JPS6126468B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、研削盤において、被研削物（以下
ワークピースという）と砥石表面との相対的位置
関係を検出し制御する方法に関するものである。

研削盤によつてワークピースを研削する場合に
は、作業者が砥石修正（通常この作業をドレツシ
ングという）した後に、ドレツシングされた砥石
表面をワークピースに徐々に接近させ、接触させ
て加工する。ところがこの砥石表面をワークピー
スに徐々に接近させそして接触させる作業は、ワ
ークピースの不良防止あるいは、機械の破損防止
更には作業者の危険防止のために極めて注意深く
行われるために多くの時間を要した。即ち作業者
は、研削液が降り注がれて極めて見にくい状態に
ある砥石表面とワークピースとの微少な間隙を目
で観察しながら徐々に砥石表面をワークピースに
接近させなければならない。もしこの作業を怠た
り、砥石表面を急激にワークピースに接触させる
と、ワークピースの削り代が多すぎて不良品を発
生させるとか、砥石を破損させて作業者が危険で
あるとか、更には研削盤そのものを損傷するとか
の事故を起しかねない。そこで先に述べたように
砥石表面をワークピースに接近させ接触させる作
業は極めて注意深く行われるために、実際に研削
をする以前の段階において多くの時間を要すると
いう無駄を生じていた。特に削り代の少い精密研
削を必要とするワークピースにおいては、不良品
発生を防止するために、上述の作業にはより多く
の無駄時間を費していた。通常これ等作業に費さ
れる時間は作業者の熟練度によつて異なるが５〜
15分を要する。

そして以上のような作業であるから作業者の熟
練度あるいは同一作業者であつてもその時の身体
的条件によつて、この作業に要する時間は大きく
異なると共に、加工されたワークピースの加工精
度にも誤差が生ずる。

更にまた、自動切込み装置付きの自動研削盤に
おいては、予想外に研削代の大きないわゆるバカ
寸法のワークピースが送り込まれた時に、早送り
の状態で研削し始めてしまうという危険を防止す
るために砥石の早送りから研削送りの切替えをワ
ークピースから大きく離れた位置において行つて
いた。従つてこの場合にも多くの空運転の時間を
要し無駄な時間を浪費することとなつていた。

本発明は上記した欠点を解決するもので、作業
者の熟練度に関係なく研削前の無駄時間をなくし
砥石や研削盤の損傷をなくすることはもとより、
作業者の安全を考慮しつつ加工精度の高い研削加
工品を得ることを目的として発明されたものであ
る。以下図面に従つて本発明の検出制御方法を円
筒研削盤に関して説明するが、勿論平面研削盤に
ついて適用した場合にも同様の効果を得ることが
出来る。

本発明は第１，２図に示すようにワークピース
を取付けるテーブルに砥石１のドレツシングを行
うためのドレツサー装置２が取付られる方式の研
削盤を対象とする。そして砥石の回転軸Ｘがワー
クピースに近接する方向を前進（Ｙ方向）とす
る。また砥石の軸Ｘとワークピースの回転軸線と
を含む面が砥石の外周面を切る線を研削線３とす
る。砥石台４には、前記研削線３より後退した位
置に位置検出装置５が固定され、一方その測子６
は弾性的に前記研削線３より突出して前記砥石１
に近接して設けられている。従つて測子６にドレ
ツサーの先端、またはワークピースの被研削物が
当接し、押し込まれると、その位置および変位量
が位置検出装置５によつて検出され、適宜の場所
に別置されたメータに指示できるように構成され
ている。ここで位置検出手段としてはダイヤルゲ
ージ、電子マイクロメータ、空気マイクロメー
タ、デジタルスケール付検出器等の変位検出装置
が使用される。

いま砥石１を回転してドレツサ２をもつて砥石
表面をドレツシングし終つたときに、その位置で
ドレツサ２の先端を測子６に当てる。そうすると
測子６はドレツサ２の先端に接して、ドレツサの
先端位置を検出し、これをメータ７にＡをもつて
示す。ここでドレツサ２先端は砥石の研削線３と
同じ位置となつている。そこでＡを記憶するか、
もしくはこの点を基準の零点とする。次にドレツ
サ２を移して、ワークピース８を回転して、砥石
台４を前進させると、砥石１が前進すると共に、
砥石台４に固定された位置検出装置５および研削
線３より突出して設けられている端子６も同時に
前進し、まずワークピース８に測子６が当つて変
位し、砥石１の研削線３がＡ点もしくは零点の基
準点に対して間隔がどのぐらい残されているかを
メータ７上に見ることができる。そこでメータ７
を見ながら砥石１を前進させ、メータの指針が基
準点Ａを示したとき、砥石はワークピース８に接
触したとすることができる。そして更にこのメー
タ７を見れば砥石１の切込み量を、読み取ること
ができる。そこで従来のように砥石１とワークピ
ース８との接触状態を目で判断する必要なく、メ
ータ７上から手動又は自動で早送り、切込送りの
切換えを行うことができるので、早送りの範囲を
安全に広げて、無駄な空運転時間を極度に減少す
ることができる。

なおこの方法は自動研削盤においても採用する
ことができる。すなわち上記によつてワークピー
ス８に対する砥石１の研削線３位置がわかるので
砥石の表面から特定の設定値の位置を砥石の早送
りと切込送りの変速点とし、砥石の変速点に検出
器によつて検知されるワークピースの表面位置が
くるまでは早送りとし、変速点で切込送りに自動
切換するように自動制御する。これによつて寸法
の如何にかかわらずに空運転を減少し、かつ予想
外に大きなバカ寸法のワークピースが送られてき
ても支障なく処理することが可能であつて、無入
運転をより安全に確実に行なうことができる。

以上詳述した本発明の検出制御方法によれば、
作業者の熟練度やその時の身体的条件に関係なく
空運転の無駄時間をなくして仕上り精度の高くか
つ均一な製品を得ることができ、加えて従来のよ
うな不良品の発生や砥石の破損・研削盤の損傷お
よびそれに伴う作業者の危険をなくすことができ
るので、その効果は大きく産業上極めて有益であ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の構成を示す説明図、第２図は
ワークピースに砥石が接触する直前の状態を示す
説明図。 １……砥石、２……ドレツサ、３……研削線、
４……砥石台、５……検出装置、６……測子、７
……メータ、８……ワークピース。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 砥石をドレツシングしたドレツサーの先端位
   置を、砥石台にその測子を砥石の研削線より突出
   して設置された位置検出装置を用いて測定し、そ
   の値を砥石の研削線として記憶あるいは設定し、
   被研削物と砥石を接近せしめたとき被研削物に接
   触させた前記位置検出装置の測子の変位により、
   前記砥石の研削線に対する被研削物の接近距離の
   変化を検出し、砥石の送り速度を制御する研削盤
   の砥石表面位置検出制御方法。 ２ 砥石の送り速度の制御は、自動研削盤におい
   ては、被研削物の外周面が砥石の研削線に到達す
   る直前の位置に設けた変速点にて、所定の早送り
   速度から所定の切込送り速度へ自動変換すること
   とする特許請求の範囲第１項記載の研削盤の砥石
   表面位置検出制御方法。