JP3839246B2 - 新規マクロライド - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規マクロライド誘導体、それらを含む医薬組成物、及び例えば、哺乳類、魚類、及び鳥類における細菌又は原生生物感染の治療又は予防におけるそれらの使用方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
マクロライド抗生物質は、哺乳類、魚類、及び鳥類における細菌又は原生生物感染の治療において用いることができ、例えば、エリスロマイシンAの種々の誘導体、例えばアジスロマイシン(これは、市販されており、また、USP4,474,768及びUSP4,517,359の各明細書に記載されているので、詳細についてはそれらの明細書を参照されたい)を挙げることができる。別のマクロライドは、例えば、以下の文献中に開示されているのでそれらを参照されたい:US仮出願第60/049348号(1997年6月11日出願;Brian S.Bronk,Michael A.Letavic,Takushi Kaneko,Bingwei V.Yang,E.A.Glazer,andHengmiao Cheng);US仮出願第60/049348号(1997年6月11日出願;Brian S.Bronk,Michael A.Letavic,Takushi Kaneko,Bingwei V.Yang,E.A.Glazer,and Hengmiao Cheng);WO98/01571(Peter Francis Leadlay,James Staunton,Jesus Cortes,and Michael Stephen Pacey);WO98/01546(Peter FrancisLeadlay,James Staunton,and Jesus Cortes);US仮出願第60/070343号(1998年1月2日出願;John P.Dirlam);US仮出願第60/097075号(1998年8月19日出願;Hengmiao Cheng,Michael A.Letavic,Carl B.Ziegler,Peter Bertinato Jason K.Dutra,Brian S.Bronk);及びWO98/09978。
【0003】
【課題を解決するための手段】
本発明は、式(1):
【化17】
[式中、Xは、−CH2NR7−基又は−NR7CHR6−基{ここで、それぞれの前記X基の最初のダッシュ「−」はYに結合しており、そしてそれぞれの前記X基の最後のダッシュ「−」は、8位の炭素原子に結合している}であり;Yは、−CH(CH3)−基であるか;又はXとYとR3とが、一緒になって、式(a):
【化18】
で表される部分を形成することができ;Zは、−C(O)−基、−CH(−OR8)−基、及び式(b):
【化19】
で表される部分からなる群から選択した基であり;R1は、水素原子又はヒドロキシ保護基であり;R2は、−OR13基であるか;又はR2とR3とが、一緒になって、式(c):
【化20】
で表される部分を形成するか;あるいは、Xが−NR7CHR6−基である場合は、R2とR6とが、一緒になって、式(d):
【化21】
で表される部分を形成することができ;R3は、−OC(O)R15基であるか、あるいはR3とXとYとが一緒になって式(a)で表される部分を形成するか、又はR3とR2とが一緒になって式(c)で表される部分を形成し;R4は、−OR14基であり;R5は、α−分枝鎖状C2−C8アルキル基、C2−C8アルケニル基、C2−C8アルキニル基、C2−C8アルコキシアルキル基、若しくはC2−C8アルキルチオアルキル基(場合によりヒドロキシ基少なくとも1個で置換されていることがある);C5−C8シクロアルキル基に結合するC2アルキル基;C5−C8シクロアルキル基に結合するα−分枝鎖状C3−C5アルキル基;C3−C8シクロアルキル基若しくはシクロアルケニル基(場合により、メチル基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、及びC1−C4アルキル基からなる群から選択した部分少なくとも1個で置換されていることがある);又は酸素原子若しくはイオウ原子少なくとも1個を含有し、場合によりC1−C4アルキル基又はハロゲン原子1個以上で置換されていることがあり、3〜6員で、そして飽和、又は完全不飽和若しくは部分不飽和の複素環式環基であり;R6は、水素原子であるか、又は、Xが−NR7CHR6−基である場合は、R6とR2とが一緒になって式(d)で表される部分を形成することができ;R7は、水素原子、C1−C10アルキル基、C2−C10アルケニル基、C2−C10アルキニル基、−(CH2)m(C6−C10アリール)基、及び−(CH2)m(5〜10員のヘテロアリール)基からなる群から選択した基であり、ここで、前記R7基の前記アルキル部分、アルケニル部分、アリール部分、ヘテロアリール部分、及びアルキニル部分は、場合により、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、トリフルオロメチル基、アジド基、−C(O)R11基、−OC(O)R11基、−NR11C(O)R12基、−C(O)NR11R12基、−NR11R12基、ヒドロキシ基、C1−C6アルキル基、C1−C6アルコキシ基、C6−C10アリール基、及び5〜10員のヘテロアリール基からなる群から独立して選択した置換基1〜3個で置換されていることがあり;R8は、水素原子、C1−C10アルキル基、C2−C10アルケニル基、C2−C10アルキニル基、−C(O)R17基、−C(O)NR17R18基、−(CH2)m(C6−C10アリール)基、及び−(CH2)m(5〜10員のヘテロアリール)基からなる群から選択した基であり、ここで、前記R8基の前記アルキル部分、アルケニル部分、アルキニル部分、アリール部分、及びヘテロアリール部分は、場合により、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、トリフルオロメチル基、アジド基、−C(O)R11基、−OC(O)R11基、−NR11C(O)R12基、−C(O)NR11R12基、−NR11R12基、ヒドロキシ基、C1−C6アルキル基、C1−C6アルコキシ基、C6−C10アリール基、及び5〜10員のヘテロアリール基からなる群から独立して選択した置換基1〜3個で置換されていることがあり;R10は、ヒドロキシ基であり;R9は、水素原子、C1−C10アルキル基、C2−C10アルケニル基、C2−C10アルキニル基、シアノ基、−CH2S(O)nR11基、−CH2OR11基、−CH2NR11R12基、−(CH2)m(C6−C8アリール)基、及び−(CH2)m(5〜10員のヘテロアリール)基からなる群から選択した基であり、ここで、前記R9基の前記アルキル部分、アルケニル部分、アルキニル部分、アリール部分、及びヘテロアリール部分は、場合により、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、トリフルオロメチル基、アジド基、−C(O)R11基、−OC(O)R11基、−NR11C(O)R12基、−C(O)NR11R12基、−NR11R12基、ヒドロキシ基、C1−C6アルキル基、C1−C6アルコキシ基、C6−C10アリール基、及び5〜10員のヘテロアリール基からなる群から独立して選択した置換基1〜3個で置換されていることがあり;R11及びR12は、それぞれ、水素原子、C1−C6アルキル基、C2−C6アルケニル基、(CH2)m(C6−C10アリール)基、(CH2)m(5〜10員のヘテロアリール)基、及びC2−C10アルキニル基からなる群から独立して選択した基であり、ここで、前記R11基及びR12基の前記アルキル部分、アルケニル部分、アリール部分、ヘテロアリール部分、及びアルキニル部分は、場合により、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、トリフルオロメチル基、C1−C6アルキル基、及びC1−C6アルコキシ基からなる群から独立して選択した置換基1〜3個で置換されていることがあり;R13は、水素原子、C1−C10アルキル基、C2−C10アルケニル基、C2−C10アルキニル基、−R16(C6−C10アリール)基、及び−R16(5〜10員のヘテロアリール)基からなる群から選択した基であり、ここで、前記R13基の前記アルキル部分、アルケニル部分、アルキニル部分、アリール部分、及びヘテロアリール部分は、場合により、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、トリフルオロメチル基、アジド基、−C(O)R11基、−OC(O)R11基、−NR11C(O)R12基、−C(O)NR11R12基、−NR11R12基、ヒドロキシ基、C1−C6アルキル基、C1−C6アルコキシ基、C6−C10アリール基、及び5〜10員のヘテロアリール基からなる群から独立して選択した置換基1〜3個で置換されていることがあり;R14は、それぞれ、水素原子、C1−C10アルキル基、C2−C10アルケニル基、C2−C10アルキニル基、−(CH2)m(C6−C10アリール)基、及び−(CH2)m(5〜10員のヘテロアリール)基からなる群から独立して選択した基であり、ここで、前記R1 