JPS6122190Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、セパレート形空気調和機における天
井吊形あるいは壁掛形等の室内ユニツトに関し、
特に前面下部の隅角部に取付けられるコンパネの
取付構造に関するものである。

従来、セパレート形空気調和機の天井吊形ある
いは壁掛形の室内ユニツトにおいて、その前面下
部隅角部（通常は右隅角部）にはコンパネが設け
られており、該コンパネは本体ケーシングにビス
止めによつて取付けられ、その上から吸込グリル
等が取付けられていた。

そのため、コンパネと吸込グリルとの間の目地
あるいはコンパネと本体ケーシングの下面に取付
けた下部飾り枠との間の目地にバラツキが生じや
すく、その結果、側板との目地合せも悪くなり、
外観を悪化させ、商品価値を低下させるという問
題があつた。また、ビス止めによるため、組立作
業性が悪いという問題もあつた。

本考案は斯かる点に鑑みてなされたもので、前
記コンパネを、吸込グリルと下部飾り枠との間に
側方からスライドさせて差込む構造とするととも
に、この差込みを容易としながらもコンパネを確
実に係止しかつ面一に取付けるようにすることに
より、コンパネと吸込グリルとの間やコンパネと
下部飾り枠との間の目地のバラツキをなくし、目
地出しを良好にして、側板との目地合せを良好に
行い得るとともに、ビス止めを不要にして組立作
業の容易化及び確実化を図り得るようにした室内
ユニツトを提供せんとするものである。

このため、本考案の構成は、吸込グリルの下端
部に、前方に開口する係止突溝を有する断面略コ
字状の係止突条部を設ける一方、本体ケーシング
下面部又は該下面部に装着された下部飾り枠の前
端部に、上方に開口し断面が略上下方向から略水
平方向に湾曲した形状の係止条溝部を設ける一
方、コンパネの上端部に、前記係止突条部の係止
条溝に摺動自在に係合する前側の突片と、前記係
止突条部の背面に当接する後側のＬ形片と、該Ｌ
形片の水平部に設けられ前記係止突条部の下面に
当接して前記前側突片とで係止突条部を挾持する
よう上方に突出する円弧状の突起とを備えてな
り、前記係止突条部に上下及び前後方向に抜け不
可能に係止される上部係合部を設けるとともに、
該コンパネの下端部に、前記係止条溝部に摺動自
在に係合し上下及び前後方向に抜け不可能に係止
される下部係合部を設け、前記上部係合部の前側
突片と後側Ｌ形片とをコンパネの上端に沿つて交
互に位置するように設け、前記コンパネを、吸込
グリルの下端部との間に側方から差込んで、面一
に取付けたものである。

以下、本考案の実施例を図面に基づいて詳細に
説明する。

第１図ないし第３図は本考案の実施例に係るセ
パレート形空気調和機の天井吊と壁掛兼用の室内
ユニツトＡを示し、１は本体ケーシングであつ
て、該本体ケーシング１の前面中央部には吸込口
２が開設され、該吸込口２には吸込グリル３が装
着されている。また、本体ケーシング１の前面下
部、すなわち吸込口２の下部には吹出口４が開設
され、該吹出口４には吹出グリル５が装着されて
いる。さらに、本体ケーシング１内には、前記吸
込口２に対向して熱交換器６が、また該熱交換器
６の下流側にクロスフローフアン７がそれぞれ配
設され、吸込口２から吸込んだエアを熱交換器６
で熱交換したのち、クロスフローフアン７により
吹出口４より吹出すように構成されている。尚、
８は熱交換器６の下方に設置したドレンパン、９
は本体ケーシング１側面に装着した側板、１０は
本体ケーシング１下面に装着した下部飾り枠、１
１は該下部飾り枠１０の後方に連設された配管盲
板、１２は天井吊用の吊り金具、１９はフアンハ
ウジング、２０は舌片である。

そして、前記本体ケーシング１の前面下部側
方、すなわち吹出口４の側方（図では右側方）に
は吹出グリル５の水平羽根を軸支する軸受板１３
を介してコンパネ１４が装着されている。該コン
パネ１４の裏側には、電気部品を取付ける板２２
を設けて、スイツチボツクス用スペースを形成し
ている。

