JPH0576283A - ヒト乳脂肪代替物 - Google Patents

ヒト乳脂肪代替物

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JPH0576283A
JPH0576283A JP4032640A JP3264092A JPH0576283A JP H0576283 A JPH0576283 A JP H0576283A JP 4032640 A JP4032640 A JP 4032640A JP 3264092 A JP3264092 A JP 3264092A JP H0576283 A JPH0576283 A JP H0576283A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、ヒト乳脂肪に似た脂肪組成物に関
する。本発明は、さらに乳脂肪代替物、乳児食品および
前記組成物を製造する方法に関する。 【構成】 前記脂肪組成物は、トリグリセリド中に存在
する飽和脂肪酸残基の総量の40重量%以上が2位に結合
し、一方、1及び3位の脂肪酸残基は、これらの位置間
にランダムに又は非ランダムに分布されており、オレイ
ン酸、リノール酸及びリノレン酸及びその他の不飽和残
基を含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、若年の哺乳動物、特に
乳児の食用とするのに必要な乳脂肪の少なくとも一部を
置換するための乳脂肪代替組成物に関する。本発明は、
又、転位触媒としてリパーゼ酵素を用いての脂肪の転位
による、前記組成物の製造方法及び、前記脂肪を含有す
る乳代替物に関する。
【0002】
【従来の技術】乳置換脂肪は、乳脂肪の物理的及び食餌
特性を再現するためにできるだけ乳脂肪の特性に合うよ
うにしなくてはならない。ヒトの乳脂肪は、より少量の
ステアリン酸、ミリスチン酸及びラウリン酸及び、少量
の、しかし有意の量の短鎖脂肪酸、すなわちC乃至C
10の脂肪酸と共に主にパルミチン酸である飽和脂肪酸
及び不飽和脂肪酸の種々のトリグリセリドから成る。不
飽和酸は、実質的にオレイン酸、より少量のリノール酸
及びパルミトレイン酸及び少量のリノレン酸及び長鎖ポ
リ不飽和酸から成る。
【0003】乳児用配合物は、付加ビタミン類、必須ミ
ネラル類及びその他の少量成分とともに脂肪、炭水化物
及び蛋白質を基礎にしている。これらのそして主な成分
の割合は、母親の乳に、より近い配合にするための努力
において時々調整されてきており、そして未熟児又は代
謝困難児に特別な配合が必要な場合に調整されてきた。
例えば牛乳過敏症の乳児にはスキムミルクは蛋白質源と
しての大豆単離物質に置き代えられ、炭水化物としての
ラクトースが他の糖や澱粉に置き代えられる。脂肪成分
としては、動物及び植物脂肪が用いられてきた。
【0004】乳脂肪の主な脂肪酸の同様な量を含有する
脂肪組成物は植物由来の油脂から誘導される。ココヤシ
及びパーム核油のようないわゆるラウリン脂肪を除いて
は、ほとんどの植物油脂は、牛乳脂肪特有な短鎖脂肪
酸、例えばCがないことはよく知られているが、実質
的にC16及びC18の脂肪酸から成る。非ラウリン植
物油脂は又、乳脂肪−いずれにしても地上に住む哺乳類
の乳脂肪より、より高度に不飽和である傾向がある。そ
れにもかかわらず脂肪は一般的に乳脂肪と似た脂肪酸組
成物を用いて誘導され得る。
【0005】それにもかかわらず、食餌に重要な結果を
もたらすと考えられている大きな違いが残っている。植
物由来のほとんどのグリセリドは圧倒的に2位では不飽
和であり、主にオレイン酸及びリノール酸である。一
方、ヒト乳脂肪におけるグリセリドの2位には実質的な
量のパルミチン酸が占めており、その位置での総脂肪酸
の半分より多くがパルミチン酸であり、前記脂肪におけ
る総パルミチン酸の優勢量がこの位置であり、ヒト乳脂
肪の主なグリセリドは、1,3−ジ不飽和−2−飽和グ
リセリドである。パルミチン酸残基を含む植物由来脂肪
のランダム化は、生成物の他の位置に過剰のパルミチン
酸を置くことなしには良好の相当物を与えるには2位に
おいて不十分であり、従ってその組成物に所望でないグ
リセリドを含む。1,3−位にパルミチン酸を含有する
グリセリドを除くための分別結晶は、長くかかり、高価
で通常は成功しない。
【0006】脂肪酸の分布及び栄養学的に重要ないくつ
かの乳脂肪のトリグリセリドについては、フリーマン、
ジャック及びスミスにより研究されており[ジャーナル
