JPS61183390A - 固体燃料水スラリ−用添加剤 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この発明は石炭、石炭乾留コークス、石油コークスなど
の固体燃料粉末を水壷こ分散させてなる燃料用として有
用な固体燃料水スラリー用添加剤に関する。

〔従来の技術〕

石炭を代表とする固体燃料は、その形状が固体であるた
めに永い間石油に燃料としての王座をゆずっていたが、
石油ショックを機に固体燃料の見直しが行われ、石炭石
油混合燃料（ＣＯＭ）で代表されるように、固体燃料の
粉末を媒体と混合することにより固体燃料を流体として
取り扱おうという試みが盛んに行われている。

しかし、石炭石油混合燃料の場合には約半分が石油であ
るという欠点を避けて通ることができず、さらに別のス
ラリー燃料の開発が望まれている。

近年、水を媒体として用い、高濃度に石炭や石油コーク
スなどの固体燃料を分散させた流体としてのスラリーを
パイプライン輸送や油タンカーなどによる輸送にも適し
たものとし、さらに各種ボイラーにおける石油の代替燃
料やガス化用原料として用いようとする試みがなされて
いる。このスラリーの場合には、媒体が水であるところ
から、スラリーとして次の性質を持つことが好ましい。

すなわち、固体燃料粉末濃度が高く、かつ低粘度であっ
て、しかも固体燃料粉末の凝集や沈降のおこらない長期
安定性にすぐれたものであることである。

ところで、従来、石炭水スラリーの特性を改質するため
に、スラリー中に防錆剤、抗酸化剤、分散剤などの各種
の添加剤を添加することはすでに知られている。しかし
、これら公知の添加剤のなかで、固体燃料粉末濃度ない
し粘度に非常に好結果を与え、またこの特性とスラリー
の安定性とを共に満足させるものはほとんどみられない
。たとえば、米国特許第２，３４６，１５１号明細書、
特公昭５５−４５６００号公報および特開昭５４−１６
５１１号公報などに開示されるりん酸エステル、各種ア
ミン類、アルキレンオキシドとアルキルフェノールやナ
フトールその他階性りん酸塩との反応物、ポリメタクリ
ル酸の如きポリカルボン酸の塩の如き添加剤では、粘度
低下機能に劣り高濃度スラリーを得ることが難しい。

また、特開昭５２−７１５０６号公報や特開昭５３−５
８１号公報に提案されるリグニンスルホン酸塩、特開昭
５６−２１６３６号公報に提案されるナフタレンスルホ
ン酸塩やナフタレンスルホン酸のホルムアルデヒド縮金
物の塩、特開昭５６−５７８８９号公報に提案されるた
とえばオクテン−無水マレイン酸共重合物のナトリウム
塩の如き共重合物などは、前記の添加剤に較べると粘度
低下機能があり、スラリーの安定性にも多少寄与するが
、これら特性はなお改良の余地があり充分なものとはい
えない。

また、特開昭５９−１４５２９２号公報や同５９−１４
５２９３号公報で提案されたポリアミン化合物にアルキ
レンオキシドを付加したポリエーテル化合物とステアリ
ン酸やラウリン酸あるいは分校脂肪酸とのエステル化物
も前記のものと比較すると改良はされているが、安定性
の面でなお改良の余地があり充分なものとはいえず、静
置安定性のみならず、得られたスラリーを撹拌するとス
ラリー粘度が短時間で急上昇するという致命的欠陥があ
った。

〔発明が解決しようとする問題点〕

この発明は、上記従来のものに較べてよりすぐれた粘度
低下機能を有するとともに、スラリーの静置安定性が良
好でまた撹拌などのせん断力を加えたときに極端な粘度
上昇をきたすことのない長期安定性に好結果が得られる
工業的に有用な固体燃料水スラリー用添加剤を得ること
を目的としている。

〔問題点を解決するための手段〕

この発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討し
た結果、特定のポリエーテル化合物と、分子内にヒドロ
キシル基を有する特定の脂肪酸とのエステル化物が、固
体燃料水スラリーの粘度低下機能とスラリーの安定性と
の両特性に共に好結果を与えるものであることを見い出
し、この発明をなすに至った。

