JPS6120713B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、始動装置を有したエンジンで、かつ
エンジンの速度の設定が高速であるときには始動
装置の作動を阻止する始動阻止装置を備えたもの
に関する。

種々の理由で、作業員にとり潜在的危険がある
場合には、船外機等の如き内燃機関には速度制御
機構が前進速度に設定されている場合にエンジン
の始動を防止するようにした始動機の連動機構を
設けることが望ましい。あるエンジンでは、特に
船外機等用の２サイクル・エンジンでは、一部は
エンジンの絞り弁のタイミングまた一部はこの弁
の運動により速度が制御される。タイマー板と絞
り弁との間にこれら２つの速度制御装置部品を同
時に作動させるため接続部を含む速度制御機構は
知られている。この型式の従来技術の速度制御機
構の例が1955年11月15日付で許可された米国特許
第2723655号、1959年９月29日付で許可された米
国特許第2906251号および1961年６月20日付で許
可された米国特許第2988929号明細書に記載され
ている。これら特許のうち第１の特許の明細書に
は絞り弁接続部の運動に応答して作動せしめられ
始動機の耳状突起に係合して絞り弁が前進速度に
整定されている時始動機のプーリーの回転を防止
する回転止めを含む多部品始動機用連動機構が記
載されている。エンジンの始動機と始動機の連動
装置との従来技術の構造の他の例については1966
年８月23日付で許可された米国特許第3267922
号、1975年９月23日付で許可された米国特許第
3906921号および1976月５月25日付で許可された
米国特許第3958398号明細書を参照されたい。

本発明は、エンジンの速度を調節するため運動
するように装着されたタイマー板と、エンジンの
低速度および前進速度に対応する設定位置間でタ
イマー板を運動させるためタイマー板に接続され
た手段と、エンジンを始動させるよう作動できる
可動の始動部材と、エンジンを始動させるため始
動部材を運動させる手段と、タイマー板が所定の
エンジン前進速度に対応する設定位置に運動せし
められると始動部材が始動するのを防止するため
タイマー板と始動部材とに共働する一体の手段と
を含んでいるエンジンを提供するものである。

１つの具体例では、最後に述べた手段は始動手
段の始動を防止する阻止位置と通常の非阻止位置
との間を運動するよう装着された一体の阻止エレ
メントと阻止エレメントに選択的に係合しタイマ
ー板が所定の前進速度設定位置に運動せしめられ
ると阻止エレメントを阻止位置に運動させるよう
タイマー板に設けた作動手段とを含んでいる始動
機連動機構からなる。

１つの具体例では、始動部材は回転可能で、始
動部材を運動させる手段は始動部材に接続され衝
合手段を有する回転可能な部材であり、阻止エレ
メントは弾性材で作られ爪部分が衝合手段に係合
して回転部材が回転を開始するのを防止する作用
位置と爪部分が衝合手段に係合しない非作用位置
との間を可動な一体の爪部分を含んでいる。

１つの具体例では、阻止エレメントは爪部分を
作用位置に向け偏倚させる第１の一体のばねエレ
メントとタイマー板の作動手段が選択的に係合す
るカム従動子部分を組入れた第２の一体のばね部
材とを含んでいる。第２のばね部材はタイマー板
の作動手段がカム従動子部分に係合するとカム従
動子部分に共働して第１のばね部材の偏倚力に打
ち勝ち爪部分を作用位置に動かし回転部材が回転
を開始する方向と反対方向に回転できるようにす
る。

１つの具体例では、作動手段はタイマー板が所
定の前進速度設定位置に運動せしめられると阻止
エレメントのカム従動子部分に係合しタイマー板
が所定の前進速度設定値以下の設定位置にある時
カム従動子部分から離されるようタイマー板上に
位置決めされた半径方向に外方に延びている突起
を含んでいる。

本発明の主要な特徴の１つは、簡単にして信頼
できる速度を制御された始動機の連動機構を含む
エンジンを提供することである。

本発明の主要な特徴の１つは、エンジンの速度
を調節するため可動なタイマー板とタイマー板が
所定のエンジン前進速度に対応する設定位置にあ
る際にタイマー板の運動に応答して作動しエンジ
ンの始動を防止するようにした始動機の連動機構
を提供することである。

