JPS6117577B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はオートバイや雪上車等のステアリング
軸をフレームに枢着する部分に使用するステアリ
ングヘツドパイプの製造方法に関するものであ
る。現在のオートバイのステアリングパイプには
薄肉パイプ部の両端に大径の丈夫な厚肉パイプ部
を形成し、この厚肉パイプ部をオートバイのフレ
ーム前端にそれぞれ固定し、内部にステアリング
軸を挿通し、また厚肉パイプ部にはステアリング
軸を回転可能に支持するベアリングを嵌め込むよ
うにしたものがある。

このステアリングヘツドパイプは薄肉パイプ部
と厚肉パイプ部とをそれぞれ材質の異なる別体の
パイプ材で構成し、その接続部分は内外に重ね合
せているから接続部分に余分な材料が必要とな
り、重量が増大して材料費が嵩んでいた。

しかも薄肉パイプ部と厚肉パイプ部とを別体で
構成しそれらを溶接により接続しているから、製
造に手間がかかるうえ完全に溶接できる必要な強
度が得られない等の欠点があつた。

そこで本発明は単一のパイプ材から薄肉パイプ
部と厚肉パイプ部とが一体のステアリングヘツド
パイプに加圧成型し得るように構成することによ
り上記欠点のない優れたステアリングパイプを得
ることのできる製造方法を提供しようとするもの
である。

以下本発明の一実施例を図面に基づいて詳述す
る。

ステアリングヘツドパイプ１は薄肉パイプ部２
の上下両端に膨出厚肉パイプ部３，３を形成した
ものであり、その膨出厚肉パイプ部３，３にオー
トバイのフレーム４，４の前端が固着され、薄肉
パイプ部２には前輪フオーク部（図示せず）に接
続したステアリング軸５が挿通され、膨出厚肉パ
イプ部３，３との間にはそれぞれベアリング６，
６が介装されている。

このベアリング６は膨出厚肉パイプ部３に嵌め
込んだ固定リング７と、ステアリング軸５に嵌め
込んだ可動リング８と、両リング７，８間に介装
したボール９，９…とから形成されている。

次に上記のステアリングヘツドパイプ１の製造
工程について説明する。

第２図において１０は厚肉のパイプ材１１を圧
入して絞り加工するためのダイスであり、１２は
パイプ材１１をダイス１０に圧入するための加圧
ロツドである。

１３は圧延ロツドでありダイス１０により絞り
加圧されたパイプ材１１の絞り部の内径よりやや
大きな径のヘツドを有しており、このヘツドをパ
イプ材１１の内部に圧入することによりパイプ材
１１の中央を圧延加圧して薄肉パイプ部１４に形
成し得るようにしている。

１５は外型であり、成型すべきステアリングヘ
ツドパイプ１の膨出厚肉パイプ部３の外面に合致
する形状の段付溝１６を内周に有している。

１７はパイプ材１１の端部をラツパ状に膨出さ
せるための荒仕上げパンチであり、また１８は膨
出厚肉パイプ部３内面に合致する形状の段付溝１
９を外周に有するパンチであつて、このパンチ１
８の外周にはパイプ材１１の端面２０に接当する
段部２１が突設されている。

次にこれらの装置を用いてステアリングヘツド
パイプを製造する過程を第２図イ乃至ヌにより説
明する。

先ず第２図イに示すように厚肉のパイプ材１１
を加圧ロツド１２に嵌合した状態で下動させて第
２図ロに示すようにパイプ材１１をダイス１０内
に圧入すれば、厚肉パイプ材１１の上端部１１ａ
を除く部分は絞り加工されて直径がやや小さな絞
り部１１ｂに形成される。

そして今度は第２図ハのように圧延ロツド１３
をパイプ材１１の上方に位置させ、圧延ロツド１
３を第２図ニのようにパイプ材１１の内部に圧入
すればパイプ材１１の中央が順次圧延されて延長
されると共にこの圧延ロツド１３を完全にパイプ
材１１内を挿通させず、途中で停止して上方に引
抜くことにより、下端部にも厚肉部１１ｃを残し
た状態の薄肉パイプ部１４が形成される。

