JPS6121741Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、両替機、自動販売機などに用いら
れる包装硬貨などの物品の放装置における収納ケ
ースに関するものである。

一般に、金融機関などで使用される大型の両替
機には、包装硬貨を収納する収納ケースを装脱自
在に複数個装置し、放出指令によつて前記包装硬
貨を適宜数放出するための放出装置が装備されて
いるのが普通である。

ところで、従来この種の放出装置の収納ケース
１……には、第１図に示すように、前記収納ケー
ス１……同士を連結する連結装置が設けられてい
る。すなわち、この連結装置は係合ピン１ａと係
止装置２とから構成されている。そして、前記係
止装置２は把手３によつて前記係合ピン１ａに係
脱する係止フツク４が軸５を中心に回動し、これ
に伴つて前記係止フツク４に設けられた連結棒６
が上方に移動し、この連結棒６に設けられた係止
ピン７が係止レバー８の係合段部９に係合し、そ
の結果前記収納ケース１が他の収納ケース１に連
結できるように前記係止装置２の連結準備ができ
るようになされている。

しかしながら、この種の収納ケース１……を図
示しない放機に装着する際には、前記係止レバー
８が前記放出機に設けられた突出片１０に押され
て係止ピン７の係止が解除され、これにより前記
係止フツク４が引張ばね１１により回動して前記
係合ピン１ａに確実に係合しない場合がある。す
なわち前記係止レバー８が突出片１０により前記
係止フツク４の係止が解除された際に、前記係合
ピン１ａが前記係止フツク４に係合できる位置に
存在していない場合があり、このような場合に
は、また新たに前記把手３を持ち上げて、前記連
結棒６の係止ピン７を係止レバー８の段部９に係
止させ、これにより前記係止フツク４の連結準備
をを行なわなければ、前記収納ケース１、１同士
を連結することができいという問題があり、しか
も新たに連結準備をしなければならないため、そ
の操作が大変面倒であるという不都合があつた。

この考案は、上記事情に鑑みてなされたもの
で、その目的とするところは、収納ケースを放出
装置に挿入するだけの簡単な操作により収納ケー
ス同士を確実に連結することができる物品の放出
装置における収納ケースを提供することである。

以下、この考案の一実施例を図面に基づいて詳
細に説明する。図中２０は多数数の包装硬貨（以
下物品として包装硬貨を例にとり説明する。）Ａ
を収納する収納ケース本体であつて、この収納ケ
ース本体２０は平板を略コ字状に折曲して形成さ
れている。この収納ケース本体２０内には前記包
装硬貨Ａを横に寝かした状態で一列に積み重ねて
収納する収納部２１が案内板２２によつて形成さ
れている。そして、前記収納ケース本体２０の上
部には前記包装硬貨Ａを前記収納部２１内に挿入
する挿入口２３が設けられている。この挿入口２
３には弦係止装置２４が設けられている。この係
止装置２４は、前記包装硬貨Ａを前記挿入口２３
から挿入する際に、係止板２５が回転軸２６を中
心に回動し、前記包装硬貨Ａが前記収納ケース本
体２０内に挿入されると、ねじりコイルばね２７
により前記係止板２５が元の状態に戻り、収納さ
れた包装硬貨Ａが前記挿入口２３から飛び出さな
いようになされている。なお、図中２８は前記係
止板２５を所定の位置に規制するストツパ部材で
ある。

また、前記収納ケース本体２０の下部には、前
記包装硬貨Ａが放出される放出口２９が設けられ
ている。この放出口２９にはシヤツター板３０が
設けられていて、このシヤツター板３０は後述す
る解除レバー３１によつて前記収納ケース本体２
０に設けられた係止腕３２が回動されると、回動
腕３３の係止ピン３４が自由状態になり、これに
より前記収納部２１内に収納された包装硬貨Ａ…
…の重さで開放され、包装硬貨Ａが放出されるよ
うになされている。