4基の前記アルキル部分、アルケニル部分、アルキニル部分、アリール部分、及びヘテロアリール部分は、場合により、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、トリフルオロメチル基、アジド基、−C(O)R11基、−OC(O)R11基、−NR11C(O)R12基、−C(O)NR11R12基、−NR11R12基、ヒドロキシ基、C1−C6アルキル基、C1−C6アルコキシ基、C6−C10アリール基、及び5〜10員のヘテロアリール基からなる群から独立して選択した置換基1〜3個で置換されていることがあり;R15は、C1−C10アルキル基、C2−C10アルケニル基、C2−C10アルキニル基、−(CH2)m(C6−C10アリール)基、及び−(CH2)m(5〜10員のヘテロアリール)基からなる群から選択した基であり、ここで、前記R15基の前記アルキル部分、アルケニル部分、アリール部分、ヘテロアリール部分、及びアルキニル部分は、場合により、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、トリフルオロメチル基、アジド基、−C(O)R11基、−OC(O)R11基、−NR11C(O)R12基、−C(O)NR11R12基、−NR11R12基、ヒドロキシ基、C1−C6アルキル基、C1−C6アルコキシ基、C6−C10アリール基、及び5〜10員のヘテロアリール基からなる群から独立して選択した置換基1〜3個で置換されていることがあり;R16は、C1−C6アルキル基、C3−C6アルケニル基、及びC3−C6アルキニル基からなる群から選択した基であり、ここで、前記R16基の前記アルキル部分、アルケニル部分、及びアルキニル部分は、場合により、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、トリフルオロメチル基、アジド基、−C(O)R11基、−OC(O)R11基、−NR11C(O)R12基、−C(O)NR11R12基、−NR11R12基、ヒドロキシ基、C1−C6アルキル基、C1−C6アルコキシ基、C6−C10アリール基、及び5〜10員のヘテロアリール基からなる群から独立して選択した置換基1〜3個で置換されていることがあり、また、それぞれの前記R16基の炭素原子少なくとも1個は、場合により、酸素原子、N(R15)基、及びイオウ原子からなる群から独立して選択した原子又は部分1〜3個で置き換わっていることができ;R17及びR18は、それぞれ、水素原子、C1−C10アルキル基、C2−C10アルケニル基、C2−C10アルキニル基、−(CH2)m(C6−C10アリール)基、及び−(CH2)m(5〜10員のヘテロアリール)基からなる群から独立して選択した基であり、ここで、前記R17基及びR18基の前記アルキル部分、アルケニル部分、アルキニル部分、アリール部分、及びヘテロアリール部分は、場合により、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、トリフルオロメチル基、アジド基、−C(O)R11基、−OC(O)R11基、−NR11C(O)R12基、−C(O)NR11R12基、−NR11R12基、ヒドロキシ基、C1−C6アルキル基、C1−C6アルコキシ基、C6−C10アリール基、及び5〜10員のヘテロアリール基からなる群から独立して選択した置換基1〜3個で置換されていることがあり;nは、それぞれ独立して、0〜2の整数を意味し;mは、それぞれ独立して、0〜4の整数を意味する]で表される新規化合物、それらの薬剤学的に許容することのできる塩、それらの溶媒化物、又はそれらのプロドラッグに関する。
【0004】
式(1)で表される好ましい化合物においては、Xが−CH2NR7−基又は−NR7CHR6−基であり、Zが式(b)で表される部分であり、R2がOH基であり、R3が−OC(O)R15基であり、R4がOH基であり、そしてR6が水素原子である。
【0005】
式(1)で表される好ましい別の化合物においては、Xが−NR7CHR6−基であり、Zが式(b)で表される部分であり、R2とR6とが一緒になって式(d)で表される部分を形成し、R3が−OC(O)R15基であり、R4がOH基であり、そしてR7がCH3基である。
【0006】
式(1)で表される好ましい別の化合物においては、XとYとR3とが一緒になって、式(a)で表される部分を形成し、Zが式(b)で表される部分であり、R2がOH基であり、そしてR4がOH基である。
【0007】
式(1)で表される好ましい別の化合物においては、Xが−CH2NR7−基又は−NR7CHR6−基であり、Zが式(b)で表される部分であり、R2とR3とが一緒になって式(c)で表される部分を形成し、そしてR4がOH基である。
【0008】
式(1)で表される好ましい別の化合物においては、XとYとR3とが一緒になって、式(a)で表される部分を形成し、Zが−CH(OR8)−基であり、R2が−OR13基であり、そしてR4がOR15基である。
【0009】
式(1)で表される好ましい別の化合物においては、XとYとR3とが一緒になって、式(a)で表される部分を形成し、Zが−C(O)−基であり、R2が−OR13基であり、そしてR4がOR15基である。式(1)で表されるより好ましい化合物においては、R1が水素原子であり、R5がエチル基であり、R15が水素原子又はメチル基であり、そしてR13が式(e):
【化22】
式(f):
【化23】
又は式(g):
【化24】
[それぞれの式中、R19は、C6−C10アリール基又は5〜10員のヘテロアリール基であり、前記R19基のアリール部分及びヘテロアリール部分は、場合により、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、トリフルオロメチル基、アジド基、−C(O)R11基、−OC(O)R12基、−NR11C(O)R12基、−C(O)NR11R12基、−NR11R12基、ヒドロキシ基、C1−C6アルキル基、C1−C6アルコキシ基、C6−C10アリール基、及び5〜10員のへテロアリール基からなる群から選択した置換基1〜3個で置換されていることがある]で表される部分である。式(1)で表される更により好ましい化合物においては、R19が、フェニル基、2−キノリル基、3−キノリル基、4−キノリル基、5−キノリル基、6−キノリル基、7−キノリル基、8−キノリル基、2−ピリジル基、3−ピリジル基、及び4−ピリジル基からなる群から選択した基である。
【0010】
式(1)で表される好ましい別の化合物においては、R5が、エチル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、sec−ブチル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、メチルチオエチル基、及びフリル基からなる群から選択した基である。
【0011】
更に、本発明は、式(2):
【化25】
[式中、R2、R5、R7、R9、R10、及びR15は、本明細書中に規定されている意味である]で表される化合物の製造方法であって、式(f):
【化26】
で表される化合物とグリニャール試薬とを、式(2)で表される化合物の形成に充分な時間及び温度で接触させることを含む、前記製造方法に関する。
【0012】
更に、本発明は、式(4):
【化27】
[式中、R5、R9、R10、及びR15は、本明細書中に規定されている意味である]で表される化合物の製造方法であって、式(h):
【化28】
で表される化合物とアミン酸化試薬とを、式(4)で表される化合物の形成に充分な時間及び温度で接触させることを含む、前記製造方法に関する。この発明の好ましい態様においては、前記アミン酸化試薬が、N−ブロモスクシンイミド、N−クロロスクシンイミド、ヨウ素、又は臭素からなる群から選択した試薬である。
【0013】
更に、本発明は、式(5):
【化29】
[式中、R2、R5、R9、及びR10は、本明細書中に規定されている意味である]で表される化合物の製造方法であって、式(i):
【化30】
で表される化合物とグリニャール試薬又は塩基とを、式(5)で表される化合物の形成に充分な時間及び温度で接触させることを含む、前記製造方法に関する。好ましい方法では、前記グリニャール試薬が、ベンジルマグネシウムクロライドである。別の好ましい態様では、前記塩基が、イソプロピルシクロヘキシルアミノマグネシウムクロライドである。
【0014】
更に、本発明は、式(7):
【化31】
[式中、R2及びR5は、本明細書中に規定されている意味である]で表される化合物の製造方法であって、式(5):
【化32】
[式中、R9及びR10は、本明細書中に規定されている意味である]で表される化合物と酸性条件とを、式(7)で表される化合物の形成に充分な時間及び温度で接触させることを含む、前記製造方法に関する。
【0015】
式(1)で表される化合物又はそれらの薬剤学的に許容することのできる塩、それらの溶媒化物、あるいはそれらのプロドラッグ、及び薬剤学的に許容することのできる担体を含む、医薬組成物に関する。
更に本発明は、細菌又は原生生物感染の治療が必要な哺乳類、魚類、又は鳥類に、治療有効量の式(1)で表される化合物又はそれらの薬剤学的に許容することのできる塩、それらの溶媒化物、あるいはそれらのプロドラッグを投与することを含む、哺乳類、魚類、又は鳥類における細菌又は原生生物感染の治療方法に用いることができる。
【0016】
【定義】
本明細書において、特に断らない限り、用語「感染」は、哺乳類、魚類、又は鳥類において発生する細菌感染及び原生生物感染、並びに抗生物質(例えば、本発明の化合物)を投与することによって治療又は予防することができる細菌感染及び原生生物感染に関連する障害を含む。前記細菌感染及び原生生物感染、並びに前記感染に関連する障害としては、肺炎双球菌(Streptococcuspneumoniae)、インフルエンザ菌(Haemophilus influenzae)、モラクセラ・カタラリス(Moraxella catarrhalis)、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)、又はペプトストレプトコッカス種(Peptostreptococcus spp.)の感染が関連する肺炎、中耳炎、静脈洞炎、気管支炎、扁桃炎、及び乳様突起炎;化膿連鎖球菌(Streptococcus pyogenes)、ストレプトコッカス(streptococci)C群及びG群、クロストリジウム・ジプテリアエ(Clostridium diptheriae)、又はアクチノバチルス・ヘモリチクム(Actinobacillus haemolyticum)の感染が関連する咽頭炎、リウマチ熱、及び糸球体腎炎;肺炎マイコプラスマ(Mycoplasma pneumoniae)、レジュネラ・ニューモフィラ(Legionella pneumophila)、肺炎双球菌(Streptococcus pneumoniae)、インフルエンザ菌(Haemophilus influenzae)、又はクラミジア・ニューモニアエ(Chlamydia pneumoniae)の感染が関連する気道感染;黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)、コアグラーゼ陽性スタフィロコッカス(coagulase−positive staphylococci)[例えば、表皮ブドウ球菌(S.epidermidis)及びスタフィロコッカス・ヘモリチカ(S.hemolyticus)]、化膿連鎖球菌(Streptococcus pyogenes)、ストレプトコッカス・アガラクチアエ(Streptococcus agalactiae)、ストレプトコッカスC〜F群(Streptocaccal groups C−F)[マイニュート−コロニー・ストレプトコッカス(minute−colony streptocacci)]、緑色ストレプトコッカス(viridans Streptococci)、コリネバクテリウム・ミヌティシマム(Corynebacterium minutissimum)、クロストリジウム種(Clostridium spp.)