JPS6117818Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、定寸装置の測定ヘツド等、工作物の
加工面に係合する補助機器を砥石車の送り込みと
関連して前進させるようにした数値制御研削盤に
関する。

一般の研摩盤においては、工作物の加工面に定
寸装置の測定ヘツドを係合させて加工面の寸法測
定を行うようにしているが、工作物の加工面が黒
皮の状態で測定ヘツドを加工面に係合させると、
加工面に接触する接触子が著しく摩耗し、また、
加工面が砥石車の送り速度を変更すべき寸法にな
つた後で測定ヘツドが加工面に係合されたので
は、測定ヘツドからの信号によつて加工面が砥石
車の送り速度を変更する寸法になつたことを検出
できない。このため、従来においては砥石車が粗
研削開始位置から移動を開始して黒皮を削り終る
までの移動量を基準移動量として特別にプログラ
ムし、砥石車が粗研削開始位置からプログラムさ
れた基準移動量だけ前進した時に定寸装置を加工
面側へ送り込むようにしていたが、このようにす
ると、粗研削開始位置から黒皮を削り終るまでの
砥石車移動量を特別にプログラムしなければなら
ないためプログラムが面倒になる欠点があつた。

本考案はこのような従来の欠点をなくすために
なされたもので、その目的とするところは、定寸
装置の異常を検出するため等に設定される移動量
データを流用して補助機器の前進移動を制御する
ようにし、工作物の加工径が変わつても補助機器
を前進させる時期を指定するための移動量データ
を格別に入力しなくてもよいようにすることにあ
る。

本考案は、設定手段に設定された移動量データ
と実際の砥石車の移動量とを比較することによつ
て定寸装置の異常検出等を行うとともに、かかる
移動量データを流用して補助機器の前進時期を演
算し、これに基づいて補助機器の前進動作を制御
するようにしたことを特徴とするものである。

図は定寸装置からの速度変更信号によつて砥石
車の送りを制御するようにした数値制御研削盤を
示し、研削盤本体１０のベツド１１上後方には、
砥石車１２を軸架する砥石台１３が載置され、サ
ーボモータ１５によつてテーブル１６上の工作物
Ｗに向つて進退されるようになつている。また、
工作物Ｗを挾んで砥石車１２と対向する位置には
定寸装置本体１７に接続された測定ヘツド１８が
載置され、シリンダ装置１８ａによつて加工面
Waに向つて進退されるようになつている。

一方、２０は数値制御装置であり、起動スイツ
チSW１が押圧されると、最初にデジタルスイツ
チDS１に設定された空研削量DAに応じた数のパ
ルスを空研削速度でサーボモータ駆動回路２１に
送出してサーボモータ１５を回転しこれにより砥
石車１２をその加工面が工作物Ｗの加工面Waに
当接する直前まで移動させる。そして、この後、
パルスの分配速度を粗研削に応じた速度に低減し
て加工面Waが粗研削完了の寸法になつて定寸装
置本体１７から速度変更信号AS１が送出される
までパルスを分配し、速度変更信号AS１が送出
されるとパルスの分配速度を精研削に応じた速度
まで更に低減させ、加工面Waが仕上寸法になつ
て定寸装置本体１７から速度変更信号AS２（定
寸信号）が送出されるまでパルス分配を行う。

また、この数値制御装置２０にはサーボモータ
駆動回路２１に分配されるパルスを計数して砥石
車１２の移動量を検出する移動量カウンタ２２が
接続されており、数値制御装置２０は粗研削およ
び精研削のパルス分配の開始に先立つて移動量カ
ウンタ２２を零リセツトし、粗研削および精研削
のパルス分配中は移動量カウンタ２２の計数値を
一定周期で監視するようになつている。そして、
粗研削のパルス分配中に移動量カウンタ２２の計
数値がデジタルスイツチDS２に設定された上限
移動量DRを越えても速度変更信号AS１が送出さ
れない場合、または精研削のパルス分配中に移動
量カウンタ２２の計数値がデジタルスイツチDS
３に設定された上限移動量DFを越えても速度変
更信号AS２が送出されない場合には、定寸装置
本体１７に異常があるものと判別してパルスの分
配を停止して砥石車１２の暴走を防止するように
なつている。したがつてデジタルスイツチDS
２，DS３にははそれぞれ粗研削および精研削時
の理論的な砥石車１２の移動量DRo，DFoに許容
移動量αを加えた値が上限移動量DR，DFとして
設定されている。

