JPS6121096B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、例えばバイオプシ検査のように穿刺
針を患者の診断部位に刺し込むときに使用される
穿刺用超音波プローブに関する。

バイオプシ検査とは諸種疾患、とくに血液疾患
の診断に必須の検査である。現在、普通に行なわ
れているものには適当な穿刺針により、肝臓、腎
臓あるいは身体内の器官から組織または体液を診
断目的に応じて取り出すものがある。前述以外に
もＸ線撮影を利用した脉管撮影検査、すなわち心
臓、腹部臓器および四肢等の病的変化を見い出す
ために、脉管等に穿刺針を穿刺し、注射器により
造影剤を注入後Ｘ線撮影を行なう検査等にも、穿
刺針を被検体の目的部位に挿入する場合がある。

その他に、妊婦の場合診断の目的で例えば子宮
から羊水を取り出したり、また、薬剤もしくは血
液を胎児の体内に注入したりする場合に穿刺針を
被検体の目的部位に穿刺する必要がある。

上述した各々の場合、穿刺針を体内に穿刺する
ことにより、目的部位以外の危険な部位を不要に
傷つけたり、また望んでいない身体区域から誤つ
て組織を取り出したり、また、造影剤注入時に誤
つた注入をしたりすることを防止する必要があ
る。

従来このような穿刺針の操作は医師の勘だけに
頼つていたが、近年、この穿刺針による被検体の
処置時に超音波診断装置、特に被検体の任意断層
像を表示可能とした装置が併用されている。この
ような超音波診断装置を穿刺針の被検体への穿刺
のため有効に使用するには、超音波診断装置によ
つて表示される被検体内部断層像と穿刺針穿刺時
の穿刺時の穿刺針の超音波による反響像とが正確
に表示されることが必要である。更に、表示され
る被検体内の断層像のうち目的部位への穿刺針の
穿刺コースを適宜に操作者である医師が選択でき
ることが必要である。これら主な二条件を満足さ
せる超音波プローブは例えば特開昭51−87384号
公報に開示されているようにすでに知られてい
る。

第１図において、１は超音波プローブの身体へ
の当接面、２は超音波プローブの支持体、３は超
音波変換素子列、４は接続ケーブル、５は穿刺針
の案内スリツトである。

特に穿刺針案内スリツト５は超音波プローブの
支持体２に形成された先細のスリツトであり、こ
れによつて、穿刺針の穿刺時超音波プローブの身
体への当接面に配列された複数の超音波変換素子
を順次駆動して得られる被検体内の超音波断層像
を見ることにより、穿刺針も同時に監視でき、更
に超音波プローブの下方にある被検体内の所定の
深さ範囲にある任意の穿刺点に照準を合わせるた
め、穿刺針を垂直位置から一定の範囲内で回動で
き、任意の斜め方向位置を自由に選択することが
可能となる。

しかし、前述したような穿刺針を被検体内に穿
刺する操作であるため、衛生的な問題を解決しな
ければならない。すなわち、穿刺針は当然のこと
に諸種の方法により被検体への穿刺前に完全に滅
菌消毒されたものを使用するが、実際に被検体へ
穿刺する場合、超音波プローブの支持体２に形成
された案内スリツト５に接するため、超音波プロ
ーブの支持体２についても消毒が必要となる。こ
の支持体の消毒にはガス消毒法が一般に採用され
ているが、使用される消毒ガスを前記支持体２に
噴射するため、支持体２の各接合部あるいは、支
持体と多数の超音波変換素子との接合部のほんの
わずかの間隙からガスが混入し、各接合部に使用
されている接着剤の接着力を劣化させ、各接合部
の剥離を生じる危険性がある。したがつて、この
ような消毒を何回も繰り返すことにより、これら
の超音波プローブの支持体に支持されている部品
について不都合な事故を起こし易くし、よつて、
超音波プローブの寿命も短期化するものである。
また、短時間に数人の被検体に対し前述した穿刺
針による検査、並びに操作を実施する場合、各被
検者毎にプローブ支持体の消毒を行なわなければ
ならない不便がある。また、超音波プローブは構
造上、ガス消毒しただけでは完壁な消毒を実施し
たとは言えない。

本発明は以上のような欠点を除去するために、
穿刺針の案内スリツトを備えた超音波プローブに
おいて、超音波プローブ支持体とは別構成に、前
記案内スリツトとこの案内スリツトへ穿刺針を導
入出するための穿刺針導入出ガイドとを設けた補
助部材を備え、この補助部材を前記超音波プロー
ブ支持体に対して着脱自在とした超音波プローブ
を提供することを目的とする。

