JPS6118088Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は枠体の間に断熱材を挿設した内壁パネ
ルに関する。

（従来の技術） 従来から枠体間の断熱材を間隙なく挿設し、断
熱効果の向上を図つたパネルが種々提案されてい
る。例えば、実開昭55−6338号公報には少なくと
も両側辺部に桟を有してなる短冊形の硬質発泡体
の一表面あるいは両表面にシート状物を有してな
る断熱下地材が開示されている。

（考案が解決しようとする問題点） しかしながら、上記従来のものにあつては、断
熱効果の向上を図ることはできるものの、例えば
引き込み電線やケーブル等を貫通させる必要が生
じた場合に、貫通孔の穿設といつた加工作業がし
にくく、また表面に貼着されたシート状物を必要
以上に破損してしまい、防水性を損なうといつた
問題があつた。

（問題点を解決するための手段） 本考案の内壁パネルは、一対の縦枠と、一対の
横枠と、前記縦枠間にこれら横枠と略平行に挿設
される中桟とから枠体が組み立てられ、この枠体
の内部空間に断熱材が挿設されるとともに、この
枠体の外面または内面の少なくとも一方の面全面
に、適所にケーブル等を貫通させるための切れ目
を形成した防水性樹脂フイルムが貼着され、前記
縦枠の外面側の側縁にそれぞれ段部が形成された
ものである。

（作 用） 枠体の外面または内面の少なくとも一方の面全
面に貼着された防水性樹脂フイルムの適所にケー
ブル等を貫通させるための切れ目が形成されてい
るので、ケーブルを貫通させる場合、この切れ目
からケーブル等を貫通させればフイルムが破損さ
れることがなく、シール性が損なわれることがな
い。

（実施例） 以下、本考案の一実施例を図面を参照して説明
する。

この内壁パネルは、第１図および第２図に示す
ように、一対の縦枠１，１と、一対の横枠２，
２、および縦枠１，１間にこれら横枠２，２と略
平行に挿設される中桟３…とから枠体７が組み立
てられ、この枠体７の内部空間に断熱材４…が挿
設されるとともに、この枠体７の外面または内面
の少なくとも一方の面全面に、適所にケーブル等
を貫通させるための切れ目８を形成した防水性樹
脂フイルム５が貼着され、縦枠１，１の外面側の
側縁にそれぞれ段部１１，１１が形成されたもの
である。

上記断熱材４としては、例えば発泡スチロー
ル、発泡ウレタン等の発泡樹脂が好適に用いられ
る。

前記フイルム５としては、例えば片面に接着剤
が塗布されたポリプロピレンフイルムが用いられ
るが、防水性を有するものであれば、その材質は
問わない。またこのフイルム５を枠体７に貼着す
る時期は、枠体７の内部空間内に断熱材４…を挿
設した後、あるいは挿設する前のいずれでもよ
く、内壁パネルの製造工程で都合のよい時期に行
えばよい。したがつて、例えば枠体７をコンベア
にて搬送しつつ枠体７の内部空間内に発泡樹脂を
注入し発泡させるといつた自動化工程で製造する
場合は、発泡樹脂の注入工程より後方の搬送路上
に、第３図に示すように、ロール状に巻回された
防水性樹脂フイルム５を設け、このフイルム５を
ローラ６…で繰り出しつつ、搬送されてくる枠体
７の所定の面に貼着するようにすることができ
る。

また、前記切れ目８は、引き込み電線やケーブ
ル等を貫通させるためのもので、×印状に形成さ
れる。そして、ケーブル等を貫通する場合、この
切れ目８にケーブル等を通すことによりフイルム
５が必要以上に破壊されることはなく、この部分
におけるシール性が損なわれることがない。

なお、上記実施例では、防水性樹脂フイルム５
を内壁パネルの外面に貼着しているが、内面に貼
着してもよく、あるいは内外両面に貼着してもよ
いこと勿論である。

上記のようになる内壁パネルを壁軸組に取り付
けるには、第４図に示すように、隣接する内壁パ
ネルの縦枠１，１に設けられた段部１１，１１に
取付金具９を係止し、この取付金具９により段部
１１，１１と壁軸組１０とを締め付けることによ
り取り付ける。

（考案の効果） 本考案の内壁パネルは、枠体の内部空間に断熱
材が挿設されるとともに、この枠体の外面または
内面の少なくとも一方の面全面に防水性樹脂フイ
ルムが貼着されたものであるから、フイルムとの
接着力によつて断熱材が確実に枠体の内部空間内
に保持されるとともに、枠体内と断熱材側面とを
密接にすることができて優れた断熱効果を得るこ
とができる。また、この内壁パネルを壁軸組に取
り付けた場合は、フイルムにより屋外からの湿気
の侵入を防止することができる。さらに、フイル
ムには適所にケーブル等を貫通させるための切れ
目が形成されているため、ケーブル等を貫通させ
る場合、その作業が行い易く、またフイルムが必
要以上に破損されることがなく、その部分におけ
るシール性が損なわれることがない。しかも、縦
枠に段部が形成されているため、この内壁パネル
を壁軸組に取付固定する際、取付金具等でこの段
部を押さえることにより取り付けることができ、
取付金具等が内壁パネルの表面から突出するよう
なことがなく、内壁パネルの表面に内装材等を取
り付ける場合等に取付金具が邪魔になるといつた
ことがない。さらにまた、内壁パネルの組立も枠
体の内部空間に断熱材を挿設し、その後あるいは
それ以前に内外両面あるいはいずれか一面に防水
性樹脂フイルムを貼着するという極めて簡単且つ
単純な作業で済ませることができ、したがつて組
立作業の省力化および自動化を図ることができる
ものである。

【図面の簡単な説明】

図は本考案に係る内壁パネルの一実施例を示
し、第１図は内壁パネルの組立状態を示す分解斜
視図、第２図は内壁パネルの一部断熱斜視図、第
３図は内壁パネルに防水性樹脂フイルムを貼着す
る工程の一例を示す工程図、第４図は内壁パネル
を軸組に取り付けた状態を示す断面図である。 １……縦枠、２……横枠、３……中桟、４……
断熱材、５……防水性樹脂フイルム、７……枠
体、８……切れ目、１１……段部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 一対の縦枠と、一対の横枠と、前記縦枠間にこ
   れら横枠と略平行に挿設される中桟とから枠体が
   組み立てられ、この枠体の内部空間に断熱材が挿
   設されるとともに、この枠体の外面または内面の
   少なくとも一方の面全面に、適所にケーブル等を
   貫通させるための切れ目を形成した防水性樹脂フ
   イルムが貼着され、前記縦枠の外面側の側縁にそ
   れぞれ段部が形成されたことを特徴とする内壁パ
   ネル。