JPS6120184Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、隣接する建築ユニツトの屋根体間に
断熱材を極めて施工の容易な形態で配設すること
ができる建築ユニツトの屋根体の側端部の構造に
関する。

床体、柱体、及び断熱材を充填した屋根体を構
成主体とする建築ユニツト複数個を、施工現場に
おいて結合配置して建物を構築する場合、隣接す
る上記建築ユニツトの屋根体間には設計上若干の
間隔があくのが通常であり、上記屋根体間にも断
熱を配設し、その上部を屋根材で被覆するのが望
ましい。而して、上述の断熱材の配設作業は、現
場施工作業省力化等の観点から、施工の容易な形
態で行ない得るものであること等が要請される。

本考案は、上述の要請に応えた建築ユニツトの
屋根体の側端部の構造、即ち、周回形成した梁材
の上下にそれぞれ折板屋根材及び天井材を配し該
折板屋根材及び該天井材間に断熱材を充填してな
る屋根体を備えた建築ユニツトにおいて、上記梁
材の上面とその略上方に位置する上記折板屋根材
の突条端部との間をシートで被包し、その内側に
形成された空間部に接合部充填用断熱材を充填し
ておき、使用に際し、隣接する別の建築ユニツト
の梁材の上面と上記梁材の上面との間に上記シー
トを受材として配し、該受材上に上記接合部充填
用断熱材を配し、更にこの接合部充填用断熱材を
被覆させてそれぞれの折板屋根材間に接合屋根材
を接合し得るようになした、建築ユニツトの屋根
体の側端部の構造を提供するものである。

以下、本考案の建築ユニツトの屋根体の側端部
の構造を、図面に示す一実施例について説明す
る。

第１図は、隣接させて結合した一対の建築ユニ
ツトそれぞれの屋根体の断面図を示すものであつ
て、同図において１は一方の建築ユニツトの屋根
体であり、他方の建築ユニツトの屋根体１′との
間に実際よりも広い間隔をあけて示してある。屋
根体１は、周回形成した梁材の上下にそれぞれ折
板屋根材２及び天井材３を配し、折板屋根材２及
び天井材３間にセルロースフアイバー、グラスウ
ール等の粉体乃至細片状の分散体よりなる断熱材
４，４を充填して構成してあり、図面上他方の建
築ユニツトに隣接する梁材を符号５で示してあ
る。折板屋根材２は図面上左右方向に所定間隔で
突条を複数個形成した折板構造となしてあり、図
面上手前乃至奥方向に適宜間隔で配設した、珪酸
カルシウム板よりなる断熱板６及び凹凸を交互に
形成したタイトフレーム７を介して梁材５上に支
持させてある。従つて上記断熱材４，４は、上記
断熱板６及びタイトフレーム７それぞれの間隙を
介して一体的となしてある。そして又、折板屋根
材２の外端部には梁材５の上方に位置させて係止
部を有す突条端部２ａが設けてあり、後述のよう
に折板構造を連続させ得る接合屋根材８（第２
図）の一端部をかかる係止部に係止できるように
なしてある。以上の構成は他方の建築ユニツトに
ついても同様であり、図面上符号にダツシユを付
して示した。尚、他方の建築ユニツトのタイトフ
レーム７′の外端部における起立面間には図示し
てはないが、閉塞板を設けてあり、図面上タイト
フレーム７′で囲まれる断熱材４′を溢出させない
ようになしてある。

而して、本考案においては、上記一方の建築ユ
ニツトの梁材５の上面と折板屋根材２の外端部と
の間をシート９で被包し、該シート９の内側に形
成された空間部に断熱材１０を充填してある。シ
ート９としては屈曲性が高く、しかもある程度堅
固な（撓み難い）もの、例えばビニールシートを
使用するのが好ましく、シート９は、実施例の場
合、その下端を接着テープ１１で梁材５の上面に
固定し、又その上端を接着テープ１２で折板屋根
材２の突条端部２ａの上面に仮止めしてある。又
充填される断熱材１０としては、セルロースフア
イバー、グラスウール等の粉体乃至細片状の分散
体よりなるものを使用することが好ましく、断熱
材１０は、第２図に示す如く屋根体１，１′間の
接合部に充填されるに足る畳、シート９内側の空
間部に充填してある。

