開口部を結合する枠体
である。

以上の如く本考案は、発泡樹脂から成る箱本体
の少なくとも外側に、薄肉の外箱を外装した断熱
箱であるから、全体を非常に軽量にできるのであ
る。

しかも前記外箱の相対向する側面及び底面に、
これら各面において連続する複数の凹凸条を設
け、前記外箱を、その長手方向に伸縮可能とし、
かつ前記箱本体の長手方向の長さを、前記外箱の
長手方向長さよりやゝ長目として、前記外箱を伸
長状に前記箱本体に外装するごとくしたから、前
記外箱の箱本体外表面に対する浮上がりを確実に
防ぐことができるのである。

又、薄肉の外箱に設ける凹凸条を、外箱の補強
リブとして利用することもできるので、それだけ
外箱を頑丈にでき、破損し難くできるのである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示すもので、第１図は
斜視図、第２図は縦断面図、第３図は分解斜視
図、第４図は別の実施例を示す分解斜視図であ
る。 １……箱本体、２……外箱、２ａ……底面、２
ｂ，２ｄ……側面、２１，２２，２３……凹凸
条、_１……箱本体の長手方向長さ、_２……外
箱の長手方向長さ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 発泡樹脂から成る箱本体の少なくとも外側に、
   薄肉の外箱を外装した断熱箱であつて、前記外箱
   の相対向する側面及び底面に、これら各面におい
   て連続する複数の凹凸条を設け、前記外箱を、そ
   の長手方向に伸縮可能とし、かつ、前記箱本体の
   長手方向の長さを、前記外箱の長手方向長さより
   やゝ長目として、前記外箱を伸長状に前記箱本体
   に外装するごとくしたことを特徴とする断熱箱。