JPS6119018Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、スクリン印刷におけるスキージ及び
インキ返しの作動機構に関する。

スクリン印刷はスクリン上に作られた画像部を
スキージを用いて捺することにより、画像部の孔
よりインキを被印刷体に転移させるものであるが
この際、繰返し印刷するにはスキージされたイン
キをスクリン面上に平坦に戻す必要があり、この
手段としてはインキ返しが用いられる。即ちスキ
ージで印刷をしてインキ返しでインキを版面にも
どすことを繰返すわけであるが、良い印刷を効率
良く行なうには、印刷時のスキージ圧力及び角度
が一定していることが必要であり、インキ返し時
には平坦に均一にインキを戻すことが必要であ
る。

従来の方法によれば、スキージとインキ返しの
反転の為にスキージ又はインキ返しブレードを
個々に上下動させるか、あるいはスキージ往路と
復路でスキージ角度を反転させてスキージとイン
キ返しの切替動作を行なわしめていたが、本考案
はスクリン印刷機のフレーム部分に１組のガイド
系路を設け、その規制された系路内をスキージに
備えた滑動摺動部分を摺動運動せしめて、スキー
ジ動作とインキ返し動作を連続的に安定して行な
わせるようにしたものである。

本考案は、スクリン印刷機のスクリン取付用左
右フレーム１の上辺部にそれぞれスクリン９面に
対して平行な直線溝状のガイド１ａと、その下方
に該ガイド１ａに対して平行な略平行四辺形状の
循環ガイド７を設け、下側先端にスキージ２、該
スキージ２に対して交差する方向にインキ返しブ
レード５をそれぞれ取り付けたスキージホルダー
２ａの上方及び下方両側両端部に、幅方向に伸び
るそれぞれガイド軸３及びガイド棒６を設け、該
ガイド１ａ内に軸３、ガイド７内にガイド棒６を
それぞれ摺動移動可能に設けたことを特徴とする
スクリン印刷機のスキージ及びインキ返し機構で
ある。

本考案を図面に従つて詳細に説明する。

第１図スクリン印刷機の左右上辺フレーム１に
それぞれスクリン９面に平行直線状の切欠ガイド
１ａを設け、その下方にそれぞれフレーム１とガ
イド板１ｂが形成する循環ガイド７を設け、スキ
ージホルダー２ａの上方両端部に巾方向に伸びる
ガイド軸３及びホルダー２ａの左右動を防止する
押え金具４を備え、前記ガイド１ａ内において前
記ガイド軸３を前後に滑動摺動可能にして、前記
ホルダー２ａの下方両端部に巾方向に伸びるガイ
ド棒６を設け、前記循環ガイド７内において滑動
摺動可能にして、前記ホルダー２ａの先端にスキ
ージ２及び該スキージに対して交差する方向を向
くようにインキ返しブレード５を取付けてなる機
構であつて、本考案機構の構造は第２図に示すよ
うに、スキージホルダー２ａはその両端部に備え
るガイド軸３と押え金具４及びガイド棒６を有
し、フレーム１はガイド１ａ及びフレーム１に固
定された支持板１b′に支持されたガイド板１ｂと
フレーム１により形成される循環ガイド７が設け
られていて、往路ガイド７ａと復路７ｂ、及び切
換路７ｃ，７ｄを有する。ホルダー２ａはその先
端にスキージ２を備え、側部にインキ返しブレー
ド５を約90゜交差する方向に向けて備えてある。

本考案機構の作動順序を説明すれば、第３図に
示すように往路における矢印方向のスキージ動作
は、ガイド軸３がスクリンフレーム１の上辺にあ
るガイド１ａに沿つて左から右に摺動移動し、ガ
イド棒６は循環ガイド７ａ内を左から右に摺動移
動するため、スキージ２のスクリンに対して作る
角度が一定に保持されながらスキージ２はスクリ
ン９表面を捺すりながらインキ１０を用紙１１に
転移せしめる。次に復路におけるインキ返しブレ
ード５によるインキ返し動作は、第４図に示すよ
うにガイド軸３はガイド１ａを右から左に矢印方
向に摺動移動し、一方ガイド棒６はガイド７ｂに
規制されながら右から左に摺動移動する。この往
路から復路の切換え動作時に於いて、ホルダー２
ａはガイド軸３を支点にある角度回転し、スキー
ジ２は前上方に持ち上げられ、スキージ２に対し
て約90゜方向に取付けられたブレード５はスクリ
ン９に接近して、スクリン印刷インキ１０を右か
ら左方向に引き戻すことができる。