次に、上述の構成からなる建築ユニツトの屋根
体１の側端部の構造の使用態様について説明する
と、その使用に際しては、建築ユニツトを隣接さ
せて結合し、図示の如くそれぞれの建築ユニツト
の屋根体１，１′を隣接させた後、まずシート９
の上端の仮止めを接着テープ１２を剥離すること
により解除し、シート９を第２図に示す如く両梁
材５の上面に掛け渡す。シート９の仮止めを解除
することにより、断熱材１０は、前述の如く分散
体よりなるから、タイトフレーム７，７′間に亘
り分散するが、掛け渡されたシート９により下方
に溢出しない状態にある。次いで受材としてのシ
ート９上でかかる断熱材１０を均し、シート９上
にはやや薄めに、そしてタイトフレーム７，７′
の近傍では断面三角形状に多めにそれぞれ分散さ
せ、第２図に示す如く接合屋根材８を、その両端
部の係止部８ａ，８ａを折板屋根材２，２′の突
条端部にそれぞれ係止させて屋根材２，２′間に
装着する。このようにすれば、断熱材１０が隣接
する屋根体１，１′の間にも配設されることにな
り、従つてかかる接合部における断熱効果は言う
に及ばず、結露水の発生を防止することもでき
る。

尚、以上説明した本考案の趣旨と同様な趣旨
で、Ｈ鋼よりなる梁材５の外側部のコ形の水平凹
陥部に断熱材を収容し、該断熱材の外方を受材兼
用のシート（樹脂シート又はダンプレート）で被
包することができる。この場合、例えばかかるシ
ートをＬ字形に屈曲させ、その上端を接着テープ
で梁材５の上部水平部の外端部に仮止めする一
方、その下面を梁材５の下部水平部上面に固定す
れば、本考案と同様な効果を得ることができる。
又この場合断熱材として復元性の高いポリウレタ
ンフオーム板を使用し、該断熱材を屈曲させて上
記水平凹陥部内に収容しておけば、シートの仮止
め解除と同時に、断熱材の復元力により、かかる
断熱材が梁材５，５′の水平凹陥部間に配設され
ることになつて非常に便利である。

叙上の如く、本考案の建築ユニツトの屋根体の
側端部の構造によれば、屋根体の側端部において
梁材の上面とその略上方に位置する折板屋根材の
突条端部との間をシートで被包し、該シートの内
側に形成された空間部に好ましくは分散体よりな
る接合部充填用断熱材を充填してあるから、例え
ば実施例の如く上記シートの上端部の仮止めを解
除すれば、上記シートを受材として、隣接する建
築ユニツトの梁材上面との間に迅速に上記接合部
充填用断熱材を配設することができ、現場施工作
業を著しく省力化することができる等の多大な実
用的効果が奏せられる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を、隣接する建築ユ
ニツトの屋根体の側端部とともに示す断面図、第
２図は本考案の一実施例の一使用態様を示す断面
図である。 １，１′……屋根体、２，２′……折板屋根材、
２ａ，２′ａ……突条端部、３，３′……天井材、
４……断熱材、５，５′……梁材、８……接合屋
根材、９……シート、１０……断熱材、１２……
接着テープ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 周回形成した梁材の上下にそれぞれ折板屋根
   材及び天井材を配し該折板屋根材及び該天井材
   間に断熱材を充填してなる屋根体を備えた一対
   の建築ユニツトを、それぞれの上記梁材を隣接
   させて結合し、隣接させた上記梁材上面間に受
   材を配し、上記受材上に接合部充填用断熱材を
   配し、さらに上記接合部充填用断熱材を被覆さ
   せて上記折板屋根材間に接合屋根材を接合して
   構築する建物における、上記建築ユニツトの一
   方の屋根体の側端部の構造であつて、上記折板
   屋根材は上記梁材の略上方にその突条端部を位
   置させてあり、上記梁材の上方の空間部を、上
   記受材を形成し得るシートを上記梁材上面と上
   記突条端部との間に取付けて囲み、囲まれた上
   記空間部に上記接合部充填用断熱材となる断熱
   材を装填したことを特徴とする建築ユニツトの
   屋根体の側端部の構造。 (2) 上記接合部充填用断熱材が、セルロースフア
   イバー、グラスウール等の粉体乃至細片状の分
   散体よりなる、実用新案登録請求の範囲第１項
   記載の建築ユニツトの屋根体の側端部の構造。 (3) 上記シートの上端部が上記折板屋根材の突条
   端部に接着テープを仮止めしてある。実用新案
   登録請求の範囲第１項記載の建築ユニツトの屋
   根体の側端部の構造。 (4) 上記シートの下端部が上記梁材の上面に固定
   してある。実用新案登録請求の範囲第１項記載
   の建築ユニツトの屋根体の側端部の構造。