オブ デイリー サイエンス(J. Dairy Sci. )、19
65年、853 頁]、ヒト乳脂肪においては、反芻動物の乳
脂肪におけるよりも多くの割合のパルミチン酸が2位に
みられ、多くのステアリン酸及びオレイン酸が1,3−
位にみられる。乳児による、トリグリセリドの2位にお
けるパルミチン酸のより多くの吸収については、フィラ
ー(Filer )、マッツソン(Mattson )及びフォメン
(Fomen )により報告されており[ジャーナル オブ
ヌートリッション(J. Nutrition)、99、293-298
頁]、ヒト乳脂肪に比べてバター脂肪の比較的に乏しい
吸収は、脂肪のグリセリド位置間のパルミチン酸の実質
的に均一な分布のためであることを示唆している。上記
の実験は、約95%の非ランダム化ラードは、2位にパル
ミチン酸が少ない約70%のランダム化ラードと比べて乳
児によく吸収されることを示している。2位の脂肪酸が
よりよく吸収されるという結論は、すべての長鎖(すな
わちC16以上の)飽和脂肪酸にあてはまり、特にパル
ミチン酸は乳児に重要であり、ステアリン酸はそれより
も重要性が少ないと考えられている。
【0007】欧州特許第209327号により、ヒト乳脂肪の
代替脂肪は、2位の半分以上の脂肪酸残基が飽和で、好
ましくはパルミチン酸残基であり、トリグリセリドに存
在する飽和脂肪酸の総量の40重量%より多くが2位に結
合しており、1及び3位の脂肪酸残基がこれらの位置間
でランダムに分布されており、そして不飽和脂肪酸残基
を含む。
【0008】本欧州特許によれば、不飽和脂肪酸残基
は、オレイン酸、リノール酸及びパルミチン酸残基から
成る群から選ばれる。しかし、K.K.キャロル(Carr
oll )によるジャーナル オブ ヌートリッション、11
9巻(1989年)、1810-1813 頁には、不飽和脂肪酸の一
部、特に1,3位の不飽和脂肪酸の一部はリノレン酸か
ら成るべきであると述べている。キャロルはさらに、リ
ノレン酸の量は総脂肪の3%より多くであることが望ま
しいと述べている。
【0009】R.G.ジャンセン(Jensen)による、テ
キストブックオブ ガストロエンテロロジー アンド
ヌートリッション イン インファンシー(Textbook o
fGastroenterology and Nutrition in Infancy )、2
版、レーベンソール(Lebenthall)編、レーブン プレ
ス リミテッド(Raven Press Ltd.) 、ニユーヨーク
(1989年)]には、ヒト乳脂肪は1,3−位において1
8:3 w3(リノレン酸)に富んでいることを開示してい
る。従って、ヒト乳代替脂肪は又、好ましくは、トリグ
リセリドの1,3位に、富んだ18:3 w3を含有する。
【0010】菜種は約10%の18:3 w3総含量を有し、こ
の約67%が2位に存在する。従って33%未満の18:3 w3
が1,3−位に結合している。
【0011】大豆油は、8%のリノレン酸の総量がSn
の1,3及びSnの2位間にほとんどランダムに分布さ
れて存在する。しかし、大豆油において、トリグリセリ
ドはUUU及びSUUとして優勢に存在し、一方、ヒト
乳脂肪においては、トリグリセリドはUSU型であるよ
うだ。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】従って、菜種油及び大
豆油は、位置分布及びトリグリセリド構成がヒト乳脂肪
において見られるものと同様である18:3 w3の供給源を
与えないという点で理想的なヒト乳脂肪代替脂肪の供給
源ではない。本発明者らは、酵素的経路により得られる
脂肪を開発した。その脂肪は、今まで知られているどの
代替脂肪より天然のヒト乳脂肪に近い組成を有してい
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、1及び3位に
おいて、異なる脂肪酸残基をランダムに又は非ランダム
に、これらの位置間に分布し、オレイン酸、リノール酸
及びリノレン酸及び他の不飽和残基を含み、トリグリセ
リド中に存在する飽和脂肪酸残基の総量の40重量%以上
が2位に結合し、好ましくは実質的にパルミチン酸から
成り、特に飽和脂肪酸の総量の50重量%より多くが2位
に結合しているトリグリセリドの混合物を含む乳児用食
品配合物における脂肪の少なくとも一部を置換するのに
適した新規な脂肪組成物を提供する。すべての前記脂肪
酸又は実質上すべての前記脂肪酸は、分岐されていな
