JPS61181390A - 酵素によるグリセライドの製造法 - Google Patents

酵素によるグリセライドの製造法

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JPS61181390A
JPS61181390A JP60021546A JP2154685A JPS61181390A JP S61181390 A JPS61181390 A JP S61181390A JP 60021546 A JP60021546 A JP 60021546A JP 2154685 A JP2154685 A JP 2154685A JP S61181390 A JPS61181390 A JP S61181390A
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は部分グリセライドリパーゼの存在下、脂肪酸ま
たは脂肪酸エステルとグリセロールを反応させて、乳化
剤、抗菌剤などとして有用なトリグリセライドを全く若
しくはほとんど含まないグリセライドを製造する方法に
関する。
従来の技術 リパーゼは脂肪または高級脂肪酸のエステルを加水分解
する酵素であるが、適当な条件のもとでは脂肪酸とグリ
セロールまたは脂肪酸とアルコールから加水分解の逆反
応によってグリセライドまたはエステルを生成すること
が知られている(J。
Gen、 Appl、 Microbiol、+第10
巻、第13〜22頁。
1964年、Proc、 rV  IFS: Ferm
ent、Technol、 Today、第315−3
20頁、 1972年、特公昭51−7754、特公昭
57−23535 、特開昭59−118094、特開
昭59−118095など)。これら先行技術で使用さ
れているリパーゼ、並びに一般に、最もよく知られてい
るリパーゼは、いわゆるトリアジルグリセロールリパー
ゼ(別名ニトリグリセライドリパーゼ)であり、この酵
素はトリグリセライドのみならずジグリセライドおよび
モノグリセライドにも、程度の差はあるものの特異性を
有する酵素である。このトリグリセライドリパーゼによ
り、前記逆反応によって生成されるグリセライドは、一
般にトリグリセライド、ジグリセライドおよびモノグリ
セライドの混合物であるか、または実質的にモノグリセ
ライドおよびジグリセライドから成る場合でも、そのモ
ノグリセライドの割合が低いという欠点がある。
モノグリセライドおよびジグリセライドは食品、化粧品
、医薬品などの乳化剤として法尻に使用されているが、
乳化剤としての能力はモノグリセライドの方がジグリセ
ライドよりもはるかに優れており、トリグリセライドの
存在は好ましくないとされている。一般に乳化剤として
使用されるグリセライドは、そのモノグリセライド含量
が約90%以上であることが要求され、従って、従来は
グリセライド混合物を分子蒸留などに付してモノグリセ
ライド含量を高める操作が必要であった。
また、グリセライドのその他の用途として、特定のモノ
グリセライド(ラウリン酸モノグリセライド、カプリン
酸モノグリセライドなど)が食品などの抗菌剤、防腐剤
として利用されている。
本発明において使用される酵素としての部分グリセライ
ドリパーゼとは、モノグリセライドおよび/またはジグ
リセライドを特異的に加水分解するリパーゼを意味する
が、このような性質を有する酵素の存在は動物および微
生物の中にわずかに知られているに過ぎない。本発明に
おいて、特に好適に用いられるペニシリウム・サイクロ
ピウム(Penicillium  cyclopiu
m>の生産する部分グリセライドリパーゼ、それ自体は
本願出願前の文献に公知である(J、 Biochem
、、第87巻、第205−211頁、 1980年)。
この酵素は、モノグリセライドおよびジグリセライドに
特異性を有する酵素で、トリグリセライドに対する作用
は極めて低いという特徴を有する。
発明が解決しようとする問題点 本発明は、乳化剤、抗菌剤などとして有用なトリグリセ
ライドを全く若しくはほとんど含まないグリセライドを
提供することを目的とする。また、本発明の好ましい態
様においては、生成グリセライド中のモノグリセライド
およびジグリセライドの割合を幅広く調節して、最も好
ましくは実質的にモノグリセライドのみより成るグリセ
ライドを製造することを目的とする。
問題点を解決するための手段、作用 本発明によれば、部分グリセライドリパーゼの存在下、
