JPS6122289Y2 - - Google Patents

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JPS6122289Y2
JPS6122289Y2 JP1984140786U JP14078684U JPS6122289Y2 JP S6122289 Y2 JPS6122289 Y2 JP S6122289Y2 JP 1984140786 U JP1984140786 U JP 1984140786U JP 14078684 U JP14078684 U JP 14078684U JP S6122289 Y2 JPS6122289 Y2 JP S6122289Y2
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    • G01RMEASURING ELECTRIC VARIABLES; MEASURING MAGNETIC VARIABLES
    • G01R1/00Details of instruments or arrangements of the types included in groups G01R5/00 - G01R13/00 and G01R31/00
    • G01R1/20Modifications of basic electric elements for use in electric measuring instruments; Structural combinations of such elements with such instruments
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    • GPHYSICS
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    • G01RMEASURING ELECTRIC VARIABLES; MEASURING MAGNETIC VARIABLES
    • G01R15/00Details of measuring arrangements of the types provided for in groups G01R17/00 - G01R29/00, G01R33/00 - G01R33/26 or G01R35/00
    • G01R15/14Adaptations providing voltage or current isolation, e.g. for high-voltage or high-current networks
    • G01R15/20Adaptations providing voltage or current isolation, e.g. for high-voltage or high-current networks using galvano-magnetic devices, e.g. Hall-effect devices, i.e. measuring a magnetic field via the interaction between a current and a magnetic field, e.g. magneto resistive or Hall effect devices
    • G01R15/202Adaptations providing voltage or current isolation, e.g. for high-voltage or high-current networks using galvano-magnetic devices, e.g. Hall-effect devices, i.e. measuring a magnetic field via the interaction between a current and a magnetic field, e.g. magneto resistive or Hall effect devices using Hall-effect devices
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Description

【考案の詳細な説明】 本考案は電流測定用プローブの磁心部分の磁化
を安定化せしめることにより被測定導体中を流れ
る電流を測定する装置に関する。
クランプ極のプローブはこれまで電流測定装置
に用いられている。この種の装置は電流搬送導体
の表面にプローブを装定することができるように
されており、このため分路などの精密な電流測定