すなわち、この発明は、アルキレンオキシドと反応しう
る活性水素を３個以上有する化合物にエチレンオキシド
を必須として含むアルキレンオキシドを付加してなる付
加物で、ポリオキシエチレン鎖の部分の合計の重量が全
分子量の４０〜９５重量％であり、さらに分子量がｓ、
ｏｏｏ〜１００万であるポリエーテル化合物にモノヒド
ロキシステアリン酸、ジヒドロキシステアリン酸、ヒド
ロキシフェニルステアリン酸のうちの１種以上を反応さ
せて得たポリエーテル化合物誘導体を有効成分とする固
体燃料水スラリー用添加剤に係るものである。

［発明の構成・作用］ この発明の添加剤は、活性水素を３個以上含む化合物に
エチレンオキシドを含むアルキレンオキシドを付加して
ポリエーテル化合物とし、この末端ノヒドロキシル基を
分子内にヒドロキシル基ヲ含む脂肪酸である、モノヒド
ロキシステアリン酸、ジヒドロキシステアリン酸および
ヒドロキシフェニルステアリン酸のうちの１種以上でエ
ステル化して得られるポリエーテル化合物誘導体を必須
成分として用いるものである。

ここで用いられる活性水素を３個以上有する化合物とし
ては、各種アルコール、アミンならびにカルボン酸があ
り、活性水素を３個以上有するアルコール類としては、
例えばグリセリン、ブタントリオール、ヘキサントリオ
ール、トリメチロールプロパン、トリエタノールアミン
、ジグリセリン、ペンタエリスリトール、ンルビタン、
ソルビトール、グルコース、シュークローズ、セルロー
ス、デンプンなどがある。またアミン類としては、アン
モニア、牛脂プロピレンジアミン、エチレンジアミン、
テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、フ
ェニレンジアミン、ベンジジン、シクロへキシルジアミ
ン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、
テトラエチレンペンタミン、ポリエチレンイミンなどが
有用であす、カルボン酸としては、ヘミメリット酸、ト
リメリット酸などが有用である。また分子内に異種の官
能基を同一分子内に含むものであってもさしつかえなく
、例えばグリシン、リンゴ酸、モノエタノールアミン、
ジェタノールアミン、酒石酸、アミノエチルエタノール
アミンなども有用である。

ポリエーテル化合物は前記活性水素を３個以上有する化
合物に通常の方法によりエチレンオキシドを必須として
含むアルキレンオキシドを付加することによって容易に
得ることができる。そのうち特にエチレンオキシドとプ
ロピレンオキシドとのブロックまたは一部ブロック状の
付加物が好ましく、その付加の順序はいずれが先でもよ
いが、プロピレンオキシド（以後、ＰＯと略記する）を
先に付加させたのちエチレンオキシド（以後、ＥＯと略
記する）を付加させた場合がとくに良好である。

つぎに、これらのポリエーテル化合物に分子内にヒドロ
キシル基を含む、モノヒドロキシステアリン酸、ジヒド
ロキシステアリン酸、ヒドロキシフェニルステアリン酸
のうち１種以上の脂肪酸を通常のエステル化反応で反応
させてポリエーテル化合物誘導体が得られるが、ポリエ
ーテル化合物の１分子あたりのヒドロキシル基のうち、
少くとも１個以上のヒドロキシル基をエステル化するこ
とが必要である。

ポリエーテル化合物の分子量は５，０００〜１００万で
あり、好ましくは１０，０００〜６０万の範囲である。

また、ＥＯ鎖の部分の合計の重量は全分子量の４０〜９
５重量％であり、好ましくは６０〜９５重量％である。

この範囲以外では首記の目的を達成することができない
。

従来、石炭水スラリーや石油コークス水スラリー用添加
剤としては、すでに述べたとおり、種々の化合物が提案
されている。このうちこの発明に特に類似のものとして
は、例えば活性水素を有する化合物にＥＯ％ＰＯなどの
アルキレンオキシドを付加したポリエーテル化合物（特
開昭５６−５６２０５号公報、特開昭５６−６２５３８
号公報、特開昭５７−１０２９９４号公報、特開昭５７
−１４７５９５号公報）や、これらポリエーテル化合物
とヒドロキシル基を有しない脂肪酸とのエステル化物（
特開昭５９−１４５２９２号公報、特開昭５９−１４５
２９３号公報）が提案されている。