脂肪酸または脂肪酸エステルとグリセロールを適当な条
件下に反応させることによりトリグリセライドを全く若
しくはほとんど含まないグリセライドが生成される。
本発明で使用される部分グリセライドリパーゼとば、モ
ノグリセライドおよび/またはジグリセライドを加水分
解する性質を有し、トリグリセライドに対する特異性は
全く若しくはほとんど有しない酵素である。このような
酵素の例としては、ラット小腸、ブタ脂肪組織などの動
物臓器由来のモノグリセライドリパーゼまたはジグリセ
ライドリパーゼ、ペニシリウム・サイクロピウム(Pe
nicillium  cyclopium)  AT
CC34613由来のモノグリセライドおよびジグリセ
ライドに特異性を有する酵素などが挙げられる。とくに
好ましくは上記ペニシリウム属菌由来の酵素が用いられ
る。
上記ペニシリウム属菌株から部分グリセライドリパーゼ
を得るには、本菌株を通常の微生物の培養に用いられる
培地に増殖せしめ、培養物中に酵素を蓄積せしめ、これ
より採取することができる。
培養物から採取した酵素の純化は、公知の精製手段によ
り行うことができるが、本発明の目的にはあえて純粋の
状態にまで精製する必要はない。ただし、培養物中また
は粗製酵素中にトリグリセライドリパーゼが含まれる場
合にはそれを除去しなければならない。
本発明において、グリセライド合成の原料として用いら
れる脂肪酸および脂肪酸エステルとしては、炭素数4〜
22の飽和または不飽和の脂肪酸およびそのメチル、エ
チル、プロピル、ブチル、ベンジル、アミル、ビニルな
どのエステル、並びにこれらの混合物が挙げられる。部
分グリセライドリパーゼの存在下、これらの脂肪酸また
は脂肪酸エステルとグリセロールを、水分含量約30重
量%以下、温度20〜55℃において、1時間〜5日間
反応せしめることにより、トリグリセライドを全く若し
くはほとんど含まないグリセライドが生成される。部分
グリセライドリパーゼとしてペニシリウム・サイクロピ
ウムの酵素を使用した場合はトリグリセライドが全く生
成されないことが確認された。
生成されるグリセライド中のモノグリセライドおよびジ
グリセライドの割合は、反応の条件を適当に選択するこ
とにより幅広く調節することができる。即ち、全グリセ
ライドに占めるモノグリセライドの割合が約50%(モ
ル比)から実質的に副生物を含まないところまで変える
ことが可能である。そのような条件とは、反応の時間、
酵素の使用量、原料の脂肪酸または脂肪酸エステルとグ
リセロールの使用割合、反応混合物中の水分含量などで
ある。
生成されたグリセライドは石油エーテルなどの有機溶媒
に抽出して、反応混合物より分離する。
得られたグリセライド中のモノグリセライド含量が十分
に高い場合にはそのまま乳化剤、抗菌剤として利用する
ことが可能であり、またモノグリセライド含量が低い場
合には分子蒸留などの手段によりその含量を高めた後に
利用することができる。
本発明によれば、前記したように、実質的にモノグリセ
ライドのみから成るグリセライドを生成することが可能
であるので、この場合にはモノグリセライドの含量を高
める操作は必要としない。なお、上記反応において、未
反応の原料は繰り返しグリセライド生成の反応に使用可
能である。
本発明法により得られたグリセライドの成分およびその
割合を分析した典型的な例を添付図面に示す。叩ち、反
応終了後の混合物中の油層成分をシリカゲルを用いた薄
層クロマトグラフィー/水素炎イオン化検出器(TLC
/F I D i商品名:Iatroscan TH−
10型、ヤトロン社製)により分析した。図面より明ら
かのように、グリセライド混合物中の成分はほとんどが
モノグリセライド(MG)であり、1,2−ジグリセラ
イド(L2−DG)および1,3−ジグリセライド(1
,3−D C)はわずかであること、そしてトリグリセ
ライドは全く検出されないことが分かる。なお、FAの
ピークは未反応の脂肪酸を表す。
以下に試験例および実施例を示して本発明の詳細な説明
する。ただし、グリセライドの分析および酵素の単位の
定義は次のとおりである。
グリセライドの成分およびその割合の分析は次のように
行った。反応混合物中の油層成分を石油エーテルに抽出
した後、調製用シリカゲル薄層プレー) (PLK5、
ワットマン社製)に供し、石油エーテル:ジエチルエー
テル:酢酸(80:30:1、容量比)で展開後、沃素
蒸気でスポットを検出した。各グリセライドに相当する