このコンパネ１４の取付構造を詳述するに、前
記吸込グリル３の下端部には前方に開口する係止
条溝１５ａを有する断面コ字状の係止突条部１５
が設けられているとともに、前記下部飾り枠１０
の前端部には上方に開口し上下方向から水平方向
に湾曲した断面略Ｊ字状の係止条溝部１６が設け
られている。一方、コンパネ１４の上端部には前
記吸込グリル３の係止突条部１５に摺動自在に係
合しかつ該係止突条部１５を抱持せしめて係止突
条部１５に上下及び前後方向に抜け不可能に係止
される上部係合部１７が形成されているととも
に、下端部には前記下部飾り枠１０の係止条溝部
１６に摺動自在に係合しかつ該係止条溝部１６を
抱持せしめて係止条溝部１６に上下及び前後方向
に抜け不可能に係止される例えば３個の下部係合
部１８，１８，１８が形成されている。前記上部
係合部１７は、前記係止突条部１５の係止条溝１
５ａに摺動自在に係合する３個の前側の突片１７
ｂ…と、前記係止突条部１５の背面に当接する４
個の後側のＬ形片１７ａ…とが交互に位置する如
く設けられて構成されており、該Ｌ形片１７ａ…
の水平片部には前記係止突条部１５の下端面に当
接して前記前側突片１７ｂとで係止突条部１５を
挾持するよう上方に突出する円弧状の突起１７ｃ
…が設けられている。尚、２１は補強リブであ
る。よつて、前記コンパネ１４は、吸込グリル３
下端部と下部飾り枠１０前端部との間に、各々の
係止突条部１５と係止条溝部１６とにコンパネ１
４の上下部係合部１７，１８を係合せしめるよう
側方から差込むことによつて面一状に取付けられ
ている。尚、コンパネ１４は、本体ケーシング１
側面に側板９を取付けることによつて、該側板９
と軸受部１３とで左右から挾持されて定着され
る。

したがつて、前記実施例においては、コンパネ
１４は、吸込グリル３下端部と下部飾り枠１０前
端部との間に、各々の係止突条部１５と係止条溝
部１６にコンパネ１４の上下部係合部１７，１８
を抜け不可能に係止せしめて面一状に嵌入装着さ
れているので、コンパネ１４によつて吸込グリル
３および下部飾り枠１０がそれぞれコンパネ１４
側へ引張られるため、コンパネ１４と吸込グリル
３との間およびコンパネ１４と下部飾り枠１０と
の間における目地出しは良好となり、バラツキを
生じることがなく、このことにより、側板９との
目地合せを良好に行うことができる。しかも、全
体が面一状となるので、目地が目立と難くなり、
よつて室内ユニツトＡの外観を向上させることが
できる。

また、前記コンパネ１４は側方から差込むこと
によつて組付けることができるので、従来の如き
ビス止め作業が不要となり、組立作業性を向上さ
せることができ、コストダウンを図ることができ
る。

この場合、コンパネ１４の上部係合部１７にお
いては、Ｌ形片１７ａと突片１７ｂとは交互に設
けられているため、コンパネ１４はまず吸込グリ
ル３下端部の係止突条部１５にＬ形片１７ａが当
り、つぎに突片１７ｂが当るため、組立時取り付
けやすい。しかも突起１７ｃにより前記突片１７
ｂとの協働で係止突条部１５を挾持して確実に係
止することができるものである。

尚、前記実施例では、天井吊形の室内ユニツト
Ａに適用した場合について述べたが、本考案はそ
の他壁掛形等の各種の室内ユニツトに対しても適
用できるのは言うまでもない。

また、前記実施例では、本体ケーシング１の下
面に下部飾り枠１０を設け、該下部飾り枠１０に
係止条溝部１６を設けたが、下部飾り枠１０を設
けないものにおいては本体ケーシング１下面部の
前端部に直接、係止条溝部を設ければよく、前記
実施例と同様の作用効果を奏することができる。