しかしながら、これら添加剤は水スラリーの粘度を低下
させる能力が不足しているのみならず、湿式粉砕時に添
加した場合粉砕が進行するに従って流動性が低下するた
めその表面積の増大とともに必要添加量を増加させるこ
とが必要であった。

後者のポリエーテル化合物と脂肪酸（分子内にヒドロキ
シル基を含まない）とのエステル化物は幾分改良されて
はいるが、まだ不充分であり、特に静置安定性が不充分
であるとともに、これら添加剤を添加して得られたスラ
リーを撹拌すると、短時間でスラリーの粘度が急上昇す
るという致命的欠陥があった。

この本発明の添加剤は、これら欠点を解決した画期的な
性能を有する・ものである。何故この発明の添加剤がす
ぐれた効果を発揮するのかは定かではないが、分子末端
に疎水基であるアルキル基をエステル結合により導入す
ることにより石炭の疎水部との親和比が良好になるとと
もに、アルキル基中に存在するヒドロキシル基により石
炭が含有している無機灰分との親和性も良好になり、こ
の２つの効果によって首記の性能が得られるものと推定
される。

この発明の添加剤には、上記ポリエーテル化合物誘導体
からなる有効成分のほか、従来提案されている界面活性
剤を併用してもよく、また必要に応じてゲル化剤、防錆
剤、防腐剤や、発泡がみられる場合には、脂肪族アルコ
ールやンルビタン脂肪酸エステルあるいはシリコーン化
合物などの消泡剤を併用してもよい。

上記のように構成されてなるこの発明の添加剤の固体燃
料水スラリー中への添加量は、そのスラリー特性、つま
り固体燃料粉末の粒度や濃度あるいは有効成分自体の種
類などによって異なるが、一般的には有効成分がスラリ
ー９０．０１〜５重量％、と（に好適には０．０５〜０
．５重量％となるようにするのがよい。添加量が多くな
るにしたがって粘度低下効果が大でまた安定性の面でも
好結果が得られる。しかし、一定量を超えるとそれ以上
の効果は期待できないので経済的に不利である。

添加剤の添加方法は任意であり、固体燃料粉末を乾式粉
砕法と湿式粉砕法とのいずれの方法で得るかによって適
宜の方法を選択すればよい。たとえば、乾式粉砕法では
、粉砕粉末を分散させるべき水中にあらかじめこの発明
の添加剤を添加混合し、これに粉砕粉末を加えて混合す
るのがよい。

一方、湿式粉砕法では、湿式粉砕のために用いる水中に
あらかじめ添加するようにしてもよいし、湿式粉砕中も
しくは粉砕後に添加するようにしてもよい。

なお、添加剤を用いて水中粉砕ないし通常のインペラー
撹拌を行っただけでは、安定なスラリーを得にくいとき
は、強い剪断力を持ったホモジナイザー、ラインミキサ
ーなどの撹拌機を使用して混合するのがよい。

この発明の添加剤が適用される固体燃料としては石炭、
石油コークス、石炭乾留コークスがあり、石炭は、亜瀝
青炭、瀝青炭、無煙炭などいずれでもよくとくに制限は
ない。これら固体燃料を乾式粉砕法や湿式粉砕法で粉砕
して水スラリー用の粉末とするが、この粉末の粒度もと
くに規定されない。しかし、パイプライン輸送、バーナ
ー燃焼において摩耗、閉塞などのトラブルをおこさない
ように、通常２００メツシユパスが５０重量％以上とな
るのが好ましい。

［発明の効果］ この発明の固体燃料水スラリー用添加剤は、すぐれた粘
度低下機能を発揮し、通常固体燃料が６５〜７５重量％
程度の高濃度で低粘度を示すスラリーの調製を可能とす
る。しかも、得られるスラリーは静置安定性に優れてい
るのみならず、撹拌することによってもスラリーの粘度
の上昇はみられず、スラリーのハンドリング上全く問題
のないスラリーが得られる。

このように、この発明の固体燃料水スラリー用添加剤に
よれば、パイプライン輸送その他の輸送が容易で経済的
であり、また燃焼装置への供給が容易であるというきわ
めて工業的に有利な固体燃料水スラリーを提供すること
ができる。