装置要素を挿脱する等の導体自体に対する外乱要
因を避け得る利点がある。従来のクランプ型のプ
ローブは、所望とする磁気特性を有するように設
計された2個のC字形の金属製積層板によつて構
成されているのが普通である。C字形部分は各々
ペンチまたははさみ形の非磁性材料で作られた構
成要素に支持されて、これらの2つのC字形部分
の衝合端の開閉に際して2つの磁心部分が相対的
に運動可能になされている。磁界測定要素として
電流測定プローブでは、しばしばホール効果素子
が利用されるが、ホール効果素子は、C字形磁心
部分が直流電流印加用導電体の一方の端面に配設
されることが多く、導電体は駆動電流を印加する
とともにホール効果により発生した電圧を検出し
てこの素子から支持構造体を経て磁心に沿つて適
当な電圧測定機器に伝達する。この電圧測定機器
には、プローブの磁心を貫通した導体が運ぶ電流
を相対的に指示する指示計器は取付けられるのが
常法である。
上記のような従来のクランプ型プローブの磁心
の構造では磁性材料のヒステリシス効果を補償し
たり除去することが不可能であるという難点があ
つた。この種の測定装置では特定の時点で導体を
流れる電流を測定または確認することを目的とし
ているので、被測定電流が一定の期間内でみると
変動している可能性が大きく、この電流の変動と
測定指示値との関係は磁心材料のヒステリシス特
性によつて左右され、この結果導体を流れる電流
の指示精度を低下させるのである。ヒステリシス
効果の結果として、予め測定した点よりも電流が
増大したか減少したかによつて、導体を流れる特
定の電流値と計器の指示電流値との差が生ずるこ
とになる。この差の大きさは特定の磁心材料のヒ
ステリシス特性の関数である。このヒステリシス
効果を少なくとも最少にするという試みがなされ
これによれば、従来ではよりヒステリシス特性が
理想化された磁性材料の利用をもつぱらとしてき
た。すなわち、磁心材料はヒステリシスの包路線
を最小限になしこれによつて被測定電流の増減に
つれて変動する磁界により誘起される誤差も小さ
くなるように設計または選択される。特定の磁性
材料を選択する技術はヒステリシス特性が理想的
であれば有効であるが、大抵このヒステリシス効
果は残留して電流測定値の誤差となつたのであ
る。また、所期の磁気特性をそなえた特定の磁性
材料の選択は多大の経費を要しこのため電流測定
機器の製作コストを押し上げるものであつた。
最適なヒステリシス特性をもつた磁性材料を選
ぶことはこのヒステリシスによつてもたらされる
誤差を最小化するが、この材料選択方式そのもの
がクランプ型装置の構成には不利である。すなわ
ち、特定の選択された磁性材料は事実上透磁率が
かなり高く、そのため駆動電流が小さい段階で実
質的に飽和してしまうという難点がある。この性
質は、500アンペア以上という大電流の測定に際
しては磁心が不飽和状態で動作されるか磁化曲線
の膝の領域よりも下方で動作される必要があるた
め、重大な難点になるのである。従つて、比較的
高価で高透率の磁性材料を従来装置において用い
るためには、磁心回路にかなり大きな空隙または
エアギヤツプを導入して磁気回路の磁気抵抗を高
めたり磁化曲線の直線領域で動作させ得るように
しなければならなかつた。しかし、磁気的抵抗を
無理に大きくすると、磁気回路がいくつもの空気
漏洩経路を形成しやすくなるという別な欠点が派
生してくる。エアギヤツプ内の磁界はこの場合か
なり減少するが、ホール効果により発生する出力
(同じ電流入力に対する)が小さくなつてしま
う。こうしてホール効果装置と磁気回路との組合
せによつてもたらされる利得の減少を克服するた
めには、ますます電子回路の利得を増大させるこ
とが必要となる。信号レベルが高い電子回路は、
システム全体として見ると温度によるドリフト、
内部発生型の雑音さらに無線周波による妨害に対
して敏感になるという新たな問題が生ずる。同様
にして、電流レベルが低いときにはこの種の電流
プローブはほとんど使用不能になる。磁束密度を
減らすために大きな空隙を用いることによるもう
一つの難点は、外部磁界の妨害に対してより一層
敏感になることである。この妨害は外来雑音とし
て現われ、電流プローブの近傍の開孔外の導体ま
たは鉄族金属によつて発生する。
本考案によれば、電流測定用クランプ型プロー
ブの磁心には汎用され低価格の磁性材料を用いた
安定化コイルを用いることができる。こうした磁
性材料のヒステリシス効果が高価な特殊合金材料
に比べて難点があるとしても、本考案における安
定化コイルは、ヒステリシス効果をうまく補償
し、より一層低廉な磁心構成材料の活用に向くよ
うになされている。
