JP3587380B2 - マクロライド抗生物質 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ヒトを含む哺乳類ならびに魚類および鳥類における抗菌薬および抗原虫類薬として有用であるマクロライド化合物に関する。また、本発明は、本化合物を調製する方法、本化合物の調製に有用な中間体、および本化合物を含有する医薬組成物に関する。加えて、本発明は、そのような治療を必要とする哺乳類、魚類および鳥類への本化合物の投与を通じて細菌および原虫類感染症を治療する方法を含む。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
抗生物質として有用であるエリスロマイシンAの誘導体は、1998年12月17日に公開された国際特許出願WO 98/56800;1998年11月19日に公開されたWO 98/51696;1999年5月6日に公開されたWO 99/21866;1999年12月9日に公開されたWO99/62920;1999年5月6日に公開されたWO99/21865;1999年10月18日に出願されたPCT/IB99/01701(2000年5月11日に公開されたWO00/26224);1999年2月10日に公開されたヨーロッパ特許出願EP895999;1999年1月27日に出願された米国特許出願60/117,342(2000年8月3日に公開されたWO00/44761);1999年4月23日に出願された米国特許出願60/130,809;1999年4月23日に出願された米国特許出願60/130,912;および1999年4月23日に出願された米国特許出願60/130,913に述べられている。エリスロマイシンAの誘導体は、また、商業的に入手可能な抗生物質アジスロマイシン(azithromycin)に関係した米国特許第4,474,768号および第4,517,359号にも記載されている。これらの特許および特許出願物は、参照によりその全体を本明細書に含めるものとする。
【0003】
【課題を解決するための手段】
本発明は、下記一般式の化合物
【化6】
Figure 0003587380
ならびに薬学的に許容することのできるその塩、プロドラッグおよび溶媒和物に関する[ここで、
Xは、Cl、Br、IまたはFであり;
Yは、=O、もしくは=NORであるか、またはYは、−Hおよび−ORの両者、または−Hおよび−NR10の両者を意味し(即ち、Yは、=Oもしくは=NORである場合にマクロライド環に二重結合しているか、又は、それが、−Hおよび−ORの両者、もしくは−Hおよび−NR10の両者である場合に2つの単結合した基を指す);
、R、およびRは、独立に、H、C−C10アルキル、C−C10アルケニル、C−C10アルキニル、(4−から10−員の複素環)C−Cアルキル、(4−から10−員の複素環)C−Cアルケニル、(4−から10−員の複素環)C−Cアルキニル、(C−C10アリール)C−Cアルキル、(C−C10アリール)C−Cアルケニル、および(C−C10アリール)C−Cアルキニルから選ばれ、ここで、前述の基のこれらのアルキル部分は、ハロまたはC−Cアルキルにより任意に置換されても良く、これらの複素環部分は、4−から10−員の複素環、(4−から10−員の複素環)C−Cアルキル、または(C−C10アリール)C−Cアルキルにより任意に置換されても良く、更に、前述の基のそれぞれのアリールおよび複素環部分ならびに任意の置換基は、1個から4個のR基により任意に置換されても良く;
は、H、C−C10アルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、(C−Cアルコキシ)C−Cアルキル、(C−Cアルキルチオ)C−Cアルキル、(C−Cシクロアルキル)C−Cアルファ分枝鎖アルキル、C−Cシクロアルキル、C−Cシクロアルケニル、3から6員のOもしくはS含有複素環式基、またはフェニルから選ばれ、ここで、各R基は、ヒドロキシ、ハロ、(C−C10アリール)C−Cアルケニル、およびC−Cアルキルから独立に選ばれる1個から3個の置換基で置換されても良く;
およびR10は、独立に、H、C−Cアルキル、C−C10アリール、4−から10−員の複素環、(4−から10−員の複素環)C−Cアルキルおよび(C−C10アリール)C−Cアルキルから選ばれ、ここで、これらのアリールおよび複素環式基は、1個から4個のR基により任意に置換されても良く;
は、H、−C(O)C−Cアルキル、ベンジル、ベンジルオキシカルボニル、または(C−Cアルキル)シリルであり;
は、独立に、ハロ、シアノ、ニトロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、アジド、−C(O)R、−C(O)OR、−OC(O)R、−NRC(O)R、−C(O)NR、−NR、ヒドロキシ、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−C10アリール、4−から10−員の複素環、およびC−Cアルコキシから選ばれ;そして
各RおよびRは、独立に、H、C−Cアルキル、C−C10アリール、および4−から10−員の複素環から選ばれる]。
【0004】
本発明の一つの態様において、Yは=Oまたは=NORであり、Rは4−から10−員の複素環により置換された(4−から10−員の複素環)C−Cアルキルであり、RはC−C10アルキルまたはC−C10アルケニルであり、RはC−Cアルキルであり、Rはエチルであり、RはC−Cアルキルであり、そしてRはHである。
【0005】
別の態様において、本発明の化合物は、以下の一般式を有する:
【化7】
Figure 0003587380
【0006】
一般式Iaの化合物の一つの態様において、Yは、=Oまたは=NORであり、Rは、C−C10アルキルまたはC−C10アルケニルであり、そしてRは、H、−C(O)C−Cアルキル、ベンジル、ベンジルオキシカルボニル、または(C−Cアルキル)シリルである。この態様の一相において、Y=Oであり、そしてRは、Hである。この態様の別の様相において、Yは=NORであり、そしてRはHである。好ましくは、この態様において、Rは、CH、CHCH、CHCH=CH、トランス−CHCH=CHCH、トランス−CHCH=CHCHCH、またはトランス−CH−CH=C(CH)CHCHCH=(CH)CHである。
【0007】
また、本発明は、治療上効果的な量の一般式Iの化合物または薬学的に許容することのできるその塩、プロドラッグ、もしくは溶媒和物、および薬学的に許容することのできる担体を含む、哺乳類、魚類または鳥類における細菌感染症または原虫類感染症の治療のための医薬組成物に関する。
【0008】
また、本発明は、哺乳類、魚類または鳥類に治療上効果的な量の一般式Iの化合物または薬学的に許容することのできるその塩、プロドラッグ、もしくは溶媒和物を投与することを含む、これらの哺乳類、魚類または鳥類における細菌感染症または原虫類感染症を治療する方法に関する。
【0009】
本明細書で用いる場合、゛治療゛には、特に断らない限り、本発明の方法で提供される細菌感染症または原虫類感染症の治療または予防が含まれる。
【0010】