、又はバルトネラ・ヘンセラエ(Bartonella henselae)の感染が関連する単純な皮膚及び軟組織感染、膿瘍及び骨髄炎、並びに産じょく熱;スタフィロコッカス・サプロフィティカス(Staphylococcus saprophyticus)又はエンテロコッカス種(Enterococcus spp.)の感染が関連する単純急性尿路感染;尿道炎及び子宮頸炎;並びにトラコーマクラミジア(Chlamydia trachomatis)、軟性下疳菌(Haemophilus ducreyi)、梅毒トレポネーマ(Treponema pallidum)、ウレアプラスマ・ウレアリチカム(Ureaplasma urealyticum)、又は淋菌(Neisseria gonorrheae)の感染が関連する性感染病;黄色ブドウ球菌(S.aureus)の感染が関連する毒素疾患(食中毒及びトキシックショック症候群)又はストレプトコッカス(streptococci)A、B、及びC群の感染が関連する毒素疾患;ヘリコバクター・ピロリ(Helicobacter pylori)の感染が関連する潰瘍;回帰熱ボレリア(Borrelia recurrentis)の感染が関連する全身性発熱症候群;ボレリア・ブルグドルフェリ(Borrelia burgdorferi)の感染が関連するライム病;トラコーマクラミジア(Chlamydia trachomatis)、淋菌(Neisseria gonorrhoeae)、黄色ブドウ球菌(S.aureus)、肺炎双球菌(S.pneumoniae)、化膿連鎖球菌(S.pyogenes)、インフルエンザ菌(H.inffuenzae)、又はリステリア種(Listeria spp.)の感染が関連する結膜炎、角膜炎、及び涙のう炎;鳥型結核菌(Mycobacterium avium)又はマイコバクテリウム・イントラセルラレ(Mycobacterium intracellulare)の感染が関連する播種性鳥型結核菌複合体(MAC)疾患;キャンピロバクター・ジェジュニ(Campylobacter jejuni)の感染が関連する胃腸炎;クリプトスポリジウム種(Cryptosporidium spp.)の感染が関連する腸内原生生物(intestinal protozoa);緑色ストレプトコッカス(viridans Streptococci)の感染が関連する歯性感染;百日咳菌(Bordetella
pertussis)の感染が関連する持続性咳;ウェルチ菌(Clostridium perfringens)又はバクテロイデス種(Bacteroides spp.)の感染が関連するガス壊疸;並びにヘリコバクター・ピロリ(Helicobacter pylori)又はクラミジア・ニューモニアエ(Chlamydia pneumoniae)の感染が関連するアテローム性動脈硬化症を含む。
【0017】
動物において治療又は予防することのできる細菌感染及び原生生物感染、並びにそれらの感染に関連する障害としては、例えばパスツレラ・ヘモリチカ(P.haem.;Pasteurella haemolytica)、パスツレラ・ムルトシダ(P.multocida;Pasteurella multocida)、マイコプラスマ・ボビス(Mycoplasma bovis)、又はボルデテラ種(Bordetella spp.)の感染が関連する牛(bovine)の呼吸性疾患;大腸菌(E.coli)又は原生生物(例えば、コクシジウム及びクリプトスポリジウム)の感染が関連する牛(cow)の腸疾患;黄色ブドウ球菌(Staph.aureus)、ストレプトコッカス・ウベリス(Strep.uberis)、ストレプトコッカス・アガラクチアエ(Strep.agalactiae)、ストレプトコッカス・ジスガラクチアエ(Strep.dysgalactiae)、クレブシエラ種(Klebsiella spp.)、コリネバクテリウム(Corynebacterium)、又はエンテロコッカス種(Enterococcus spp.)の感染が関連する乳牛(dairy cow)の乳腺炎;アクチノバチルス・プリュロプニュモニアエ(A.pleuro.;Actinobacillus pleuropneumoniae)、パスツレラ・ムルトシダ(P.multocida)、又はマイコプラスマ種(Mycoplasma spp.)の感染が関連する豚の呼吸性疾患;大腸菌(E.coli)、ローソニア・イントラセルラリス(Lawsonia intracellularis)、サルモネラ(Salmonella)、又はセルプリナ・ヒオジシンテリアエ(Serpulina hyodysinteriae)の感染が関連する豚の腸疾患;フゾバクテリウム種(Fusobacterium spp.)の感染が関連する牛(cow)の趾間腐乱;大腸菌(E.coli)の感染が関連する牛(cow)の子宮炎;壊死杆菌(Fusobacterium necrophorum)又はバクテロイデス・ノドサス(Bacteroides nodosus)の感染が関連する、牛(cow)の毛で覆われたこぶ(hairy wart);モラクセラ・ボビス(Moraxella bovis)の感染が関連する牛(cow)の急性カタル性結膜炎;原生生物[例えば、早生胞子虫(neosporium)]の感染が関連する牛(cow)の未成熟流産;大腸菌(E.coli)の感染が関連する、イヌ又はネコにおける尿路感染;表皮ブドウ球菌(Staph.epidermidis)、スタフィロコッカス・インターメディウス(Staph.intermedius)、コアグラーゼ陰性スタフィロコッカス(coagulase neg.Staph.)、又はパスツレラ・ムルトシダ(p.multocida)の感染が関連する、イヌ及びネコにおける皮膚又は軟組織感染;並びにアルカリゲネス種(Alcaligenes spp.)、バクテロイデス種(Bacteroides spp.)、クロストリジウム種(Clostridium spp.)、エンテロバクター種(Enterobacterspp.)、ユーバクテリウム(Eubacterium)、ペプトストレプトコッカス(Peptostreptococcus)、ポルフィロモナス(Porphyromonas)、又はプレボテラ(Prevotella)の感染が関連する、イヌ又はネコにおける歯科的又は口内感染を挙げることができる。本発明の方法に従って治療又は予防することのできる他の細菌感染及び原生生物感染、並びにそれらの感染が関連する障害は、J.P.Sanfordら,“The Sanford Guide To Antimicrobial Therapy,”第26版,(Antimicrobial Therapy,Inc.,1996)を参照されたい。
【0018】
本明細書において、用語「治療」は、特に断らない限り、治療及び予防を含む。
本明細書において、「ハロゲン原子」又は「ハロ」は、特に断らない限り、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、又はヨウ素原子を含む。好ましいハロゲン原子の群は、フッ素原子、塩素原子、及び臭素原子である。
【0019】
本明細書において、「アルキル基」は、特に断らない限り、直鎖状、環状、若しくは分枝状の部分、又は前記の部分の組合せを有する一価の飽和炭化水素基を含む。アルキル基は、二重又は三重結合を1又は2個含有することができる。シクロアルキル基は、炭素原子を少なくとも3個含有することを理解されたい。
【0020】
本明細書において、用語「アルカノイル基」は、特に断らない限り、−C(O)−アルキル基(ここで、アルキル基は、前記の意味である)を含む。
本明細書において、用語「アラルキル基」は、特に断らない限り、アルキル基で置換されたアリール基、又はアリール基によって置換されたアルキル基を含む。
本明細書において、「アリール基」は、特に断らない限り、芳香族系炭化水素から水素原子1個を除去することにより誘導された有機基(例えばフェニル基又はナフチル基)を含む。
【0021】
本明細書において、「Ac」は、特に断らない限り、アセチル基を表す。
本明細書において、「Me」は、特に断らない限り、メチル基を表す。
本明細書において、「Et」は、特に断らない限り、エチル基を表す。
本明細書において、用語「ヘテロアリール基」は、特に断らない限り、炭素原子少なくとも1個が酸素原子、イオウ原子、及び窒素原子からなる群から選択した原子で置き換わっているアリール基を意味する。
【0022】
本明細書において、「複素環式環基」及び「複素環」は、特に断らない限り、酸素原子、イオウ原子、及び窒素原子からそれぞれ選択したヘテロ原子1個以上を含有する、芳香族系又は非芳香族系の複素環式環基を含む。非芳香族系複素環式環基には、それらの環系中に原子3個だけを有するものが含まれるが、芳香族系複素環式環基(例えばヘテロアリール基)には、それらの環系中に少なくとも原子5個を有する必要がある。複素環式環基には、ベンゾ縮合環系、及びオキソ部分1個又はそれ以上で置換された環系が含まれる。4員の複素環式環基は、例えば、アゼチジニル基(アゼチジンから誘導される)である。5員の複素環式環基は、例えば、チアゾリル基であり、そして10員の複素環式環基は、例えば、キノリニル基である。非芳香族系複素環式環基は、例えば、ピロリジニル基、テトラヒドロフラニル基、テトラヒドロチエニル基、テトラヒドロピラニル基、テトラヒドロチオピラニル基、ピペリジノ基、モルホリノ基、チオモルホリノ基、チオキサニル基、ピペラジニル基、アゼチジニル基、オキセタニル基、チエタニル基、ホモピペリジニル基、オキセパニル基、チエパニル基、オキサゼピニル基、ジアゼピニル基、チアゼピニル基、1,2,3,6−テトラヒドロピリジニル基、2−ピロリニル基、3−ピロリニル基、インドリニル基、2H−ピラニル基、4H−ピラニル基、ジオキサニル基、1,3−ジオキソラニル基、ピラゾリニル基、ジチアニル基、ジチオラニル基、ジヒドロピラニル基、ジヒドロチエニル基、ジヒドロフラニル基、ピラゾリジニル基、イミダゾリニル基、イミダゾリジニル基、3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサニル基、3−アザビシクロ[4.1.0]ヘプタニル基、3H−インドリル基、及びキノリジニル基である。芳香族系複素環式環基は、例えば、ピリジニル基、イミダゾリル基、ピリミジニル基、ピラゾリル基、トリアゾリル基、ピラジニル基、テトラゾリル基、フリル基、チエニル基、イソオキサゾリル基、チアゾリル基、オキサゾリル基、イソチアゾリル基、ピロリル基、キノリニル基、イソキノリニル基、インドリル基、ベンゾイミダゾリル基、ベンゾフラニル基、シンノリニル基、インダゾリル基、インドリジニル基、フタラジニル基、ピリダジニル基、トリアジニル基、イソインドリル基、プテリジニル基、プリニル基、オキサジアゾリル基、チアジアゾリル基、フラザニル基、ベンゾフラザニル基、ベンゾチオフェニル基、ベンゾチアゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、キナゾリニル基、キノキサリニル基、ナフチリジニル基、及びフロピリジニル基である。前記で挙げた化合物から誘導されるものとしての前記の基は、その結合が可能であるならば、C−結合又はN−結合であることができる。例えば、ピロールから誘導される基は、ピロール−1−イル基(N−結合)又はピロール−3−イル基(C−結合)であることができる。