そして、前記収納ケース本体２０の両側壁にお
ける中間部分には、隣在する収納ケース本体２０
同士を連結する連結装置３５が設けられている。
この連結装置３５について説明する。この連結装
置３５は係合部材３６と係止装置３７とから構成
されている。前記係合部材３６は前記収納ケース
本体２０の側壁にその開放側前方に突出する取付
板３８が設けられ、この取付板３８の先端には係
合ピン３９が立設されている。次に、前記係止装
置３７について説明する。前記収納ケース本体２
０の側壁には、前記取付板３８に対して反対方向
に突出する係止フツク４０が回転軸４１を中心に
回動可能に取付けられている。この係止フツク４
０には解除ピン４２が設けられていて、この解除
ピン４２はその近傍に設けられたかつ収納ケース
本体２０を持ち運ぶための把手４３を回動動作す
ると、前記把手４３の一端（後述する両腕の先
端）により回動され、これにより前記係止フツク
４０が回動軸４１を中心に回動して隣在する収納
ケース本体２０に設けられた係合ピン３９のロツ
クを解除するようになされている。

前記把手４３は、両端から腕を突出させた略コ
字状に形成されるとともに、その両腕の先端寄り
の位置が収納ケース本体２０の両側面に回動自在
に支持されており、てこの原理で、わずかな力で
係合を外せるように配慮されている。

また、前記回転軸４１には前記係止フツク４０
を常に所定の方向（すなわち第２図中反時計方
向）に回動するように作用するねじりコイルばね
４４が取付けられている。更に、前記係止フツク
４０の近傍には前記係止フツク４０を所定の位置
（すなわち第３図に示すように前記係止フツク４
０が他の収納ケース２０に設けられた係合ピン３
９を係止する位置）に規制するストツパー部材４
５が設けられている。なお、前記係止フツク４０
の先端は、前記係合ピン３９が当接して前記係止
フツク４０を回動させやすいように円弧状に形成
されている。

そして、このように構成された収納ケース本体
２０を立てた状態で、第３図および第４図に示す
ように、図示しない放出装置本体に装着する。す
なわち、放出装置本体の上部にガイドレール４６
が設けられていて、このガイドレール４６に沿つ
て前記収納ケース本体２０の上部に設けられたガ
イドローラ４７を載置して前記収納ケース本体２
０……を多数装着する。このように装着された収
納ケース本体２０の下方には放出された包装硬貨
Ａを順次支払口（図示せず）に搬送するベルトコ
ンベア４８が配設されている。このベルトコンベ
ア４８の一側部近傍には、前記収納ケース本体２
０のシヤツター板３０を開放する解除レバー３１
……が、配設されている。この解除レバー３１は
図示しない駆動装置（本出願人が先に出願した特
願昭53−14208号に記載された駆動装置と同じ）
により前記収納ケース本体２０……のシヤツター
板３０……が順次開放されるようになされてい
る。なお、第４図中符号４９は前記ベルトコンベ
ア４８によつて搬送される包装硬貨Ａの個数を数
える計数歯車である。

次に、上記のように構成された収納ケースの作
用について説明する。まず、多数の包装硬貨Ａ…
…を収納ケース本体２０の挿入口２３から順次挿
入して収納し、この後収納ケース本体２０の把手
４３に手を掛けて、前記収納ケース本体２０を持
ち運び放出装置のガイドレール４６に収納ケース
本体２０の上部に設けられたガイドローラ４７を
載置して放出装置に順次装着する。このとき前記
収納ケース本体２０に設けられた係止装置３７の
係止フツク４０が前記収納ケース本体２０の係合
ピン３９に当接すると、前記係止フツク４０の先
端が円弧状に形成されているため、前記係止フツ
ク４０が前記係合ピン３９によりねじりコイルば
ね４４に抗して押し上げられて回動し、更に前記
収納ケース本体２０が挿入されると前記係合ピン
３９が係止フツク４０に係止され、これにより前
記収納ケース２０，２０同士が連結される。ま
た、この連結された収納ケース同士を切り離す場
合には、把手４３に手を掛けて、前記把手４３を
回動させると、前記把手４３の一端が前記係止装
置２４の解除ピン４２に当接して前記係止フツク
４０を回動させ、これにより前記係合ピン３９と
前記係止フツク４０との係合が解除されることに
より、前記収納ケース本体２０を放出装置から取
り出すことができる。

