JPS6121238B2 - - Google Patents

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JPS6121238B2
JPS6121238B2 JP13496177A JP13496177A JPS6121238B2 JP S6121238 B2 JPS6121238 B2 JP S6121238B2 JP 13496177 A JP13496177 A JP 13496177A JP 13496177 A JP13496177 A JP 13496177A JP S6121238 B2 JPS6121238 B2 JP S6121238B2
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JP
Japan
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group
tylosin
acetyl
acyl
hydrogen atom
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Application number
JP13496177A
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JPS5470291A (en
Inventor
Toshiaki Mori
Rokuro Okamoto
Taiji Inui
Tomio Takeuchi
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SANRAKU KK
Original Assignee
SANRAKU KK
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Publication date
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Priority to US05/954,055 priority patent/US4205163A/en
Priority to EP78101304A priority patent/EP0001841B1/en
Priority to DE7878101304T priority patent/DE2862111D1/de
Publication of JPS5470291A publication Critical patent/JPS5470291A/ja
Publication of JPS6121238B2 publication Critical patent/JPS6121238B2/ja
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Description

【発明の詳細な説明】
本発明は抗生物質タイロシンの新規な誘導体並
びにそれらの製造方法及びそれらを活性成分とす
るヒト及び動物のグラム陽性菌及びマイコプラズ
マ感染症治療用剤に関する。 更に詳しくは、本発明は次の一般式 式中、R1は水素原子又はアセチル基を表わ
し、R2は水素原子、ヒドロキシル、低級アルカ
ノイルオキシ、低級アルカノイルチオ、低級アル
キルチオ又はヒドロキシルアルキル基を表わし、
R3は低級アルキル、アリール、アラルキル、ア
リールスルホニル、低級アルキルチオ、シクロア
ルキルチオ、アラルキルチオ、低級ジアルキルア
ミノ、N−アセチルアリールアミノ基を表わすか
又は酸素は窒素原子2個を含む6員の複素環又は
窒素あるいは硫黄原子2ないし3個を含む5員の
複素環で置換された低級アルキル基を表わす。 但し、R2が水素原子であるとき、同時にR3
低級アルキル基、アリール基、アラルキル基、ア
リールチオ基である場合を除く。 で示されるタイロシンの新規なアシル誘導体又は
その無毒性酸付加塩及びそれらの化学的製造法及
びそれらを主たる有効成分とするグラム陽性菌及
びマイコプラズマ感染症治療用剤に関する。 本発明者らは、マクロライド系抗生物質タイロ
シンのアシル化の研究の過程で以下に述べられる
如くタイロシンの特定の水酸基を選択的にアシル