い、偶数のものであるべきである。
【0014】本発明の新規な組成物の1位、3位はオレ
イン酸、リノール酸及びリノレン酸を含む。これらは好
ましくは大部分のオレイン酸、リノール酸及びパルミト
レイン酸及び幾らかのリノレン酸から成るべきである。
好ましくは、前記組成物は、1位及び3位の飽和脂肪酸
を一緒にしたものの少なくとも同じ数の、好ましくは2
倍の2位の飽和脂肪酸を含む。好ましくは、1,3位に
不飽和C18及び飽和C乃至C14脂肪酸の両方を含
む。これらの脂肪酸の割合及び種類は、求められている
その組成の食餌のそして身体的要求により決定される。
しかし、トリグリセリドはリノレン酸、好ましくは 0.2
乃至7重量%の、主に1,3位に結合したリノレン酸を
含み、特に、リノレン酸の総量の少くとも70%、好まし
くは80%より多くが1,3位に結合していることが好ま
しい。乳代替脂肪は液体供給において血液の熱で乳化さ
れ得なくてはならなく、従って好ましくはこの温度で融
解しなければならない。脂肪の融点はその脂肪酸組成に
より決まり、従ってそれに合わせて脂肪酸組成が選ばれ
得る。
【0015】従って、本発明は、植物油のような他の脂
肪を含むブレンドにおける上記の脂肪組成を含む代替乳
脂肪組成物を包含する。適する脂肪は0乃至40重量%の
中鎖トリグリセリド、0乃至30重量%、好ましくは10乃
至20重量%、のラウリン脂肪(ココヤシ、パーム核脂
肪)、0乃至50重量%、好ましくは10乃至30重量%、の
他の植物脂肪[高オレインヒマワリ油、ヒマワリ油、キ
ャンリ(canola)油、大豆油、パーム油等]及び0乃至
40重量%のバター脂肪又はこれらの脂肪の画分を含む脂
肪である。前記植物脂肪を含む、ラウリン脂肪は、好ま
しくはパーム核油であり、一方、植物脂肪は好ましくは
ヒマワリ油又は大豆油である。このように、本発明の組
成物は、乳脂肪の組成又はその融解特性に合うブレンド
を供給する。最も良い組成物は固形含量指数(Solids C
ontent Index)が、N=35-55 、N10=25−50、N
20=10−25及びN30は≦10という範囲内である。
【0016】本発明の新規な組成物は、グリセリドの1
及び3位においてのみ活性な位置特異的である酵素リパ
ーゼの転位触媒としての影響下で、実質的に、より飽和
の2−パルミチルグリセリドから成るグリセリドを含む
脂肪混合物の転位によって得られる。この種の方法は、
本出願人と同じ出願人である英国特許明細書第1,557,93
3 号に記載されている。前記触媒の影響下で、菜種油又
は大豆油の加水分解により得られる遊離脂肪酸類又はそ
れらのアルキルエステル類の脂肪酸混合物を用いる交換
により2−パルミチルグリセリドの1及び3位に不飽和
脂肪酸残基を導入し得る。前記脂肪酸混合物は、好まし
くはリノレン酸を含む。短鎖飽和酸がその代わりとして
導入され得る。このように修飾され2−パルミチルグリ
セリドはその後に生成物から分離される。乳脂肪のグリ
セリド混合物と実質的に同じようにする生成物における
グリセリドの混合物を与えるためにアシドリシス剤の混
合物が用いられる。その反応は、好ましくは、10乃至90
℃の温度で行われ、回分式又は連続式で水と混合可能な
有機溶媒を用いて又は用いずに行われる。
【0017】本方法で用いられる2−パルミチルグリセ
リドの適する供給源は、トリパルミチンを含む92%まで
のトリ飽和酸グリセリドを含む、パーム油の頂部画分と
して得られる。一般的に、頂部画分は4部のトリパルミ
チン及び1部の対称のジ不飽和トリグリセリドを含有す
る。
【0018】本発明の新規な組成物は実質的に対称の2
−飽和C16/C18グリセリド混合物を含み、1及び
3位は同じ脂肪酸残基組成を含み又は1つより多い脂肪
酸を含む。
【0019】本発明は又、0.5 乃至2部の蛋白質、3−
7部の炭水化物、2−3部の脂肪のおおよその相対重量
割合である脂肪、蛋白質及び炭水化物成分を含み、その
ような配合に通常用いられる脂肪の少なくとも一部が本
発明の、酵素転位脂肪に置換されている乳児食品組成物
を提供する。そのような配合物に通常添加される成分と
ともに、この成分混合物を含む乾燥配合物は、使用に
は、十分な水に分散させて、分散体 100ml当りおおよそ
3.5gのエマルジョンを生成する。
【0020】
【実施例】実施例 1:1の重量:重量の比のトリグリセリド[2位での高
含量(90%より多い)のパルミチン酸を有する]とキャ
ンリ(canola)脂肪酸を、固定されたSP− 392リパー