【0023】
本明細書において、「薬剤学的に許容することのできる塩」は、特に断らない限り、本発明の化合物中に存在することのできる酸性基又は塩基性基の塩を含む。本質的に塩基性な本発明の化合物は、種々の無機酸及び有機酸によって、多様な種々の塩を形成することができる。前記の塩基性化合物の薬剤学的に許容することのできる酸付加塩を形成するのに用いることのできる酸は、無毒の酸付加塩(すなわち、薬理学的に許容することのできるアニオンを含む塩)、例えば、以下に限定されずに、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硝酸塩、硫酸塩、重硫酸塩、リン酸塩、酸性リン酸塩、イソニコチン酸塩、酢酸塩、乳酸塩、サリチル酸塩、クエン酸塩、酸性クエン酸塩、酒石酸塩、パントテン酸塩、重酒石酸塩、アスコルビン酸塩、コハク酸塩、マレイン酸塩、ゲンチシン酸塩、フマル酸塩、グルコン酸塩、グルクロン酸塩、糖酸塩、ギ酸塩、安息香酸塩、グルタミン酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、及びパモ酸塩[すなわち、1,1’−メチレン−ビス−(2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸)塩]を形成する酸である。塩基性部分(例えば、アミノ基)を有する本発明の化合物は、前記の酸に加えて、種々のアミノ酸とも、薬剤学的に許容することのできる塩を形成することができる。
【0024】
本質的に酸性な本発明の化合物は、多様な薬理学的に許容することのできるカチオンと、塩基塩を形成することができる。前記の塩としては、アルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩、特にカルシウム塩、マグネシウム塩、ナトリウム塩、及びカリウム塩を挙げることができる。
本明細書に記載の化学構造式において、波線は、その波線が炭素原子に結合する場合に、その波線が結合しているキラル中心における立体配置がR又はS配置であることを表す。
本発明の化合物は、不整中心を有し、従って、種々のエナンチオマー形態及びジアステレオマー形態で存在する。本発明は、本発明の化合物の全ての光学異性体及び立体異性体、並びにそれらの混合物に関し、また、本発明は、それらを使用する又は含有することのできる全ての医薬組成物及び治療方法に関する。また、式(1)で表される化合物は、互変異性体として存在することもできる。本発明は、前記互変異性体及びそれらの混合物の全ての使用に関する。
【0025】
また、本発明は、実際は、原子1個以上が、天然に通常発見される原子量及び質量数と異なる原子量及び質量数を有する原子によって置き換わっていることを除けば式(1)で表される化合物と同じである同位体標識化合物にも関する。本発明の化合物に含まれることのできる同位体としては、例えば、水素原子、炭素原子、窒素原子、酸素原子、リン原子、イオウ原子、フッ素原子、及び塩素原子の同位体、例えば、それぞれ、2H、3H、13C、14C、15N、18O、17O、35S、18F、及び36Clを挙げることができる。同位体で標識された式(1)で表される化合物、それらの薬剤学的に許容することのできる塩、それらの溶媒化物、及びそれらのプロドラッグは、本発明に含まれるものとする。本発明の或る同位体標識化合物〔例えば、放射性同位体(例えば、3H及び14C)を含むもの〕は、薬剤及び/又は基質組織分配アッセイにおいて有用である。トリチウム化(tritiated)(すなわち、3H)及び炭素−14(すなわち、14C)同位体が、調製及び検出が容易なので、特に好ましい。更に、より重い同位体、例えば、ジューテリウム(すなわち、2H)による置換は、代謝安定性がより大きくなるという或る治療的有利性(例えば、イン・ビボ半減期の増加、又は必要投与量の減少)を得ることができ、従って、いくつかの状況において好ましいことがある。本発明の同位体標識化合物及びそれらのプロドラッグは、一般的に、同位体で標識されていない試薬を、容易に入手することができる同位体標識試薬に置き換えることによって、本明細書に記載の方法を実施することにより調製することができる。
【0026】
また、本発明は、式(1)で表される化合物のプロドラッグを含む医薬組成物、及び式(1)で表される化合物のプロドラッグを投与することを含む細菌又は原生生物感染の治療方法に関する。アミノ基、アミド基、ヒドロキシ基、又はカルボキシル基を有する本発明の化合物は、容易にプロドラッグに変換することができる。プロドラッグとしては、アミノ酸残基、又はアミノ酸残基2個以上(例えば、2、3、又は4)のポリペプチド鎖が、アミド又はエステル結合を介して、式(1)で表される化合物の遊離アミノ基、ヒドロキシ基、又はカルボン酸基に、共有結合している化合物を含む。前記アミノ酸残基としては、以下に限定されずに、通常3文字の記号で表される天然のアミノ酸20種、並びに、4−ヒドロキシプロリン、ヒドロキシリシン、デモシン(demosine)、イソデモシン(isodemosine)、3−メチルヒスチジン、ノルバリン、ベータ−アラニン、ガンマ−アミノ酪酸、シトルリン、ホモシステイン、ホモセリン、オルニチン、及びメチオニンスルホンを挙げることができる。
【0027】
また、本発明は、別のタイプのプロドラッグにも関する。例えば、遊離カルボキシ基を、アミド又はアルキルエステルとして誘導することができる。アミド及びエステル部分としては、以下に限定されずに、エーテル、アミン、及びカルボン酸官能基を挙げることができる。遊離ヒドロキシ基は、以下に限定されずに、D.Fleisher,R.Bong,B.H.Stewart,Advanced Drug Delivery Reviews 19:115(1996)に記載のとおり、例えば、ヘミスクシネート、リン酸エステル、ジメチルアミノアセテート、及びホスホリルオキシメチルオキシカルボニルなどの基を用いて誘導することができる。ヒドロキシ基又はアミノ基のカルバメートプロドラッグ(例えば、カーボネートプロドラッグ及びヒドロキシ基の硫酸エステル)も本発明の範囲に含まれる。ヒドロキシ基の(アシルオキシ)メチルエステル及び(アシルオキシ)エチルエステルとしての誘導(derivatization){ここで、前記アシル基は、場合により、以下に限定されずに、エーテル、アミン、及びカルボン酸官能基などの基で置換されていることのあるアルキルエステルであることができるか、又は前記アシル基は、前記のとおり、アミノ酸エステルである}も、本発明の範囲に含まれる。このタイプのプロドラッグは、R.P.Robinsonら,J.Medicinal Chemistry 39:10(1996)に記載されている。
【0028】
【発明の実施の形態】
本発明は、新規マクロライド化合物、それらの製造方法、及びそれらを含む医薬組成物に関する。更に、本発明は、哺乳類(例えば、ヒト)、魚類、及び鳥類における細菌及び原生生物感染の治療又は予防方法、並びに、別の疾患及び状態、例えば、以下に限定されずに、癌、アテローム性動脈硬化症、及び胃運動性障害の治療又は予防方法にも関する。
【0029】
式(2)で表される具体的な本発明の化合物を、表1に示す。
【化33】
【0030】
【表1】
【0031】
表1に記載のマススペクトル(MS)及び収率の情報は、後出の実施例に記載のとおりに調製される化合物2(a)〜2(n)に関するものである。式(2)で表される化合物は、反応工程式1に示す方法に従って調製することができる。
【0032】
反応工程式1
【化34】
【0033】
反応工程式1に従って、式(2)で表される化合物を、式(e)で表される化合物から調製することができる。この合成は、USP4,474,768及び4,517,359に記載されているので、参照されたい。この方法に従って、式(e)で表される化合物から、式(f)で表されるカーボネート化合物を、当業者に公知の合成条件を用いて調製する。好ましい条件は、溶媒(例えば、酢酸エチレン)中で、炭酸エチレン及び塩基(例えば、炭酸カリウム)を使用することを含む。次に、式(f)で表されるカーボネートをグリニャール試薬と反応させることによって、式(2)で表される化合物を得る。
【0034】
本発明の別の化合物は、式(3)で表される化合物であり、その具体的な例を表2に示す。
【化35】
【0035】
【表2】
【0036】
前記と同様に、表2に記載のMS及び収率の情報は、後出の実施例に記載のとおりに調製される化合物3(a)〜3(m)に関するものである。式(3)で表される化合物は、反応工程式2に示す方法に従って調製することができる。
【0037】
反応工程式2
【化36】
【0038】
反応工程式2に従って、式(3)で表される化合物を、式(g)で表される化合物から容易に調製することができる。式(g)で表される化合物は、反応工程式1に従って調製することができる。具体的には、液体アミン中に式(g)で表される化合物を溶解し、続いて、得られた混合物を、充分な時間及び充分な温度で(例えば、室温で約2日間)攪拌することによって、式(3)で表される化合物を調製することができる。あるいは、式(g)で表される化合物と液体又は固体のアミンとを溶媒中に溶解し、次に、これを、充分な時間及び充分な温度で攪拌することによって式(3)で表される化合物を得ることができる。