化する方法を見い出し、タイロシンの新規なアシ
ル誘導体を提供した。すなわち、(1)タイロシンの
3及び4″位の水酸基の生化学的アシル化研究の一
環として、タイロシンの3及び4″位をアシル化す
る微生物を検索した結果、ストレプトマイセス属
に属する微生物がタイロシン、アンゴラマイシ
ン、スピラマイシン等のマクロライド系抗生物質
に対し3位及び/又は4″位の水酸基を選択的にア
シル化する能力を有することを発見し、その発見
にもとづき、タイロシン群及びその他のマクロラ
イド系抗生物質の3位及び/又は4″位の選択的に
アシル化された新規抗生物質の製造法を提供し
た。 (特開昭52−18889,52−18890,52−34983,
52−82790、及び特願昭51−55626) (2)タイロシンの4″位水酸基の化学的アシル化研
究の一環として、4″位水酸基の選択的アシル化の
ための重要な中間体である2′及び4位水酸基が
アシル基で保護された新規な化合物2′,4−ジ
アシルタイロシン及び2′−4−ジアシル−3−
アセチルタイロシンを見い出した。またこれらを
原料として、4″位水酸基を所望のアシル基でアシ
ル化したのち、2′及び4位のアシル基を選択的
に除去して得られるタイロシンの新規な4″−アシ
ル誘導体及びその化学的製造方法を提供した。 (特願昭52−52605) 特願昭51−55626及び特願昭52−52605に記載さ
れている如くタイロシンアシル誘導体は主として
グラム陽性菌に対してタイロシンと同等の抗菌力
を示し、特に4″位の水酸基がアシル化された誘導
体は各種薬剤耐性菌に対して顕著な抗菌性を示し
た。 また、これらの化合物をマウスに経口投与する
とき、タイロシンに比較して、著しく高い血中濃
度を示すことからこれらのアシル誘導体が経口投
与で効果のすぐれたグラム陽性菌感染症治療剤と
して有用であることが明らかにされた。 本発明者らは、上記の知見に基づき、2′,4
−ジアシルタイロシン及び2′,4−ジアシル−
3−アセチルタイロシンを原料として、4″位水酸
基に種々のアシル基を導入した結果、更に有用な
タイロシンの新規アシル誘導体を見い出し、本発
明を完成するに至つた。 本発明の4″位水酸基がアシル化されたタイロシ
ンの新規なアシル誘導体は、各種病源性微生物に
対していずれもタイロシンと同程度の最小発育阻
止濃度(MIC)を維持しており、特に薬剤耐性菌
に対して強い抗菌性を示し、しかも経口投与での
消化管吸収性にすぐれた、化学療法剤として有用
な化合物である。 (1) 化学合成法 本発明において使用される出発物質は、次の一
般式 式中、R1は水素原子あるいはアセチル基を表
し、R4は低級アルカノイル又はハロ低級アルカ
ノイル基を表わし、R5はハロ低級アルカノイ
ル、低級アルコキシカルボニル又はアリールオキ
シアルカノイル基を表わす。 で示されるタイロシンの誘導体であり、その製造
法を特願昭52−52605で提供した。 一般式で示される化合物は、概ね次の如く製
造される。 タイロシン又は3−アセチルタイロシンの2′位
の水酸基を通常のアシル化の方法で、例えば、ア
セトン等の溶媒中、炭酸水素カリウム等の塩基共
存下で、一般式のR4で示されるアシル基のア
シルハライドを作用せしめることにより、2′位水
酸基のみがアシル基で保護された2′−アシルタイ
ロシン又は2′−アシル−3−アセチルタイロシン
を得る。次に、本発明者らによつて検索選定され
た加水分解によつて容易に脱アシル化することの
できる特定のアシル基で4位水酸基を選択的に
アシル化する方法で、例えば、塩化メチレン等の
溶媒中、ピリジン等の弱塩基性試薬共存下、一般
式のR5で示されるアシル基のアシルハライド
を作用せしめ、4位水酸基のみをアシル化する
ことにより、一般式で示される2′,4−ジア
シルタイロシン又は2′,4−ジアシル−3−ア
セチルタイロシンが製造される。 本発明者らにより見い出された一般式で示さ
れる化合物はタイロシン及び3−アセチルタイロ
シンの4″位水酸基のアシル誘導体製造における極
めて重要な原料である。 本発明の一般式で示されるタイロシンの新規
アシル誘導体は次の如く製造される。 すなわち、一般式で示される2′及び4位水
酸基がアシル化されたタイロシン及び3−アセチ