本考案による磁心の安定化は、事実上理想的な
磁化特性で磁心を効率よく動作させることとして
定義される。安定化コイルを減衰型の発振波形の
電流で周期的に励磁すると、磁心の電流誘導磁界
についてそのヒステリシスループの有効メデイア
ンに効率よく安定させこの磁心の磁化をほぼ理想
的な磁化曲線に近づけることができる。減衰振動
波形の電流を印加してヒステリシス効果を効果的
に取除くと、所定の電流値で正確に反復して電流
を測定することができる。この安定化によるもう
一つの利点は装置が電気的にゼロに設定できるよ
うにしてわずかな電流もさらに正確に測定し得る
ことである。
本考案による安定化技術を用いたときの特に有
利な点は、電流プローブとして本来磁気飽和点の
高い磁性材料を用い得ることである。飽和レベル
が比較的高い磁性材料を用いずと、この種のプロ
ーブを組み込んだ測定機器の電流測定範囲が広く
なるという利点がある。もう一つの利点は、磁心
における空隙を大きくしなくてすむから磁気抵抗
が大きくならずにすむことである。前述のよう
に、空隙の長さを長くすると、ホール装置が検出
する磁界の空隙を通る経路よりも空気経路を通る
漏洩磁束が増大する難点がある。
本考案によれば、ホール効果装置はC字形の区
間部材をもつた磁心の一方に精密に調節され空隙
を形設すると好適である。この空隙はからり小さ
く精密調節できるので測定条件を均一にして空気
経路の磁束漏洩の最小化を実現できる。上記のC
字形の部材の一方の端面にホール素子を位置決め
すると、クランプが導体のまわりを閉じたとき空
隙の状態がしばしば変動するという問題が生ず
る。従つて、本考案によるホール効果素子の位置
決めおよび磁心の構成は磁心における2個のC字
形区間部材の閉路によつて、上記の問題を解決し
得るものであり、以下本考案の実施例に関する添
付図にもとづいて説明する。
第1図には本考案の背景となる電流測定装置に
組込んだクランプ型プローブ10が示されてい
る。この第1図の構成での電気的な接続係統につ
いては第5図に示されている。1本の複合導体ケ
ーブル11は関連する計装との電気的接続をなす
ものである。クランプ型プローブについて図示し
説明するが、本考案は固定装置の電流計測センサ
であれば等しく応用し得ることは言うまでもな
い。
プローブは2つの細長いチヤンネル形のハウジ
ング区間部材12,13からなつている。2つの
部材12,13はピボツトピン14によつてほぼ
中間点で相互に枢着されている。2つのハウジン
グ部材12,13内部のピボツトピン14により
担持されたねじりばね15はケーブル11が挿入
されて対向端部どうしに緊締力が加わるように他
方の対向端部どうしを離間させるように連結され
ている。一方のハウジング区間部材13は、その
幅が反対側の部材12よりも狭くなつていてこれ
を嵌まり込んだ形になり、内部構成要素をかなり
完全に保護封鎖するだけでなく閉止構造をもつた
外観を与える形状に改善している。ハウジング部
材13の一端にはケーブル11の耐張力安全コネ
クタ16が装着されたケーブルの摩損や機械的な
損傷を防止している。ハウジング部材12,13
は各々長目の側壁17,18を有する。
2区間の磁心20は端部にケーブル11が挿入
されるように対向したハウジング区間部材12,
13内に据付けられている。これらの部材12,
13は非磁性材料で作られてよく、磁心そのもの
の動作を妨害しないように磁気低孔の高い磁束経
路を形成するようになされている。これらハウジ
ング部材を作るには耐衝撃強度の高い合成樹脂材
料を用いると有利である。ハウジング部材は非磁
性材料で作られるとしたが、ハウジングまたはシ
ールドと磁心との磁気抵抗経路の回路抵抗を高く
保つ点に配慮して外部磁界に対するシールド(磁
気的遮蔽)をするために磁性材料を用いてもよ
い。
後述するように、長方形の閉ループに形成され
た磁心20は各自ハウジング区間部材12,13
にそれぞれ取付けらた2個の部材21,22で作
られている。2個の区間はクランプを電流搬送導
体に着定したてき、端面磁極が合体して磁気回路
を閉じるようにC字形をしている。2個のコア部
材21,22の取付けは、各ハウジングにこのコ
ア部材を接着することによつて行うと好適であ
る。ハウジング部材12,13は各々磁心の中央
区域に電流搬送導体が挿通できるように拡大開孔
を形成する形をしている。この導体は第1図の破
線Cによつて示されている。各ハウジング部材1
2,13のそれぞれの側壁17,18には、従つ
てそれぞれ切欠23,24が形設され、これらの
特定の磁心20が受入れ得る最大寸法までの様々
な導体を受入れるかなり大きな開口25を画成し
ている。切欠23,24の各周縁部は磁心の内表