【0039】
更に別の本発明の化合物は、式(4)で表される化合物であり、その具体的な例を表3に示す。
【化37】
【0040】
【表3】
【0041】
表3に記載のMS及び収率の情報は、後出の実施例に記載のとおりに調製される化合物4(a)〜4(b)に関するものである。式(4)で表される化合物は、反応工程式3に示す方法に従って調製することができる。
【0042】
反応工程式3
【化38】
【0043】
反応工程式3に従って、式(4)で表される化合物を、式(h)で表される化合物から調製することができる。式(h)で表される化合物は、反応工程式1の方法に従って調製することができる。具体的には、適当な溶媒〔例えば、以下に限定されずに、酢酸エチル、及びテトラヒドロフラン(THF)〕中で、式(h)で表される化合物をアミン酸化剤と反応させることによって式(4)で表される化合物を調製することができる。適当なアミン酸化剤としては、以下に限定されずに、N−ブロモスクシンイミド(NBS)、N−クロロスクシンイミド(NCS)、ヨウ素、及び臭素を挙げることができる。
本発明の化合物の別の例、及びそれらの好ましい合成方法は、後出の実施例において提供する。
【0044】
本発明の化合物は、不斉炭素原子を有することがあり、そしてそれらのジアステレオマー混合物は、それらの物理化学的差異に基づいて、当業者に知られている方法、例えばクロマトグラフィー法又は分別結晶法によって、それらの個々のジアステレオマーに分けることができる。エナンチオマーの分割は、適当な光学活性な化合物(例えば、アルコール)と反応させることによってエナンチオマー混合物をジアステレオマー混合物に変換し、ジアステレオマーを分割し、そして個々のジアステレオマーを相当する純粋なエナンチオマーに変換(例えば、加水分解)することによって実施することができる。前記異性体の全て(ジアステレオマー混合物及び純粋エナンチオマーを含む)は、本発明の一部とみなす。
【0045】
本質的に塩基性である本発明の化合物(すなわち、式(1)で表される化合物)は、多様な無機酸及び有機酸によって、広範で多様な種々の塩を形成することができる。前記の塩は、動物に投与するためには薬剤学的に許容することのできるものでなければならないが、実際的には、最初に、反応混合物から薬剤学的に許容することのできない塩として本発明の化合物を単離し、次にアルカリ性試薬で処理することにより前記化合物を単純に遊離塩基化合物に変換して戻し、続いてその遊離塩基を薬剤学的に許容することのできる酸付加塩に変換することがしばしば望ましい。本発明の塩基性化合物の酸付加塩は、水性溶媒媒質中又は適当な有機溶媒(例えば、メタノール若しくはエタノール)中で、前記塩基性化合物を、実質的に等量の選択した鉱酸又は有機酸で処理することによって、容易に調製される。前記溶媒を注意深く蒸発させることにより、所望の固体塩が容易に得られる。また、有機溶媒中の前記遊離塩基の溶液に、適当な鉱酸又は有機酸を加えることによって、所望の酸塩を沈殿させることもできる。
【0046】
本質的に酸性である本発明の化合物は、種々の薬理学的に許容することのできるカチオンによって、塩基塩を形成することができる。前記の塩としては、例えばアルカリ金属又はアルカリ土類金属の塩、特に、ナトリウム及びカリウムの塩を挙げることができる。これらの塩は、全て従来の技術によって調製される。本発明の薬剤学的に許容することのできる塩基塩を調製する試薬として用いる化学塩基は、本発明の酸性化合物と一緒になって、無毒の塩基塩を形成する塩基である。前記の無毒の塩基塩としては、前記の薬理学的に許容することのできるカチオン、例えば、ナトリウム、カリウム、カルシウム、及びマグネシウムから誘導される塩を挙げることができる。それらの塩は、相当する酸性化合物を、所望の薬理学的に許容することのできるカチオンを含む水溶液で処理し、次に、得られた溶液を、蒸発乾固(好ましくは減圧下で)することにより、容易に調製することができる。あるいは、酸性化合物の低級アルカノール性溶液と、所望のアルカリ金属アルコキシドとを一緒に混合し、次に、得られた溶液を前記と同じ方法で蒸発乾固させることによってそれらを調製することもできる。いずれの場合でも、反応の完了及び所望する最終生成物の最大収量を保証するために、試薬の化学量論的量で使用することが好ましい。
【0047】
病原体である細菌及び原生生物に対する本発明の化合物の活性は、ヒト(アッセイ1)病原体の規定の株又は動物(アッセイ2及び3)病原体の規定の株の生長を阻害するその化合物の能力によって表される。
【0048】
【アッセイ1】
以下に記載のアッセイ1は、従来の方法論及び解釈基準を用いており、マクロライド耐性の規定された機構を回避する化合物をもたらすことのできる化学的変形に関する指令を提供することを意図している。アッセイ1における細菌菌株のパネルは、多様な(特徴付けされてきたマクロライド耐性機構の代表を含む)標的病原体の種を含むように構成されている。このパネルを用いると、薬効、活性のスペクトル、及び耐性機構を防ぐのに必要なことがある構造的要素若しくは変形に関して、化学的構造と活性との関係を決定することができる。スクリーニングパネルを含む細菌病原体を、以下の表4に示す。多くの場合、マクロライド感受性親株及びそれから派生したマクロライド耐性株のいずれを使用しても、前記耐性機構を回避する化合物の能力のより正確な評価を提供することができる。ermA/ermB/ermCと表示される遺伝子を含む菌株は、Ermメチラーゼによる23S−rRNA分子の変形(メチル化)(これは、一般的に、3種の構造クラス全ての結合を妨害する)のせいで、マクロライド、リンコサミド、及びストレプトグラミンB抗生物質に対して耐性がある。マクロライド流出の2つのタイプが記載されている。msrAは、マクロライド及びストレプトグラミンの進入を妨げるスタフィロコッカス内の流出系の成分をコードしており、一方、mefA/Eは、マクロライドだけを流出すると考えられている膜貫通(トランスメンブラン)タンパク質をコードしている。マクロライド抗生物質の不活化は、2’−ヒドロキシルのホスホリル化(mph)、又は大環状ラクトンの開裂(エステラーゼ)によって、発生し、そして媒介されることができる。前記の菌株は、通常のポリメラーゼ連鎖反応(PCR)技術及び/又は耐性決定子の配列分析を用いて特徴づけることができる。この用途でのPCR技術の使用は、J.Sutcliffeら,“Detection Of Erythromycin−Resistant Determinants By PCR”,Antimicrobial Agents and Chemotherapy,40(11),2562−2566(1996)中に記載されている。前記抗細菌アッセイは、マイクロタイタートレイ中で実施し、そして、The National Committee for Clinical LaboratoryStandards(NCCLS)により発行されたガイドライン「Performance Standards for Antimicrobial Disk Susceptibility Tests−Sixth Edition;Approved Standard」[最小阻害濃度(MIC)を使用して菌株を比較する]に従って判断する。acrAB又はacrAB類似は、その菌株において、内因性マルチドラッグ流出ポンプ(intrinsia multidrug efflux pump)が存在することを表す。化合物は、ストック溶液として、最初にジメチルスルホキシド(DMSO)中に溶解しておく。
【0049】
【表4】
【0050】
以下に記載のアッセイ2は、パスツレラ・ムルトシダ(Pasteurella multocida)に対する活性を試験するのに利用し、アッセイ3は、パスツレラ・ヘモリチカ(Pasteurella haemolytica)に対する活性を試験するのに利用する。
【0051】
【アッセイ2】
このアッセイは、マイクロリットルフォーマットでの液体希釈法に基づく。パスツレラ・ムルトシダ(P.multocida)(59A067菌株)の単一コロニーを、ブレインハートインフュージョン(BHI)ブロス(5mL)の中に接種する。供試化合物1mgをジメチルスルホキシド(DMSO)125mLの中に溶解することにより、供試化合物を調製する。接種していないBHIブロスを用いて、供試化合物の希釈液を調製する。供試化合物は、2個ずつの希釈液シリーズによる200mg/mL〜0.098mg/mLの範囲の濃度で使用する。パスツレラ・ムルトシダ(P.multocida)を接種したBHIを、接種していないBHIブロスで希釈して、200μl当たり104細胞の懸濁液を作る。このBHI細胞懸濁液を、それぞれ、各供試化合物の希釈液シリーズと混合し、37℃で18時間インキュベートする。最小阻害濃度(MIC)は、その化合物がパスツレラ・ムルトシダ(P.multocida)の成長の100%阻害を示す濃度(接種していないコントロールと比較することによって決定する)である。
【0052】
【アッセイ3】
このアッセイは、スティアーズレプリケーター(Steers Replicator)を用いる寒天希釈法に基づく。寒天プレートから単離したコロニー2〜5個を、BHIブロスの中に接種し、振盪(200rpm)しながら37℃で一晩インキュベートする。翌朝、充分に成長したパスツレラ・ヘモリチカ(P.haemolytica)の予備培養物300mLを、新鮮なBHIブロス3mL中に接種し、そして振盪(200rpm)しながら37℃でインキュベートする。供試化合物を適当な量でエタノール中に溶解し、そして2個ずつの希釈液シリーズを調製する。前記希釈液シリーズの各希釈液2mLを、溶融BHI寒天18mLと混合し、そして凝固させる。接種したパスツレラ・ヘモリチカ(P.haemolytica)培養物が0.5マックファーランド(McFarland)標準密度に達したところで、パスツレラ・ヘモリチカ(P.haemolytica)培養物約5mLを、スティアーズレプリケーターを用いて、種々の濃度の供試化合物を含むBHI寒天プレート上に接種し、そして37℃で18時間インキュベートする。供試化合物の最初の濃度は100〜200mg/mLの範囲である。MICは、その化合物が、パスツレラ・ヘモリチカ(P.haemolytica)の成長の100%阻害を示す濃度(接種していないコントロールと比較することによって決定する)である。
【0053】