ルタイロシンと一般式 但し、式中Xはハロゲン原子又はピバロイルオ
キシ基を表わし、R2及びR3は上記で規定したも
のと同じ意味を表わす。 で示される化合物との反応によつて、次の一般式
但し、式中、R1,R2,R3,R4及びR5は上記で
規定したものと同じ意味を表わす。 で示される化合物を得たのち、更にこの化合物の
R4及びR5を加水分解又はアルコリシスによつて
選択的に脱アシル化することによつて製造され
る。 一般式で示される化合物と、一般式で示さ
れる化合物の反応において、2′及び4位の水酸
基がアシル化されたタイロシン誘導体の4″位水酸
基は一般に3位水酸基に比べてアシル化され易い
傾向を示すが、本発明の方法によつて4″位をアシ
ル化する場合アシル化剤の種類によつては若干の
3,4″−ジアシル体を副生する場合がある。 一方、2′及び4位がアシル化された3−アセ
チルタイロシン誘導体は4″位のアシル化において
は3位が既にアシル化されているため選択的に
4″位アシル体が生成するため高収率で目的の3−
アセチル−4″−アシル誘導体が得られる。 本発明で用いられるカルボン酸化合物の反応性
誘導体としては、相当する酸ハライド、又はピバ
リン酸等の適当な酸との混酸無水物をいずれも好
適に用いることが出来る。 アシル化剤として上記一般式で示されるカル
ボン酸化合物の酸ハライド又は混酸無水物を用い
る場合、反応は塩基性試薬の存在下に行なわれ
る。塩基性試薬としては、好ましくはピリジン、
ピコリン、ピペリジン、トリエチルアミン等が挙
げられるが、なかんずく、ピリジンの様な比較的
弱い塩基を用いるのが好ましい。 上記反応は通常ベンゼン、トルエン、クロロホ
ルム、塩化メチレン、テトラヒドロフラン等及び
それらの混合物のような非活性有機溶媒中で行な
われるが、塩基性試薬はそれ自身反応溶媒として
使用することも出来る。 反応温度は、−20〜50℃の範囲が許容される
が、高温になる程、副反応物が生成し易いので通
常−10℃乃至室温付近が好適である。 上記反応において、アシル化剤として酸ハライ
ドを用いる場合は一般に式で示される原料化合
物に対し、3〜20倍モルが使用される。この際塩
基性試薬の量はアシル化剤の種類により変動す
る。例えば反応性の低いアシル化剤を使用する場
合は適宜その添加量を増加する必要があるが通常
4〜10倍モル程度が好適である。 また遊離カルボン酸をピパリン酸等の適当な酸
との混酸無水物に導いて用いる場合には、一般式
で示される原料化合物に対して4〜20倍モル、
好ましくは6〜15倍モルが使用される。この際、
塩基性試薬の量はアシル化剤の種類により変動す
る。一般式で示される化合物の4″位水酸基のア
シル化反応におけるアシル化剤(一般式)の具
体例として、例えば、次の如きカルボン酸化合物
が挙げられる。 一般式
【式】の化合物 (但し、式中、Xは上記に規定したものと同じ
意味を有する)
【表】
【表】
【表】 上記の反応によつて得られる一般式で示され
る化合物を反応混合物から分離するためには反応
液にベンゼン、トルエン又は酢酸エチル等の溶媒
を加え、この溶液を飽和炭酸水素ナトリウム及び
飽和食塩水並びに、更に必要ならばPH5〜6の緩
衝液で洗浄した後、溶媒を減圧留去するか、ある
いは更にアルミナ、シリカゲル等を用いるカラム
クロマトグラフイー又は向流分配法等の公知の方
法で精製することにより、目的の2′,4,4″位
が各々アシル化されたタイロシン誘導体又は2′,
4,4″位がそれぞれアシル化された3−アセチ
ルタイロシンを単離できる。 更に、上記の方法によつて得られる式で示さ
れる化合物の部分加水分解はそれらをメタノー
ル、エタノール等の低級アルコール又は含水有機
溶媒に溶解するか、あるいは含水有機溶媒にアン
モニア又はアルカリを添加して室温乃至該溶媒の
沸点迄の範囲の温度で5時間乃至3日間処理する
ことにより、2′及び4位のアシル基のみが選択
的に加水分解されて式で示される本発明の目的
物である4″−アシル誘導体が生成する。 該分解反応に用いる含水溶媒としてはメタノー
ル、エタノール、アセトン、テトラヒドロフラン
等の概ね5〜20%(V/V)程度の水を加えたも
のが好適に用いられる。またアルカリとしては、