尚、ガイド７ａから７ｂ及び７ｂから７ａにガ
イド棒６が軌道を変更する場合において、７ｃ及
び７ｄはガイド軸３を中心としてガイド棒６まで
の距離を半径とした円弧状の軌道を有し、第４図
ガイド軸３が最左側に位置する点を中心にして、
その位置においてガイド棒６は、循環ガイド７ｂ
から７ａに軌道を変更可能にしてあり、第４図ガ
イド軸３がガイド１ａの最右側にある場合は、そ
の位置におけるガイド軸３を中心にしてガイド棒
６は循環ガイド７ａから７ｂに軌道を変更するこ
とができる。更に第５図に示すように循環系路を
循環ガイド７′のような形状にすれば、往路にお
いてスキージ動作を行なつた後に、ガイド７′ａ
から７′ｄにガイド棒６の軌道をとり、スキージ
２をスクリン９に接する角度方向に引き上げるこ
とが出来、良好なスキージ動作がインキ返し動作
を可能とする。

第１図１２は印刷用紙１１を載せて吸引固定す
るバキユーム盤で微細な小孔を有し、１３はバキ
ユーム盤１２を前後移動する微調整ハンドル、１
４は左右方向移動のための微調整ハンドルにして
それぞれ印刷位置合せを行なうものである。

本考案において、ガイド棒６は循環ガイド７を
循環移動するが、逆循環を防止するために、ガイ
ド７に板バネ８を取付けてあり、ガイド棒６がガ
イド７ａから７ｃを通つて７ｂに、あるいはガイ
ド７ｂから７ｄを通つて７ａに逆移動する誤動作
を防止することができ、スキージ２をスクリン９
に、ある角度で押圧してからスクリン９を印刷用
紙１１に接触させながら、インキ１０を用紙に転
移せしめるスキージ動作を行ない、次にガイド棒
６の軌道修正によりスキージをステンシルから離
脱せしめて、スキージホルダー２ａを傾斜せしめ
インキ返しブレード５をスクリン９に接近させ
て、前方にスキージホルダー２ａを摺動させる動
作を円滑に行なうことが出来るものである。

本考案スキージ及びインキ返し機構によれば、
スキージホルダーの往復動作により、連続した印
刷を行なうことが出来、更にスキージホルダーを
傾けるだけで、ガイドに沿つて摺動せしめて自重
あるいは手動により容易にホルダーの軌道を変更
することが出来、スキージ動作とインキ返し動作
の繰返し操作を安定して円滑に行なうことが出
来、このような往復動作に機械的な駆動を取入れ
ることも可能であり、安定したスクリン印刷状態
を得ることが出来、正しいインキ返し動作を行な
うことが出来る等、実用的価値は顕大である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案機構によるスクリン印刷機の斜
視図、第２図は本考案機構によるスクリン印刷機
のスキージ動作を示す説明図、第３図、第４図、
第５図は本考案機構によるスクリン印刷機のスキ
ージ動作及びインキ返し動作を示す説明図であ
る。 １……フレーム、１ａ……ガイド、２……スキ
ージ、４……押え金具、５……ブレード、６……
ガイド棒、７……循環ガイド、８……板バネ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. スクリン印刷機のスクリン取付用左右フレーム
   １の上辺部にそれぞれスクリン９面に対して平行
   な直線溝状のガイド１ａと、その下方に該ガイド
   １ａに対して平行な略平行四辺形状の循環ガイド
   ７を設け、下側先端にスキージ２、該スキージ２
   に対して交差する方向にインキ返しブレード５を
   それぞれ取付けたスキージホルダー２ａの上方及
   び下方両端部に幅方向に伸びるそれぞれガイド軸
   ３及びガイド棒６を設け、該ガイド１ａ内に軸
   ３、ガイド７内にガイド棒６をそれぞれ摺動移動
   可能に設けたことを特徴とするスクリン印刷機の
   スキージ及びインキ返し機構。