JPS6118331Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は元止め式湯沸器に関するものである。

従来の技術 従来の元止め式湯沸器は、第４図に示すように
構成されていた。すなわち、２１は貯湯タンク
で、この貯湯タンク２１の上部には給湯管を設け
ずに、Ｔ字型の接続具２２を貯湯タンク２１の上
部に直接ねじ込み、そして前記接続具２２の両端
に、貯湯タンク２１内に下部より給水される水の
一部を貯湯タンク２１の上部に導く導水管２３と
湯水混合管２４とをそれぞれ接続し、かつ湯水混
合管２４の先端には給湯蛇口２５を接続してい
た。

この元止め式湯沸器は沸き上げ中に膨張したお
湯（14タンクの場合、約400c.c.）が、接続具２
２と湯水混合管２４と給湯蛇口２５を通つて外部
に沸排出される構造になつており、沸き上がり後
は、貯湯タンク２１内のお湯は、徐々に冷却され
て体積が縮小し、この収縮した量だけ空気を吸い
込み、その結果、貯湯タンク２１内に空気層がで
き、第３図に示すような喫水面ａを生じる。また
導水管２３内の水面も貯湯タンク２１内の喫水面
ａとつりあつて同水位になるものである。

考案が解決しようとする問題点 しかしながら、従来の湯沸器はＴ字型の接続具
２２が給湯管を兼ねた構成となつているため、接
続具２２から貯湯タンク２１の喫水面に至るまで
の距離h₃は、導水管２３の接続具２２から貯湯タ
ンク２１の喫水面に至るまでの距離h₄に対し、非
常に短いものとなり、その結果、湯水混合弁を、
約45℃程度の適温に調節して、給湯を開始した場
合は、貯湯タンク２１内の熱湯が、導水管２３か
らの水より、瞬間的に、湯水混合管２４内に先に
流れ出るため、給湯蛇口２５から、適温のお湯を
設定しているにもかかわらず、最初に熱湯が出湯
して、使用者がやけどを起こすという問題点があ
つた。

本考案はこのような問題点を解決するためにな
されたもので、最初に熱湯が出湯して使用者がや
けどを起こすことのない安全な元止め式湯沸器を
提供することを目的とするものである。

問題点を解決するための手段 上記問題点を解決するために本考案は、貯湯タ
ンクの上部に接続した給湯管と、前記貯湯タンク
の下部に給湯される水の一部を貯湯タンクの上部
に導く導水管と、この導水管からの水と前記給湯
管からの湯が混合する湯水混合管の三者を接続具
により接続し、前記給湯管の接続具から貯湯タン
クの喫水面に至るまでの距離h₁を、前記導水管の
前記接続具からの前記導水管内の前記喫水面に至
るまでの距離h₂より長く構成したものである。

作 用 上記構成によれば、給湯開始とともに、導水管
からの水が湯水混合管に先に流れ、それより遅れ
て貯湯タンク内の熱湯が給湯管を経て湯水混合管
へ流れることになり、その結果、給湯蛇口からは
水またはぬるま湯が先に出て、その後、適温の湯
が出るため、熱湯が先に出てやけどをするという
問題をなくすることができるものである。

実施例 以下、本考案の一実施例を添付図面にもとづい
て説明する。第１図〜第３図において、１はヒー
タ２を内装した貯湯タンクで、この貯湯タンク１
の外側の一部は断熱材３により覆われている。４
は前記ヒータ２に近接して貯湯タンク１に取り付
けたサーモスタツトで、このサーモスタツト４は
貯湯タンク１内の湯温が85℃になると、ヒータ２
へ通電を停止する。５は貯湯タンク１の上部に接
続した給湯管で、この給湯管５は貯湯タンク１の
内部と連通させている。６は貯湯タンク１の下部
に接続した排水管で、この排水管６は貯湯タンク
１の内部と連通させ、かつ途中には排水栓７を設
けている。８は前記排水管６に連通するように湯
水混合弁９を介して接続された給水管で、この給
水管８には止水栓１０を設けている。１１は前記
給水管８に連通するように湯水混合弁９を介して
一端が接続された導水管で、この導水管１１は貯
湯タンク１の熱を受けないように断熱材３の外側
に配設され、かつ他端は貯湯タンク１の上部まで
延出させている。１２は湯水混合管で、この湯水
混合管１２と前記給湯管５および導水管１１の三
者はＴ字状の接続具１３により接続されている。
１４は湯水混合管１２の先端に接続された給湯蛇
口、１５は外装ケースである。