ゼ酵素(ノボ社)を含む充填床塔を通すことによってエ
ステル交換(interesterified )をした。湿ったシリカ
充填塔を用いることによりその系の水活性を調整し、一
部(20%)の供給流れを前記塔に通過させた。反応温度
は70℃であった。溶媒は用いなかった。トリグリセリド
の酸との反応中に93%の全体の変換が達成された。反応
の過程で、5.5 %の総ジグリセリドが生成された。
【0021】水蒸気蒸留により、粗生成物から脂肪酸を
除去し、次に化学的中和を行い、すべての痕跡量の遊離
脂肪酸を除去した。ヘキサンに溶解させた生成物をシリ
カの充填床を通すことによりジグリセリドを除去した。
【0022】最後に6:1のアセトン:油を用いてトリ
グリセリドを−5℃で分別した。オレインを回収し、そ
して精製した。脂肪酸組成及び生成した油の2位分析を
表に示す。この油に存在する18:3 w3の90%より多くが
1,3位にエステル交換した。
【0023】 反応体 生成物 供給油 キャンリ 粗製生成物 オレイン (canola) 酸 FAME 2位 FAME FAME FAME 2位 14:0 0.8 1.2 − 0.5 0.5 1 16:0 67.5 91.8 6.1 48 32.0 71 18:0 6.4 3.4 2.1 4.1 1.8 6.4 18:1 22.1 2.8 58.8 32.3 45 17 18:2w6 2.3 0.3 24.9 11 15.4 3.5 18:3w3 − 0.2 7.1 2.8 3.9 0.7 C20 0.4 − − − − C22 0.4 − − − 注:FAME:脂肪酸のメチルエステルとして行われ
る、脂肪酸分布をもとにしたトリグリセリドのGLC分
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年4月27日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正内容】
【0007】欧州特許第209327号により、ヒト乳
脂肪の代替脂肪は、2位の半分以上の脂肪酸残基が飽和
で、好ましくはパルミチン酸残基であり、トリグリセリ
ドに存在する飽和脂肪酸の総量の40重量%より多くが
2位に結合しており、1及び3位の脂肪酸残基がこれら
の位置間でランダムに分布されており、そして不飽和脂
肪酸残基を含むトリグリセリドの混合物から成ることが
知られている
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正内容】
【0008】本欧州特許によれば、不飽和脂肪酸残基
は、オレイン酸、リノール酸及びパルミトレイン酸残基
から成る群から選ばれる。しかし、K.K.キャロル
(Carroll)によるジャーナル オブ ヌートリ
ッション、119巻(1989年)、1810−181
3頁には、不飽和脂肪酸の一部、特に1,3位の不飽和
脂肪酸の一部はリノレン酸から成るべきであると述べて
いる。キャロルはさらに、リノレン酸の量は総脂肪の3
%より多くであることが望ましいと述べている。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正内容】
【0015】従って、本発明は、植物油のような他の脂
肪を含むブレンドにおける上記の脂肪組成を含む代替乳
脂肪組成物を包含する。適する脂肪は0乃至40重量%
の中鎖トリグリセリド、0乃至30重量%、好ましくは
10乃至20重量%、のラウリン脂肪(ココヤシ、パー
ム核脂肪)、0乃至50重量%、好ましくは10乃至3
0重量%、の他の植物脂肪[高オレインヒマワリ油、ヒ
マワリ油、キャンリ(canola)油、大豆油、パー
ム油等]及び0乃至40重量%のバター脂肪又はこれら
の脂肪の画分を含む脂肪である。ラウリン脂肪は、好ま
しくはパーム核油であり、一方、植物脂肪は好ましくは
ヒマワリ油又は大豆油である。このように、本発明の組
成物は、乳脂肪の組成又はその融解特性に合うブレンド
を供給する。最も良い組成物は固形含量指数(Soli
ds Content Index)が、N=35−
55、N10=25−50、N20=10−25及びN
30は≦10という範囲内である。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】変更
【補正内容】
【0016】本発明の新規な組成物は、グリセリドの1
及び3位においてのみ活性な位置特異的である酵素リパ