以下図面を参照しながら本発明の一実施例につ
いて説明する。

第２図において、（第１図と同一構成部分につ
いては同一符号を付すものとする）６は超音波プ
ローブ支持体であり、このプローブ支持体６の身
体への当接面１に多数の超音波変換素子３が一列
に配列され、この超音波変換素子３を駆動するた
めの信号あるいはこの超音波変換素子３によつて
受波された超音波エコー信号は各超音波変換素子
３に接続された接続ケーブル４を介して超音波診
断装置の送−受信部（図示せず）に伝達される。
また、超音波プローブ支持体６には、支持体６の
長手方向に広がつた一側面を含んで切欠かれ、支
持体６の上面から当接面まで貫通し、この当接面
に向つて先細となつた角錘空間７を有している。
更にこの角錘空間７を形成する、前記支持体６の
当接面１に対して傾斜し、対向する２面には所定
深さを有した溝８を設けられている。

第３図には、前記超音波プローブの支持体６の
角錘空間７に装着され、穿刺針の被検体内への穿
刺案内用補助部材（以下補助部材と略す）９を示
し、この補助部材９は例えば透明なアクリル樹脂
から成り、弾性を有した合成樹脂から構成されて
いる。この穿刺針のための補助部材９は概略角錘
形状で前記プローブ支持体６に設けられた空間７
と略一致した形状をし、その角錘形を構成する４
面のうち１面において開口したものである。この
開口部に対向する補助部材９の周壁１０と所定間
隔（約２mmの直径を有する穿刺針のガイド針が挿
入可能である間隔）を有し、前記案内スリツト５
を形成するよう、前記補助部材９の左右の側壁１
１，１１′から内部に向つて延展した隔壁１２，
１２′が設けられている。この隔壁１２，１２′は
合致することなく約２mm程度（約２mmの直径を有
する穿刺針のガイド針が導入出可能とする距離）
の間隙を有する程度に延びるものとする。

また、補助部材９の側壁１１，１１′の自由端
には、操作者が指により、補助部材９を弾性変形
するのに都合が良いように略半円状の突起部１１
ａ，１１′ａが設けられている。更に、補助部材
９の側壁１１，１１′の外面には、それぞれ直方
体形状の突起部材１３，１３′が設けられてい
る。

尚、各部の寸法関係としては、前記超音波プロ
ーブの支持体６に設けられた角錘空間７の超音波
変換素子列方向に平行である最大長と前記補助部
材９の周壁１０の長さとはほぼ同一であり、また
角錘空間７の高さと補助部材９の高さもほぼ同一
であり、更に角錘空間７の先細り角度と補助部材
９の先細り角度もほぼ同一である。

また、支持体６に設けられた角錘空間７の超音
波変換素子配列方向に直交する深さと前記補助部
材９の側壁１１，１１′の前記突起部１１ａ，１
１′ａを除く部分の幅とは同一であるとともに、
前記支持体内部に設けられた溝８の前記支持体内
部の超音波変換素子列にほぼ平行である面からの
距離と前記補助部材９の側壁１１，１１′に設け
られた直方体突起部材１３，１３′の周壁１０か
らの距離もほぼ同一である。当然のことである
が、支持体６に設けられた溝８の長さは、補助部
材９の直方体突起部材１３，１３′の長さとほぼ
同一程度である。

第４図に補助部材９の平面図を示しており、補
助部材９は通常その側壁１１，１１′が外面に少
し開いた状態を保持するものとする。

このような補助部材９は通常、成形加工により
製造するものであり、当然その他の製造方法によ
つても可能であることは言うまでもない。

次に上記した本発明の超音波プローブの作用に
ついて説明する。

最初に被検体に穿刺針を挿入する前に、諸種の
最適消毒法、例えばガス消毒を実施し、完全な滅
菌状態である補助部材９を超音波プローブの支持
体６へ装置する。

この場合、補助部材９は通常外側に開いた状態
にあるため、操作者が補助部材９の側壁１１，１
１′の一部である半円状突起部１１ａ，１１′ａを
指で掴むことにより内側に変形し、この状態で前
記プローブ支持体６の上方より角錘空間７に挿入
する。。補助部材９の上面とプローブ支持体６の
上面とがほぼ一致し、補助部材９の側壁１１，１
１′に備えられた突起部材１３，１３′とプローブ
支持体６に設けられた溝８とが嵌合した状態で操
作者が指を離すことにより、補助部材９の側壁１
１，１１′の内部応力により、確実に補助部材９
がプローブ支持体６に設けられた角錘空間に固定
されることとなる。この穿刺針用穿刺案内補助部
材９を超音波プローブの支持体６へ装着した後の
状態を第５図に示し、これによりプローブ支持体
６に穿刺針１４の被検体内への案内を行なうため
の案内スリツト１５及び穿刺針１４の案内スリツ
ト１５への側方からの導入出を可能とする導入出
スリツト１６が形成されることになる。すなわ
ち、前記案内スリツト１５は補助部材９の周壁１
０と内部隔壁１２，１２′により形成され、導入
出スリツト１６は前記補助部材９の内部に向つて
延展された隔壁１２，１２′の自由端の間隙によ
つて形成されるものである。案内スリツト１５は
補助部材９とほぼ相似形状をした空間であり、超
音波プローブの支持体６の当接面１に向つて先細
であり、貫通されているものである。また、導入
出スリツト１６はほぼ等間隔を有するように、前
記補助部材９に設けられた内部隔壁１２，１２′
によつて形成されるものである。

