JPS61209544A

JPS61209544A - 人乳脂類似油脂

Info

Publication number: JPS61209544A
Application number: JP60052768A
Authority: JP
Inventors: Giichi Tsujiwaki; 義一辻脇; Masakazu Hirose; 雅一広瀬; Masatoshi Yahiro; 八尋　政利
Original assignee: UEDA SEIYU KK; Snow Brand Milk Products Co Ltd
Current assignee: UEDA SEIYU KK; Snow Brand Milk Products Co Ltd
Priority date: 1985-03-14
Filing date: 1985-03-14
Publication date: 1986-09-17
Also published as: JPS6331170B2

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】〔産業上の利用分野〕この発明は人乳脂類似油脂に関するものである。

〔従来の技術〕

人間は通常分娩後に乳の分泌が始まり、その乳の平均組
成は四訂日本食品標準成分表によれば水分８８．０％（
重量、以下同じ）、タンパク質１．１％、脂質３．５％
、乳糖７．２％、灰分０．２％であつ−で、含有される
脂肪は第１表のような脂肪酸組成とトリグリセリドの飽
和、不飽和に基づく組成お第　　　１・　　　表よび炭素数による分布で示されるものである。このよう
な人乳脂の特徴は飽和脂肪酸であるパルミチン酸をその
全体量の６５〜７５％もトリグリセリドの２位に選択的
に保有していることであって、天然に存在する油脂では
豚脂等の例外を除けば非常に特異な現象である。この飽
和脂肪酸がトリグリセリドの２位に選択的に存在するこ
とは人体内の脂肪の吸収がリパーゼの作用によって２−
モノグリセリドと脂肪酸とに分解されて行なわれるとい
う点で注目すべきことである。すなわち、融点の高い飽
和脂肪酸がトリグリセリドの２位に結合していることに
より２−モノグリセリドとして吸収しやす（なっている
。またリパーゼによる脂肪の加水分解はエマルジョン状
態の脂肪と水との界面で行なわれるので、エマルジョン
化の程度が加水分解速度を左右することから、人乳脂ト
リグリセリド組成は、胃内で行なわれる攪拌による粗エ
マルジョンおよびそれと胆汁とを混和してエマルジョン
化を完全なものとするうえで好適なものであると考えら
れる。

〔発明が解決しようとする問題点〕

このように人体内の生理作用の特異性から、天然脂肪酸
を単に混合するだけでは人乳脂と同じものは熱論のこと
類似のものさえも得られなかったという問題点が従来か
らあった。

〔問題点を解決するための手段〕

上記問題点を解決するために、この発明は構成脂肪酸が
カプリル酸１〜５％、カプリン酸１〜６％、ラウリン酸
１２〜２７％、ミスチリン酸４〜１０％、パルミチン酸
１６〜３０％、ステアリン酸２〜７％、オレイン酸１８
〜３２％、リノール酸４〜２７％および残余の脂肪酸で
ある混合油脂をランダムにエステル交換したもの３０〜
５０％と、パルミチン酸を１８〜３０％含有しその内の
７０〜８５％がトリグリセリドの２位に結合している単
独または混合した油脂５０〜７０％とを混合するという
手段を採ったのである。以下その詳細を述べる。

まず、この発明においてランダムにエステル交換される
油脂としては、ヤシ油、パーム核油、パーム油、大豆油
、ナタネ油、綿実油、米油、コーン油等の植物油、これ
らの硬化油、分別油もしくは乳脂、牛脂等の動物油、こ
れらの分別油の１種または２種以上の混合油などが例示
できるが、前記した脂肪組成を有する油脂であれば例示
した油脂以外のものであっても差し支えない。このよう
な油脂をエステル交換するには、通常水酸化アルカリや
アルカリ金属アルコラードによる触媒反応が用いられる
が、この方法に限定されるものではない。