本発明の化合物のイン・ビボ活性は、当業者に周知の通常の動物保護実験(通常は、げっ歯類において行われる)によって決定することができる。
マウスを、それらが到着した時に各カゴに(カゴ当たり10匹ずつ)割り当て、そして使用前に最小でも48時間馴化させる。動物に、3×103CFU/mLの細菌懸濁液〔パスツレラ・ムルトシダ(P.multocida)59A006菌株)0.5mLを腹腔内接種する。それぞれの実験では、チャレンジ投与量の0.1倍で感染させた群の1群、及びチャレンジ投与量の1倍で感染させた群の2群を含む、少なくとも3群の医薬処理していないコントロール群を有し;また、チャレンジ投与量の10倍で感染させた群の1群を使用することもできる。特に反復注射器[例えば、Cornwall(商品名)注射器]を使用してチャレンジ投与を行う場合には、一般的に、当該実験における全てのマウスを、約30分〜約90分間でチャレンジすることができる。チャレンジを開始してから30分後に、最初の化合物治療を行う。30分間の終了時点で全ての動物がチャレンジされないようであれば、化合物投与を開始するために第2の人員が必要になることがある。投与経路は、皮下投与又は経口投与である。経口投与は、摂食針によって実施し、そして皮下投与は、首の後のたるんだ皮膚中に投与する。いずれの場合でも、マウス1体当たり0.2mLの体積を使用する。チャレンジ後、30分、4時間、及び24時間の時点で、化合物を投与する。動物を毎日観察し、そして各群における生存数を記録する。チャレンジ後、パスツレラ・ムルトシダモデルの監視を96時間(4日間)続ける。
PD50は、薬剤治療をしなければ致死してしまう細菌感染による死亡から群内のマウスを、50%保護する供試化合物投与量に関して計算した投与量である。
【0054】
本発明の化合物、それらの薬剤学的に許容することのできる塩、それらの溶媒化物、及びそれらのプロドラッグ(本明細書において、「本発明の活性化合物」とも称する)は、単独で、又は薬剤学的に許容することのできる担体と組み合わせて、単回又は複数回投与量で投与することができる。適当な薬剤学的に許容することのできる担体としては、不活性な固体希釈剤又は充填剤、滅菌水溶液、及び種々の有機溶媒を挙げることができる。本発明の活性化合物と組み合わせることによって製剤化される医薬組成物は、すなわち、種々の投与形態(例えば、以下に限定されずに、錠剤、粉剤、ロゼンジ、シロップ、及び注射溶液)で、容易に投与することができる。これらの医薬組成物は、所望により、更なる成分、例えば、以下に限定されずに、香味剤、結合剤、及び賦形剤を含むことができる。従って、経口投与用に、種々の賦形剤(例えば、クエン酸ナトリウム、炭酸カルシウム、及びリン酸二カルシウム)を含む錠剤を、種々の崩壊剤〔例えば、デンプン、メチルセルロース、アルギン酸、及び或る種のコンプレックスシリケート(complex silicate)〕、並びに結合剤(例えば、ポリビニルピロリドン、スクロース、ゼラチン、及びアラビアゴム)と一緒に用いることができる。更に、潤滑剤、例えばステアリン酸マグネシウム、ラウリル硫酸ナトリウム、及びタルクが、錠剤化の目的にしばしば非常に有用である。また、同様のタイプの固体組成物を、軟質充填ゼラチンカプセル及び硬質充填ゼラチンカプセル中の充填剤として用いることもできる。これに関連する好ましい材料としては、ラクトース(又は乳糖)及び高分子量ポリエチレングリコールを挙げることができる。経口投与用に水性懸濁液又はエリキシルが望ましい場合には、その中の実質的活性成分を、種々の甘味剤又は香味剤、着色剤又は染料、及び所望により、乳化剤及び/又は懸濁剤、並びに希釈剤、例えば、水、エタノール、プロピレングリコール、グリセリン、及びそれらの組合せと組み合わせることができる。
【0055】
非経口投与用に、ゴマ油若しくはピーナッツ油、水性プロピレングリコール、又は滅菌水溶液中に、本発明の活性化合物又は薬剤学的に許容することのできるその塩を含む溶液を用いることができる。前記の水溶液は、必要に応じて適当に緩衝化した方がよく、そして液体希釈剤は、充分な塩水又はグルコースによって最初に等張にする。これらの特定の水溶液は、静脈内投与、筋肉内投与、皮下投与、及び腹腔内投与に特に適している。使用する前記の滅菌水性媒体は、いずれも、当業者に知られている標準的技術によって容易に入手することができる。
【0056】
本発明の方法を実施するには、本発明の活性化合物の有効投与量を、非経口(静脈内、筋肉内、又は皮下)経路、経口経路、又は直腸経路によるか、又は皮膚及び/又は粘膜に対する局所投与として局所的に、感染する可能性がある動物又は感染した動物(哺乳類、魚類、及び鳥類を含む)に投与する。投与経路は、治療される哺乳類、魚類、又は鳥類によって変化するであろう。有効投与量は、疾患の重篤度、並びに動物の年齢、体重、及び状態によって変化するであろう。しかしながら、一日の投与量は、通常、治療される患者の体重1kg当たり約0.25〜約150mg、好ましくは、約0.25〜約25mgの範囲となろう。
【0057】
【実施例】
下記に提供される例は、本発明の具体的態様を例示するものであって、本発明の範囲を制限するものではない。
【0058】
【実施例1〜12】
《化合物2(a)〜2(l)の合成》
化合物2(a)〜2(l)(それらの構造は表1により提供される)を、式(e)で表されるアザリド誘導体(この合成は、USP4,474,768及び4,517,359により開示される)から、反応工程式1に示されるとおりに調製した。
【0059】
前記の式(e)で表される誘導体(10g)を、EtOAc(150mL)中に溶解し、続いて炭酸エチレン(10当量)及びK2CO3(2当量)を添加した。得られた溶液を75℃で1〜5日間撹拌し、そしてその反応をTLCにより追跡した。反応が完結された後に、その反応混合物を室温に冷却し、そしてEtOAc(250mL)及び水(100mL)により希釈した。有機層を水(4×100mL)、ブライン(2×100mL)により洗浄し、そして乾燥(Na2SO4)した。次に、溶媒を真空下で除去して粗生成物を得、これを、CH2Cl2中3%MeOH及び0.5%アンモニアを用いるフラッシュクロマトグラフィーによるか、又はCH3CNからの再結晶化によって精製し、式(f)で表される化合物(反応工程式1に示される)を、典型的には、約80%以上の収率で得た。
【0060】
式(f)で表される炭酸アザリド(0.5mmol〜5mmol)を、CH2Cl2(10mL〜100mL)に溶解し、そして−78℃に冷却した。次にグリニャール試薬(例えば、臭化ビニルマグネシウム)(6〜10当量)を、この温度でゆっくりと添加し、そして反応をTLCにより追跡した。この温度で反応が起こらなければ、その反応混合物をより高い温度に暖めた。反応が(通常15分〜4時間で)完結した後に、それを飽和NH4Cl溶液(25mL〜250mL)により急冷した。水性層をCH2Cl2(100mL〜500mL)により抽出し、次に、有機層を飽和NaHCO3溶液(25mL〜100mL)、ブライン(25mL〜100mL)により洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥し、そして溶媒を真空下で除去して、式(2)で表される化合物の粗生成物を得、これを、CH2Cl2中1〜5%MeOH及び0.5%アンモニアを用いるフラッシュクロマトグラフィーによって精製した。
【0061】
【実施例13】
《化合物2(m)の合成》
反応工程式1に示され、そして実施例1〜12に従って調製されたR7がメチル基である式(f)で表される炭酸アザリド(3.00g,3.87mmol)を、エチレングリコールジメチルエーテル(75mL)とN,N,N',N'−テトラメチルエチレンジアミン(30mL)との混合物中に溶解した。反応溶液を−78℃に冷却し、そして次にこの温度で、THF中の1M臭化ビニルマグネシウム(31mL,31mmol)をゆっくりと添加した。撹拌を−78℃で2時間続けた後に、反応を飽和NH4Cl溶液(100mL)により急冷した。水溶層をEtOAc(400mL)により抽出し、そして有機層を飽和NaHCO3溶液(50mL)及びブライン(50mL)により洗浄した。次に、有機層をNa2SO4で乾燥し、そして溶媒を真空下で除去して粗生成物を得、これをCH2Cl2中の5%MeOH及び0.5%アンモニアを用いるフラッシュクロマトグラフィーによって精製した(1.43g,46%)。
【0062】
【実施例14】
《化合物2(n)の合成》反応工程式1に示され、そして実施例1〜12に従って調製されたR7がメチル基である式(f)で表される炭酸アザリド(3.00g,3.87mmol)を、エチレングリコールジメチルエーテル(75mL)とN,N,N',N'−テトラメチルエチレンジアミン(30mL)との混合物中に溶解した。反応溶液を−40℃に冷却し、次に、エーテル中の1M臭化メチルマグネシウム溶液(12.9mL,38.7mmol)をこの温度でゆっくりと添加した。撹拌を−40℃で2時間続けた後に、飽和NH4Cl溶液(100mL)により反応を急冷した。水性層をEtOAc(400mL)により抽出し、そして有機層を飽和NaHCO3溶液(50mL)及びブライン(50mL)により洗浄した。次に、有機層をNa2SO4で乾燥し、そして溶媒を真空下で除去し、粗生成物を得、これをCH2Cl2中の5%MeOH及び0.5%アンモニアを用いるフラシュクロマトグラフィーによって精製した(1.08g,40%)。
【0063】
【実施例15〜26】
《化合物3(a)〜3(l)の合成》
化合物3(a)〜3(l)(この構造は表2に提供される)を、反応工程式1及び実施例13に従って調製することができる式(g)で表されるアザリド誘導体から、反応工程式2に示されるとおりに調製した。
【0064】
式(g)で表されるアザリド誘導体(50〜200mg)を、適当なアミン(例えば、t−ブチルアミン)0.2〜1.0mLに溶解し、そしてその反応混合物を室温で2日間撹拌した。次に、その反応混合物をCH2Cl2(200mL)により希釈し、そして水(6×25mL)及びブライン(25mL)により洗浄した。次に、有機層をNa2SO4で乾燥し、そして溶媒を真空下で除去して粗生成物を得、これを、CH2Cl2中のMeOH中2Mアンモニア溶液(3〜5%)を用いるフラッシュクロマトグラフィーによって精製した。
【0065】
【実施例27】
《化合物3(m)の合成》