本明細書で用いる場合、特に断らない限り、゛細菌感染症゛および゛原虫類感染症゛という用語には、哺乳類、魚類および鳥類に起こる細菌感染症および原虫類感染症ならびに本発明の化合物のような抗生物質を投与することにより治療または予防することのできる細菌感染症および原虫類感染症に関係した疾患が含まれる。このような細菌感染症および原虫類感染症並びにこのような感染症に関係した疾患には、以下のものが含まれる:ストレプトコッカス・ニューモニエ(Streptococcus pneumoniae)、ヘモフィルス・インフルエンゼ(Haemophilus influenzae)、モラクセラ・カタラーリス(Moraxella catarrhalis)、スタヒロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus)、またはペプトストレプトコッカス(Peptostreptococcus)亜種による感染に関係した肺炎、中耳炎、副鼻腔炎、気管支炎、扁桃炎、および乳様突起炎;ストレプトコッカス・ピオゲネス(Streptococcus pyogenes)、連鎖球菌CおよびG群、クロストリジウム・ジフセリエ(Clostridium diptheriae)、またはアクチノバシラス・ヘモリチカム(Actinobacillus haemolyticum)による感染に関係した咽頭炎、リウマチ熱、および糸球体腎炎;マイコプラズマ・ニューモニエ(Mycoplasma pneumoniae)、レジオネラ・ニューモフィラ(Legionella pneumophila)、ストレプトコッカス・ニューモニエ、ヘモフィルス・インフルエンゼ、またはクラミジア・ニューモニエ(Chlamydia pneumoniae)による感染に関係した気道感染症;スタヒロコッカス・アウレウス、コアグラーゼ陽性ブドウ球菌(即ち、S.エピデルミディス(S. epidermidis)、S.ヘモリチカス(S. hemolyticus)等)、ストレプトコッカス・ピオゲネス、ストレプトコッカス・アガラクティエ(Streptococcus agalactiae)、連鎖球菌C−F群(微小コロニーの連鎖球菌)、ビリダンス(viridans)連鎖球菌、コリネバクテリウム・ミニュチシマム(Corynebacterium minutissimum)、クロストリジウム(Clostridium)亜種、またはバルトネラ・ヘンセレ(Bartonella henselae)による感染に関係した未併発の皮膚および軟部組織感染症、膿瘍および骨髄炎、ならびに産褥熱;スタヒロコッカス・サプロフィチカス(Staphylococcus saprophyticus)またはエンテロコッカス(Enterococcus)亜種による感染に関係した未併発の急性尿路感染症;尿道炎および子宮頚管炎;クラミジア・トラコマチス(Chlamydia trachomatis)、ヘモフィルス・デュクレイ(Haemophilus ducreyi)、トレポネーマ・パリダム(Treponema pallidum)、ウレアプラズマ・ウレアリチカム(Ureaplasma urealyticum)、またはナイセリア・ゴノロエエ(Neiserria gonorrheae)による感染に関係した性的に感染する疾患;S.アウレウス(食中毒およびトキシックショック症候群)、または連鎖球菌A、B、およびC群による感染に関係した毒素疾患;ヘリコバクター・ピロリ(Helicobacter pylori)による感染に関係した潰瘍;ボレリア・リカレンチス(Borrelia recurrentis)による感染に関係した全身性熱性症候群;ボレリア・ブルグドルフェリ(Borrelia burgdorferi)による感染に関係したライム病;クラミジア・トラコマチス、ナイセリア・ゴノロエエ、S.アウレウス、S.ニューモニエ、S.ピオゲネス、H.インフルエンゼ、またはリステリア(Listeria)亜種による感染に関係した結膜炎、角膜炎、および涙嚢炎;マイコバクテリウム・アビウム(Mycobacterium avium)、またはマイコバクテリウム・イントラセルラーレ(Mycobacterium intracellulare)による感染に関係した播種性マイコバクテリウム・アビウム複合(MAC)疾患;カンピロバクター・ジェジュニ(Campylobacter jejuni)による感染に関係した胃腸炎;クリプトスポリジウム(Cryptosporidium)亜種による感染に関係した腸内原虫類;ビリダンス連鎖球菌による感染に関係した歯原性感染症;ボルデテラ・ペルツッシス(Bordetella pertussis)による感染に関係した持続性咳;クロストリジウム・パーフリンジェンス(Clostridium perfringens)またはバクテロイデス(Bacteroides)亜種による感染に関係したガス壊疽;ならびにヘリコバクター・ピロリまたはクラミジア・ニューモニエによる感染に関係したアテローム動脈硬化症。動物における治療または予防することのできる細菌感染症および原虫類感染症並びにこのような感染症に関係した疾患としては以下のものが挙げられる:P.ヘモリチカ、P.マルトシダ(P. multocida)、マイコプラズマ・ボビス(Mycoplasma bovis)またはボルデテラ亜種による感染に関係したウシ呼吸疾患;大腸菌または原虫類(即ち、コクシジウム類、クリプトスポリジア(cryptosporidia)等)による感染に関係したウシ腸疾患;スタフィロコッカス・アウレウス、ストレプトコッカス・ユベリス(uberis)、ストレプトコッカス・アガラクティエ、ストレプトコッカス・ディスガラクティエ(dysgalactiae)、クレブシエラ(Klebsiella)亜種、コリネバクテリウム(Corynebacterium)、またはエンテロコッカス亜種による感染に関係した乳牛の乳腺炎;A.プレウロ(pleuro)、P.マルトシダ、またはマイコプラズマ亜種による感染に関係したブタ呼吸疾患;大腸菌、ローソニア・イントラセルラーリス(Lawsonia intracellularis)、サルモネラ(Salmonella)、またはセルプリナ・ヒオジスインテリエ(Serpulina hyodyisinteriae)による感染に関係したブタ腸疾患;フソバクテリウム(Fusobacterium)亜種による感染に関係したウシ腐蹄症;大腸菌による感染に関係したウシ子宮炎;フソバクテリウム・ネクロフォールム(Fusobacterium necrophorum)またはバクテロイデス・ノドサース(Bacteroides nodosus)による感染に関係したウシ毛様ゆうぜい;モラクセラ・ボビス(Moraxella bovis)による感染に関係したウシのピンクアイ;原虫類(即ち、ネオスポリウム(neosporium))による感染に関係したウシの早期流産;大腸菌による感染に関係したイヌおよびネコにおける尿路感染症;スタフィロコッカス・エピデルミディス(epidermidis)、スタフィロコッカス・インターメジウス(intermedius)、コアグラーゼ陰性スタヒロコッカスまたはP.マルトシダによる感染に関係したイヌおよびネコにおける皮膚および軟部組織感染症;ならびにアルカリゲネス(Alcaligenes)亜種、バクテロイデス亜種、クロストリジウム亜種、エンテロバクター(Enterobacter)亜種、ユウバクテリウム(Eubacterium)、ペプトストレプトコッカス、ポルフィロモナス(Porphyromonas)、またはプレボテラ(Prevotella)による感染に関係したイヌおよびネコにおける歯または口腔感染症。本発明の方法により治療または予防することのできる他の細菌感染症および原虫類感染症並びにこのような感染症に関係した疾患は、J.P.サンフォード(J. P. Sanford)等,゛抗微生物治療に対するサンフォード指針゛( “The Sanford Guide To Antimicrobial Therapy”),第26版, アンティマイクロバイアルセラピー社(Antimicrobial Therapy Inc.), 1996)に記載されている。