面からやや内側に一定距離だけ保間させることに
よつて、磁心の保護構体を形成し得る。このため
切欠の端縁は導体に接することにより、磁心の摩
耗は避けられることになる。
端子またはコネクタ板28はハウジング部材1
3内に設けられてケーブル11の何本かの導体が
それぞれの端子ピン29に接合されている。磁心
の構成部品との接続は各端子ピンとの適当な接続
によつて簡単に達成される。
上述のタイプのプローブの動作はたやすく理解
できる。使用者はケーブル11に接近させたハウ
ジング12,13の双方の端部を単にたがいに押
して合てめるだけでよく、これによつて反対端部
が開いて導体Cを出し入れできることになる。使
用者が押している力を抜くと、ねじりばね15は
磁心を取付けたハウジング部材端部を再び閉じる
のである。これは切欠23,24で画成された開
口25内に導体Cを閉じ込めて固定する。
磁心20の構成に伴う形状はホール効果素子3
0および安定化コイル31との関係とともに第2
図に示されている。第2図において、磁心20は
矩形の閉じた磁気経路を形成するための相対的に
閉じられた関係で配設した2個のC字形のコア部
材21,22を備えてなる。一方のコア部材21
は上記のC字形部材を形成し合つて支持されてい
る2個の同様な部材または構成要素21a,21
bからなる。もう1つの部材22は単片の磁気的
に整合するC字形部材として形成されている。部
材21および22はいずれも対向端面がプローブ
10を導体にクランプさせたときたがいに相互に
接触し合うようにされている。このような配列に
よれば、2つの部材21および22はプローブが
導体をクランプしたときコアの端面にギヤツプが
生じない。1個の部材21の2つの部分21aお
よび21bはほぼ中央の比較的狭い空気間隙32
で分離されている。この空気間隙32内にはその
一面を形成した部材21aの面に接着されている
ホール素子30が配置され、この素子に接続され
た数本の導線が磁心の外周に取出されて端子取付
板28上の各ピン29に固定されている。
コア部分21aの一方の脚部には安定化コイル
31が配設されている。この安定化コイルはプラ
スチツクのボビンに巻装され安定化磁界を発生さ
せるに必要な所定の巻数の導線を含む。安定化コ
イルを形成する導線の両端にはそれぞれ取付板2
8上のピン端子29に対て各リード線35,36
で結ばれている。
第2図に示すプローブは最大電流600アンペア
程度の電流を測定するものである。この電流測定
機器の磁心20は外径が6.3センチメートル(2
1/2インチ)程度で事実上矩形している。コア部
材の横断面はたて横ともに1.2センチメートル
(約1/2インチ)であり、電流搬送導体を受入入れ
る内孔のたて横の寸法は約3.8センチメートル
(11/2インチ)である。コア部材21に形成した
空気間隙32は、最大600アンペアを測定し得る
プローブでは約1.6ミリメートル(1/16インチ)
である。本考案による例示したプローブは磁心が
“Silectron”なる商品名の材料で構成されてい
る。この材料はケイ素3%を含む粒界を配向させ
た冷間圧延合金鋼である。上記空気間隙32は測
定する最大電流だけでなくコアを形成する材料の
特性に応じて増減される。同様にして、磁心は成
層構造のものにするとよいがむくの構造であつて
もよい。
前述のごとく、空気間隙32内にはホール素子
30が配置されている。典型的なホール素子の寸
法はたて横が2.5ミリメートル(1/10インチ)、厚
さ0.58ミリメートル(0.020インチ)である。こ
の素子は空気間隙の一方の側面の端面中央に接着
するとよい。
上記の実施例において、安定化コイル31は30
番の磁性細線を100〜1000回巻いて作られる。こ
の細線はピーク電流で200ミリアンペア程度流れ
るに適した安定化コイル31を作るのに好適であ
ることが判明した。磁心にシレクトロン鋼を用い
る図示実施例では、必要とする高精度の測定を達
成するとともに比較的低廉な磁性材料を用いても
すぐれた特性を得ることが示される。このシレク
トロン鋼材料は他の2種の市販されている電流測
定用プローブのコア材料と比較される。こうした
材料は一方がコード番号4750でまた他方がモリブ
デンパーマロイとして4−79の番号が付けられて
いる。これらの材料の磁気特性を比較すると、シ
レクトロン材料は約18000ガウスで磁気的に飽和
するがモリブデンパーマロイ材料は約6000ガウス
で飽和する。上記の番号4750の材料はこれら中間
の約10000ガウスで飽和する。これらの磁性材料
は比較の便宜のために選ばれたにすぎず本考案に
よる電流測定用プローブを構成する際これらに限
定される訳ではない。