反応工程式2に示されるR7がメチル基である式(g)で表されるアザリド誘導体(188mg,0.234mmol)及びトリプタミン(129mg,0.802mmol)をTHF(2mL)に溶解し、そしてその反応混合物を室温で25時間撹拌した。次に、その反応混合物をCH2Cl2(200mL)により希釈し、そして0.1Mのリン酸ナトリウム緩衝液(pH7)(3×25mL)により洗浄した。次に、有機層をブライン(25mL)により洗浄し、そしてNa2SO4で乾燥した。溶媒を真空下で蒸発して粗生成物を得、これをCH2Cl2中のMeOH中2Mアンモニア溶液(5%)を用いるフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、標記化合物(35.6mg,16%)を得た。
【0066】
【実施例28】
《化合物4(a)の合成》
反応工程式3に示され、そして反応工程式1及び前記実施例1〜12に従って調製された、R15がメチル基である式(h)で表されるアザリド誘導体(0.528g,0.667mmol)を、THF(50mL)に溶解し、そしてその得られた溶液を0℃に冷却した。撹拌条件下で、NBS(0.119g,0.670mmol)を添加し、そして0℃で0.5時間撹拌を続けた。EtOAc(250mL)を添加し、そして有機層を、0.1N−NaOH溶液(50mL)及びブライン(50mL)により洗浄した。次に、有機層をNa2SO4で乾燥し、そして溶媒を真空下で除去して粗生成物を得、これを、CH2Cl2中のMeOH中2Mアンモニア溶液(3%)を用いるフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、標記化合物(275mg,52%)を得た。
【0067】
【実施例29】
《化合物4(b)の合成》
反応工程式3に示された、R15がビニル基である式(h)で表されるアザリド誘導体(85.1mg,0.106mmol)を、THF(10mL)に溶解し、そしてその得られた溶液を0℃に冷却した。撹拌条件下で、NBS(19.7mg,0.111mmol)を添加し、そして0℃で2時間撹拌を続けた。EtOAc(100mL)を添加し、そして有機層を、0.3N−NaOH溶液(10mL)及びブライン(10mL)により洗浄した。次に、有機層をNa2SO4で乾燥し、そして溶媒を真空下で除去して粗生成物を得た。その生成物を、最初にCH2Cl2中のMeOH中2Mアンモニア溶液(7%)を使用し、次にEtOAc中のMeOH中2Mアンモニア溶液(7%)を用いて、フラシュクロマトグラフィーによって精製した(28.4mg,33%)。
【0068】
【実施例30】
《化合物5(a)の合成》
R2がOH基であり、R5がエチル基であり、R9が水素原子であり、そしてR10がOH基である化合物5(a)を、反応工程式4に従って調製した。
【0069】
反応工程式4
【化39】
【0070】
反応工程式4に従って、式(i)で表される化合物とグリニャール試薬(例えば、ベンジルマグネシウムクロライド、又は塩基、例えば、塩化イソプロピルシクロヘキシルアミノマグネシウム)とを、溶媒(例えば、ジクロロメタン)中で、適当な温度で反応させることによって、式(5)で表される化合物を調製することができる。
【0071】
具体的には、R2がOH基であり、R5がエチル基であり、R3が水素原子であり、そしてR10がOH基である式(i)で表される炭酸アザリド(この合成は、US仮出願第60/097075号に開示されているので参照されたい)(2.28g,3mmol)を、CH2Cl2に溶解し、撹拌条件下でベンジルマグネシウムクロライド(15.0mL,30mmol)を2分間にわたって添加した。得られた反応混合物を室温で1時間撹拌した後に、それを飽和NH4Cl溶液(50mL)により急冷した。生成物をCH2Cl2(300mL)により抽出した。次に、有機層をブライン(50mL)により洗浄し、Na2SO4で乾燥し、そして溶媒を真空下で除去して粗生成物を得、これを、CH2Cl2中の1.25%MeOH、0.5%アンモニアを用いるフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、標記化合物(851mg,40%,MS:717.2)を得た。
【0072】
【実施例31】
《化合物6(a)の合成》
化合物6(a)を、反応工程式5に従って調製した。
【0073】
反応工程式5
【化40】
【0074】
反応工程式5に従って、式(i)で表される化合物と、グリニャール試薬(例えば、臭化ビニルマグネシウム)とを、溶媒(例えば、ジクロロメタン)中で、適当な温度で反応させることによって、式6(a)で表される化合物を調製することができる。適当な反応時間は、典型的には、約0.5時間〜約24時間である。
【0075】
具体的には、式(i)で表される炭酸アザリド(3.00g,3.95mmol)を、CH2Cl2(100mL)に溶解し、そして−78℃に冷却した。撹拌条件下で臭化ビニルマグネシウムを添加し、そして−78℃で1.5時間撹拌を続けた。次に、反応を飽和NH4Cl溶液(50mL)により急冷し、そして反応混合物を室温に暖めた。水性層をCH2Cl2(200mL)により抽出し、そして組み合わされた有機層を、飽和NaHCO3溶液(50mL)及びブライン(50mL)により洗浄した。有機層をNa2SO4により乾燥し、そして溶媒を真空下で除去して粗生成物を得、これを、CH2Cl2中4%MeOH及び0.5%アンモニアを用いるフラッシュクロマトグラフィーによって精製し、主生成物として実施例5の化合物(27%)、及びマイナー生成物として実施例31の化合物(40.0mg,1.4%,MS:717.2)を得た。
【0076】
【実施例32】
《化合物7(a)の合成》
反応工程式6に示されるように、酸性条件を用いて、式(5)で表される化合物のクラジノース部分を除去することができ、それにより、式(7)で表される化合物を形成することができる。
【0077】
反応工程式6
【化41】
【0078】
この実施例では、25mL丸底フラスコ中のメタノール(2mL)に塩化アセチル(5.95μL)を添加することによって、化合物7(a)〔これは、R2がOH基であり、そしてR5がエチル基である式(7)で表される化合物である〕を調製した。その得られた溶液を室温で5分間撹拌した。アザリド誘導体5(a)(20.0mg)を前記溶液に添加し、そしてその反応混合物を室温で48時間撹拌した。次に、真空下でMeOHを除去し、塩化メチレン(20mL)及び飽和炭酸水素ナトリウム溶液(10mL)に残さを溶解した。分割した後に、有機層をブライン(10mL)により洗浄し、MgSO4により乾燥した。次に、真空下で溶媒を除去して粗生成物を得、これを、塩化メチレン中5%MeOH及び1%アンモニアを用いるフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、標記化合物(14mg,89%、MS:559.2)を得た。
【0079】
【実施例33】
《化合物8(a)の合成》
反応工程式7に示されるように、化合物5(a)のような化合物を、例えばWO98/09978に開示されている方法を用いて、化合物8(a)のような化合物に変換することができる。
【0080】
反応工程式7
【化42】
【0081】
反応工程式7の続き
【化43】
【0082】
反応工程式7の続き
【化44】
【0083】
反応工程式7は、化合物〔例えば、式8(a)で表される化合物〕を調製する本発明に包含される一般的方法の特定の態様を示す。当業者であれば分かるであろうが、反応工程式7に示されている工程の具体的な順序、並びに具体的な反応体及び反応条件は、変化することができる。例えば、クラジノース部分の開裂前に、糖ヒドロキシ基を保護し、そして前記6−O−アルケニル誘導体を形成することができる。しかしながら、反応工程式7に示される本発明の一般的な合成方法の好ましい態様においては、式5(a)で表される化合物のような化合物の2’−及び4”−ヒドロキシ基を、最初に、非プロトン性溶媒(例えば、ジクロロメタン)中で、適当なヒドロキシ保護試薬(例えば、TMS−Cl、無水酢酸、又は無水安息香酸)と反応させることにより保護して、式(j)で表される化合物を生成する。
【0084】
次に、塩基の存在下でアルキル化剤と反応させることによって式(j)で表される化合物の6−ヒドロキシ基をアルキル化し、続いて、前記の2’及び4”−ヒドロキシ保護基を除去して、式(k)で表される化合物を得る。アルキル化剤としては、以下に限定されずに、塩化アルキル、臭化アルキル、ヨウ化アルキル、又はスルホン酸アルキルを挙げることができる。アルキル化剤の特定の例としては、以下に限定されずに、臭化アリル、臭化プロパルギル、臭化ベンジル、及びアリルO−トシレートを挙げることができる。溶媒としては、例えば、以下に限定されずに、非プロトン性溶媒、例えばDMSO、DMF、THF、ジエチルエーテル、及びそれらの混合物を挙げることができる。式(k)で表される化合物を得るために用いることができる塩基は、例えば、以下に限定されずに、水酸化カリウム、カリウムイソプロポキシド、及びカリウムtert−ブトキシドを挙げることができる。2’−及び4”−ヒドロキシ基の脱保護は、当業者に知られている標準的方法によって実施する。
【0085】
クラジノース部分を除去することにより、式(k)で表される化合物を、式(l)で表される化合物に変換する。適当な反応条件としては、前記実施例31に記載の条件を挙げることができる。次に、式(l)で表される化合物の2’−ヒドロキシル基を、工程1に記載のように、無水安息香酸と反応させることによって保護する。この反応時間は、化合物に依存して、約1時間〜約2日間の範囲内で変化させることができる。次に、式(l)で表される化合物の3−ヒドロキシル基を、変形したSwern酸化方法を用いて酸化して、式(m)で表される化合物のケトンを生成する。適当な酸化剤としては、以下に限定されずに、カルボジイミド−ジメチルスルホキシド及びN−クロロスクシンイミド−ジメチルスルフィドを挙げることができる。
【0086】
反応工程式7により例示される一般的方法の最終工程では、Pd(II)又はPd(0)、ホスフィン、及びアミン又は有機塩基と一緒のHeck条件下で、ハロゲン化アリール、置換されたハロゲン化アリール、ハロゲン化へテロアリール、又は置換されたハロゲン化ヘテロアリールと反応させることによって、式(m)で表される化合物を6−O−(置換アルケニル)誘導体〔例えば、式8(a)で表される化合物〕に転換される。例えば、Organic Reactions,27:345〜390(1982)を参照されたい。次に、2’−ヒドロキシル保護基を、標準的方法によって除去して、式8(a)で表される化合物を得る。