【0011】
また、本発明は、一般式
【化8】
Figure 0003587380
の化合物(ここで、Pは、保護基である)を脱保護することを含む、上記の一般式Iの化合物または薬学的に許容することのできるその塩を調製する方法に関する。
【0012】
一般式Iの化合物または薬学的に許容することのできるその塩を調製する上記方法の更なる態様において、上記一般式IIの化合物は、一般式
【化9】
Figure 0003587380
の化合物を強塩基および一般式R−Lの化合物(ここで、Lは、離脱基である)で処理することにより調製する。
【0013】
本明細書で用いる場合、用語゛Me゛は、特に断らない限り、メチルを指す。
【0014】
本明細書で用いる場合、用語゛Et゛は、特に断らない限り、エチルを指す。
【0015】
本明細書で用いる場合、用語゛Pr゛は、特に断らない限り、プロピルを指す。
【0016】
本明細書で用いる場合、用語゛Ac゛は、特に断らない限り、アセチルを指す。
【0017】
本明細書で用いる゛ヒドロキシ保護基゛には、特に断らない限り、アセチル、ベンジルオキシカルボニル、およびT.W.グリーン(T.W. Greene),P.G.M.ウッツ(P.G.M. Wuts), ゛有機合成における保護基゛, (J. Wiley & Sons, 1991)に記載の基を含む当業者等に親しみの有る種々のヒドロキシ保護基が含まれる。
【0018】
本明細書で用いる゛ハロ゛には、特に断らない限り、フルオロ、クロロ、ブロモまたはヨードが含まれる。
【0019】
本明細書で用いる゛アルキル゛には、特に断らない限り、直鎖、環式鎖または分枝鎖部分又はその混合物を有する飽和一価の炭化水素基が含まれる。環式部分を意図する場合、このアルキル中に少なくとも3個の炭素が存在する必要があることは当然のことである。このような環式部分としては、シクロプロピル、シクロブチルおよびシクロペンチルが挙げられる。
【0020】
本明細書で用いる゛アルケニル゛には、特に断らない限り、少なくとも1個の炭素−炭素二重結合を有する直鎖または分枝鎖のモノ−またはポリ−未飽和脂肪族炭化水素基が含まれる。アルケニル基の例としては、それらに限定される訳ではないが、エテニル、E−およびZ−プロペニル、イソプロペニル、E−およびZ−ブテニル、E−およびZ−イソブテニル、E−およびZ−ペンテニル、E−およびZ−ヘキセニル、E,E−、E,Z−、Z,E−およびZ,Z−ヘキサジエニル等が挙げられる。
【0021】
本明細書で用いる゛アルキニル゛には、特に断らない限り、少なくとも1個の炭素−炭素三重結合を有する直鎖または分枝鎖のモノ−またはポリ−未飽和脂肪族炭化水素基が含まれる。アルキニル基の例としては、それらに限定される訳ではないが、エチニル、プロピニル、イソプロピニル、ブチニル、イソブチニル、ペンチニル、ヘキシニル等が挙げられる。
【0022】
本明細書で用いる゛アルコキシ゛には、特に断らない限り、アルキルが上記で定義される通りである−O−アルキルが含まれる。
【0023】
本明細書で用いる゛アリール゛には、特に断らない限り、1個の水素の除去により芳香族炭化水素から誘導される有機基が含まれる。アリール基の例としては、それらに限定される訳ではないが、フェニル、ナフチル、インデニル、インダニル、アズレニル、フルオレニル、アントラセニル等が挙げられる。
【0024】
本明細書で用いる゛4−から10−員の複素環゛には、特に断らない限り、各複素環式基が、その環系内に4から10個の原子を有する、O、SおよびNからそれぞれ選ばれる1個以上のヘテロ原子を有する芳香族および非芳香族複素環式基が含まれる。非芳香族複素環式基には、その環系内に4個の原子しかない基が含まれるが、芳香族複素環式基は、その環系内に少なくとも5個の原子がなければならない。複素環式基としては、ベンゾ縮合した環系および1個以上の酸素または窒素原子で置換された環系が挙げられる。複素環式基には、また、部分的に未飽和または完全に飽和した4−から10−員の環系、例えば、非芳香族環に縮合した芳香族6−員のアリールまたはヘテロアリール環を含む、4個から8個の原子の大きさの単環および二−または三環式環系も含まれる。4員の複素環式基の例は、アゼチジニル(アゼチジンから誘導される)である。5員の複素環式基の例は、チアゾリルであり、10員の複素環式基の例は、キノリニルである。非芳香族複素環式基の例は、ピロリジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチエニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、ピペリジノ、モルホリノ、チオモルホリノ、チオキサニル、ピペラジニル、アゼチジニル、オキセタニル、チエタニル、ホモピペリジニル、オキセパニル、チエパニル、オキサゼピニル、ジアゼピニル、チアゼピニル、1,2,3,6−テトラヒドロピリジニル、2−ピロリニル、3−ピロリニル、インドリニル、2H−ピラニル、4H−ピラニル、ジオキサニル、1,3−ジオキソラニル、ピラゾリニル、ジチアニル、ジチオラニル、ジヒドロピラニル、ジヒドロチエニル、ジヒドロフラニル、ピラゾリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサニル、3−アザビシクロ[4.1.0]ヘプタニル、3H−インドリルおよびキノリジニルである。芳香族複素環式基の例は、ピリジニル、イミダゾリル、ピリミジニル、ピラゾリル、トリアゾリル、ピラジニル、テトラゾリル、フリル、チエニル、イソオキサゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、イソチアゾリル、ピロリル、キノリニル、イソキノリニル、インドリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾフラニル、シンノリニル、インダゾリル、インドリジニル、フタラジニル、ピリダジニル、トリアジニル、イソインドリル、プテリジニル、プリニル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、フラザニル、ベンゾフラザニル、ベンゾチオフェニル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾリル、キナゾリニル、キノキサリニル、ナフチリジニル、およびフロピリジニルである。上記で挙げた化合物から誘導される前述の基は、C−結合であってもよいし、又は、そのようなことが可能であればN−結合であっても良い。例えば、ピロールから誘導される基は、ピロール−1−イル(N−結合)またはピロール−3−イル(C−結合)であっても良い。