通常、磁心は多数の薄板を成層して所望とする
形状に加工することによつて作られる。こうした
磁心の磁化特性MCおよびヒステリシス特性HC
が第3図に示されている。この第3図は図解のた
めであり、特定の材料に特有の特性を示すもので
はない。代表的な磁性材料で作られた磁心に磁界
が誘導されると、第3図に示した形状の磁化特性
MCによつて、発生した磁束密度が測定される。
すなわち、磁界強度が増大すると、磁束密度も比
例して増大し磁界の相対的極性にしたがつて磁化
曲線MCが描かれる。磁心が飽和すると、磁界が
増大しても磁束密度はそれ以上大きくならない。
磁界が減少すると、残留磁化のために磁化曲線
MCは追従せず、典型的な動作状況における磁束
密度はヒステリシス特性が両象限でかなり対称的
になるからより一層正確に測定される。
電流測定値は電流を所定値に維持したい場合な
どには一定の周期で取出すのが普通である。この
所望とする電流または公称電流およびこれに対応
する発生磁界の変動は局部的な磁束密度の変化を
もたらす。電流測定用のプローブ型の機器を用い
ると、実際上の立場から測定された磁束密度と特
定の電流または発生磁界との間にはかなりの差が
生ずることがあり、これは測定時の電流の増減に
左右されるものである。磁心はヒステリシス特性
の基礎となるものであるから、この差は装置が指
示した検出電流に相当の誤差を生ずることにな
る。この誤差は、特定の見掛けの電流のときに検
出される磁束密度がこの見掛け上の点における磁
界または効出電流の増減にしたがつてヒステリシ
ス特性がわずかに変動するという事実にもとづい
て生ずる。このヒステリシス効果のため、電流が
一方向に少しずつ変化しこの結果反対の方向に同
じ大きさの変化があつても同じ大きさで出力が発
生されないことになる。これまで用いられてきた
公知のプローブ型の電流測定装置の難点は上述の
ような点を含み、従つて本考案はこれを解消する
ことである。本考案はプローブ型の機器によつて
示される出力の測定精度を大巾に改善するもので
ある。
前述のように、本考案によれば、安定化コイル
31は磁心20に取付けられた減衰振動波形の電
流で周期的に励磁されてこの磁心内に同様な波形
の磁界を誘導するとともに被測定電流によつて誘
導された直流磁界と重畳される。上記の安定化電
流の周期的印加については後述するが、こゝでは
安定化電流を印加するための回路は基本的に第4
図に示されているに注目する必要がある。この回
路は、両端子がスイツチング素子41により安定
化コイル31または適当な電圧源Vに切換接続さ
れるコンデンサ40を含む励磁回路をそなえた安
定化コイル31を組込んでいる。スイツチング素
子41は単極2位置であつてもよくその極は電圧
源Vの端子または安定化コイル31の端子に接続
されるとともにコンデンサ40との回路接続をし
た極を有している。前述の安定化コイル31に対
する電圧源Vは100ミリアンペア、30ボルト程度
の直流電流を与えるものでよい。コンデンサ40
の充電はスイツチング素子41がコンデンサと電
圧源とを接続させているときに行われる。コンデ
ンサが十分に充電されると、安定化コイル31は
磁心をそなえたプローブに関連してスイツチ41
を動作させるだけで励磁される。これには、スイ
ツチ41でコンデンサを安定化コイルに接続させ
このコンデンサを放電させる状態にすればよい。
コンデンサがコイルを通じて放電すると、第4a
図に示すような減衰振動の波形の電流が生ずる。
この振動電流は最大値200ミリアンペアで約180Hz
の周波数で振動しゼロ電流になるまでに約15ミリ
秒かかる。
安定化コイル31によつて発生した安定化磁界
はプローブが監視している電流搬送導体によつて
誘導された磁界と同時に印加される。この減衰振
動波形の磁界が、直流磁界または定常磁界に重畳
されると、減衰振動波形の電流が小さくなるにつ
れてヒステリシス効果は減少する。即ち、このよ
うな振動電流による磁界は磁心の磁化に影響を及
ぼしてこの磁心の振動磁界によるヒステリシスル
ープを次第に縮小させる。こうしたヒステリシス
ループの大きさは、導体内を流れる電流のみによ
る磁化に到達するまで漸減する。実際、磁心の磁
化から印加された振動磁界の分が消えて装置によ
り検出されなくなり、従つて、減衰振動波形の電
流によつて安定化コイルが周期的に動作しても振
動磁界によるヒステリシス効果はほとんど磁心に
及ばなくなる。従つて、磁心は第3図に示すよう
なヒステリシス特性HCに対してでなくほぼ理想
的な磁化特性のMCにおいてその全測定範囲にわ
たつて動作することになる。
第6図に安定化コイルを用いかつ磁心に安定化
処置をしたときの効果が示されている。第6図は
