JPS6121015Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は電気バリカンの改良に係り、特に刈り
込み時の刃先の視認性の向上を図ることを主目的
とする。

従来、この種の電気バリカンにおいては、本体
ケース前端に、前上り傾斜姿勢にバリカン型刈取
装置を装備し、丸刈り等の刈り込みを行なう場合
には、本体ケースを握り締めるように支持して、
前上り傾斜姿勢の刈取装置の底面を頭部に当てつ
けて、前方に押し動かしされすればよいのである
が、その場合、刈取装置により切削された毛屑
が、刈り込み時に上方を向く本体ケースの刈取装
置後方に蓄積し、この蓄積毛に遮られて刈取装置
の刃先が視認できず、誤まつて刃先を耳などに接
触させてしまい、けがをさせてしまうという危険
が伴なうため、しばしば使用を中断して毛屑をは
らい落してやる必要があり、したがつて、頭髪の
正確かつ迅速な刈り込みも望めなかつた。

この考案は、かかる事実に着目して、刈り込み
時に上方を向く本体ケースの刈取装置後方に、上
記蓄積毛の除去手段を設けることにより、上記欠
点を解消しようとしたものである。

以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明す
る。

図面はAC式の電気バリカンを例示している。
第１図は、第２図および第３図において、この本
体ケース１はプラスチツク製の上下２分割型のケ
ース１ａ，１ｂからなり、下ケース１ｂに駆動モ
ータ３、振動子４、および刈取装置５が装備され
て、その上に上ケース１ａがネジ止め結合された
構造となつている。そして、前記振動子４とモー
タ３は、下ケース１ｂ内に１対のタツピングネジ
６で固定されたブラケツト７の前後面にネジ８に
て共締め結合されている。

振動子４は、ブラケツト７の前面に対し重ね結
合される厚肉後壁４ａと、刈取装置５の可動刃５
ｂに連結される連動アーム４ｄを前方に突設した
厚肉の前壁４ｂとを薄肉の左右側壁４ｃ，４ｃに
て連結した、平面視が中空の平行四辺形状に形成
されていて、前記左右側壁４ｃ，４ｃを左右に揺
動弾性変形させて、平行四連リンク的に前壁４ｂ
を左右に平行に往復揺動させ、連動アーム４ｄの
前端に係合した可動刃５ｂを左右に往復振動させ
るようになつている。

また、前壁４ｂの後面には上下方向に長い長溝
９が形成されていて、この長溝９内に、ブラケツ
ト７および後壁４ａを貫通するモータ出力軸１０
にバランスウエイト１２を介して連結されたクラ
ンクピン１１が係合され、モータ出力軸１０の一
定方向高速回転に伴なつて振動子４が一定の小ス
トロークで左右に往復揺動変形する構成となつて
いる。

刈取装置５は、下ケース１ｂに取付けた支軸１
３に係脱自在に枢着した固定刃サポート１４に固
定刃５ａをカシメ付け固定するとともに、可動刃
サポート１４ｂにカシメ付け固定した可動刃５ｂ
を、固定刃サポート１４ａに支軸１５を介して取
付けたつる巻バネ１６にて固定刃５ａの上面に対
し摺動自在に押圧付勢してある。そして、可動刃
サポート１４ｂの上面に突設した係合突起１７
に、振動子４の連動アーム４ｄの前端に開口した
係合孔１８が着脱自在に係合されている。上記モ
ータ３の後面には上記モータ出力軸１０と一体の
モータ出力軸１０が突出しており、このモータ出
力軸１０に、回転により上下方向へ空気流を発生
させるプロペラ状のフアン２を嵌着するととも
に、このフアン２を収納し、とり囲んだ状態に空
気室２４を配設し、この空気室２４には前記フア
ン２の直上に空気流排出口２６を形成している。
また、刈り込み時には上方を向く本体ケース１の
刈取装置５後方、換言すれば、上ケース１ａの先
端に、半円状に前下り傾斜した傾斜部２１を形成
することにより、斜め後方からの刃先の視認性を
よくするとともに、前記傾斜部２１に本体ケース
１の幅方向に沿つて多数の孔２２を穿設し、更
に、上ケース１ａ裏面の前記傾斜部２１と対応す
る位置に空気流入室２３を配設し、前記空気室２
４の空気流排出口２６とこの空気流入室２３とを
ダクト２５にて連結することにより、上記フアン
２の高速回転により発生した空気流は、空気室２
４からダクト２５を介して空気流入室２３へ送り
込まれ、傾斜部２１に穿設した孔２２を通して外
部へ噴射される。