尚、案内スリツト１５は支持体６に補助部材９
を挿入嵌合することによつて、支持体６の当接面
１に配列された超音波変換素子列のほぼ中央に位
置するようにし、更にその上方最大開口部は変換
素子列方向に広がつたものである。よつて、この
案内スリツト１５によつて、穿刺針を、超音波変
換素子列から送波される超音波ビームによる走査
領域から外れることなく、被検体内の穿刺目標部
位への照準を合わすため、案内スリツト１５内に
おいて任意角度回動操作できるものである。ま
た、穿刺針１４の先端をすい管、あるいはどう管
に前述の案内スリツト１５内における回転操作に
より到達させ、この針を利用して造影剤を注入し
た後、Ｘ線撮影を行なう時、超音波プローブの支
持体６は撮影の妨げとなるため、穿刺針の挿入状
態を保持したままプローブ支持体６を被検体体表
上より撤去しなければならない。そのために、超
音波プローブの支持体６を穿刺針の挿入方向とは
略直交する方向に移動させることにより、前記補
助部材９内に形成された導入出ガイド１６を介し
て穿刺針１４が超音波プローブの支持体６内部の
案内スリツト１５から離脱でき、プローブ支持体
６の撒去が前述の要求を満足しながら行なえるも
のである。

また、補助部材９は簡単に製造可能であり、且
つ製造コストも低いため、このような穿刺操作に
おいては１被検体−１個の割合で使用し、１度使
用した補助部材９は使い棄てるものとする。ま
た、このような案内スリツト及び導入出ガイドを
備えた補助部材を用いることにより、穿刺針は決
して超音波プローブ支持体に触れることがないた
め、補助部材のみを交換することによりほぼ衛生
上の問題は解決できるものである。

更に、超音波プローブの支持体６には、単に角
錘状空間を有するように成形加工するだけである
ため、超音波プローブ支持体自体の製造も簡単と
なるものである。

以上詳述したように、本発明の穿刺用超音波プ
ローブによれば、超音波プローブ支持体と、穿刺
針の超音波断層像を観察しながら被検体内の所望
穿刺部位への穿刺を可能とする案内スリツト及び
穿刺後、穿刺針の挿入状態を維持しながら超音波
プローブの支持体のみを撒去するための導入出ガ
イドとを備えた補助部材とを別構成とし、この補
助部材を弾性を有る樹脂により成形することによ
り特別な固定手段を用いることなく、前記補助部
材を前記プローブ支持体に形成された角錘空間に
装着固定できるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の穿刺針案内スリツトを備えた超
音波プローブの概略構成図、第２図は本発明の超
音波プローブの支持体の概略構成図、第３図は第
２図の超音波プローブ支持体に対して着脱可能で
ある、案内スリツト及び導入出ガイドとを備えた
補助部材の概略構成図、第４図は第３図に示す補
助部材の平面図、第５図は第２図に示した超音波
プローブ支持体に第３図に示した補助部材を装着
した本発明による穿刺用超音波プローブの外観図
である。 １……超音波プローブ支持体の当接面、３……
超音波変換素子、６……超音波プローブ支持体、
７……角錘空間、８……溝、９……穿刺案内用補
助部材、１５……案内スリツト、１６……穿刺針
導入出ガイド。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ ほぼ直方体形状をした支持体と、その被検体
   への当接面に少なくとも一列に複数の超音波変換
   素子を配列した超音波プローブにおいて、前記超
   音波プローブ支持体の変換素子列方向に広がり前
   記当接面に略垂直な一側面を含んで、支持体の上
   面において最大長、当接面において最小長を有す
   るくさび状角錘空間と、この角錘空間を取り囲
   み、前記超音波変換素子配列方向に広がつて対向
   する二面内に凹部溝とを有する超音波プローブ支
   持体と、前記くさび状角錘空間とその外形形状と
   がほぼ一致、その一側面が開口し、この開口面と
   対向する周壁とこの周壁にほぼ直交するように延
   びた二側面から内部に所定長さ延展した内部隔壁
   とによつて形成される当接面方向に向つて先細形
   状をした案内スリツトと、前記内部隔壁との不連
   結部である穿刺針導入出ガイドと、この側壁外面
   に前記支持体に設けられた溝と嵌合する突起部と
   を備え、弾性を有する合成樹脂から構成される穿
   刺針用穿刺案内補助部材とから構成されることを
   特徴とする穿刺用超音波プローブ。 ２ 前記穿刺針用穿刺案内補助部材を形成する前
   記側壁の一部がその自由端方向において突出して
   いることを特徴とする特許請求の範囲第１項記載
   の穿刺用超音波プローブ。 ３ 前記穿刺針用穿刺案内補助部材を透明な合成
   樹脂により構成したことを特徴とする特許請求の
   範囲第１項乃至第１項記載の穿刺用超音波プロー
   ブ。