シレクトロン鋼のような材料の安定化したときお
よび非安定のときの動作特性を例示している。こ
のグラフは正確な分路型の機器で測定した電流値
のフルスケールに対するパーセント誤差をクラン
プ型プローブで正確に測定した電流と比較したも
のである。先ず非安定の特性Aを考察すると、電
流が正方向に増すにつれて特定の誤差特性が発生
することがわかる。グラフ化するデータを得よう
とする場合、導体を流れる電流を先ず段階的に増
加した後次に段階的に減少させて正負両電流範囲
におけるデータを得る。回路を正負に再接続する
ときにゼロ区域に不連続が現われるが、これは動
作回路には現われない。次に、約500アンペアの
最大値から電流を減らして飽和領域にほぼ近い状
態から離れさせると、電流の増加中よりもかなり
高いパーセント誤差が発生した。このような特性
は電流を負方向に増してからゼロにまで近づけて
いく過程でも一般に生ずる。実際上、誤差の包絡
線が生じて上記の特性を描くことができ、これは
磁心に用いた特定の磁性材料のヒステリシス効果
のなせるわざである。このことは、非安定状態の
磁心ではヒステリシス効果によつて特定の電流に
対し再現性をもつた結果が得られないことを如実
に物語る。
本考案装置を用いると上記Aと対比して、曲線
Bからわかるように、安定化による効果がきわめ
てすぐれ、図示の電流範囲では再現性をはつきり
現わすことが理解されよう。このグラフから、電
流の増減または測定範囲の正負に無関係に誤差が
同じに保たれることがわかる。従つて、最小限の
プローブの校正をしておけば機器の全動作範囲に
わたつて再現性のよい正確な結果を生ぜしめるよ
うにすることができる。第6図によつてさらに、
全体で1000アンペア(−500〜+500アンペア)の
きわめて広い電流範囲にわたりかなり正確な測定
が得られることもわかる。パーセント誤差がフル
スケール(500アンペア)にもとづくから、特に
低電流領域ではきわめて正確な電流が測定できる
ことがわかる。
電流を減少して飽和領域内またはその近傍にお
ける動作を避けるようにした状態におけるシレク
トロン材料を用いたときの試験結果も得られた。
第7図は正負の最大被測定電流が400アンペアの
ときのデータをプロツトしたグラフである。安定
化による利点は電流の増減にさいしての指示がき
わめて近似していることからも明白にうかがわれ
る。測定状態が安定化したBと安定していないA
とでは、上記の材料を用いても非安定化状態に発
生する誤差に照らして許容不可能な測定条件にあ
ると言える。安定化によつてもたらされる上記の
明白な利益が第8図に示され、こゝではいずれの
方向にも最大の測定電流が200アンペアであつ
た。本考案による安定化を磁心に施こさない場
合、測定値は到底受入れ難い誤差を生ずるだけで
なく再現性も悪化していることが了解される筈で
ある。
同じ試験は番号4750の磁性材料で製作した磁心
についても行われた。この試験は3つの異なる電
流範囲すなわち最大400アンペア、200アンペア、
100アンペアで行われた。それぞれの場合に、上
記の材料で製作された磁心の動作は、3つの電流
範囲のそれぞれについて安定化処置により相当に
改善されることが明らかになつた。さらに、第
9,10図の曲線を第7,8図の曲線とシレクト
ロン材料に対する同じ電流範囲で比較して見る
と、このシレクトロン材料の飽和レベルが高いと
いう要因を考慮すると、番号4750の磁性材料の高
価なことを差しおいて同じ程度の良好な動作をす
ることがわかる。
同様にして同り試験をモリブデン・パーマイロ
イ材料で製作した磁心について行つた。この材料
で作つた磁心についての結果は第12図に示され
ている。本考案による安定化技術を用いることに
より上記の技術の動作特性についてもきわめて高
精度の結果が得られる著しい改良が実現した。し
かし、第12図から非安定状態で動作中のモリブ
デンパーマイロ材料はヒステリシス効果の結果と
して特有の誤差を生ずることが理解されよう。
第5図には概略図示されたクランプ型プローブ
にホール素子を組込んだ検出装置による電流測定
用磁心に用いるための回路が示されている。この
図から明らかなように、ホール素子30と安定化
コイル31を含む磁心の構成要素は関連する計装
の各種要素と接続させられている。この計装に
は、ホール素子をはたらかせるためのホール素子
駆動用定電流を与える回路42が含まれる。ホー
ル素子の出力電圧端子は安定化回路44の動作用
のタイミング信号だけでなく、出力指示値をも与
えるデジタル電圧計43に結ばれている。第5図
に示したこの接続には、電圧計と安定化回路との
相互接続により示されたタイミング信号の結線が