スポットを回収し、トリグリセライド分析用試薬組成物
(商品名: Triglyceride G−test
 Wako、和光純薬社製)を用いてグリセライドを定
量した。各分子種の割合はモル比(%)で表示した。
本発明において用いられる酵素の単位は次のように定義
される。2.5n+Mp−ニトロフェニルラウリン酸お
よび2.0%トリトンX −100を含む5゜l酢酸緩
衝液(pH5,6) 0.95−と酵素液0.05mt
’を混合し、37℃において15分間インキュベートし
た後、アセトン2.0−を添加して反応を停止する。
次いで、反応で遊離したp−ニトロフェノールの量を4
1Qnmにおける吸光度の強度から求める。酵素活性は
、上記反応において1分間に1マイクロモルのp−ニト
ロフェノールを遊離せしめる酵素の量を1単位とした。
試験例1 部分グリセライドリパーゼの調製米[2%お
よびコーン・ステイープ・リカー1.5%より成る培地
(pH6,0)にペニシリウム・サイクロピウムATC
C34613を接種し、26℃において通気、攪拌下、
2日間培養した。得られた培養液より菌体をろ別した後
、ろ液を限外ろ過により濃縮した。次いで、この濃縮液
をDEAE−セファロースCL−6B (ファルマシア
社製) ヲ用いたクロマトグラフィーに付し、共存する
トリグリセライドリパーゼを分離除去し、精製部分グリ
セライドリパーゼ標品を得た。この標品はモノグリセラ
イドおよびジグリセライドを加水分解するが、トリグリ
セライドに対する作用は全く有しないことが確認された
試験例2 反応時間と生成グリセライドの組成オレイン
酸1.77g 、グリセロール8.0g、ペニシリウム
・サイクロピウムの部分グリセライドリパーゼ0.2m
l!(5単位)および水0.35m1!を混合して、攪
拌しながら、40℃において反応を行った。
反応開始後、8.24.48.72および96の各時間
に反応混合物を採取し、生成グリセライド中のモノグリ
セライド、ジグリセライドおよびトリグリセライドの分
析を行った。第1表に示すように、グリセライド中のモ
ノグリセライドの割合は70%以上に達し、特に8時間
目のサンプルはほとんどがモノグリセライドであった。
一方、トリグリセライドの生成は何れの時間の反応混合
物にも認められなかった。
第1表 試験例3 酵素使用量と生成グリセライドの組成試験例
2において、酵素の使用量を種々変化させ、40℃、2
0時間反応せしめた。第2表に示すように、酵素の使用
量が少ない程、モノグリセライド含量が高かった。一方
、トリグリセライドの生成は全(認められなかった。
第2表 試験例4 原料のグリセロール/脂肪酸の割合と生成グ
リセライドの組成 試験例2において、原料のオレイン酸とグリセロールの
割合(モル比)を種々変化甘さ、40℃において20時
間反応せしめた。第3表に示すように、グリセロール/
オレイン酸の割合が小さい程、モノグリセライドの含量
が高かった。一方、トリグリセライドの生成は全く認め
られなかった。
第3表 実施例1 オレイン酸1.77g、グリセロール8.0gおよびペ
ニシリウム・サイクロピウムの部分グリセライドリパー
ゼ0.2m(5単位)を混合して、30℃において20
時間反応を行った。オレイン酸の消費量は47%であっ
た。生成したグリセライドを石油エーテルに抽出し、そ
の成分を分析したところ、全グリセライドに占めるモノ
オレインの割合は98.4%であり、ジオレインのそれ
は1.6%であった。
一方、トリオレインは検出されなかった。
実施例2 オレイン酸0.44g 、グリセロール9.5gおよび
ペニシリウム・サイクロピウムの酵素0.2me(5単
位)を混合し、40℃において20時間反応せしめた。
オレイン酸の消費量は75%であり、また生成したグリ
セライドの割合は、モノオレイン88.2%、ジオレイ
ン11.8%、トリオレイン0%であった。
実施例3 オレイン酸1.77g、グリセロール8.0g、ペニシ
リウム・サイクロピウムの酵素0.05−(5,5単位
)および水0.05−を混合し、30℃において20時
間反応せしめた。生成したグリセライドの割合は、モノ
オレイン94.9%、ジオレイン5.1%、トリオレイ
ン0%であった。
実施例4 ラウリン酸1.77g 、グリセロール8.0g、ペニ
シリウム・サイクロピウムの酵素0.2me(5単位)
および水0.35−を混合し、40℃において20時間
反応せしめた。ラウリン酸の消費量は30%であり、ま
た生成したグリセライドの割合は、モノラウリン95.
