JPS6119897B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は湯沸器の排水性能の改良を図り、湯沸
器の凍結防止の向上を目的とする。

従来、凍結を防止する方法としては○イ水抜きを
行なう方法、○ロ配管にヒータ等を組込み内部の水
温度を所定温度以上に保つ方法、○ハ所定量の水を
流し配管内の温度低下を防止する方式、等があつ
た。○ハの水を流すものとしては蛇口を若干開き、
200c.c.程度の流水で、−10℃程度まで凍結の防止が
可能であるが、しかし寒冷地においては効果は十
分でなく、従つて、○イ水抜き、○ロヒータを組込む
の二方法が行なわれる。しかし、○ロヒータを組込
む場合は省エネルギに反し、従つて○イ水抜きを行
なう方法が最適である。

しかし、従来水抜きの方法としては必ず器具の
排水栓を数本開かねばならず、しかも屋外設置器
具では水抜き操作のため屋外に出て行なわなけれ
ばならず、大変な手間であつた。本発明は屋外設
置器具においても、室内より容易に水抜きをして
器具を凍結から防止するものである。

以下に図面と共に本発明の一実施例を説明す
る。第１図は本発明の湯沸器で給水口１より流入
した水は水ガバナー２で所定の圧力に減圧され、
熱交換器３で加熱され給湯口４により給湯され
る。熱交換器３はバーナ５で加熱される。バーナ
５のガス供給はガス制御機構６で制御される。な
お水ガバナー２はフロースイツチを兼ね、流水時
にはガス制御機構６に連動し、バーナ５を点火さ
せる。

給水口１、給湯口４にはそれぞれエアーチヤー
ジ弁７，８を取付けてある。エアーチヤージ弁
７，８はボール９の働きにより、水圧が有る場合
は閉、無い場合は開となる弁である。また給水口
１と水ガバナー２の中間の水通路の最下部には排
水弁１０が取付けられている。第２図は本発明の
排水弁１０であり、排水弁１０はエアーチヤージ
弁７，８と同様に水圧で開閉する弁である。水通
路の一部に挿入又は連通するように上ボデー２４
が設けられ、上ボデー２４と対向する位置にフラ
ンジ２３で固定される下ボデー２５がある。下ボ
デー２５には大気に連通する排水口１６と、内側
に弁座１４が設けられてる。

弁座１４にはパツキング１２が固着しにくい
SUS304等の非固着性金属２８が固定されてい
る。又排水口１６の先端は水切れを良くするため
に水平に対し斜めに開口している。もし、排水口
１６の先端を水平に開口していると水の表面張力
により排水口の先端が凍結して排水ができなくな
る。上ボデー２４と下ボデー２５のフランジ部に
周辺耳部を挾持され中央部が開口しているダイヤ
フラム１１がある。ダイヤフラム１１の中央部に
は弁座２７が設けられており、ダイヤフラム１１
の下ボデー２５側に中央部が開口している受け板
３１と上ボデー２４側に中央部が開口しているス
ペーサ３０と、スペーサ３０とダイヤフラム１１
を挾持するダイヤフラム押え２９とから構成され
ている。

ダイヤフラム押え２９の凸部２９ａは、排水弁
１０が開時のストツパになる。弁座２７中央部に
は、高圧室１５と低圧室をつなぐ開口部３２があ
る。受け板３１の端には、弁座１４と対向する位
置に中央部が開口しているパツキング１２が固定
されている。

受け板３１と弁座１４の間には外径を案内にし
て、パツキング１２と弁座１４が常時開になるよ
うに水圧応動スプリング１３が挿入されている。
水圧がかかると高圧室１５に水圧がかかり、ダイ
ヤフラム１１によりパツキング１２と弁座１４は
閉となる。水圧がなくなれば開となり排水口１６
より水は排水される。

第３図は湯沸器の設置図で湯沸器１７には給水
栓１８、蛇口２０、シヤワー２１が接続されてい
る。給水栓１８は室内のつまみ１９によつて開閉
される。この給水栓はよく寒冷地で用いられるも
のである。

排水方法はつまみ１９を閉じることにより給水
栓１８が閉じられる。つぎに蛇口２がシヤワー２
１を開くと排水弁１０に加わる圧力は水頭差Ｈで
ある。一般にＨは蛇口２０が１階にある場合は１
ｍ〜２ｍ程度である。