乗算器３０は、比較器３１とともに測定ヘツド
１８の挿入時期を検出するためのもので、デジタ
ルスイツチDS２に設定された粗研削時の上限移
動量DRに、デジタルスイツチDS４に設定された
１以下の定数βを掛けて、定寸装置１８の挿入位
置を検出するための基準移動量REを演算する。
そして、この基準移動量REは比較器３１に与え
られて移動量カウンタ２２の計数値と比較され、
移動カウンタ２２の計数値、すなわち砥石車１２
の粗研削移動量が基準移動量REに一致すると比
較器３１から一致信号ESが出力される。この一
致信号ESは粗研削開始時に数値制御装置２０か
ら送出される信号SSによつてセツトされるフリ
ツプフロツプFFのセツト出力Ｑからの信号によ
つて開かれるゲートＧ１を介してシリンダ制御回
路３２に与えられるようになつており、このシリ
ンダ制御回路３２に一致信号ESが与えられると
シリンダ装置１８ａが作動されて測定ヘツド１８
が加工面Wa側へ前進される。

前記許容移動量αは粗研削時の理論移動量DR
に比べて充分小さく無視できるため、定数βは粗
研削時の理論移動量DRと砥石車１２が粗研削送
りを開始してから加工面Waに当接して黒皮を除
去できるまでの理論移動量との比によつて決める
ことができる。なお、シリンダ装置１８ａ等に作
動遅れがあるため、定数βをあまり１に近づける
と加工面Waが粗研削完了の寸法になつた後で測
定ヘツド１８が送り込まれることになり定数βは
あまり１に近づけることはできないが、定数βを
１に近づけた方が、粗研削開始位置における砥石
車加工面と工作物Ｗの加工面との間の距離の変化
に対して広い範囲で対応できる。このため、加工
面Waが粗研削完了になる前に測定ヘツド１８が
送り込まれる範囲で１に近い値が定数βとて決定
される。

上記のようにして定数βを決定してデジタルス
イツチDS４に設定すると、砥石車１２が粗研削
開始位置から所定量だけ前進して加工面Waの黒
皮が除去された時に測定ヘツド１８が加工面Wa
側へ送られ、これによつて測定ヘツド１８の接触
子１８ｂが加工面Waの外周面に係合する。

なお、上記実施例においては、粗研削時の理論
移動量に応じた上限移動量DRに定数βを掛けて
基準移動量REを求めていたが、上限移動量DRか
らシリンダ装置１８ａの作動遅れに応じた一定値
を減じて基準移動量REを求めるようにしてもよ
い。

また、上記実施例は砥石車の送りと関連して定
寸装置の測定ヘツドを送り込む実施例であつた
が、加工面に接触子を係合して工作物の加工時の
振れを防止する振れ止め装置を加工面へ送り込む
のにも本考案を適用することができる。

以上述べたように本考案においては、設定手段
に設定された移動量データと実際の砥石車の移動
量とを比較することによつて定寸装置の異常検出
等を行うとともに、かかる移動量データを流用し
て補助機器の前進時期を演算し、これに基づいて
補助機器の前進動作を制御するように構成したの
で、補助機器の前進時期を指定するための制御デ
ータを全く入力する必要がないだけでなく、加工
面の径の大きさに関わらず加工面が所定量研削さ
れた最適な時期に補助機器を挿入できる。したが
つて、作業者が加工面の径に応じた補助機器の前
進時期を全く考える必要がなくなる上、設定すべ
き制御データの数も減少でき、制御データの設定
作業を大幅に簡単にできるという利点がある。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の実施例を示すもので、研削盤の概
略平面図に制御回路を併記した図である。 １２……砥石車、１８……測定ヘツド、１８ａ
……シリンダ装置、２０……数値制御装置、２２
……移動量カウンタ、３０……演算器、３１……
比較器、３２……シリンダ制御回路、DS１〜DS
４……デジタルスイツチ、Wa……加工面。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 定寸装置の測定ヘツド等、工作物加工面に係合
   する補助機器を砥石車の送りと関連して進退させ
   るようにした数値制御研削盤において、砥石車が
   工作物の加工面に当接しない送り開始位置から砥
   石車が前記加工面を所定量研削した後の速度変更
   位置までの砥石車移動量に応じたデータを設定す
   る移動量設定手段と、この移動量設定手段に設定
   された移動量データと実際の砥石車の移動量を比
   較して定寸装置の異常検出等を行う数値制御装置
   と、前記移動量設定手段に設定された移動量デー
   タを流用し前記砥石車移動量よりも一定量だけ小
   さな基準移動量を演算する演算手段と、前記砥石
   車が前記送り開始位置から前記基準移動量だけ移
   動したことを検出し信号を出力する検出手段と、
   この検出手段からの信号に応答して前記補助機器
   を前記加工面に係合可能な位置まで前進させる送
   り装置とを設けたことを特徴とする数値制御研削
   盤。