【0025】
゛保護基゛という用語は、官能基に結合し後の段階で除去されて完全な官能基を現わすことのできる適切な化学的基を意味する。種々の官能基にとって適切な保護基の例は、T.W.グリーンおよびP.G.M.ウッツ, 有機合成における保護基 第二版, John Wiley and Sons (1991); L.フィーザー(L. Fieser)およびM.フィーザー,有機合成のためのフィーザーおよびフィーザーの試薬(Fieser and Fieser s Reagent for Organic Synthesis), John Wiley and Sons (1994);ならびにL.パクェット(L. Paquette)編 有機合成用試薬辞典(Encyclopedia of Reagents for Organic Synthesis, John Wiley and Sons (1995)に記載されている。
【0026】
本明細書で用いるフレーズ゛薬学的に許容することのできる塩゛には、特に断らない限り、本発明の化合物中に存在することのできる酸性または塩基性基の塩が含まれる。事実上塩基性である本発明の化合物は、種々の無機および有機酸と種々の塩を形成することができる。このような塩基性化合物の薬学的に許容することのできる酸付加塩を調製するのに用いることのできる酸は、無毒の酸付加塩、即ち、塩酸塩、臭化水素酸塩、沃化水素酸塩、硝酸塩、硫酸塩、重硫酸塩、燐酸塩、酸性燐酸塩、イソニコチン酸塩、酢酸塩、乳酸塩、サルチル酸塩、クエン酸塩、酸性クエン酸塩、酒石酸塩、パントテン酸塩、重酒石酸塩、アスコルビン酸塩、琥珀酸塩、マレイン酸塩、ゲンチシン酸塩、フマル酸塩、グルコン酸塩、グルクロン酸塩、糖酸塩、蟻酸塩、安息香酸塩、グルタミン酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩およびパモ酸塩[即ち、1,1´−メチレン−ビス−(2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸塩)]のような薬理学的に許容することのできるアニオンを有する塩を形成するものである。アミノ部分を含む本発明の化合物は、上述の酸に加え、種々のアミノ酸と薬学的に許容することのできる塩を形成することができる。
【0027】
事実上酸性である本発明の化合物は、種々の薬理学的に許容することのできるカチオンと塩基塩を形成することができる。このような塩の例としては、本発明の化合物のアルカリ金属またはアルカリ土類金属塩、特に、カルシウム、マグネシウム、ナトリウムおよびカリウム塩が挙げられる。
【0028】
本発明の特定の化合物は、不斉中心を有することができ、従って、異なる鏡像異性およびジアステレオマー形態で存在することができる。本発明は、本発明の化合物の全ての光学異性体および立体異性体並びにその混合物の使用法、並びにそれらを用いる又は含有する全ての医薬組成物および治療法に関する。
【0029】
本発明は、1個以上の水素、炭素または他の原子がその同位体により置換されている本発明の化合物および薬学的に許容することのできるその塩を含む。このような化合物は、代謝薬物動態学研究および結合測定における調査および診断道具として有用であるかもしれない。
【0030】
一般式Iの化合物を含む本発明の化合物は、薬学的に許容することのできるその誘導体またはプロドラッグを含む。゛薬学的に許容することのできる誘導体またはプロドラッグ゛は、受容者への投与により、本発明の化合物又はその代謝物もしくは残留物を(直接または間接的に)提供することのできる本発明の化合物のいずれの薬学的に許容することのできる塩、エステル、エステルの塩または他の誘導体も意味する。特に好ましい誘導体およびプロドラッグは、このような化合物を患者に投与した場合、本発明の化合物の生物学的利用能を高める(例えば、経口投与化合物が更に容易に血中に吸収されるのを可能にすることにより)、所定の生物学的区画への親化合物の送達を増強する、注射による投与を可能にするよう溶解度を高める、代謝を変える又は排泄速度を変えるものである。
【0031】
一般式Iの化合物は、例えば、遊離のアミノ、アミド、ヒドロキシまたはカルボン酸基を介してプロドラッグに変換することができる。このようなプロドラッグの例としては、1個のアミノ酸残基、または2個以上(例えば、2個、3個または4個)のアミノ酸残基のポリペプチド鎖が、アミドまたはエステル結合を介して一般式Iの化合物の遊離のアミノ、ヒドロキシまたはカルボン酸基に共有結合している化合物が挙げられる。アミノ酸残基としては、それらに限定される訳ではないが、通常三文字記号により表される20個の天然に存在するアミノ酸が挙げられ、また、4−ヒドロキシプロリン、ヒドロキシリシン、デモシン、イソデモシン、3−メチルヒスチジン、ノルバリン、ベータ−アラニン、ガンマ−アミノ酪酸、シトルリン、ホモシステイン、ホモセリン、オルニチンおよびメチオニンスルホンも挙げられる。
【0032】
更なる型のプロドラッグも、包含される。例えば、遊離のカルボキシル基は、アミドまたはアルキルエステルとして誘導することができる。アミドおよびエステル部分は、それらに限定される訳ではないが、エーテル、アミンおよびカルボン酸官能基を含む基を組み込むことができる。遊離のヒドロキシ基は、D.フレイシャー(D. Fleisher)等, 進歩した薬物送達概説(Advanced Drug Delivery Reviews), 19巻, 115頁 (1996)に概説されたように、それらに限定される訳ではないが、ヘミコハク酸エステル、燐酸エステル、ジメチルアミノ酢酸エステル、およびホスホリルオキシメチルオキシカルボニルを含む基を用いて誘導することができる。また、ヒドロキシおよびアミノ基のカルバミン酸エステルプロドラッグも含まれ、同様に、ヒドロキシ基の炭酸エステルプロドラッグおよび硫酸エステルもある。(アシルオキシ)メチルおよび(アシルオキシ)エチルエーテル{ここで、アシル基は、それらに限定される訳ではないが、エーテル、アミンおよびカルボン酸官能基を含む基で任意に置換されても良いアルキルエステルであっても良く、または、アシル基は、上述したようなアミノ酸エステルである}としてのヒドロキシル基の誘導も、包含される。この型のプロドラッグは、R.P.ロビンソン(R. P. Robinson)等, J. Medicinal Chemistry, 39巻, 10頁 (1996)に記載がある。
【0033】
本発明の化合物には、一般式Iの化合物の薬学的に許容することのできる塩も含まれる。本明細書で用いる用語゛薬学的に許容することのできる塩゛には、特に断らない限り、本発明の化合物に存在しても良い酸性または塩基性基の塩が含まれる。
【0034】
本発明の化合物は、互変異性形態で存在しても良い。一般式Iの化合物の全ての互変異性体が、本発明に含まれる。
【0035】
本明細書で論及した全ての特許、公開物および特許出願物は、参照によりその全体を本明細書に含めるものとする。
【0036】
本発明の化合物は、模式図1に従って調製することができる。模式図において、特に断らない限り、全ての置換基は、上記で定義した通りである。
【0037】