例えば、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムな
どが挙げられる。 生成した4″−アシル誘導体は反応液中の溶媒の
大部分を減圧留去したのちベンゼン、トルエン、
酢酸エチル等を加えて溶解し、飽和炭酸水素ナト
リウムで常法により洗浄したのち、溶媒を減圧下
で留去するか更に必要であればカラムクロマトグ
ラフイー等の分離手段を用いて精製することがで
き、本発明の目的化合物である式で示される、
それぞれのアシル化剤に対応する新規な4″−アシ
ルタイロシン及び4″−アシル−3−アセチルタイ
ロシンの純品を製造できる。 また、本発明に関する式で示される新規タイ
ロシン誘導体の好適な塩は、製剤上許容し得る有
機及び無機酸による化合物の塩である。この目的
に使用し得る酸は薬剤化学特に抗生物質の化学に
通常用いられる全ての酸であり、好適には次のよ
うな酸、酒石酸、酢酸、プロピオン酸、クエン
酸、コハク酸等の有機酸、塩酸酸、リン酸等の無
機酸類が挙げられる。 例えば、タイロシン誘導体及びそれと当モル
量の酸をエチルエーテル、アセトンあるいはこれ
らの混合溶媒に各々別々に溶解し、この両者を必
要あれば冷却下に混合することにより塩を形成さ
せ、要すれば濃縮したのち冷却することにより目
的とする塩を析出させ、これを取することによ
り白色(結晶性)粉末として得ることが出来る。
これらの塩はいずれも遊離の化合物よりも水溶液
が増しており、薬剤としての使用形態としてすぐ
れている。 かくして、本発明は、一般式で示されるタイ
ロシン及び3−アセチルタイロシンの2′,4−
ジアシル誘導体を原料として使用し、本発明者ら
が初めて見い出した諸反応の巧妙な組み合せから
成る手段により、一般式で示される新規な4″−
アシルタイロシン及び4″−アシル−3−アセチル
タイロシン誘導体の製造法並びにそれらの化合物
及び酸付加塩を提供するものである。 なお、表1に記載された化合物は本発明のタイ
ロシンの新規アシル誘導体の例を示している。
【表】
【表】 (2) 理化学的性質及び構造 以下、本発明の新規抗生物質の理化学的性状を
述べる。本発明の化合物はいずれも白色粉末又は
結晶性白色粉末であり、メタノール、エタノー
ル、アセトン、ジエチルエーテル、酢酸エチル、
ベンゼン、トルエン、ジメチルスルホキシドに可
溶、水、n−ヘキサン、石油エーテル等に難溶で
ある。 各物質について元素分析、融点、比旋光度、紫
外部吸収スペクトル(メタノール溶液)、赤外吸
収スペクトル(KBr錠法)、核磁気共鳴スペクト
ル(60MHz、重クロロホルム)を測定し、それら
の結果を表2及び第1図〜第9図に例示した。 これらの化合物のメタノール中における紫外部
吸収スペクトル及びKBr錠法による赤外吸収スペ
クトルは置換されているアシル基の種類及びアシ
ル化された位置によつて幾分異なつているが、い
ずれもタイロシンと類似したパターンを示し、特
に、紫外部の極大吸収はいずれもタイロシンと同
様281〜284nm附近にあり、マクロライド環のケ
トン及び二重結合構造に変化がないことを示し
た。 また、これらの化合物の遊離塩基はいずれもタ
イロシンと同様モーリツシユ反応、濃硫酸反応に
対して陽性、ニンヒドリン、ビユーレツト及びミ
ロン反応に陰性を示す。 尚、ここに例示しなかつた本発明のすべての物
質についても同様の分析を行ない、その記載した
通りの構造を支持する結果が得られた。
【表】
【表】
【表】
【表】 (3) 生物活性 抗菌スペクトル 本発明の新規抗生物質の抗菌性を各種病源性
微生物について液体希釈検定法で測定し、最小
発育阻止濃度(MIC,mcg/ml)で記載したも
のを表3に示す。 表3から明らかな通りこれら新規抗生物質は
ほぼタイロシンと同様の抗菌スペクトルを示
し、いずれも主としてグラム陽性菌に対してす
ぐれた抗菌性を示すが、これらの化合物が他の
既知抗生物質に対して、特にすぐれている点の
1つは既存抗生物質群に対して耐性を有する各
種耐性菌に対して顕著な抗菌性を示す点にあ
る。表3において試験菌に*印を付したものは
いずれも患者の体から臨床的に分離された薬剤
耐性菌であり、さらにくわしくは、スタヒロコ
ツカス・アウレウスMS−8710株はタイロシ
ン、ペニシリン、テトラサイクリン・エリスロ