このように収納ケース本体２０が複数個放出装
置に装着されると、まず図示しない駆動装置が動
作して、解除レバー３１が第１の収納ケース本体
２０（第４図中最左の収納ケース本体を第１と
し、順に第２、第３、……の収納ケース本体とい
う）の係止腕３２が回動させ、これにより回動腕
３３が自由状態になるため、前記収納部２１内の
係包装硬貨Ａの重さによりシヤツター板３０が回
動されて開放される。そして、シヤツター板３０
が開放されると、包装硬貨Ａがベルトコンベア４
８により支払口（図示せず）に搬送されると共に
計数歯車４９により計数が行われて、指令された
数量だけ放出される。このようにして、包装硬貨
Ａが第１の収納ケース本体２０内からすべて放出
されると、次の解除レバー２１が第２の収納ケー
ス本体２０のシヤツター板３０を開放する。この
ようにして、順次収納ケース本体２０内から包装
硬貨Ａが放出される。

以上詳細に説明したように、この考案は、物品
を収納する収納ケースを、その側壁に設けられた
係合部材と係止装置とにより放出装置本体に装脱
自在に複数個連結して装着し、放出指令に応じて
前記物品を指令数量放出する物品の放出装置にお
いて、前記係止装置を、前記係合部材によつて揺
動動作して係合する係止フツクと、この係止フツ
クの回転軸に設けられ前記係止フツクを常に所定
の方向に回動させるように作用するねじりコイル
ばねと、前記係止フツクを所定の位置に規制する
ストツパ部材と、前記係止フツクに突設された解
除ピンと、両端から腕を突出させた略コ字状に形
成されるとともに、その両腕の先端寄りの位置が
それぞれ前記収納ケース本体の両側面に回動自在
に支持され、かつ回動することによつて前記両腕
の先端が前記解除ピンを押圧して前記係止フツク
を係合部材との係合を外す把手と、この把手を、
収納ケース本体に収納するために収納ケース本体
の両側面に形成された切欠部とを備えた構成とし
たので、把手を握つてその状態で収納ケースを単
に放出装置に挿入したら、把手を離すという簡単
な操作で、収納ケース同士を自動的かつ確実に連
結して放出装置に装着することができ、また放出
装置から取り外す場合には、単に把手を握るだけ
でよく、放出装置への収納ケースの着脱がすべて
片手で容易に行える。また、把手の腕の回転支点
が腕の先端寄りに位置していて、把手を握つた際
の回動力がてこの原理で倍力されて係止フツク４
０に伝えられる。そのため、係合を外すのに必要
な力が非常に小さなもので済む。また、把手が第
２図に示す如くケース本体内に収納されるため、
収納ケース１個あたりの占有スペースが小さくて
済む。また、その構造が簡単であるため、製作お
よび組立てが極めて容易に行えるなどの優れた効
果も得ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の収納ケースを示す概略側面図、
第２図はこの考案の一実施例を示す斜視図、第３
図は第２図の収納ケースを放出装置に装着する状
態の概略側面図、第４図は収納ケースを放出装置
に装着した状態の概略側面図である。 ２０……収納ケース、３６……係合部材、３７
……係止装置、４０……係止フツク、４１……回
転軸、４２……解除ピン、４３……把手、４４…
…ねじりコイルばね、４５……ストツパー部材、
４……包装硬貨（物品）。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 物品を挿入する挿入口と、収納された物品を放
   出する放出口と、隣在する収納ケース本体同士を
   連結するための係合部材と係止装置とを有してな
   る収納ケースを、放出装置に装脱自在に複数個連
   結して装着し、放出指令に応じて前記物品を指令
   数量放出する物品の放出装置において、前記係止
   装置が、前記係合部材によつて揺動動作して係合
   する係止フツクと、この係止フツクの回転軸に設
   けられ前記係止フツクを常に所定の方向に回動さ
   せるように作用するねじりコイルばねと、前記係
   止フツクを所定の位置に規制するストツパ部材
   と、前記係止フツクに突設された解除ピンと、両
   端から腕を突出させた略コ字状に形成されるとと
   もに、その両腕の先端寄りの位置がそれぞれ前記
   収納ケース本体の両側面に回動自在に支持され、
   かつ回動することによつて前記両腕の先端が前記
   解除ピンを押圧して前記係止フツクと係合部材と
   の係合を外す把手と、この把手を収納ケース本体
   内に収納するために収納ケース本体の両側面に形
   成された切欠部とを備えたことを特徴とする物品
   の放出装置における収納ケース。