8%、ジラウリン4.2%、トリラウリンO%であった
実施例5 実施例4において、ラウリン酸に代えて、カプリン酸を
用い同様に操作したところ、カプリン酸の消費量は40
.9%であり、また生成したグリセライドの割合は、七
ツカプリン95.2%、シカプリン4.8%、トリカプ
リン0%であった。
実施例6 ラウリン酸ビニル1.77g、グリセロール8.Ogお
よびペニシリウム・サイクロピウムの酵素0.55me
 (41,3単位)を混合し、40℃において20時間
反応せしめた。生成したグリセライドの割合は、モノラ
ウリン96.2%、ジラウリン3.8%、トリラウリン
0%であった。
実施例7 カブリン酸ビニル1.77g 、グリセロール8.0g
、ペニシリウム・サイクロピウムの酵素0.2−(5単
位)および水0.35−を混合し、40℃において20
時間反応を行った。生成したグリセライドの割合は、七
ツカプリン95.9%、シカプリン4.1%、トリカプ
リンθ%であった。
実施例8 ステアリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸、カプリル
酸またはカプロン酸の1.77gとグリセロール8.0
g、ペニシリウム・サイクロピウムの酵素0.2+ne
(5単位)および水0.35−を混合し、それぞれ40
℃において20時間反応を行った。生成したグリセライ
ドは、はとんどがモノグリセライドであり、ジグリセラ
イドは痕跡程度にしか生成されず、またトリグリセライ
ドは全く検出されなかうた。
発明の効果 本発明によれば、脂肪酸または脂肪酸エステルとグリセ
ロールよりトリグリセライドを全く若しくはほとんど含
まないグリセライドの製造法が提供される。本発明の好
ましい態様によれば、実質的にモノグリセライドのみよ
り成るグリセライドの製造法が提供される。本発明法に
よって得られたグリセライドは、そのまま或いはそのモ
ノグリセライド含量を高めた後、乳化剤、抗菌剤などと
して使用可能である。
【図面の簡単な説明】
図面は、本発明法により生成されたグリセライドの分析
例を表す図であり、図中MGはモノグリセライド、1.
2−DCは1.2−ジグリセライド、1.3−DCは1
.3−ジグリセライド、FAは脂肪酸をそれぞれ意味す
る。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 部分グリセライドリパーゼの存在下、脂肪酸または
    脂肪酸エステルとグリセロールを反応させてトリグリセ
    ライドを全く若しくはほとんど含まないグリセライドを
    生成せしめることを特徴とする酵素によるグリセライド
    の製造法。 2 グリセライドがモノグリセライドとジグリセライド
    の混合物である特許請求の範囲第1項記載の酵素による
    グリセライドの製造法。 3 グリセライドが実質的にモノグリセライドのみより
    成る特許請求の範囲第1項記載の酵素によるグリセライ
    ドの製造法。 4 次の条件 (1)反応の時間、 (2)部分グリセライドリパーゼの使用量、(3)原料
    の脂肪酸または脂肪酸エステルとグリセロールの割合 をそれぞれ適当に選択することにより生成グリセライド
    中のモノグリセライドおよびジグリセライドの割合を調
    節する特許請求の範囲第1〜3項のいずれかに記載の酵
    素によるグリセライドの製造法。 5 部分グリセライドリパーゼがモノグリセライドリパ
    ーゼおよび/またはジグリセライドリパーゼである特許
    請求の範囲第1項記載の酵素によるグリセライドの製造
    法。 6 ペニシリウム・サイクロピウム(Penici−l
    lium cyclopium)由来のモノグリセライ
    ドおよびジグリセライドに特異性を有するリパーゼを使
    用する特許請求の範囲第5項記載の酵素によるグリセラ
    イドの製造法。
JP60021546A 1985-02-06 1985-02-06 酵素によるグリセライドの製造法 Granted JPS61181390A (ja)

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