組込まれている。この回路では、安定化回路44
は先に図示した回路のコンデンサ40を自動的に
再充電させるはたらきをする電子式のスイツチン
グ素子41を用いる。必要とする減衰振動波形を
もつた安定化電流を発生せしめるには他の周知の
回路を用いてもよい。
上記のタイプの計装で通常用いられるデジタル
式電圧計は、先ず入力信号が変換され、その間の
導体Cの搬送電流の変化が検出されて結果として
のまたは相対的な指示をなすような検出サイクル
で動作する。上記のタイプの計装における代表的
なサイクルタイムは、電圧計が約8ミリ秒の期間
の変換モードで動作してから次の200ミリ秒間に
わたつて安定状態に保持されるように選ばれる。
この安定状態では、試験中の導体によつて搬送さ
れる電流がどんなに変化しても電圧計はこれに応
答しない。上記の保持期間が経過すると、電圧計
は再び自動的に変換期間に入り励起される。
上記の電圧計は回路内で安定化回路を励起する
とともにコンデンサ40を安定化コイルに接続す
るのに用いられる終期変換期信号を与える。図示
のように、この信号は変換期間の終期に発生して
安定化信号を磁心に印加するための最適時点を表
わす。これは、デジタル式電圧計が磁心に誘導さ
れる安定化磁界の作用を何ら受けないからこれに
基づく誤差信号を発生しないということによる。
また、上記の安定化信号は、減衰振動波形の電流
によつて発生する磁界の初段ビークの極性が被測
定電流によつて発生される磁界の極性と反対にな
るように印加することが望ましい。特に被測定電
流が正の場合、減衰振動の安定化電流は負方向の
ピークを先ず安定化コイルに印加するように加え
られる。
上述したことから明らかなように、本考案の新
規かつ有効な技術はクランプ型プローブによる電
流測定値の精度を向上する。読取り直前における
磁心が安定化しているということは、ヒステリシ
スルの作用を取除き被測定電流の変動にかかわず
指示の再現性を著しく良好ならしめる。同様にし
て、本考案による安定化技術は磁心の構成材料に
入手しやすい磁心材料を利用することを可能なら
しめる。安価な磁心材料を使用できるため、この
ことはさらに飽和レベルの高い材料を常用して機
器の有効範囲を拡大するとともに、空気経路の磁
気漏洩を減少させて空気間隙が大きい場合にも飽
和レベル近傍での動作を妨げられないようにする
こともできるのである。
【図面の簡単な説明】
第1図は電流測定計器に用いられる代表的なク
ランプ型プローブの斜視図、第2図は安定化コイ
ルを設けた上記プローブの磁心の拡大斜視図、第
3図は理想的な磁化曲線と代表的なヒステリシス
特性のグラス、第4図は安定化コイルの電気回路
の概略図、第5図は動作回路に接続された本考案
による磁心の概略図、第6図、第7図、第8図は
3つの電流範囲で動作したときの、普通の磁性材
料を用いた考案のプローブ用磁心に関する動作特
性をグラフにしたもの、第9図、第10図、第1
1図は電流範囲に応じて決められる特殊な磁性材
料を用いたときの動作特性の同様なグラフ、第1
2図は1つの電流範囲に対する別の特殊で高価な
磁心材料を用いたときの動作特性のグラフを示
す。 10……クランプ型プローブ、20……磁心、
21,22……コア区間部材、30……ホール素
子、32……空気間隙、31……安定化コイル、
C……導体。

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 下記の構成を有してなる導体内を流れる電流測
    定用プローブ:前記導体の通過部を囲繞する透磁
    性の磁心;前記磁心と電磁的に結合関係に配置し
    た。前記磁心の磁束経路における磁束に応答して
    電気的信号出力を発生する磁界センサ;それ自体
    の内部を流れる電流に応じて前記磁心中に磁界を
    誘起せしめるための、前記磁心に電磁的に結合さ
    れた磁界発生型安定化コイル;前記磁界発生型安
    定化コイル内に短い周期で複数の減衰振動波形の
    電流を連続的に発生せしめて、前記導体が前記通
    過部に装入されかつ該導体に電流が流れている
    時、前記磁心における前記電気的信号出力をほぼ
    ヒステリシス効果のない理想的な磁化曲線に沿う
    ように維持する手段;前記減衰振動波形の電流と
    前記電気的信号出力とを測定して前記導体内を流
    れる電流を指示する手段。
JP1984140786U 1976-03-08 1984-09-17 電流測定用プロ−ブ Granted JPS6070071U (ja)

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