JPS61227313A - 絶縁導体の製造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 ［発明の技術分野］ 本発明は、絶縁導体の製造方法に係り、特に粉体樹脂塗
装により絶縁層を形成する方法に関するものである。

［発明の技術的背景とその問題点］ 一般に、直流回転機（以下直流機という）の補極巻線に
用いられる導体や閉鎖配電盤の母線等は、電気導体（以
下導体という）を絶縁するために粉体樹脂塗装を行って
おり、この粉体樹脂塗装の代表的な方法として流動浸漬
法や成分塗装法がよく知られている。

しかして、流動浸漬法は、熱可溶性粉体樹脂を気中に浮
遊させ、加熱した導体に付着させ、溶融硬化して塗膜を
形成する。又、静電塗装法は、帯電させた粉体樹脂を加
圧空気によって吐出させ、加熱硬化して塗膜を形成する
ものである。

したがって、何れの方法においても、導体表面に酸化皮
膜を形成し、塗装処理後の冷却時や使用条件下における
熱履歴によって塗膜の密着性が著しく低下する。又、導
体と粉体塗膜との熱膨張率の差異が大きい場合、熱応力
によって導体長手方向に剪断力が作用し、これによる応
力が塗膜の接着力より大きくなったときに塗膜の剥離や
クラックが発生する。特に、導体が銅の場合には酸化皮
膜が形成され易く、しかもこの酸化皮膜が脆いため、塗
膜の剥離やクラックの発生を促進させる。

そこで、このような欠点を改善するために、例えば銅の
導体にニッケルやクロム又は銀等のメッキを施し、余熱
や溶融固着の加熱工程で酸化皮膜の形成を防止したり、
ショツトブラストやサンドブラスト等の方法により導体
の表面に凹凸を形成し、塗膜の接着面積を増大し、塗膜
層に遍在された内部応力を分散させて強度の向上を図る
等の対策が施されていた。

これらの対策のうち、メッキによる方法は、メッキ工程
で発生する廃液処理の公害問題やコストの大幅な高騰が
あり、内部応力を分散させる方法は、未だ長期間にわた
る信頼性を満足させるには不十分である等の欠点がある
。

［発明の目的］ 本発明は、上記した事情に鑑みてなされたもので、安価
に粉体絶縁塗装ができ、長期間にわたる信頼性も満足で
きる絶縁導体の製造方法を提供することを目的とするも
のである。

［発明の概要］ 本発明は、導体の表面に絶縁ワニスを塗布し、乾燥した
後粉体樹脂を付着して加熱硬化させ、粉体樹脂を付着さ
せるときに導体表面に酸化皮膜が形成されるのを防止し
て、粉体樹脂の接着力を強化したものである。

［発明の実施例］ 以下、本発明の絶縁導体の製造方法の一実施例を図面を
参照して説明する。第１図及び第２図において、絶縁導
体１は、導体２を予め所定の形状に成形したもので、こ
の導体２の両端部（口出端子となる）２ａを除いた絶縁
所要部に、例えばＴＶＥ５３５２ポリエステルワニス（
東芝ケミカル株式会社の商品名）のような下塗り用の絶
縁ワニスを塗布した後加熱してワニス塗ＷＡ３を形成す
る。

しかして、このワニス塗膜３の表面に例えばＥＰＣ１５
５粉体樹脂（三菱化成工業株式会社の商品名）を流動浸
漬法によって付着させ、加熱硬化によって粉体樹脂塗膜
４を形成する。

このようにすると、ワニス塗膜３によって導体２の表面
が酸素（大気中の）に接触しない状態で、粉体樹脂Ｗ１
１１４が加熱硬化できるので、導体２に酸化皮膜が生じ
ない。このワニス塗膜３は、導体２が銅の場合粉体樹脂
を融着させるために必要とする導体２の余熱、粉体樹脂
を硬化させるときの加熱等で表面に必ず発生する酸化皮
膜の発生を防止するためのものであるから、！！！膜厚
さは、０．０３１−程度で十分である。なお、本実施例
のワニス塗Ｉ１３と粉体樹脂塗膜４の合計厚さは、０．
５〜０．６−であった。