本発明で用いる出発物質は、種々の修飾を行う前に適切な官能基保護、および所望の修飾が完了した後に脱保護を必要としても良い。ヒドロキシル基は、通常、アセタートまたはCbzカーボナートとして保護される。本発明で特許請求される通常の型のマクロライド分子中の種々のヒドロキシル基の相対反応性は、充分確立されている。反応性におけるこのような相違は、本発明の化合物の異なる部分の選択的修飾を可能にする。
【化10】
Figure 0003587380
【0038】
環式尿素は、1999年10月18日に出願されたPCT/IB99/01701(2000年5月11日に公開されたWO00/26224)に従って調製することができる。化合物(R=H)を、次いで、5分間から3時間、好ましくは15分間、−78°から0℃の温度、好ましくは−78℃で、DMFまたはTHFのような不活性な溶媒中でカリウムヘキサメチルジシラジド(KHMDS)、リチウムジイソプロピルアミド(LDA)、または水素化ナトリウムのような強塩基で処理する。
【0039】
次いで、セレクトフルオル(Selectfluor)(商標)またはN−フルオロスクシンイミドのようなフッ素化剤を加える。溶液を、−78°Cから0°Cの温度、好ましくは−78°Cで、5分間から5時間、好ましくは10分間攪拌してを得る。次いで、反応混合液を、−78°Cから0°Cの温度、好ましくは−78°Cで、5分間から3時間、好ましくは15分間、別の同等の強塩基、好ましくはKHMDSで処理し、1当量または1当量より僅かに多いR−Lを加える(ここで、Lは、ハロゲン、メシラートまたはトシラートのような離脱基である)。溶液を、−78°Cから0°Cの温度、好ましくは−78°Cで、5分間から3時間、好ましくは15分間、攪拌する。生成物を、抽出により単離する。
【0040】
保護基Pを、次いで、普通に除去する。例えば、PがAcである場合、これは、0℃から50℃で、好ましくは室温で、0.5時間から20時間、好ましくは12時間湿潤メタノール中で攪拌することにより行う。
【0041】
C2でのフッ素化は、更に、1999年12月28日に出願されたPCT/IB99/02051(2000年8月3日に公開されたWO00/44761)に記載されている。
【0042】
がエチル以外である本発明の化合物は、例えば、1998年1月15日に公開されたWO 98/01546;1998年1月15日に公開されたWO 98/01571;2000年1月6日に公開されたWO 00/0500;および2000年1月6日に公開されたWO 00/00618に述べられている通りに得られる出発物質を用いて調製することができる。
【0043】
本発明の化合物は、不斉炭素原子を有することができ、従って、異なる鏡像異性およびジアステレオマー形態で存在することができる。ジアステレオマー混合物は、当業者等に公知の方法により、例えば、クロマトグラフィーまたは分別結晶により、それらの物理的化学的差異に基づいて個々のジアステレオマーに分離することができる。ジアステレオマー混合物および純粋な鏡像異性体を含むこのような異性体の全ての使用が、本発明の一部であると考えられる。
【0044】
事実上塩基性である本発明の化合物は、種々の無機および有機酸と種々の異なる塩を形成することができる。このような塩は、哺乳類への投与のためには薬学的に許容される必要があるが、初めに、本発明の化合物を反応混合物から薬学的に許容することのできない塩として単離し、次いで、後者をアルカリ試薬で処理することにより遊離の塩基化合物に単純に変換し、次に、後者の遊離塩基を薬学的に許容することのできる酸付加塩に変換することが、実際には、しばしば望ましい。本発明の塩基化合物の酸付加塩は、水性溶媒媒体中で、またはメタノールもしくはエタノールのような適切な有機溶媒中で、本塩基化合物を実質的に同量の選択した鉱酸または有機酸で処理することにより容易に調製される。溶媒の慎重な蒸発により、所望の固形塩が、容易に得られる。また、所望の塩は、有機溶媒中の遊離塩基の溶液から、溶液に適切な鉱酸または有機酸を加えることにより析出することができる。
【0045】
事実上酸性である本発明の化合物は、種々のカチオンと塩基塩を形成することができる。哺乳類、魚類または鳥類に投与されることになる化合物として、このような塩は、薬学的に許容されねばならない。薬学的に許容することのできる塩が要求される場合、初めに、本発明の化合物を反応混合物から薬学的に許容することのできない塩として単離し、次いで、薬学的に許容することのできない酸付加塩の薬学的に許容することのできる塩への変換に関係した上述のものと類似の方法で、後者を薬学的に許容することのできる塩に単純に変換することが、望ましいかもしれない。塩基塩の例としては、アルカリ金属またはアルカリ土類金属塩、特にナトリウム、アミンおよびカリウム塩が挙げられる。これらの塩は、全て、従来技法により調製される。本発明の薬学的に許容することのできる塩基塩を調製するための試薬として用いる化学塩基は、本発明の酸性化合物と無毒の塩基塩を形成するものである。このような無毒の塩基塩としては、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、種々のアミンカチオン等のような薬理学的に許容することのできるカチオンから誘導されるものが挙げられる。これらの塩は、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、種々のアミンカチオン等のようなカチオンを有する所望の薬理学的に許容することのできる塩基を含有する水溶液で相当する酸性化合物を処理し、次いで、その結果できた溶液を、好ましくは減圧下で蒸発乾固することにより容易に調製することができる。あるいは、酸性化合物の低級アルカノール性溶液と所望のアルカリ金属アルコキシドとを一緒に混合し、次いで、その結果できた溶液を前述と同じ方法で蒸発乾涸することにより調製することもできる。いずれの場合においても、反応の完全性および所望の最終生成物の最大収率を保証するために、好ましくは、化学量論量の試薬を用いる。
【0046】
本発明は、一般式Iの化合物、ならびに薬学的に許容することのできるその塩およびプロドラッグの全ての同位体標識した形態を含む。このような同位体標識した化合物は、調査または診断道具として有用である。同位体標識した化合物および薬学的に許容することのできるその塩は、1個以上の原子が、天然に普通に見出される原子質量または質量数と異なる原子質量または質量数を有する原子により置換されているという事実を除いては一般式Iの化合物と同一である。本発明の化合物に組み込むことのできる同位体の例としては、それぞれ、H、H、13C、14C、15N、18O、17O、35S、18Fおよび36Clのような水素、炭素、窒素、酸素、燐、フッ素および塩素の同位体が挙げられる。本発明の特定の同位体標識化合物、例えば、Hおよび14Cのような放射性同位体を組み込んでいるものは、薬物および/または基質組織分布測定において有用である。トリチウム化、即ち、H、および炭素−14、即ち14C同位体は、調製の容易さおよび検出能から特に好ましい。ジュウテリウム、即ちHのようなより重い同位体を用いた置換は、より高い代謝安定性、例えば、増大したインビボ半減期または減少した投与必要量に起因する特定の治療上の有利性を得ることができ、従って、ある状況では好ましいかもしれない。同位体標識した本発明の一般式Iの化合物及びそのプロドラッグは、通常、下記の模式図および/または実施例で開示した手法を実施すること、および同位体標識していない試薬を容易に入手可能な同位体標識した試薬に置き換えることにより調製することができる。