一方、エステル交換された油脂に混合されるパルミチン
酸を１８〜３０％含有しその内の７０〜８５％がトリグ
リセリドの２位に結合している単独または混合した油脂
としては、通常パルミチン酸含有量２０〜２５％の内の
７５〜８５％をトリグリセリドの２位に保有している豚
脂、豚脂硬化油または豚脂を主体とした混合油を例示す
ることができる。したがってエステル交換油３０〜５０
％と豚脂もしく叫豚脂硬化油またはそれらと大豆油等の
配合油７０〜５０％とを混合すれば、全脂肪酸組成、２
−位置脂肪酸組成、トリグリセリドの飽和、不飽和に基
づく組成および炭素数による分布を人乳脂のそれらに類
似させることができるが、上記の油脂を単に混合するの
みでは、全脂肪酸組成と飽和、不飽和の組み合わせによ
るトリグリセリド組成を一致させることができても、２
−位置脂肪酸組成およびトリグリセリドの炭素数による
分布までも一致させることはできない。なぜならば人乳
脂はトリグリセリドの２の位置にバルミチン酸を多く含
有しているのに対して、単に混合したものではパルミチ
ン酸よりも低分子量の飽和脂肪酸が２の位置に多（含ま
れているという相違があるからである。

〔実施例〕以下、実施例および比較例を述べる。なお％はすべで重
量百分率である。

実施例１：ヤシ油３０％、パーム油３５％および大豆油３５％の混
合油脂をナトリウムメチラート触媒０．２％とともに真
空下６０℃で約３０分間反応させてエステル交換反応を
行なった。得られた油脂のヨウ素価（ＩＶ）ｌｉ６６．
８、ケン化価（ＳＶ）？１２１３．１であった。得られ
たエステル交換油４０％と精製豚脂６０　％（ＩＶ　＝
６７．３．５Ｖ＝１９６．０）　と’ｉ：混合し、第２
表に示すように人乳脂の全脂肪酸組成、２−位置脂肪酸
組成、トリグリセリドの飽和、不飽和に基づく計算によ
る組成および炭素数による分布に非常に類似した油脂を
得た、実施例２：パーム核油５０％およびパーム油５０％の混合油に対し
、水酸化ナトリウム、グリセリンおよび水を１：２ニア
の割合に混合した触媒０．２％を用いて真空下１６０℃
、３０分間エステル交換反応を行ない、そ゛の結果得ら
れた油脂のＩＶは３４．６、Ｓｖは２２１．５であった
。このエステル、交換油３０％ト、精製大豆油（ＩＶ＝
１３１．６．５Ｖ＝１９１．０）１０％と前記精製豚脂
６０％とを混合したところ、第３表に示すような人乳脂
に非常に類似した油脂が得られた。

比較例：第　　　２　　　表第　　　３　　　表第　　　４　　　表実施例１において用いたと同じ配合の油脂を、エステル
交換反応をすることなく単に混合した油脂、すなわちヤ
シ油１２％、パーム油１４％、大豆油１４％、精製豚脂
６０％の混合油脂の全脂肪酸組成およびトリグリセリド
の飽和、不飽和に基づ（計算による組成は大乳脂（第１
表）、実施例１（第２表）、実施例２（第３表）と比較
的類似しているが、２−位置脂肪酸組成および炭素数に
よるトリグリセリド分布は、第４表から明らかなように
前記の人乳脂、実施例１および実施例２とは異なってい
た。

Claims

【特許請求の範囲】

（１）構成脂肪酸がカプリル酸１〜５％、、カプリン酸
１〜６％、ラウリン酸１２〜２７％、ミリスチン酸４〜
１０％、パルミチン酸１６〜３０％、ステアリン酸２〜
７％、オレイン酸１８〜３２％、リノール酸４〜２７％
および残余の脂肪酸である混合油脂をランダムにエステ
ル交換したもの３０〜５０％と、パルミチン酸を１８〜
３０％含有しその内の７０〜８５％がトリグリセリドの
２位に結合している単独または混合した油脂５０〜７０
％とからなることを特徴とする人乳脂類似油脂。
（２）上記の構成脂肪酸がカプリル酸１〜５％、カプリ
ン酸１〜６％、ラウリン酸１２〜２７％、ミリスチン酸
４〜１０％、パルミチン酸１６〜３０％、ステアリン酸
２〜７％、オレイン酸１８〜３２％、リノール酸４〜２
７％および残余の脂肪酸である混合油脂が、ヤシ油、パ
ーム核油、パーム油、大豆油、ナタネ油、綿実油、米油
、コーン油等の植物油、これらの硬化油、分別油、また
は乳脂、牛脂等の動物油、これらの分別油の１種または
２種以上の混合油である特許請求の範囲第（１）項記載
の人乳脂類似油脂。
（３）上記のパルミチン酸を１８〜３０％含有しその内
の７０〜８５％がトリグリセリドの２位に結合している
単独または混合した油脂が、豚脂、豚脂硬化油または豚
脂を主体とした混合油である特許請求の範囲第（１）項
記載の人乳脂類似油脂。