ここで、上記したワニス塗膜３の形成に用いた絶縁ワニ
スは、本実施例ではジメチルテレフタレート、エチレン
グリコール、グリセリン等の縮合物からなるポリエステ
ル線用ワニスとしたが、ポリエステルイミド（ドクタ・
ベック株式会社の商品名テレベックＦＨ）　、アイソミ
ツド（スケネクタデケミカル株式会社の商品名）、ポリ
アミド酸を主成分とするエナメル線用ワニス（デュポン
株式会社の商品名ｐｙｒｅＭＬ）、アミノ酸誘導体とジ
イソシアナートの反応で得られるポリヒダントインエナ
メル用ワニス（バイエル株式会社のレジストサーモＰＨ
−１０又はＰＨ−２０）等でもよく、これらのエナメル
線用ワニスは、塗膜の形成性、厚さの均一性、表面平滑
性、ピンホールの不発生性等絶縁塗膜としてきわめて優
れている。

次に、上記したワニス塗膜３及び粉体樹脂塗膜４の接着
力について行った試験を説明する。第３図において、試
験片５は厚さ６■、幅２５ｅｍ、長さ１５０−　　の銅
板に上記したワニス塗膜と粉体樹脂塗膜を形成したもの
を複数製作し、２枚１組として温度１８０℃で加熱し、
荷重２０ｋａ／　ｃ＋ｅ２で加圧し、この加熱、加圧の
印加時間を変えたものを複数組製作した。

しかして、この複数組の試験片５．５のそれぞれの先端
を２５−重ね、タックパック瞬間接着剤（日本ロックタ
イト株式会社の商品名）で接着して接着層６を形成した
。又、比較のため、銅板に流動浸漬法によって粉体樹脂
を直接付着する従来方法の試験片を製作して試験した。

しかして、同図に矢印で示す方向に引張荷重を加えた結
果、剥離は銅板と塗膜の間に発生し、銅板と塗膜の接着
力の残存率を求めた結果第４図に示すようになった。

なお、同図の横軸は加熱、加圧の印加時間を示す。本実
施例の結果は曲線ａで示す。

同図から明らかなように、本実施例のものは従来のもの
（ｂで示す）に比較して、加熱、加圧の印加時間が３６
０時間までの範囲において、接着力の残存率が顕著に優
れていることが分る。

第５図は本実施例を自動化する場合の一例を示すもので
、所定の形状に成形した導体２を適宜のチェノ６に吊下
げて移動させるが、最初にワニス槽７に浸漬し、次に加
熱炉８で２５０〜２８０℃に加熱し、この後流動浸漬槽
９で粉体樹脂１０を溶融温度２２０℃で塗装し、さらに
この後加熱炉１１で加熱して硬化して絶縁導体１を製作
する。

なお、本発明は上記した実施例に限定されるものでなく
、例えば粉体樹脂は他の市販されているものでもよく、
マイカ、アルミナなどの粉体を充填しても良好な結果を
得られる。又、粉体樹脂塗膜３は静電塗装法で形成して
もよい。

［発明の効果］ 本発明は、以上のように構成されているから、ワニス塗
膜が導体への酸素接触を阻止して強固な粉体樹脂塗膜を
形成することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の絶縁導体の製造方法を適用した電気線
輪を示す斜視図、第２図は第１図のＡ−へ線に沿って切
断し矢印方向に見た断面図、第３図は本発明の一実施例
の接着力試験を示す説明図、第４図は本発明の一実施例
の接着力試験の結果を示す曲線図、第５図は本発明の一
実施例の製造工程を示す説明図である。 １・・・絶縁導体 ２・・・導体 ３・・・ワニス塗膜 ４・・・粉体樹脂塗膜 （８７３３）代理人　弁理士　猪　股　祥　晃（ほか１
名） ＬＡユ 第　　１　　図 ！ 第２図 第　　３　図 第　　４　　図

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. （１）導体の表面に絶縁ワニスを塗布し、乾燥した後粉
   体樹脂を付着して加熱硬化させることを特徴とする絶縁
   導体の製造方法。
2. （２）ワニスを、高分子量のエナメルワニスとした特許
   請求の範囲第１項記載の絶縁導体の製造方法。