JPS6119021B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、暗所での撮影に使用する発光器に
関する。

発光器を使用しての撮影では、被写体の照度は
被写体距離の二乗に反比例する。従つて適当な距
離にある被写体を撮影しようとするときに、至近
距離の撮影視野内に物体があるときは、この物体
が著るしく明るく撮影され、画面構成の障害にな
る。

この発明は、至近距離にある不所望の物体へ照
射される光を抑制することによつて、上述のよう
な障害を除くことを目的とし、以下これを図示の
実施例に基いて説明する。

第１図において、１はストロボ発光器の発光部
で、それから発せられる光は、カメラの撮影視野
全体にわたつて投射される。発光部１の前面の各
周辺部には液晶を利用した減光フイルタ２，３，
４，５が配設され、かつ発光部１を囲み赤外線受
光器６，７，８，９が撮影視野の各周辺部にそれ
ぞれ指向して設けられ、更に撮影視野全体を覆う
ように赤外線発光器１０が配置されている。各赤
外線受光器６，７，８，９は、第２図に示すよう
にレンズ１１及び受光素子１２を有し、指向特性
が狭くなるよう構成されている。

第２図において、赤外線発光器１０は、制御端
子１３に入来する制御信号によりパルスを生ずる
パルス発生器１４の出力により点灯される。各赤
外線受光器６，７，８，９の受光出力は、それぞ
れ検出回路１５，１６，１７，１８において発生
器１４のパルスと比較され、或る時間内に受光出
力が検出されたときは、当該検出回路に出力を生
ずる。各検出回路１５，１６，１７，１８に生じ
た検出出力は、それぞれ液晶制御回路１９，２
０，２１，２２に供給され、それにより減光フイ
ルタ２，３，４，５をそれぞれ減光状態に転換さ
せる。なお、発光部１は、カメラのＸ接点端子２
３の入力で制御される電源部２４によつて点灯さ
れる。

制御端子１３への制御信号は、例えばカメラの
シヤツタ釦にその押圧ストロークの途中で閉成す
るスイツチを附設すれば得られる。この制御信号
は、カメラのシヤツタの動作に先立つて制御端子
１３へ入来する。

上述の装置において、シヤツタ釦を押下する際
に、撮影視野の下部の至近距離に物体が存在して
いたとする。シヤツタ釦の押下の途上で、先づ端
子１３に信号が入つてパルス発生器を動作させ、
赤外線発光器１０から撮影視野全体へパルス状赤
外線が発射される。これに伴い、撮影視野の各周
辺部からの反射光が各受光器６，７，８，９で受
光され、その中で下向きの受光器８にだけ前記至
近物体の反射光が所定の時間内に入来し、他の受
光器には所定時間内には反射光が入来しなかつた
とする。各受光器の受光出力はそれぞれ検出回路
１５，１６，１７，１８において発射赤外線パル
スと比較されるが、下向き受光器８に接続された
検出回路１７にだけ検出出力を生ずる。よつて液
晶制御回路２１だけが動作し、受光部１の前面の
減光フイルタのうち、下辺部の減光フイルタ４だ
けを減光状態に転換させる。

シヤツタ釦が更に押下されると、シヤツタが動
作してＸ接点が閉じ、端子２３に信号が入来す
る。

これによりストロボ電源部２４が動作し、発光
部１が発光して撮影が行われる。その発光の際、
減光フイルタは４だけが減光状態にあり、他は透
明状態のまゝであるから、撮影視野全体へ投射さ
れる光のうち、下辺部へ向うものだけが減殺され
る。従つて、前記至近物体が過度に明るくなるの
を防ぎつゝ、目的とする被写体について良好に撮
影を行うことが可能になる。

第３図は、至近物体の存在と発光部１の配光曲
線との関係を示す。角AOBは撮影画角を示し、
曲線CDは正常時の配光曲線である。角AOE内に
至近物体が検出されたときは、その方向の減光フ
イルタを制御して、配光曲線をFDのように変化
させ、同様に角BOG内に至近物体が検出された
ときは、配光曲線をCHのように変化させる。ま
た、角AOE及び角BOGの双方内に至近物体が検
出されたときは、配光曲線をFHのように変化さ
せる。

なお、赤外線発光器１０及び赤外線受光器６，
７，８，９に代えて、通常のストロボ発光器と可
視光線受光器を用いてもよく、その場合の検出回
路１５，１６，１７，１８には一般のオートスト
ロボ発光器の制御回路と全く同じ構成のものを用
いればよい。更に、赤外線や可視光線に代えて超
音波パルスを用いることも可能である。装置の構
造を簡単にするためには、各受光器６，７，８，
９の出力を綜合して１個の検出回路へ導入し、そ
の検出出力によつて周辺部の減光フイルタ２，
３，４，５のすべてを一斉に制御して、第３図に
おける曲線FHのような配光を得るようにすれば
よい。

以上のように、この発明によるときは、至近物
体は撮影時の照明を制御されるので、これが過度
に明るく撮影されるのを効果的に防ぐことができ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明を実施した発光装置の発光部
の見取図、第２図はその電気結線図、第３図はそ
の配光曲線図である。 １……ストロボ発光部、２〜５……減光フイル
タ（液晶）、６〜９……赤外線受光器、１０……
赤外線発光器、１４……パルス発生器、１５〜１
８……検出回路、１９〜２２……液晶制御回路。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ カメラの撮影視野のほぼ全域に向けて光を投
   射するよう構成された発光器と、この発光器の前
   面における周辺部に設けた可制御減光フイルタ
   と、上記視野の少くとも周辺部に向けてパルス状
   波動を輻射する手段と、上記視野の周辺部に指向
   して配置された鋭い指向特性の上記パルス状波動
   の受波手段と、この受波手段によつて受波された
   上記パルス状波動の至近距離からの反射波の検出
   回路と、この検出回路の出力によつて上記フイル
   タを減光作用を営むように制御する回路とよりな
   る発光装置。