JPS6118804Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は化粧料を収納する容器本体に蓋体を開
閉自在に枢着してなるコンパクト容器の改良に関
するものである。

従来のコンパクト容器では化粧料を充填した中
皿を収容する容器本体の凹所の寸法は一定なもの
となつていて、所定の中皿しか容器本体には収容
することはできなかつた。従つて、異種または異
色の化粧料を複数取り揃える場合には複数個のコ
ンパクト容器を買入する必要があり、不経済であ
るだけでなく使用上も不便であつた。特に最近、
化粧の多様化と多色化に伴い、中皿を自由に交
換、配列することのできるコンパクト容器への要
望が強まつている。

本考案は上記の要請に基づくもので、各種のサ
イズの中皿に適合することができ、また複数の中
皿を配列収容することができるように容器本体並
びに蓋体のサイズが変化するコンパクト容器を提
供するにある。

以下に本考案の好適な実施例について添附図面
を参照にして説明する。

第１図及び第２図は本考案の第１実施例に係る
コンパクト容器を示し、この第１実施例に係るコ
ンパクト容器では容器本体１は固定容器部２と可
動容器部３とからなり、また蓋体４は固定蓋部５
と可動蓋部６とからなつている。

固定容器部２と可動容器部３とは相互に組合さ
れて両者の内部に化粧料を充填した中皿（図示せ
ず）を収納する凹所７を形成している。この固定
容器部２の前端縁は凹状に切欠され、ここに第１
の係合突片８が一体的に形成され、またその後端
縁は凹状に切除されてここは蓋体４を枢着するピ
ンが挿通される枢着部９となる。

本考案の第１実施例では、固定容器部２の片側
に可動容器部３が設けられ、可動容器部３は平面
コ字形に配設された前後壁１０，１１と側壁１２
並びに底板１３とから形成されている。可動容器
部３の前後壁１０，１１は固定容器部２の前後内
壁面に形成された切欠溝１４，１５内に摺動自在
に嵌挿されている。固定容器部２の切欠溝１４，
１５の内側端と外側端部には凸部１６，１７が形
成され、一方可動容器部３の前後壁１０，１１の
端部外面には凹部１８が形成され、可動容器部３
を固定容器部２に対して最も押し込んだ位置で上
記内側端の凸部１６と凹部１８とが嵌合して比較
的小さな中皿収納用凹所７ａが形成され、また可
動容器部３を固定容器部２に対して最も引出した
位置において上記外側端部の凸部１７と凹部１８
とが嵌合して第２図に示すように拡大された中皿
収納凹所７ｂが形成される。このように可動容器
部２を引出し延長させた位置と押し込んだ位置と
によつて大小二種の中皿収納用凹所７ａ，７ｂが
提供されるのである。

一方、蓋体４の固定蓋部５並びに可動蓋部６の
内面にはそれぞれ鏡１９・２０が添着され、固定
蓋部５の前端縁には爪片２１が垂下されこの内面
に第２の係合突片２２が一体的に形成されてい
る。また固定蓋部５の後端縁には垂下片２３が一
体形成され、この垂下片２３は固定容器部２の後
端枢着部９内に嵌挿され両者はピンで枢着結合さ
れ、蓋体４を閉じると固定蓋部５に形成した第２
の係合突片２２が固定容器部２に形成した第１の
係合突片８と係合して蓋体４が閉止位置を占める
ことになる。蓋体４の可動蓋部６を固定蓋部５か
ら引出し延長自在に形成されている。そのために
可動蓋部６の内側部分２４は固定蓋部５の可動蓋
部側に形成された底浅の広幅凹所２５内に摺動自
在に嵌挿されている。また、広幅凹所２５の前後
内壁の内側部と外側部には凸部２６，２７がそれ
ぞれ形成され、可動蓋部６の内側端には凹部２８
が形成され、可動蓋部６を最も内側に押し込んだ
位置では凸部２６と凹部２８とが嵌合し、また可
動蓋部６を最も引出し延長した位置では凸部２７
と凹部２８とが嵌合することになる。上記可動蓋
部６の引出し延長は可動容器部３のそれと対応し
て行われ、その最大引出し量は両者同一になつて
いる。