そして第２図ホのように圧延を終えたパイプ材
１１を一旦引抜いて外型１５内に入れ、その上端
部１１ａには荒仕上げパンチ１７を圧入して上端
部１１ａをラツパ状に膨出成型する。

このように成型されたパイプ材１１には第２図
ヘに示す仕上げパンチ１８を下動させて第２図ト
のように上端部１１ａに圧入すれば、上端部１１
ａは外型１５と仕上げパンチ１８により膨出成型
されると同時にパイプ材１１の上端面２０は仕上
げパンチ１８の段部２１による加圧力が加えられ
て上端部１１ａは膨出厚肉パイプ部３に成型され
る。

続いてパイプ材１１を外型１５から引抜き上下
を逆にした状態で外型１５内に反対側から入れ、
その上端には第２図チに示すように荒仕上げパン
チ１７を圧入すれば、パイプ材１１の上部１１ｃ
はラツパ状に膨出される。

この後続いて仕上げパンチ１８を第２図リに示
すように上部１１ｃに圧入していけば、第２図ヌ
のように上部１１ｃが仕上げパンチ１８と外型１
５との間で膨出成型され、結局第３図に示す如き
製品が得られる。

そこで膨出厚肉パイプ部の内面を破線Ｋに示す
位置まで切削すれば第１図に示す如きステアリン
グヘツドパイプ１が成型できることになる。

尚上記実施例では第２図ヌに示す工程において
膨出厚肉パイプ部３と薄肉パイプ部２との境目部
分の内径を薄肉パイプ部２の内径と同一寸法に形
成した場合について説明したが、該境目部分の肉
厚がより多く必要な場合は、第４図に示す如く前
記仕上げパンチ１８より外径D₁がやや大きく、
且つ段付溝１９′部外径D₂がやや小さい仕上げパ
ンチ１８′をパイプ材１１に圧入すればよい。

以上実施例に示す如く本発明のステアリングヘ
ツドパイプの製造方法によれば、単一のパイプ材
から薄肉パイプ部と厚肉パイプ部とが一体のステ
アリングヘツドパイプに加工成型し得るので、薄
肉パイプ部と厚肉パイプ部とは継目のない一体状
態に形成でき、従来のように薄肉パイプ部と厚肉
パイプ部とを別体で溶接して形成するものに比べ
て強度的に非常に優れた製品が得られる。

しかも薄肉パイプ部と厚肉パイプ部とを単一の
パイプ材で連続状態に形成するから、製造が簡単
で薄肉パイプ部と厚肉パイプ部とを重ね合せるこ
ともなく材料の無駄がはぶけると共に重量が軽減
される。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明ステアリングヘツドパイプの製
造方法により得られたステアリングヘツドパイプ
の縦断面図、第２図はその製造工程を示す断面
図、第３図はステアリングヘツドパイプの切削前
の状態を示す縦断面図、第４図は別の実施例を示
す断面図である。 ２…薄肉パイプ部、３…厚肉膨出パイプ部、１
０…ダイス、１１…パイプ材、１１ｂ…絞り部、
１３…圧延ロツド、１５…外型、１６…段付溝、
１８…パンチ、１９…段付溝、２１…段部。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ パイプ材の一端部を除く部分をダイスに圧入
   して絞り部に形成した後、該絞り部の内径より大
   きな径の圧延ロツドをパイプ材に圧入して、他端
   部に厚肉部を残しパイプ材の中央を薄肉にした薄
   肉パイプ部に成型し、続いて成型すべきステアリ
   ングヘツドパイプの膨出厚肉パイプ部外面に合致
   する形状の段付溝を内周に有する外型に上記パイ
   プ材を挿入して一端部に荒仕上げパンチを圧入し
   て、一端部をラツパ状に拡大させるとともに、上
   記膨出厚肉パイプ部内面に合致する形状の段部を
   有する仕上げパンチをパイプ材の一端部に圧入し
   て膨出させると同時に仕上げパンチ外周に設けた
   前記段部でパイプ材の端面を加圧プレスし、その
   後このパイプ材を外型から抜き出して上下を逆に
   して再度外型内に入れた後、他端部を上述した工
   程と同様に荒仕上げパンチでラツパ状に拡大し、
   前記段部を有する仕上げパンチで膨出厚肉パイプ
   部を形成するステアリングヘツドパイプの製造方
   法。