マイシン及びロイコマイシン等に耐性を有し、
スタヒロコツカス・アウレウスMS−9931及び
スタヒロコツカス・アウレウスMS−9937株は
タイロシン、ペニシリン、エリスロマイシン、
テトラサイクリン、ロイコマイシン、スピラマ
イシン、ジヨサマイシン等に耐性を有し、スト
レプトコツカス・ピオゲネスMH771株はタイ
ロシン、エリスロマイシン、オレアンドマイシ
ン、ロイコマイシン等に耐性を示すものであ
る。 更に本発明の新抗生物質はマイコプラズマに
対しても抗菌性を有し、特にタイロシンに比べ
マクロライド耐性マイコプラズマに対する抗菌
力価が著しく高いことが注目される。 例えば、4″−シクロヘキシルチオアセチルタ
イロシン、4″−ベンゼンスルホニルアセチルタ
イロシン、3−アセチル基−4″−ベンジルチオ
アセチルタイロシン、3−アセチル基−4″−
(N−アセチルアニリノアセチル)タイロシ
ン、3−アセチル−4″−D−(α−ヒドロキシ
フエニルアセチル)タイロシンの各種マイコプ
ラズマ・ガリセプチキユウム(Mycoplasma
gallisepticum)に対する抗菌力価は表4に示
す通りである。
【表】 血中濃度 これらの新規抗生物質をマウスにそれぞれ
100mg/Kg経口投与し、投与後の血中濃度をタ
イロシン及び3−アセチルタイロシンと比較し
た。 サルシナ・ルテアによる微生物検定法では最
高血中濃度はタイロシンで1mcg/ml以下、3
−アセチルタイロシンで2〜5mcg/mlである
のに対し、本発明の4″−アシル誘導体は投与後
1〜1.5時間においていずれも5〜20mcg/ml
の高い血中濃度レベルを示した。 例えば3−アセチル4″−D−(α−ヒドロキ
シフエニルアセチル)タイロシンはマウスに
100mg/Kgで経口投与するとき1時間後
10mcg/ml、3時間後で2mcg/mlの血中濃度
を示した。 本発明における化合物は経口投与でいずれも
タイロシン及び3−アセチルタイロシンに比べ
て高い吸収性を有することが明らかにされた。 毒 性 本発明の新規抗生物質の動物に対する毒性は
マウスに対する腹腔内投与ではLD50値として
いずれも500mg/Kg以上であり、経口投与にお
いてはいずれも2000mg/Kg以上であつた。 また、本発明の代表的な化合物として選んだ
4″−ベンゼンスルホニルアセチルタイロシン、
及び3−アセチル−4″−D−(α−ヒドロキシ
フエニルアセチル)タイロシンを各々0.3%の
割合に飼料に混合し鶏に1ケ月間投与した場合
にも全く毒性は認められなかつた。 以上の如く、本発明による新規抗生物質は、各
種病源性微生物及びそれらの薬剤耐性菌に対して
すぐれた抗菌活性を示し、またマウス経口投与に
よる血中濃度試験の結果からタイロシン及び3−
アセチルタイロシンに比較し、顕著な血中濃度の
向上が確認され、毒性の少ない医薬的にすぐれた
抗生物質誘導体であり、人を含む動物の感染症、
特にグラム陽性菌感染症の治療剤として有用であ
り、また動物の呼吸器性マイコプラズマ病
(CRD)、及びブドウ状球菌(Staphylococcus
aureus)等の病源菌との混合感染症(CCRD)に
対してタイロシンに比べて高い治療及び予防効果
をもち飼料添加剤としても有用な化合物であるこ
とが明らかにされた。 次に本発明に関するタイロシン誘導体の製造方
法を実施例によつて具体的に説明する。 実施例 1 4″−ベンゼンスルホニルアセチルタイロシン
(化合物番号3) 2′−アセチル基−4−トリクロルアセチルタ
イロシン250mgを塩化メチレン6mlに溶解し、ピ
リジン108mg加える。この溶液を−5℃に冷却
し、ベンゼンスルホニルアセチルクロライド198
mg加える。この温度で、10分間反応せしめる。反
応液をベンゼン100mlに注ぎ、ベンゼン層を飽和
炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水でそれぞ
れ2回洗浄する。ベンゼン層を無水硫酸ナトリウ
ムで乾燥し、減圧濃縮する。得られた残渣をシリ
カゲル(和光純薬社製C−200)20gを充填した
カラム(外径1.7cm、長さ17cm)に導き、ベンゼ
ン−アセトン(アセトン含有10〜15%V/V)を
展開溶媒としてカラムクロマトグラフイーを行な