本考案の第１実施例に係るコンパクト容器は上
記のように構成されているため、容器本体１内に
比較的小さな中皿を収納するときには、第１図に
示すように可動容器部３並びに可動蓋部６を共に
固定容器部２と固定蓋部５側にそれぞれ押し込ん
でおき、一方、容器本体内に比較的大きな中皿を
収納するとき或いは複数個の中皿を収納するため
に大きな凹所７ｂを形成する必要があるときは、
可動容器部３並びに可動蓋部６を共に固定容器部
２と固定蓋部５とから引出して延長させてやれば
良いのである。

第３図及び第４図は本考案の第２実施例に係る
コンパクト容器を示している。この実施例は前記
第１実施例と異り、固定容器部２の両側に可動容
器部３ａ，３ｂをそれぞれ引出し自在に設けると
ともに固定蓋部５の両側にも可動蓋部６ａ，６ｂ
をそれぞれ引出し自在に設けてなる。尚、固定容
器部２に固定蓋部５の後端を開閉自在に枢着し
て、固定蓋部５の前端突片２２ａを固定容器部２
の前端突片８ａに係合して蓋体４を容器本体１に
対して閉止することは第１実施例の場合と同じで
ある。また、各可動容器部３ａ，３ｂを固定容器
部２に対して引出し自在とする構造また各可動蓋
部６ａ，６ｂを固定蓋部５に対して引出し自在と
する構造については第１実施例の場合と実質的に
同じであるから詳述するのを省略する。

この第２実施例のコンパクト容器では可動容器
部３ａ，３ｂを固定容器部２の両側から別々に或
いは同時に引出し延長して中皿を収納する凹所７
を拡大することができるため、凹所の大きさが３
種類に可変であるため、使用者の幅広い好みい一
層適合させることが可能となる。

以上のように上記何れの実施例においても、本
考案のコンパクト容器では可動容器３を固定容器
２に対して引出すことによつて中皿収納凹所７の
大きさを簡単に変えることができるし、また蓋体
もその可動蓋部６を固定蓋部５に対して引出して
容器の大きさに簡単に合致させることができるの
で、サイズの異なる中皿を自由かつ簡単に交換し
たり、複数の中皿を種々に組合せて配列すること
ができ、極めて使用上便利かつ経済的なコンパク
ト容器とすることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は本考案の第１実施例に係る
コンパクト容器を示し、第１図は可動容器部並び
に可動蓋部を押し込んだ状態で蓋体を開放して示
す斜視図、第２図は可動容器部及び可動蓋部を引
出した状態で蓋体を開放して示す斜視図、第３図
及び第４図は本考案の第２実施例に係るコンパク
ト容器を示し、第３図は第１図同様の斜視図、第
４図は第２図同様の斜視図である。 １……容器本体、２……固定容器部、３，３
ａ，３ｂ……可動容器部、４……蓋体、５……固
定蓋部、６，６ａ，６ｂ……可動蓋部、７，７ａ
……中皿収納凹所。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 化粧料を収納する容器本体に蓋体を開閉自在
   に枢着してなるコンパクト容器において、該容
   器本体を固定容器部と可動容器部とから構成
   し、該固定容器部は後端に枢着部をまた前端に
   第１の係合突片を形成してなり、また該可動容
   器部は該固定容器部の側部に引出し延長自在に
   設けられており、また該蓋体を固定蓋部と可動
   蓋部とから構成し、該固定蓋部は後端に該固定
   容器部との枢着部をまたその前端には該固定容
   器部の該第１の係合突片と係合し得る第２の係
   合突片を形成し、該可動蓋部は該固定蓋部の側
   部に引出し延長自在に設けられてなることを特
   徴とするコンパクト容器。 (2) 前記可動容器部を前記固定容器部の両側に引
   出し延長自在に設けてなり、前記可動蓋部を前
   記固定蓋部の両側に引出し延長自在に設けてな
   ることを特徴とする実用新案登録請求の範囲第
   １項記載のコンパクト容器。