なお、図中、１９はモータ駆動停止用のスライ
ドスイツチ操作片、２０は先端に図示しない商用
電源差込用プラグ刃を有する電源コードで、前記
スイツチ操作片１９を介してモータ３に電気的に
接続されている。

上記構成の電気バリカンの使用にあたつては、
第４図のごとく、本体ケース１を把持し、スイツ
チ操作片１９を駆動位置に投入し、刈取装置５の
可動刃５ｂを往復動させ、その状態で、刈取装置
５底面の固定刃サポート１４を切削頭部に当てつ
けて、頭の表面に沿つて前方に押し動かせばよ
い。この時、刈取装置５にて切削された毛屑は、
刈り込み時に上方を向く本体ケース１の刈取装置
５後方に運ばれ、蓄積し、刃先の視野を遮るが、
同時に、本体ケース１に内蔵されたモータ３によ
り高速回転するフアン２より発生する空気流が、
ダクト２５を介して、上ケース１ａ先端の切欠部
２１に穿設された多数の孔２２より噴射され、上
記蓄積した毛屑を吹き飛ばすため、刈取装置５の
刃先の視認性を維持したまま連続した使用が可能
である。

他の実施例として空気流噴射用の孔２２の裏面
に微細孔を穿設した網目状のフイルタを介在させ
ることにより、空気流室２３への毛屑の侵入を防
止するような構造としてもよく、上ケース１６先
端の傾斜部２１を着脱自在とし、空気流入室２３
を露出可能とすることにより、空気流入室２３内
部をブラシ等により清掃できるようにし、毛屑の
目づまりによる空気流の噴出能力の低下を防止す
るような構造としてもよい。

また、空気流噴射用の孔２２の開閉を任意に行
なうことのできるようなダンパーを装備すること
により、必要に応じて、孔２２より選択的に空気
流を噴射できるようにしてもよい。更に、本考案
は、AC電源式の電気バリカンについて説明した
が、もちろん電源を限定されるものではなく、、
乾電池あるいは充電式の電気バリカンにも適用で
きる。

以上、説明したように、本考案は前後方向に長
い箱状に形成した本体ケースの前端に、バリカン
型刈取装置を装備し、内蔵のモータにより前記刈
取装置を駆動するようにした電気バリカンにおい
て、刈り込み時に上方を向く本体ケースの、刈取
装置よりわずか後方に、本体ケースの幅方向に沿
つて多数の孔を穿設するとともに、本体ケース内
に上記モータにより回転するフアンを配設し、該
フアンの回転で発生する空気流入を、前記孔を通
して外方へ噴射させるようにしたので、刈り込み
時に上方を向く本体ケースの刈取装置後方に蓄積
する毛屑は、孔から噴射する空気流により吹き飛
ばされるため、常に刈取装置の刃先を視認できる
状態で使用でき、従来のごとく、刃先が見えない
ために、誤まつて耳などに刃先を接触させ、けが
をさせてしまうという不都合を防止でき、更に、
しばしば使用を中断して毛屑をはらい落してやる
必要もなく、頭髪を正確かつ迅速に刈り込むこと
ができるので、安全性、操作性の向上を図ること
ができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例の外観を示す斜視図、
第２図は同実施例の横断平面図、第３図は同実施
例の縦断側面図、第４図は同実施例の使用状態を
示す図である。 １……本体ケース、２……フアン、３……モー
タ、５……刈取装置、２２……空気噴射用孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 前後方向に長い箱状に形成した本体ケース１の
   前端に、バリカン型刈取装置５を装備し、内蔵の
   モータ３により前記刈取装置５を駆動するように
   した電気バリカンにおいて、刈り込み時に上方を
   向く本体ケース１の、刈取装置５よりわずか後方
   に、本体ケース１の幅方向に沿つて多数の孔２２
   を穿設するとともに、本体ケース１内に上記モー
   タ３により回転するフアン２を配設し、該フアン
   ２の回転で発生する空気流を、前記孔２２を通し
   て外方へ噴射させるようにしたことを特徴とする
   電気バリカン。