う。溶出液は2gあて採取し、得られた各々の溶
出フラクシヨンを薄層クロマトグラフイーにて検
知し、目的物質含有フラクシヨンを採取する。こ
れを濃縮乾固すれば2′−アセチル−4−トリク
ロルアセチル−4″−ベンゼンスルホニルアセチル
タイロシンの白色粉末152mgが得られる。 この白色粉末を10mlのメタノールに溶解し、22
時間加熱還流を行なう。メタノールを減圧留去す
れば、目的物4″−ベンゼンスルホニルアセチルタ
イロシンが得られる。これを更にシリカゲル(和
光純薬社製C−200)17gを充填したカラム(外
径1.7cm、長さ15cm)に導き、ベンゼン−アセト
ン(アセトン含有20%V/V)を展開溶媒として
カラムクロマトグラフイーを行なう。目的物を含
有するフラクシヨンを採取し、これを濃縮乾固す
ることにより4″−ベンゼンスルホニルアセチルタ
イロシンの白色粉末66mgが得られる。 実施例 2 3−アセチル−4″−ベンジルチオアセチルタイ
ロシン(化合物番号4) 3,2′−ジアセチル−4″−トリクロルアセチル
タイロシン250mgを塩化メチレン5mlに溶解し、
ピリジン130mgを加える。この溶液を−5℃に冷
却し、ベンジルチオアセチルクロライド175mgを
加える。この温度で1.5時間反応せしめ、以下実
施例1と同様に処理すれば、3−アセチル−4″−
ベンジルチオアセチルタイロシンの白色粉末75mg
を得る。 同様に反応、精製を行えば、以下の表にあげる
化合物が得られる。出発原料として2′−アセチル
−4−トリクロルアセチルタイロシン又は3,
2′−ジアセチル−4−トリクロルアセチルタイ
ロシン誘導体250mlを用い、塩化メチレン、テト
ラヒドロフラン等を溶媒とし−5〜25℃で反応さ
せる。反応液は実施例1と同様の処理をして、目
的化合物を得る。なお、原料カルボン酸クロライ
ドはそれぞれ4″位水酸基置換アシル基に対応する
ものを用いる。
【表】
【表】 実施例 3 3−アセチル−4″−D−(α−ヒドロキシフエ
ニルアセチル)タイロシン(化合物番号12) 3,2′−ジアセチル−4−トリクロルアセチ
ルタイロシン250mgを塩化メチレ4.5mlに溶解し、
ピリジン103mgを加える。この溶液を−5℃に冷
却し、D−α−モノクロルアセトキシフエニルア
セチルクロライド215mgを加える。この温度で1.5
時間反応せしめ、反応液をベンゼン100mlに注
ぎ、ベンゼン層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶
液、飽和食塩水で洗浄する。ベンゼン層を無水硫
酸ナトリウムで乾燥したのち、減圧濃縮し、得ら
れた粗生成物をシリカゲルクロマトグラフ精製
し、3,2′−ジアセチル−4−トリクロルアセ
チル−4″−D−(α−モノクロルアセトキシフエ
ニルアセチル)タイロシンの白色粉末184mgを得
る。次にこの白色粉末を10mlのメタノールに溶解
し、18時間加熱還流を行う。メタノールを減圧留
去して得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフ
精製することにより目的化合物3−アセチル−
4″−D−(α−ヒドロキシフエニルアセチル)タ
イロシンの白色粉末112mgを得る。 同様に反応精製を行えば以下の表にあげる化合
物が得られる。すなわち、出発原料タイロシン誘
導体250mgを用い塩化メチレン等を溶媒とし、−5
℃で反応させる。反応液は、実施例3と同様の処
理をして、目的化合物を得る。なお原料カルボン
酸クロライドはそれぞれ4″水酸基置換アシル基に
対応するものを用い、αまたはβ−ヒドロキシル
基はあらかじめモノクロルアセチル基等の緩和な
加水分解またはアルコリシスによつて容易に脱離
できる基で保護する。
【表】 実施例 4 4″−シクロヘキシルチオアセチルタイロシン
(化合物番号1) シクロヘキシルチオ酢酸236mgとトリエチルア
ミン138mgを塩化メチレン2.5mlに溶解し、−10℃
に冷却する。この溶液に塩化ピバロイル164mgを
加え10分間反応させた後、2′−アセチル−4−
トリクロルアセチルタイロシン250mgとピリジン
430mgを加え温度を4℃まであげて20時間反応せ
しめる。以下実施例1と同様に処理することによ