【0087】
反応工程式7の合成の特定の適用では、アザリド誘導体5(a)(1mmol)を、塩化メチレンに溶解し、続いてトリエチルアミン(2.2mmol)を添加する。得られる反応混合物を氷−水浴中で冷却し、TMS−Cl(2.2当量)をゆっくりと添加し、そしてその反応混合物を室温で一晩撹拌する。反応が完結した後に、反応混合物を真空下で濃縮し、そして残さを塩化メチレンに溶解する。有機層を、水及びブラインにより洗浄し、そしてMgSO4により乾燥する。溶媒を真空下で蒸発させ、式(j)で表されるアザリド誘導体を得る。
【0088】
DMSO(5mL)及びTHF(5mL)中の式(j)で表される化合物(1mmol)の0℃の溶液に、新たに蒸留した臭化アリル(1.1mmol)を添加する。約5分後に、DMSO(5mL)及びTHF(5mL)中のカルウムtert−ブトキシド(1M,1.1mL)の溶液を4時間にわたって滴下する。その反応混合物を酢酸エチル(200mL)中に取りあげ、そして水及びブラインにより洗浄する。真空下で有機溶媒を除去して、アリル誘導体を得る。このアリル誘導体(1mmol)を、CH3CN(10mL)及び水(5mL)中に溶解し、続いてAcOH(5当量)を添加し、そして得られた溶液を室温で4〜24時間撹拌する。反応が完結した後に、反応混合物をトルエン(100mL)により希釈し、そして真空下で濃縮し、そして粗生成物を、CH2Cl2中3%MeOH及び0.5%アンモニアを用いるフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、式(k)で表されるアザリド誘導体を得る。
【0089】
AcCl(3mmol)をMeOH(30mL)に添加し、そして得られた溶液を室温で15分間撹拌する。反応溶液を0℃に冷却した後に、式(k)で表される化合物(1mmol)を添加し、そしてその反応混合物を室温で48時間撹拌する。溶媒を真空下で除去し、そして残さをCH2Cl2に溶解する。飽和炭酸水素ナトリウム溶液及びブラインにより洗浄した後に、Na2SO4により乾燥し、真空下で有機溶媒を除去して粗生成物を得、それをCH2Cl2中3%MeOH及び0.5%アンモニアを用いるフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、式(l)で表されるアザリド誘導体を生成する。
【0090】
CH2Cl2(10mL)中の式(l)で表される化合物(1mmol)の溶液に、無水安息香酸(1mmol)及びEt3N(1mmol)を添加し、そして得られる反応混合物を室温で1〜2日間撹拌する。その反応混合物をCH2Cl2により希釈し、そして飽和炭酸水素ナトリウム溶液及びブラインにより洗浄し、そしてNa2SO4により乾燥し、真空下で有機溶媒を除去して、ベンゾイル化された誘導体を得る。次に、これをCH2Cl2(20mL)に溶解し、続いてDMSO(10mmol)を添加する。次に、この反応混合物を0℃に冷却し、そしてEDC(4mmol)を添加する。その反応溶液を室温で一晩撹拌する。反応が完結した後に、その反応混合物をCH2Cl2(100mL)により希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム溶液及びブラインにより洗浄し、そしてNa2SO4により乾燥した。有機溶媒を真空下で除去して粗生成物を得、これをヘキサン中30%アセトンを用いるシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、式(m)で表されるアザリド誘導体を得る。
【0091】
式(m)で表される化合物(0.25mmol)、酢酸パラジウム(II)(0.2当量)、トリ−O−トリルホスフィン(0.4当量)、3−ブロモキノリン(2当量)、及びトリエチルアミン(2当量)のアセトニトリル(2mL)中の混合物を、−78℃に冷却し、ガス抜きし、そして密封する。次に、その反応混合物を50℃に2時間暖め、そして80℃で16時間撹拌する。その反応混合物をCH2Cl2中に取りあげ、飽和炭酸水素ナトリウム溶液及びブラインにより洗浄し、そしてNa2SO4により乾燥し、真空下で有機溶媒を除去して粗生成物を得、これをCH2Cl2中2%MeOHを用いるシリカゲルクロマトグラフィーによって精製する。次に、この精製された生成物をMeOHに溶解し、そして得られた溶液を6〜24時間、還流下で撹拌する。次に、真空下で溶媒を除去し、そして粗生成物を、CH2Cl2中2%MeOH及び0.5%アンモニアを用いるフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、化合物8(a)を得る。
【0092】
また、本発明の別の態様は、以下のとおりである。
《1》細菌又は原生生物感染の治療が必要な哺乳類、魚類、又は鳥類に、治療有効量の式(1)で表される化合物又はそれらの薬剤学的に許容することのできる塩、それらの溶媒化物、あるいはそれらのプロドラッグを投与することを含む、哺乳類、魚類、又は鳥類における細菌又は原生生物感染の治療方法。
Claims (2)
- 式(1)
Yは-CH(CH3)-であり;
Zは式(b)
R1は水素原子、又は、ヒドロキシ保護基であり;
R2はOHであり;
R3は-OC(O)R15であり;
R4はOHであり;
R5は、C 2 アルキル基、α−分枝鎖状C 3 −C 8 アルキル基、C 2 −C 8 アルケニル基、C 2 −C 8 アルキニル基、C 2 −C 8 アルコキシアルキル基、若しくはC 2 −C 8 アルキルチオアルキル基(ヒドロキシ基少なくとも1個で任意に置換されていてもよい);C5−C8シクロアルキル基に結合するC2アルキル基;C5−C8シクロアルキル基に結合するα−分枝鎖状C3−C5アルキル基;C3−C8シクロアルキル基若しくはシクロアルケニル基(メチル基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、及びC1−C4アルキル基からなる群から選択した部分少なくとも1個で任意に置換されていてもよい);又は、酸素原子若しくはイオウ原子少なくとも1個を含有し、C1−C4アルキル基又はハロゲン原子1個以上で置換されていてもよい、3〜6員の飽和又は完全不飽和若しくは部分不飽和の複素環式環基であり;
R7は、水素原子、C1−C10アルキル基、C2−C10アルケニル基、C2−C10アルキニル基、−(CH2)m(C6−C10アリール)基、及び−(CH2)m(5〜10員のヘテロアリール)基からなる群から選択した基であり(前記R7基の前記アルキル部分、アルケニル部分、アリール部分、ヘテロアリール部分、及びアルキニル部分は、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、トリフルオロメチル基、アジド基、−C(O)R11基、−OC(O)R11基、−NR11C(O)R12基、−C(O)NR11R12基、−NR11R12基、ヒドロキシ基、C1−C6アルキル基、C1−C6アルコキシ基、C6−C10アリール基、及び5〜10員のヘテロアリール基からなる群から独立して選択した置換基1〜3個で任意に置換されていてもよい);
R9は、水素原子、C1−C10アルキル基、C2−C10アルケニル基、C2−C10アルキニル基、シアノ基、−CH2S(O)nR11基、−CH2OR11基、−CH2NR11R12基、−(CH2)m(C6−C8アリール)基、及び−(CH2)m(5〜10員のヘテロアリール)基からなる群から選択した基であり(前記R9基の前記アルキル部分、アルケニル部分、アルキニル部分、アリール部分、及びヘテロアリール部分は、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、トリフルオロメチル基、アジド基、−C(O)R11基、−OC(O)R11基、−NR11C(O)R12基、−C(O)NR11R12基、−NR11R12基、ヒドロキシ基、C1−C6アルキル基、C1−C6アルコキシ基、C6−C10アリール基、及び5〜10員のヘテロアリール基からなる群から独立して選択した置換基1〜3個で任意に置換されていてもよい);
R10は、ヒドロキシ基であり;
R11及びR12は、それぞれ、水素原子、C1−C6アルキル基、C2−C6アルケニル基、(CH2)m(C6−C10アリール)基、(CH2)m(5〜10員のヘテロアリール)基、及びC2−C10アルキニル基からなる群から独立して選択した基であり(前記R11基及びR12基の前記アルキル部分、アルケニル部分、アリール部分、ヘテロアリール部分、及びアルキニル部分は、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、トリフルオロメチル基、C1−C6アルキル基、及びC1−C6アルコキシ基からなる群から独立して選択した置換基1〜3個で任意に置換されていてもよい);
R15は、C1−C10アルキル基、C2−C10アルケニル基、C2−C10アルキニル基、−(CH2)m(C6−C10アリール)基、及び−(CH2)m(5〜10員のヘテロアリール)基からなる群から選択した基であり(前記R15基の前記アルキル部分、アルケニル部分、アリール部分、ヘテロアリール部分、及びアルキニル部分は、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、トリフルオロメチル基、アジド基、−C(O)R11基、−OC(O)R11基、−NR11C(O)R12基、−C(O)NR11R12基、−NR11R12基、ヒドロキシ基、C1−C6アルキル基、C1−C6アルコキシ基、C6−C10アリール基、及び5〜10員のヘテロアリール基からなる群から独立して選択した置換基1〜3個で任意に置換されていてもよい);
nは、それぞれ独立して、0〜2の整数を意味し;
mは、それぞれ独立して、0〜4の整数を意味する。]
で表される新規化合物、それらの薬剤学的に許容することのできる塩、又は、それらの溶媒和物。 - R5がエチル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、sec-ブチル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、メチルチオエチル基、及び、フリル基から選択される基である請求項1の化合物、それらの薬剤学的に許容することのできる塩、又は、それらの溶媒和物。
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