ーゼの転位触媒としての影響下で、実質的に、より飽和
の2−パルミチルグリセリドから成るグリセリドを含む
脂肪混合物の転位によって得られる。この種の方法は、
本出願人と同じ出願人である英国特許明細書第1,55
7,933号に記載されている。前記触媒の影響下で、
菜種油又は大豆油の加水分解により得られる不飽和遊離
脂肪酸類又はそれらのアルキルエステル類を用いる交換
により2−パルミチルグリセリドの1及び3位に不飽和
脂肪酸残基を導入し得る。前記脂肪酸混合物は、好まし
くはリノレン酸を含む。短鎖飽和酸がその代わりとして
導入され得る。このように修飾され2−パルミチルグリ
セリドはその後に生成物から分離される。乳脂肪のグリ
セリド混合物と実質的に同じようにする生成物における
グリセリドの混合物を与えるためにアシドリシス剤の混
合物が用いられる。その反応は、好ましくは、10乃至
90℃の温度で行われ、回分式又は連続式で水と混合可
能な有機溶媒を用いて又は用いずに行われる。

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トリグリセリド中に存在する、飽和脂肪
    酸残基の総量の少なくとも40重量%が2位に結合し、1
    位及び3位の脂肪酸残基がそれらの位置間でランダムに
    又はランダムでなく分布し、オレイン酸、リノール酸、
    及びリノレン酸及びその他の不飽和脂肪酸残基を含むこ
    とを特徴とする、トリグリセリドの混合物を含む脂肪組
    成物。
  2. 【請求項2】 2位の飽和脂肪酸が実質的にパルミチン
    酸から成る、請求項1に記載の脂肪組成物。
  3. 【請求項3】 1,3位の脂肪酸がオレイン酸、リノー
    ル酸及びリノレン酸及びC乃至C12の飽和脂肪酸を
    含む、請求項1又は2に記載の脂肪組成物。
  4. 【請求項4】 トリグリセリドが、主に1,3位に結合
    した、 0.2乃至7重量%のリノレン酸を含有する、請求
    項1に記載の脂肪組成物。
  5. 【請求項5】 前記組成物中に存在する、リノレン酸の
    総量の80重量%より多くがトリグリセリドの1,3位に
    結合している、請求項1乃至4のいずれか1請求項に記
    載の脂肪組成物。
  6. 【請求項6】 0乃至40重量%の中鎖トリグリセリド、
    0乃至30重量%のラウリン脂肪、0乃至50重量%のその
    他の植物脂肪及び0乃至40重量%のバター脂肪又はこれ
    らの脂肪の画分を含むブレンドにおいて、請求項1乃至
    5のいずれか1請求項に記載の脂肪組成物を含む乳脂肪
    代替組成物。
  7. 【請求項7】 10乃至20重量%のラウリン脂肪を含む、
    請求項6に記載の組成物。
  8. 【請求項8】 10乃至30重量%の前記植物脂肪を含む、
    請求項6又は請求項7に記載の組成物。
  9. 【請求項9】 植物脂肪がヒマワリ油又は大豆油であ
    る、請求項6、請求項7又は請求項8に記載の組成物。
  10. 【請求項10】 ブレンドの固体含量指数が0℃で35乃至
    55、10℃で25乃至50、20℃で10乃至25及び、30℃で10以
    下である、請求項6乃至8のいずれか1請求項に記載の
    組成物。
  11. 【請求項11】 0.5乃至2部の蛋白質、3乃至7部の炭
    水化物及び2乃至3部の脂肪を含み、脂肪組成物の少な
    くとも一部が請求項1乃至10のいずれか1請求項に記載
    の組成物を含む乳児用食品組成物。
  12. 【請求項12】 菜種油又は大豆油を加水分解することに
    より得られる脂肪酸混合物及び、転位触媒として、支配
    的に又は排他的に1,3位特異的である活性化リパーゼ
    の存在下で、実質量の2−パルミチルグリセリドを含む
    グリセリドの混合物を転位させることを含む、請求項1
    に記載の脂肪組成物を製造する方法。
  13. 【請求項13】 グリセリド混合物がパーム脂肪を含む、
    請求項12に記載の方法。
  14. 【請求項14】 脂肪酸混合物が少なくともリノレン酸を
    含む、請求項12又は請求項13に記載の方法。
  15. 【請求項15】 前記転位脂肪が分別され、2−パルミチ
    ルグリセリド類の不飽和混合物を回収する、請求項12、
    請求項13又は請求項14に記載の方法。
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