さらに、前記実施例では、コンパネ１４の下端
部に下部係合部１８を３個ずつ設けたが、長手方
向（コンパネ１４の挿入方向）に連続せしめて設
けてもよい。

以上の如く、本考案によれば、吸込グリルの下
端部に、前方に開口する係止条溝を有する断面略
コ字状の係止突条部を設ける一方、本体ケーシン
グ下面部又は該下面部に装着された下部飾り枠の
前端部に、上方に開口し断面が略上下方向から略
水平方向に湾曲した形状の係止条溝部を設ける一
方、コンパネの上端部に、前記係止突条部の係止
条溝に摺動自在に係合する前側の突片と、前記係
止突条部の背面に当接する後側のＬ形片と、該Ｌ
形片の水平片部に設けられ前記係止突条部の下面
に当接して前記前側突片とで係止突条部を挾持す
るよう上方に突出する円弧状の突起とを備えてな
り、前記係止突条部に上下及び前後方向に抜け不
可能に係止される上部係合部に設けるとともに、
該コンパネの下端部に、前記係止条溝部に摺動自
在に係合し上下及び前後方向に抜け不可能に係止
される下部係合部を設け、前記上部係合部の前側
突片と後側Ｌ形片とをコンパネの上端に沿つて交
互に位置するように設け、前記コンパネを、吸込
グリルの下端部と本体ケーシング下面部又は下部
飾り枠の前端部との間に側方から差込んで面一に
取付けたことにより、コンパネと吸込グリルとの
間およびコンパネと下部飾り枠（又は本体ケーシ
ング下面部）との間の目地出しが良好となり、側
板との目地合せを良好に行うことができるととも
に、全体が面一状となるので、外観を向上させる
ことができ、商品価値を高めることができる。し
かも、従来の如きビス止めを要さず差込むだけで
装着できるとともに、この差込み操作を容易にし
ながらも確実に係止できるので、組立作業の容易
化及び確実化を図ることができるものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示し、第１図は前方か
ら見た全体斜視図、第２図は第１図の−線断
面図、第３図は要部の組立分解斜視図、第４図は
第３図に示すコンパネのＡ矢視図、第５図は同Ｂ
矢視図、第６図はコンパネの一部斜視図である。 Ａ……室内ユニツト、１……本体ケーシング、
３……吸込グリル、１０……下部飾り枠、１４…
…コンパネ、１５……係止突条部、１５ａ……係
止条溝、１６……係止条溝部、１７……上部係合
部、１７ａ……後側Ｌ形片、１７ｂ……前側突
片、１７ｃ……突起、１８……下部係合部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 吸込グリル３の下端部に、前方に開口する係止
   条溝１５ａを有する断面略コ字状の係止突条部１
   ５を設ける一方、本体ケーシング１下面部又は該
   下面部に装着された下部飾り枠１０の前端部に、
   上方に開口し断面が略上下方向から略水平方向に
   湾曲した形状の係止条溝部１６を設ける一方、コ
   ンパネ１４の上端部に、前記係止突条部１５の係
   止条溝１５ａに摺動自在に係合する前側の突片１
   ７ｂと、前記係止突条部１５の背面に当接する後
   側のＬ形片１７ａと、該Ｌ形片１７ａの水平片部
   に設けられ前記係止突条部１５の下面に当接して
   前記前側突片１７ｂとで係止突条部１５を挾持す
   るよう上方に突出する円弧状の突起１７ｃとを備
   えてなり、前記係止突条部１５に上下及び前後方
   向に抜け不可能に係止される上部係合部１７を設
   けるとともに、該コンパネ１４の下端部に、前記
   係止条溝部１６に摺動自在に係合し上下及び前後
   方向に抜け不可能に係止される下部係合部１８を
   設け、前記上部係合部１７の前側突片１７ｂと後
   側Ｌ形片１７ａとをコンパネ１４の上端に沿つて
   交互に位置するように設け、前記コンパネ１４
   を、吸込グリル３の下端部と本体ケーシング１下
   面部又は下部飾り枠１０の前端部との間に側方か
   ら差込んで面一に取付けたことを特徴とする室内
   ユニツト。