また前記給湯管５の接続具１３から貯湯タンク
１の喫水面ａに至るまでの距離h₁は、導水管１１
の接続具１３から導水管１１内の喫水面ａに至る
までの距離h₂より長くなつている。

上記構成において、次にその作用を説明する。
貯湯タンク１内に給水８より給水された水は、ヒ
ータ２により85℃近くまで沸かされる。そして給
湯蛇口１４より給湯を行なう場合は止水栓１０を
開くとともに、湯水混合弁９を調節することによ
り、貯湯タンク１の下部より給水が行なわれ、か
つこの給水圧により貯湯タンク１内の湯を押し上
げて給湯管５へ給湯する。このとき、給水管８よ
り供給される水の一部は、湯水混合弁９を介して
導水管１１へ導かれ、かつＴ字状の接続具１３内
に流れ込んで、前記給湯管５へ給湯された湯と混
合し、この混合された湯は湯水混合管１２を通つ
て給湯蛇口１４より出湯する。この場合、出湯温
度の調節は湯水混合弁９の調節により行なえるた
め、その出湯温度を適温に調節しておけば、使用
者は止水栓１０の開閉操作のみで、常に適温の湯
を得ることができる。この動作過程において、給
湯管５へ給湯された湯と、導水管１１により導か
れた水の一部とがＴ字状の接続具１３内に流れ込
んで混合する場合、本考案の実施例においては、
給湯管５の接続具１３から貯湯タンク１の喫水面
ａに至るまでの距離h₁を、導水管１１の接続具１
３から導水管１１内の喫水面ａに至るまでの距離
h₂より長くしているため、止水栓１０を開いて給
湯を開始した場合には、接続具１３内には距離的
な関係から、まず導水管１１より導かれた水が入
り込み、その後、給湯管５から給湯された湯が入
り込むことになり、その結果、給湯蛇口１４から
は先に水が出るため、熱湯による使用者のやけど
という問題はなく、その後は水と湯が混合された
適温の湯が出湯するものである。なお、前記h₁の
距離は、h₂の距離の２〜３倍が、予熱の影響も考
慮すれば望ましい。

考案の効果 以上のように本考案によれば、給湯管の接続具
から貯湯タンクの喫水面に至るまでの距離h₁を、
導水管の接続具から導水管内の前記喫水面に至る
までの距離h₂より長く構成しているため、給湯開
始時においては、導水管からの水が湯水混合管に
先に流れ、それより遅れて、貯湯タンク内の熱湯
が給湯管を経て湯水混合管内へ流れることにな
り、その結果、給湯蛇口からは水またはぬるま湯
が先に出て、その後、適温の湯が出るため、熱湯
が先に出てやけどをするという問題のない安全な
元止め式湯沸器を提供することができるものであ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す元止め式湯沸
器の縦断面図、第２図は同湯沸器における貯湯タ
ンクの配管構成を示す斜視図、第３図は同配管部
の一部断面図、第４図は従来の元止め式湯沸器に
おける貯湯タンクの配管構成を示す斜視図であ
る。 １……貯湯タンク、５……給湯管、１１……導
水管、１２……湯水混合管、１３……接続具。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 貯湯タンクの上部に接続した給湯管と、前記貯
   湯タンクの下部に給水される水の一部を前記貯湯
   タンクの上部に導く導水管と、この導水管からの
   水と前記給湯管からの湯が混合する湯水混合管の
   三者を接続具により接続し、前記給湯管の前記接
   続具から前記貯湯タンクの喫水面に至るまでの距
   離h₁を、前記導水管の前記接続具から前記導水管
   内の前記喫水面に至るまでの距離h₂より長く構成
   した元止め式湯沸沸器。