本発明の主要な特徴の１つは、始動機の連動機
構が可動の始動部材の始動を阻止する作用位置と
非作用位置との間を可動な一体の弾性的阻止エレ
メントを含んでいるエンジンを提供することであ
る。

本発明のその他の特徴と利点とは以下の詳細な
説明と、添付図面と前記した特許請求の範囲とに
より当業者には明らかなことと思う。

本発明の少くとも１つの具体例について詳細に
説明する以前に、本発明が以下の説明または添付
図面に示した部品の構造および配置の詳細にのみ
限定されるものでないことは理解する必要があ
る。本発明は他の具体例にすることもできまた
種々の方法で実施することもできる。また使用し
た用語が説明のためのものであり限定するものと
考えるべきではないことも理解する必要がある。

第１図には本発明の種々の特徴を具体化した始
動機の連動機構を組入れた船外機用の内燃機関１
０が部分的に示してある。

エンジンすなわち、内燃機関１０はエンジンの
始動機歯車１４を支持している回転可能なフライ
ホイール１２（部分的に示してある）とスパーク
の前進を調節するため両回転方向において角運動
できるタイマー板１６（部分的に示してある）と
を含んでいる。スパークはタイマー板１６を第１
図で見て反時計方向に（すなわち、矢印１７の方
向に）回転させることにより前進せしめられる。

第２図に略図で示してあるように、エンジン１
０はまたシヤフト２２に装着された絞り弁２０を
有する気化器１８も含んでいる。絞り弁２０は低
速度設定位置と高速度設定位置との間をレバー２
４を含むリンク仕掛装置により運動せしめられ、
このレバーはスタツド２６にピボツト運動可能に
装着され、絞り弁シヤフト２２に固定して装着さ
れた揺動アーム２８にリンク３０により接続され
ている。絞り弁２０は第２図では中間速度の設定
位置で示してある。

スタツド２６にはアーム３４とカム従動ローラ
３６とを含むカム従動子３２がピボツト運動可能
に装着されている。タイマー板１６の角運動に応
答して絞り弁１２を運動させるためタイマー板１
６にはカム３８が位置決めされ（第１図）、この
カム３８はタイマー板１６の回転軸線とほぼ同心
の部分４０とタイマー板１６のスパークおよび前
進速度方向において半径が増大する部分４２とを
有している。カムのこれら部分４０，４２はタイ
マー板１６がスパークを前進させエンジンの速度
を増すよう回転せしめられるに従い、カム従動子
３２を第２図で見て反時計方向に回転せしめてカ
ム従動子のアーム３４をレバー２４の耳状突起４
４に係合させ、その後リンク３０と揺動アーム２
８とを経て絞り弁２０に開き運動が伝達される。

タイマー板１６を低速度と高速度とに対応する
設定位置間で運動させるのに種々の従来技術の手
段を使用できる。例えば、タイマー板１６に接続
され前記米国特許第2723655号明細書に記載され
た如く配置された手動の制御把手（図示せず）か
または前記米国特許第2906251号明細書に記載し
た如く一端部がタイマー板にピボツト運動可能に
接続され他端部が遠隔位置に速度制御器（図示せ
ず）に作用的に接続された揺動アーム（図示せ
ず）をこの目的に使用できる。

エンジン１０（第１図と第３図）には作動せし
められると始動機歯車１４に係合しエンジンを始
動のため回転させるようにした始動機構４６が装
着されている。種々の配置を使用できるが、図示
した特定の構造では、始動機構４６はエンジン１
０に固定された円筒形状のフレームすなわちハウ
ジング４８と、始動機歯車１４にかみ合いできる
始動ピニオン５０と、始動ピニオン５０を回転さ
せこのピニオンを始動機歯車１４から軸線方向に
間隔をあけた後退位置と始動機歯車１４に駆動係
合する前進位置との間に軸線方向に変位させる手
段とを含んでいる。この最後に述べた手段はハウ
ジング４８に相対的に回転可能なプーリー・駆動
部材アセンブリ５１を含んでいる。