【0047】
細菌および原虫類病原体に対する本発明の化合物の抗菌および抗原虫類活性は、ヒト(測定I)または動物(測定IIおよびIII)の病原体の既知の株の成長を阻害する本化合物の能力により示される。
測定I
【0048】
下記に述べる測定Iは、従来の方法論および解釈基準を用いており、マクロライド耐性の既知のメカニズムを打開する化合物に導くことのできる化学修飾の方向を提供するように設計されている。測定Iにおいて、細菌の菌株のパネルは、特徴付けられたマクロライド耐性メカニズムの代表例を含む種々の標的病原性種を含むように組み立てられている。このパネルの使用は、耐性メカニズムを除去するのに必要であるかもしれない効力、活性のスペクトル、および構造的要素または修飾に関して、化学構造/活性の関係が決定されるのを可能にする。スクリーニングパネルを含む細菌性病原体を、下記の表に示す。多くの場合、マクロライド感受性親株及びそれから誘導されたマクロライド耐性菌株の両方が、入手可能であり、耐性メカニズムを打開する本化合物の能力の更に正確な評価を提供する。ermA/ermB/ermCの名称を有する遺伝子を有する菌株は、Ermメチラーゼによる23S rRNA分子の修飾(メチル化)により、通常、三種の構造種の全ての結合を阻止するため、マクロライド系、リンコサミド系、およびストレプトグラミンB抗生物質に耐性である。2つのタイプのマクロライド流出が述べられてきた;msrAは、マクロライド系およびストレプトグラミン系の進入を阻止するブドウ球菌における流出システムの成分をコードし、一方、mefA/Eは、マクロライド系のみを流出すると考えられる膜貫通蛋白質をコードする。2´−ヒドロキシルのホスホリル化(mph)または大環状ラクトンの切断(エステラーゼ)のいずれかにより、マクロライド抗生物質の不活性化を起こすことができ、且つ仲介することができる。菌株は、従来のポリメラーゼ連鎖反応(PCR)技術を用いて、および/または耐性決定基を配列決定することにより特徴付けることができる。この出願物におけるPCR技術の使用法は、J.サットクリフェ(J. Sutcliffe)等, ゛PCRによるエリスロマイシン耐性決定基の検出゛, 抗微生物薬と化学療法(Antimicrobial Agents and Chemotherapy), 40 (11), 2562−2566 (1996)に述べられている。測定は、マイクロタイタートレー中で実施し、臨床研究室基準のための全国委員会(The National Committee for Clinical Laboratory Standards)(NCCLS)により出版された抗菌ディスク感受性試験用実施基準Performance Standards for Antimicrobial Disk Susceptibility Test) −第6版;承認された基準 (Approved Standard)指針に従って解釈し;最小阻害濃度(MIC)を用いて菌株を比較する。化合物は、初めに、40mg/mlストック溶液としてジメチルスルホキシド(DMSO)に溶解する。
【表1】
Figure 0003587380
【0049】
測定IIを用いてパスツレラ・マルトシダに対する活性を試験し、測定IIIを用いてパスツレラ・ヘモリチカに対する活性を試験する。
測定II
【0050】
この測定法は、マイクロリットルフォーマットでの液体希釈法に基づいている。P.マルトシダ(菌株59A067)の単一コロニーを、5mlのブレーン ハート インフュージョン(BHI)ブロスに接種する。試験化合物は、125μlのジメチルスルホキシド(DMSO)に1mgの化合物を可溶化することにより調製する。試験化合物の希釈物は、未接種のBHIブロスを用いて調製する。用いた試験化合物の濃度は、二倍連続希釈により200μg/mlから0.098μg/mlの範囲である。P.マルトシダ接種BHIを、未接種BHIブロスで希釈して200μl当たり10細胞の懸濁液を作る。BHI細胞懸濁液を、試験化合物のそれぞれの連続希釈物と混合し、37℃で18時間インキュベートする。最小阻害濃度(MIC)は、未接種の対照との比較により決定されるマルトシダの成長の100%阻害を示す化合物の濃度に等しい。
測定III
【0051】
この測定法は、ステアズレプリケーター(Steers Replicator)を用いる寒天希釈法に基づいている。寒天プレートから分離した2個から5個のコロニーを、BHIブロスに接種し、震盪(200rpm)しながら37℃で一晩インキュベートする。翌朝、300μlの十分生育したP.ヘモリチカ前培養物を、3mlの新たなBHIブロスに接種し、震盪(200rpm)しながら37℃でインキュベートする。適切な量の試験化合物をエタノールに溶解し、一連の二倍連続希釈物を調製する。2mlのそれぞれの連続希釈物を、18mlの溶融BHI寒天と混合し、固まらせる。接種したP.ヘモリチカ培養物が、0.5マクファーランド基準濃度に達した時点で、約5μlのP.ヘモリチカ培養物を、ステアズレプリケーターを用い種々の濃度の試験化合物を含むBHI寒天プレート上に接種し、37℃で18時間インキュベートする。試験化合物の初期濃度は、100−200μg/mlの範囲である。MICは、未接種の対照との比較により決定されるP.ヘモリチカの成長の100%阻害を示す試験化合物の濃度に等しい。
【0052】
一般式(I)の化合物のインビボ活性は、通常、マウスで行われる、当業者等に周知の従来の動物防御研究により測定することができる。
【0053】
マウス到着後ケージを割り当て(ケージ当たり10匹)、用いる前に最低の48時間新しい環境に慣らす。動物に0.5mlの3x10 CFU/mlの細菌懸濁液(P.マルトシダ菌株59A006)を腹腔内により接種する。いずれの実験も、0.1X感染量で感染した1つの群および1X感染量で感染した2つの群を含む少なくとも3つの薬物を投与しない対照群があり、10X感染データ群も用いることができる。通常、所定の研究において、全てのマウスは、特に繰り返し注射器(例えば、コーンウォール(Cornwall)(登録商標)注射器)を用いて感染物を投与する場合、30−90分以内に感染させることができる。感染を開始した30分後、最初の化合物治療を行う。30分の終わりの時点で全ての動物の感染を終えていない場合、二人目が、化合物投与を開始する必要があるかもしれない。投与経路は、皮下または経口投与である。皮下投与は、首の後ろのゆるゆるの皮膚に投与し、一方、経口投与は、食餌針により与える。いずれの場合も、マウス当たり0.2mlの容量を用いる。感染の30分、4時間および24時間後に、化合物を投与する。それぞれの試験には、同じ経路により投与される既知の効力の対照化合物を含める。動物は、毎日観察し、各群の生存数を記録する。P.マルトシダモデルの監視は、感染後96時間(4日)間続ける。
【0054】
PD50は、試験した化合物が、薬物治療をしなければ致命的であろう細菌感染による死亡から一群のマウスの50%を防御する算定量である。
【0055】