一方排水弁１０の設定圧力はダイヤフラム１１
の面積と水圧応動スプリング１３の荷重によつて
決まる。ダイヤフラム１１の直径をＤ、水圧応動
スプリング１３の荷重をＷ、弁座２７の開口部の
直径をｄとすると、 Ｗ＝π／４（Ｄ−ｄ）^２×Ｐ Ｐ＝Ｗ／π／４（Ｄ−ｄ）^２ となる。Ｐは高圧室１５にかかる圧力で排水時に
はＨに相当し、0.1〜0.2Kg/cm²程度である。従つ
てスプリング１３の荷重を適当に選定し設定圧力
を0.1〜0.2Kg/cm²程度にすれば給水栓１８を閉
じ、蛇口２０を開くことにより排水弁１０は開き
エアーチヤージ７，８よりエアーチヤージされ排
水される。

一般に供給水圧は最低0.5Kg/cm²程度なので排水
弁の設定圧力は0.1〜0.5Kg/cm²程度が最適であ
る。

弁部２７の開口部の穴径２mmより小さいと水の
表面張力により排水しにくくなる。又穴径が10mm
より大きくなるとダイヤフラム１１が大型になる
とともに、通水初期に排水弁１０の閉止迄の水洩
れ量が多くなるため開口部の穴径は２〜10mm程度
が最適である。

以上述べたように本発明によれば室内からの排
水操作が容易に行なえ、しかも給水栓のみを閉じ
た場合も確実に排水を行い、器具を凍結から護る
ことができる。また排水弁を構成する上下ボデー
のうちの下ボデーの内側に弁座を設け、この弁座
に対向してダイヤフラムの中央部に保持した弁部
に中空の開口部を設け、この弁部と弁座間に前記
弁部が、高圧室へ規定水圧より大きな水圧がかか
ると閉、小さな水圧がかかると開になるように水
圧応動スプリングを介在したものであるから、器
具凍結防止の構造を、きわめて簡単で、かつ安価
にできるとともに、それだけ信頼性を高めること
になる。すなわち、通水路に立上り管を介してダ
イヤフラムの圧力室を接続し、ダイヤフラムのバ
ネにより、ダイヤフラムにスピンドルで接続した
圧力室側の排水弁を通水がない時に排水弁バネに
抗して常に開くようにし通水がある時に閉じるよ
うにした従来の装置ではダイヤフラム、排水弁そ
して通水路と排水路を連通する路がそれぞれ別個
なので、ダイヤフラムおよびそのバネ、排水弁お
よびそのバネ、そしてスピンドル、立上り管等が
必要となり、これらに比べ本発明の排水弁はきわ
めて部品が少なく構造が大幅に簡単になり信頼性
を向上できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例における湯沸器の排
水弁の構成図、第２図は同排水弁の断面図、第３
図は同湯沸器の設置状態を示す図である。 ３……熱交換器、５……バーナ、６……ガス制
御機構、１０……排水弁、２４……上ボデー、２
５……下ボデー。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 湯沸器の水通路に挿入又は連通する上ボデー
   と、排水口を持つ下ボデーと、上記上ボデーと上
   記下ボデーに周辺耳部を挾持される中央部に穴の
   あるダイヤフラムと、上記ダイヤフラムの中央部
   を保持する中空の開口部を持つ弁部と、上記弁部
   の下ボデー側に固定された中空のパツキングと、
   上記下ボデーの内側で上記パツキングと対向する
   位置に設けられた弁座と、上記弁部と上記弁座の
   間に挿入された水圧応動スプリングとからなり、
   高圧室に規定圧より大きい水圧がかかると閉にな
   り、規定圧より小さくなると開になり開口部より
   排水口へ湯沸器の水を排水する湯沸器の排水弁。 ２ 上記弁部の中央の開口部の穴径を２mm〜10mm
   とした特許請求の範囲第１項記載の湯沸器の排水
   弁。 ３ 排水弁開圧力を0.1Kg/cm²〜0.5Kg/cm²とした特
   許請求の範囲第１項記載の湯沸器の排水弁。 ４ 上記弁座を非固着性金属とした特許請求の範
   囲第１項記載の湯沸器の排水弁。