更に詳細にいえば、プーリー・駆動部材アセン
ブリ５１は始動ピニオン５０を支持する駆動ウオ
ーム５２と引張りロープ５８を収容する溝５６を
有する円形のプーリー５４とを含んでいる。プー
リー・駆動部材アセンブリ５１はハウジング４８
に相対的に回転するようシヤフトすなわちピン６
０に装着されている。ピン６０の他端部には始動
機ピニオン５０が始動機歯車１４に向かう軸線方
向の前進を制限する保持部材６２が装着されてい
る。引張りロープ５８はその自由な外端に引張り
把手６４を有していて通常では巻戻しすなわちリ
コイルばね（図示せず）によりプーリー溝５６内
に巻かれていて、この巻戻しばねは一端部がプー
リー・駆動部材アセンブリ５１に係止され他端部
はばねハウジング６６の内側に係止されてばねハ
ウジング６６内に位置決めされている。

始動機ピニオン５０の環状溝６８には始動機ピ
ニオンと共に軸線方向に運動するようドラグばね
７０が装着され、このばねは始動ピニオン５０の
回転運動を摩擦的に抑制する。ドラグばね７０は
始動機ピニオン５０が最初回転した後にこのピニ
オンが回転を続けてもドラグばね７０がそれ以上
運動しないようにするオフセツト部分７１を含ん
でいる。

操作に際して、引張りロープ５８が引張られる
と、駆動ウオーム５２は第１図で見て反時計方向
に（すなわち、矢印７２で示した方向に）巻戻し
ばねをばねハウジング６６内で巻きほどくよう回
転する。引張りロープ５８を解放すると、巻戻し
ばねは再び巻きそれにより駆動ウオーム５２を時
計方向に回転させると同時にプーリー溝５６内に
ロープ５８を巻く。引張りロープ５８の引張り中
駆動ウオーム５２が反時計方向に回転することに
応答して、ドラグばね７０は始動機ピニオン５０
の回転を摩擦的に抑制して始動機ピニオン５０を
後退位置から始動機歯車に係合する前進位置に軸
線方向に運動させる。保持部材６２に係合すると
ピニオン５０は始動機歯車１４にかみ合いドラグ
ばね７０に相対的に回転しつつ駆動ウオーム５２
と共に回転してエンジンの始動機歯車１４を駆動
する。

以上説明した構造は一般的に従来技術である。

タイマー板が所定のエンジン前進速度に対応す
る設定位置にまで運動せしめられると、プーリ
ー・駆動部材アセンブリの始動を防止する始動阻
止装置が設けてある。図示した特定の構造では、
このような始動阻止装置はプーリー・駆動部材ア
センブリ５１の始動を防止する阻止位置と通常の
非阻止位置との間を可動な一体の阻止エレメント
７３と阻止エレメント７３に選択的に係合してタ
イマー板１６が所定のエンジン速度設定位置にま
で運動せしめられると阻止エレメントを阻止位置
にまで運動させるようタイマー板１６に設けた作
動部分とを含んでいる。

更に詳細にいえば、プーリー５４の外面の１つ
には複数の円周方向に間隔をあけたラチエツト歯
７４より成る円周方向に延びる係止部が設けてあ
る。ラチエツト歯７４はそれぞれ傾斜面７６と阻
止エレメント７３が阻止位置にあるとプーリー・
駆動部材アセンブリ５１の回転を防止するため阻
止エレメント７３に共働する衝合面として作用す
るようにした肩部７８とを有している。

阻止エレメント７３は合成プラスチツク材の如
き弾性材で作られエンジンに符号７９で示した個
所でピボツト運動可能に装着されている。阻止エ
レメント７３はラチエツト歯７４の通路中に延び
ラチエツト歯の肩部７８の１つに係合してプーリ
ー・駆動部材アセンブリ５１の回転を防止する第
１図に示した作用位置とラチエツト歯７４の通路
から半径方向に変位せしめられプーリー・駆動部
材アセンブリ５１がエンジンを作動させるため回
転せしめられることができる第４図に示した非作
用位置との間を可動な爪部分８０の形態の阻止作
用部を含んでいる。爪部分８０を非作用位置に向
け偏倚させるため阻止エレメント７３の一体の部
品として第１のばね部材８２が形成され、このば
ね部材はハウジング４８のブラケツト８４に圧接
する外端部分を有している。また阻止エレメント
７３の一体の部品としてカム従動子部分８８を支
持している第２のばね部材８６も形成されてい
る。

タイマー板１６には作動部分として作用するよ
う半径方向に外方に延びている突起９０が設けて
あり、この突起９０はタイマー板が第１図に示し
た如きエンジンの所定の前進速度設定位置に運動
せしめられると阻止エレメントのカム従動子部分
８８に係合しタイマー板１６が第４図に示した如
くエンジンの所定の前進速度設定位置以下の設定
位置にあるとカム従動子部分８８から離れるよう
に位置決めされている。