【発明の実施の形態】
一般式Iの化合物ならびに薬学的に許容することのできるその塩、プロドラッグ、互変異性体および溶媒和物(以後は、゛活性化合物゛)は、細菌および原虫類感染症の治療に、経口、非経口、局所または直腸経路を通じて投与することができる。治療される対象者の種、体重および症状ならびに選択した特定の投与経路に依存して必然的に変動が生じるが、通常、これらの化合物は、最も好ましくは、1回または分割した量(即ち、1日に1回から4回量)で1日当たり体重kg当たり約0.2mg(mg/kg/日)から約200mg/kg/日の範囲の用量で投与される。しかしながら、約4mg/kg/日から約50mg/kg/日の範囲にある用量水準が、最も好ましく用いられる。それでも尚、治療される哺乳類、魚類または鳥類の種及びこの医薬に対するその個々の応答、ならびに選択した医薬処方物の型及びこのような投与を行う期間および間隔に依存して変動が生じるかもしれない。ある場合には、前述の範囲の下限を下回る用量水準が、非常に適切であるかもしれず、一方、別の場合には、有害な副作用を引き起こすことなく、更に上回る用量を用いることができるが、但し、このような上回る用量は、初めに、1日を通じた投与の中でいくつかの小さい量に分割する。
【0056】
本活性化合物は、単独で又は薬学的に許容することのできる担体もしくは希釈剤と組み合わせて前に示した経路により投与することができ、このような投与は、1回量または複数回量で行うことができる。更に詳しくは、本活性化合物は、種々の異なる剤形で投与することができる、即ち、錠剤、カプセル剤、トローチ剤(lozenges)、トローチ剤(troches)、ハードキャンディー剤、散剤、スプレー剤、クリーム剤、軟膏剤(salves)、坐剤、ゼリー剤、ゲル剤、パスタ剤、ローション剤、軟膏剤(ointments)、水性懸濁剤、注射用液剤、エリキシル剤、シロップ剤等の形態で種々の薬学的に許容することのできる不活性な担体と組み合わせることができる。このような担体としては、固形希釈剤もしくは賦形剤、滅菌水性媒体および種々の無毒の有機溶媒等が挙げられる。更に、経口医薬組成物は、適切に甘味付けおよび/または着香することができる。通常、本活性化合物は、このような剤形中に約5.0重量%から約70重量%の範囲の濃度水準で存在する。
【0057】
経口投与には、デンプン(好ましくはトウモロコシ、バレイショまたはタピオカデンプン)、アルギン酸および特定の複合珪酸塩類のような種々の崩壊剤、ならびにポリビニルピロリドン、ショ糖、ゼラチンおよびアラビアゴムのような顆粒化結合剤と共に微結晶セルロース、クエン酸ナトリウム、炭酸カルシウム、燐酸二カルシウムおよびグリシンのような種々の医薬品添加物を含有する錠剤を用いることができる。更に、ステアリン酸マグネシウム、ラウリル硫酸ナトリウムおよびタルクのような滑沢剤は、錠剤化目的にはしばしば非常に有用である。同様の型の固形組成物を、ゼラチンカプセル剤中の賦形剤として用いることもでき、これに関連する好ましい材料としては、やはり、ラクトース即ち乳糖ならびに高分子量ポリエチレングリコール類が挙げられる。経口投与用に水性懸濁剤および/またはエリキシル剤を所望である場合、水、エタノール、プロピレングリコール、グリセリン及びそれらの種々の組み合わせのような希釈剤と共に、種々の甘味剤または着香剤、着色剤もしくは染料、ならびに、そのように所望であれば、乳化剤および/または懸濁化剤と本活性化合物を組み合わせることができる。
【0058】
非経口投与には、ゴマもしくは落花生油、または水性プロピレングリコールのいずれか中の活性化合物の液剤を用いることができる。水性液剤は、必要であれば適切に緩衝化すべきであり(好ましくは8より高いpH)、液体希釈剤は、初めに等張にすべきである。これらの水性液剤は、静脈注射目的に好適である。油性液剤は、関節内、筋肉内および皮下注射目的に好適である。滅菌条件下でのこれら全ての液剤の調製は、当業者等に周知の標準製薬技法により容易に達成される。
【0059】
更に、本発明の活性化合物を局所的に投与することも可能であり、これは、標準製薬慣習により、クリーム剤、ゼリー剤、ゲル剤、パスタ剤、パッチ剤、軟膏剤等により行うことができる。
【0060】
ウシまたは家畜のようなヒト以外の動物への投与には、本活性化合物は、動物の餌に入れて、または水薬組成物として経口的に投与することができる。
【0061】
また、本活性化合物は、小さな単膜リポソーム、大きな単膜リポソーム及び多重膜リポソームのようなリポソーム送達システムの形態で投与することもできる。リポソームは、コレステロール、ステアリルアミンまたはホスファチジルコリンのような種々の燐脂質から形成することができる。
【0062】
また、本活性化合物は、標的に向けられる薬物担体として可溶性ポリマーと結合させることができる。このようなポリマーとしては、ポリビニルピロリドン、ピランコポリマー、ポリヒドロキシプロピルメタクリルアミドフェニル、ポリヒドロキシエチルアスパルトアミド−フェノール、またはパルミトイル残基で置換されたポリエチレンオキサイド−ポリリシンを挙げることができる。更には、本活性化合物は、薬物の制御放出を達成するのに有用な生体分解可能ポリマーの系、例えば、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリ乳酸とポリグリコール酸とのコポリマー、ポリエプシロンカプロラクトン、ポリヒドロキシ酪酸、ポリオルトエステル類、ポリアセタール類、ポリジヒドロピラン類、ポリシアノアクリレート類およびヒドロゲルの架橋または両親媒性ブロックコポリマーに結合させることができる。
【一般的実施例手順】
【0063】
以下の実施例は、本発明を更に具体的に説明する。本発明が、実施例の細部に制限されるものではないことは、当然のことである。
【実施例】
実施例1
2´−アセトキシ−2−アルファ−フルオロ−11,12−ジデオキシ−3−デ[(2,6−ジデオキシ−3−C−メチル−3−O−メチル−アルファ−L−リボヘキソピラノシル)オキシ]−6−O−メチル−3−オキソ−12,11−[[12−N−メチル−アミノカルボニル[4−[4−(ピリジン−3−イル)−1H−イミダゾール−1−イル]ブチル]イミノ]]−エリスロマイシン
【化11】
Figure 0003587380
【0064】
1.5mLのDMF中の(18mg、0.021ミリモル)の溶液に、−78℃でKHMDS(トルエン中の0.5M溶液42μL、0.021ミリモル)の溶液を加えた。−78℃で15分攪拌後、500μLのDMF中のセレクトフルオル(商標)(8.2mg、0.023ミリモル)の溶液を滴下した。−78℃で10分攪拌後、新たなKHMS(50μL、0.025ミリモル)を加えた。次いで、沃化メチル(15μL、0.062ミリモル)を、15分後に滴下した。溶液をこの温度で15分間攪拌した。飽和NaHCO溶液および酢酸エチルの添加により反応を停止した。有機層を、飽和NaHSO溶液および食塩水で洗浄した。NaSO上での乾燥および溶媒の除去により、18mgの粗生成物を得、シリカゲル上でクロマトグラフィーにかけて(10%CHOH−CHCl)12mg(64%)の標記化合物;MS m/e 885(M+1)を得た。
実施例2