〔実施例〕

以下に、この発明の実施例を記載してより具体的に説明
する。

なお、以下の実施例および比較例で固体燃料として用い
た石炭（ニルメロ炭）および石油コークスの工業分析値
はつぎの第１表のとおりである。

また、以下の実施例および比較例において用いた添加剤
点１〜ム２４はつぎの第２表に示すとおりである。

また、上記第２表に示される添加剤のほかに、比較とし
て下記第３表の界面活性剤を添加剤畜２５〜２７として
用いた。

第　　　３　　　表 さらに、以下の実施例および比較例にて得られた固体燃
料水スラリーの粘度および静置安定性ならびに撹拌によ
る粘度の変化は下記の如く測定した。

得られた固体燃料水スラリーの粘度（２５℃）はＢ型粘
度計により測定し、静置安定性は次の方法で調べた。す
なわち直径５ｃｍ、高さ２０ｃ＋＋＋のステンレス製シ
リンダーの底部より６σと１２αの位置に止栓つき取り
出し口を設け、得られた固体燃料水スラリーを上記シリ
ンダーの底部から１８ａの高さまで入れ、室温で３週間
静置した。つぎに、シリンダー底部から１２（至）より
上の上層部分、６〜１２ｃＩｎの中層部分および６σよ
り下の下層部分に分け、各層の固型分を１０５℃の乾燥
基中に２時間放置する乾燥減量法により測定した。

また、撹拌による粘度の変化は、容量ＩＩ！のセパラブ
ルフラスコに得られた固体燃料水スラリーを８００ｙ入
れ、４枚羽根のスターラーをとりつけたのち水が蒸発し
ないようにシールして毎分３６０回転で撹拌し、撹拌５
日後のスラリーの粘度（２５°Ｃ）をＢ型粘度計により
測定し、粘度の上昇ぐあいをみた。

実施例１ ニルメロ炭を乾式粉砕して２００メツシユパスが８０重
量％の石炭粉末を得た。この粉末と下記第４表に示す意
の添加剤と所要の水とを用いて、これらをよく撹拌混合
することにより、固型分７０重量％の石炭水スラリー組
成物を得た。得られた各スラリー組成物の粘度および静
置安定性ならびに撹拌開始５日後の各スラリーの粘度を
測定した。結果を第４表に示す。なお、同表には、各添
加剤の使用量（スラリー中の濃度）を併記した。

実施例２ 石油コークスを粉砕して２００メツシユパスが８０重量
％の石油コークス粉末を得た。この粉末と下記第５表に
示す畜の添加剤と水とを用いて、これらをよ（撹拌混合
することにより固型分７５重量％の石油コークス水スラ
リー組成物を得た。

得られた各スラリー組成物の粘度および静置安定性なら
びに撹拌開始５日後の各スラリーの粘度を測定した。結
果を第５表に示す。なお、同表には各添加剤の使用量（
スラリー中の濃度）を併記した。

上記の第４表および第５表の結果から明らかなように、
この発明の固体燃料水スラリー用添加剤は、固体燃料粉
末濃度が高濃度であるにもかかわらず、低粘度でしかも
静置安定性にすぐれており、また撹拌を加えることによ
っても粘度の著しい上昇が認められないものであること
がわかる。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. （１）アルキレンオキシドと反応しうる活性水素を３個
   以上有する化合物にエチレンオキシドを必須として含む
   アルキレンオキシドを付加してなる付加物で、ポリオキ
   シエチレン鎖の部分の合計の重量が全分子量の４０〜９
   ５重量％であり、さらに分子量が５，０００〜１００万
   であるポリエーテル化合物にモノヒドロキシステアリン
   酸、ジヒドロキシステアリン酸、ヒドロキシフェニルス
   テアリン酸のうちの１種以上を反応させて得たポリエー
   テル化合物誘導体を有効成分として含むことを特徴とす
   る固体燃料水スラリー用添加剤。
2. （２）固体燃料が石炭、石炭乾留コークスまたは石油コ
   ークスである特許請求の範囲第（１）項記載の固体燃料
   水スラリー用添加剤。