操作に際して、タイマー板１６が第１図に示し
た如くエンジンの所定の前進位置に運動した時、
突起９０が阻止エレメント７２のカム従動子部分
８８に係合して爪部分８０に第２のばね部材８６
を介して第１のばね部材８２の偏倚力に打ち勝ち
爪部分８０を作用位置に運動させるに十分な力を
かける。

もしこの状態でエンジンが始動せしめられると
すると、爪部分８０はラチエツト歯の肩部７８に
係合してプーリー・駆動部材アセンブリ５１の回
転を防止しそれによりエンジンが始動せしめられ
ないようにする。タイマー板１６が第４図に示し
た如くエンジンの所定の前進速度の設定位置以下
の位置にあると、突起９０はカム従動子部分８８
に係合せずに第１のばね部材８２が爪部分８０を
非作用位置に保持しプーリー・駆動部材アセンブ
リ５１はエンジンを始動させるため通常の方法で
回転せしめられることができる。

引張りロープ５８がまだ引張られていてかつ爪
部分８０が作用位置にある間にタイマー板１６が
エンジンの所定の前進速度の設定位置に運動せし
められる場合、その後引張りロープ５８を解放す
ると第２のばね部材８６は爪部分８０がラチエツ
ト歯７４の傾斜面７６により半径方向に外方に偏
向せしめられ、すなわちカム運動せしめられ、従
つてプーリー・駆動部材アセンブリ５１は巻戻し
ばねにより再び巻かれることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はエンジン速度制御機構が前進速度設定
位置にある時の種々の部品の位置を示す本発明の
種々の特徴を具体化した始動機連動機構を組入れ
た船外機の一部切欠き上面部分図、第２図は明確
にするため第１図では省略した部品のあるものを
幾分縮少した寸法で示すエンジンの側面部分図、
第３図は第１図のほぼ３−３線に沿い切断して示
した断面図、第４図はエンジンの速度制御機構が
低い速度の設定位置にある際における位置で示し
た第１図の部品のあるものの平面部分図である。 １０……エンジン、１４……始動機歯車、１６
……タイマー板、５０……始動部材、５１……始
動部材用運動手段、７３……阻止エレメント、７
４，７８……衝合手段、８０……爪部分、８２，
８４……ばね部材、８８……カム従動子部分、９
０……突起。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 回転可能に設けられたフライホイールと、可
   動のタイマー板と、該タイマー板に接続され該タ
   イマー板を低速度設定位置と高速度設定位置との
   間で動かす手段と、前記フライホイールに係合し
   該フライホイールを回転させそれによりエンジン
   を始動させる始動機構と始動阻止装置とを有する
   エンジンにおいて、前記始動機構は、回転可能に
   設けられた始動部材を有し、該始動部材が１つの
   方向に回転したとき始動機構がフライホイールに
   係合しエンジンを始動させまた始動部材が他の方
   向に回転したとき始動機構がフライホイールより
   離れるように構成されており、また始動部材は円
   周方向に間隔をあけて設けた衝合面と傾斜面とを
   有した円周方向に延びる係止部を備え前記始動機
   構はさらに前記始動部材を回転させる装置を含ん
   でおり、前記始動阻止装置は弾性材料で作られた
   一体の阻止エレメントを有し、該エレメントは前
   記始動部材の係止部から離れ始動部材の回転を許
   容する通常の非阻止位置と前記係止部に係合する
   阻止位置との間で可動なようにエンジンに取付ら
   れており、また前記阻止エレメントはエンジンの
   一部と係合して阻止エレメントが通常は前記非阻
   止位置に位置決めされるようになす部分と、前記
   阻止エレメントが阻止位置にあるとき前記衝合面
   に係合し前記始動部材の前記１つの方向の回転を
   阻止しまた阻止エレメントが阻止位置にあるとき
   始動部材が前記他の方向に回転すると前記傾斜面
   に係合し阻止エレメントを弾性的に変形し該他の
   方向の回転を許容する阻止作用部とを有し、前記
   タイマー板にはそれが高速度設定位置に動かされ
   たとき前記阻止エレメントに係合し阻止エレメン
   トを前記阻止位置に動かす作動部分が形成されて
   いることを特徴とするエンジン。