2−アルファ−フルオロ−11,12−ジデオキシ−3−デ[(2,6−ジデオキシ−3−C−メチル−3−O−メチル−アルファ−L−リボヘキソピラノシル)オキシ]−6−O−メチル−3−オキソ−12,11−[[12−N−メチル−アミノカルボニル[4−[4−(ピリジン−3−イル)−1H−イミダゾール−1−イル]ブチル]イミノ]]−エリスロマイシン
【化12】
Figure 0003587380
【0065】
化合物を、1mLのMeOHに溶解し、2滴の水を加えた。溶液を室温で一晩攪拌した。溶媒の蒸発により、12mgの標記化合物;MS 843(M+1)を得た。
実施例3
2−アルファ−フルオロ−11,12−ジデオキシ−3−デ[(2,6−ジデオキシ−3−C−メチル−3−O−メチル−アルファ−L−リボヘキソピラノシル)オキシ]−6−O−メチル−3−オキソ−12,11−[[12−N−エチル−アミノカルボニル[4−[4−(ピリジン−3−イル)−1H−イミダゾール−1−イル]ブチル]イミノ]]−エリスロマイシン
【0066】
実施例1および2の方法を用い、に相当する化合物(一般式Iの化合物のその可変因子が上記で定義されているが、ここで、RはCHCHである);MS m/e 857(M+1)を調製した。
実施例4
2−アルファ−フルオロ−11,12−ジデオキシ−3−デ[(2,6−ジデオキシ−3−C−メチル−3−O−メチル−アルファ−L−リボヘキソピラノシル)オキシ]−6−O−メチル−3−オキソ−12,11−[[12−N−アリル−アミノカルボニル[4−[4−(ピリジン−3−イル)−1H−イミダゾール−1−イル]ブチル]イミノ]]−エリスロマイシン
【0067】
実施例1および2の方法を用い、に相当する化合物(一般式Iの化合物のその可変因子が上記で定義されているが、ここで、RはCHCH=CHである);MS m/e 869(M+1)を調製した。
実施例5
2−アルファ−フルオロ−11,12−ジデオキシ−3−デ[(2,6−ジデオキシ−3−C−メチル−3−O−メチル−アルファ−L−リボヘキソピラノシル)オキシ]−6−O−メチル−3−オキソ−12,11−[[12−N−トランス−2−ブテニル−アミノカルボニル[4−[4−(ピリジン−3−イル)−1H−イミダゾール−1−イル]ブチル]イミノ]]−エリスロマイシン
【0068】
実施例1および2の方法を用い、3に相当する化合物(一般式Iの化合物のその可変因子が上記で定義されているが、ここで、Rはトランス−CHCH=CHCHである);MS m/e 883(M+1)を調製した。
実施例6
2−アルファ−フルオロ−11,12−ジデオキシ−3−デ[(2,6−ジデオキシ−3−C−メチル−3−O−メチル−アルファ−L−リボヘキソピラノシル)オキシ]−6−O−メチル−3−オキソ−12,11−[[12−N−トランス−2−ペンテニル−アミノカルボニル[4−[4−(ピリジン−3−イル)−1H−イミダゾール−1−イル]ブチル]イミノ]]−エリスロマイシン
【0069】
実施例1および2の方法を用い、に相当する化合物(一般式Iの化合物のその可変因子が上記で定義されているが、ここで、Rはトランス−CHCH=CHCHCHである);MS m/e 897(M+1)を調製した。
実施例7
2−アルファ−フルオロ−11,12−ジデオキシ−3−デ[(2,6−ジデオキシ−3−C−メチル−3−O−メチル−アルファ−L−リボヘキソピラノシル)オキシ]−6−O−メチル−3−オキソ−12,11−[[12−N−ゼラニル−アミノカルボニル[4−[4−(ピリジン−3−イル)−1H−イミダゾール−1−イル]ブチル]イミノ]]−エリスロマイシン
【0070】
実施例1および2の方法を用い、に相当する化合物(一般式Iの化合物のその可変因子が上記で定義されているが、ここで、Rはトランス,トランス−CH−CH=C(CH)CHCHCH=(CH)CHである);MSm/e 965(M+1)を調製した。

Claims (7)

  1. 下記一般式の化合物
    Figure 0003587380
    または薬学的に許容することのできるその塩もしくは溶媒和物[ここで、
    Xは、Cl、Br、IまたはFであり;Yは、=Oまたは=NORであり;Rが4−から10−員の複素環により置換された(4−から10−員の複素環)C−Cアルキルであり、RがC−C10アルキルまたはC−C10アルケニルであり、RがC−Cアルキルであり、Rがエチルであり、RがC−Cアルキルであり、そしてRがHである。ここで、前記各ヒドロキシ基は、各々独立に、通常三文字記号により表される20個の天然に存在するアミノ酸、4−ヒドロキシプロリン、ヒドロキシリシン、デモシン、イソデモシン、3−メチルヒスチジン、ノルバリン、ベータ−アラニン、ガンマ−アミノ酪酸、シトルリン、ホモシステイン、ホモセリン、オルニチン、メチオニンスルホン、ヘミコハク酸、燐酸、ジメチルアミノ酢酸、ホスホリルオキシメチルオキシカルボニル、カルバミン酸、炭酸または硫酸とエステルを形成していても良い。
  2. 下記一般式の請求項1の化合物
    Figure 0003587380
    または薬学的に許容することのできるその塩[ここで、Yは、=Oまたは=NORであり;Rは、C−C10アルキルまたはC−C10アルケニルであり;そしてRは、H、−C(O)C−Cアルキル、ベンジル、ベンジルオキシカルボニル、または(C−Cアルキル)シリルである]。
  3. Yが=Oであり、そしてRがHである、請求項2の化合物。
  4. Yが=NORであり、そしてRがHである、請求項2の化合物。
  5. が、CH、CHCH、CHCH=CH、トランス−CHCH=CHCH、トランス−CHCH=CHCHCH、またはトランス−CH−CH=C(CH)CHCHCH=(CH)CHである、請求項3の化合物。
  6. 一般式Iの化合物
    Figure 0003587380
    または薬学的に許容することのできるその塩もしくは溶媒和物[ここで、
    Xは、Cl、Br、IまたはFであり;Yは、=Oまたは=NORであり;Rが4−から10−員の複素環により置換された(4−から10−員の複素環)C−Cアルキルであり、RがC−C10アルキルまたはC−C10アルケニルであり、RがC−Cアルキルであり、Rがエチルであり、RがC−Cアルキルであり、そしてRがHである。ここで、前記各ヒドロキシ基は、各々独立に、通常三文字記号により表される20個の天然に存在するアミノ酸、4−ヒドロキシプロリン、ヒドロキシリシン、デモシン、イソデモシン、3−メチルヒスチジン、ノルバリン、ベータ−アラニン、ガンマ−アミノ酪酸、シトルリン、ホモシステイン、ホモセリン、オルニチン、メチオニンスルホン、ヘミコハク酸、燐酸、ジメチルアミノ酢酸、ホスホリルオキシメチルオキシカルボニル、カルバミン酸、炭酸または硫酸とエステルを形成していても良い。]の調製法であって、下記一般式の化合物
    Figure 0003587380
    [ここで、Pは、保護基である]を脱保護することを含む、前記方法。
  7. 更に、一般式IIの化合物が、下記一般式の化合物
    Figure 0003587380
    を強塩基および一般式R−Lの化合物(ここで、Lは、離脱基である)で処理することにより調製される、請求項の方法。
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