つて、4″−シクロヘキシルチオアセチルタイロシ
ンの白色粉末100mgを得る。 実施例 5 3−アセチル−4″−(N−アセチルアニリノア
セチル)タイロシン(化合物番号8) N−アセチルアニリノ酢酸253mg、塩化ピバロ
イル158mg、トリエチルアミン133mgを塩化メチレ
ン4ml中、0℃以下で1時間反応させたのち、
3,2′−ジアセチル−4″−トリクロルアセチルタ
イロシン250mg、ピリジン414mgを加え、室温まで
温度あげ18時間反応せしめる。以下実施例1と同
様に処理すれば、3−アセチル−4″−(N−アセ
チルアニリノアセチル)タイロシンの白色粉末90
mgを得る。 同様に反応、精製を行なえば、以下の表にあげ
る化合物が得られる。出発原料タイロシン誘導体
を250mg用い、塩化メチレンを溶媒とし−10℃〜
室温で、あらかじめ調製した混酸無水物と反応せ
しめる。なお、混酸無水物は、塩化メチレン、テ
トラヒドロフラン等の溶媒中で、4″位水酸基置換
アシル基に対応する原料カルボン酸とトリエチレ
ンアミン存在下、塩化ピバロイルを作用せしめる
ことにより容易に生成される。
【表】 【図面の簡単な説明】
第1図〜第3図は、4″−ベンゼンスルホニルア
セチルタイロシン、3−アセチル−4″−D−(α
−ヒドロキシフエニルアセチル)タイロシン、3
−アセチル−4″−D−(α−アセトキシフエニル
アセチル)タイロシンの紫外線吸収スペクトル
(メタノール中)、第4図〜第6図は同じ順序で同
物質の赤外線吸収スペクトル(KBr錠)、第7図
〜第9図は同じ順序で同物質の核磁気共鳴スペク
トル(CDCl3中)、をそれぞれ示す。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 一般式 式中、R1は水素原子又はアセチル基を表わ
    し、R2は水素原子、ヒドロキシル基、低級アル
    カノイルオキシ基、低級アルカノイルチオ基、低
    級アルキルチオ基又はヒドロキシルアルキル基を
    表わし、 R3は低級アルキル基、アリール基、アラルキ
    ル基、アリールスルホニル基、低級アルキルチオ
    基、シクロアルキルチオ基、アラルキルチオ基、
    低級ジアルキルアミノ基又はN−アセチルアリー
    ルアミノ基を表わすか又は酸素若しくは窒素原子
    2個を含む6員の複素環又は窒素若しくは硫黄原
    子2乃至3個を含む5員の複素環で置換された低
    級アルキル基を表わす。 但し、R2が水素原子であるとき、同時にR3
    低級アルキル基、アリール基又はアラルキル基で
    ある場合を除く。 で示されるタイロシン誘導体又はその無毒性酸付
    加塩。 2 R2がヒドロキシル基又はアセトキシ基であ
    り、R3が低級アルキル基、フエニル基又はベン
    ジル基である特許請求の範囲第1項記載の化合物
    又はその無毒性酸付加塩。 3 R2が水素原子であり、R3がフエニルスルホ
    ニル基である特許請求の範囲第1項記載の化合物
    又はその無毒性酸付加塩。
JP13496177A 1977-11-08 1977-11-09 Antibiotics; tyrosine derivatives Granted JPS5470291A (en)

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JP13496177A JPS5470291A (en) 1977-11-09 1977-11-09 Antibiotics; tyrosine derivatives
US05/954,055 US4205163A (en) 1977-11-08 1978-10-23 Tylosin derivatives
EP78101304A EP0001841B1 (en) 1977-11-08 1978-11-03 Tylosin derivatives
DE7878101304T DE2862111D1 (en) 1977-11-08 1978-11-03 Tylosin derivatives

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