JPS61173156A - 工具折損検出装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の分野〕 本発明は工作機械における工具の折損や異常を切削加工
及び折損時に発生するアコースティックエミッション（
以下ＡＥという）を利用して監視。

自動検出する工具折損検出装置に関するものである。

〔発明の概要〕

本発明による工具折損検出装置は、ＡＥセンサの感度を
調整するために工具の折損時と同一の特性を有する擬似
折損信号を発生する擬似折損信号発生手段によってＡＥ
変換器を駆動している。そして切削時にも擬似折損信号
とは識別することができる動作確認信号でＡＥ変換器を
駆動し、その動作確認信号の出力が連続してＡＥセンサ
より得られなくなればＡＥセンサ又は信号処理系に何ら
かの異常があることを確認できるようにしたちのである
。

〔従来技術とその問題点〕

工作機械において工具を用いて加工対象（以下ワークと
いう）を切削加工する場合、何らかの原因で工具が折損
し又切屑のつまりを起こして異常切削している場合があ
る。近年の工場自動化の進展に伴いこのような工具の折
損や異常切削を自動的に検出することが強く要求されて
いる。こうした工作機械の工具の折損を検出する一手法
として、従来より工作機械の工具やワークの近傍にＡＥ
センサを設け、そこから得られるＡＥ倍信号基づいて工
具の折損を検出する装置が提案されている。

しかしながら従来の工具折損検出装置によれば、ＡＥセ
ンサは工具の近傍やワークに接触するように取付けられ
るが、その取付位置によってＡＥ倍信号レベルが大幅に
異なる。そのため従来の工具折損検出装置ではＡＥセン
サの感度を工具の大きさに応じてあらかじめ定められた
標準値に設定し、夫々の工作機械の工具、ＡＥセンサ間
の減衰率を試行錯誤で補正していた。しかるに工具の折
損時のＡＥ倍信号折損時にしか得られないのでＡＥセン
サの取付位置や取付状態の確認が難しく、工具の折損を
確実に検出することが困難であった。

又従来の工具折損検出装置ではＡＥセンサは工作機械の
工具近傍、例えばワーク台等に取付けられるが、工作機
械から発生する切削時の振動やワーク台へのワークの設
置、その他の振動によってＡＥセンサが脱落することが
ある。又ＡＥセンサから工具折損検出装置本体に接続さ
れているケーブルがワークからの加熱された切屑等によ
り断線することもあり、これらの場合に工具の折損を確
実に検知することができなくなるという問題点があった
。

〔発明の目的〕

本発明はこのような従来の工具折損検出装置の問題点に
鑑みてなされたものであって、ＡＥセンサの感度を容易
に且つ確実に調整すると共に、工具の折損監視時にはＡ
Ｅセンサ系の動作状態を常に確認することができる工具
折損検出装置を提供することを目的とする。

〔発明の構成と効果〕

本発明は工作機械の工具近傍に設けられたＡＥセンサを
有し、工具の折損時に得られるＡＥ倍信号基づいて折損
を検出する工具折損検出装置であって、ＡＥセンサより
得られるＡＥ倍信号基づいて工具の折損を識別する信号
処理部と、工具の折損時に得られるＡＥ倍信号周波数を
含む擬似折損信号を発生する擬似折損信号発生手段と、
擬似折損信号と識別可能な周波数を有する周期的な動作
確認信号を発生する動作確認信号発生手段と、工作機械
の工具近傍に設けられ擬似折損信号発生手段及び動作確
認信号発生手段の各出力を選択的に機械振動に変換する
ＡＥ信号変換器と、ＡＥセンサの出力に基づいて動作確
認信号を識別する動作確認信号識別手段と、動作確認信
号識別手段より動作確認信号がその周期を越えて得られ
ないときに前記ＡＥセンサの異常を表示する異常表示手
段と、を具備することを特徴とするものである。

このような特徴を有する本発明によれば、擬似折損信号
発生手段を用いることによってＡＥセンサから得られる
信号レベルが判断でき、ＡＥセンサの感度を調整するこ
とができる。又感度調整後の工作時にはスイッチを切換
えて動作確認信号を発生させるようにしている。−力信
号処理部ではこの動作確認信号を識別しており、所定の
周期で動作確認信号が識別されなくなれば、ＡＥセンサ
系に何らかの異常があったものとして異常状態を使用者
に表示することができる。従ってワークの加工前等、工
作機械を動作させる前に先立ってＡＥセンサの動作を確
認することが可能となり、ＡＥセンサの異常によって工
具の折損を検出することができなくなるという恐れがな
くなる。このように本発明によれば工具折損の信頼性を
向上させることが可能となる。

〔実施例の説明〕

（実施例の全体構成） 第１図は本発明による工具折損検出装置の一実施例の全
体構成を示すブロック図である。本実施例はボール盤に
取付けられた状態を示すものであって、ワーク１はボー
ル盤のベース２上に固定すれており、ワーク１の上部よ
りドリル３を回転させて所定速度で押下しワーク１に開
口が設けられる。ここでワーク１の上部のドリルの刃が
接触する位置又はその側部にワークに切削を行う前にあ
らかじめＡＥセンサと同じ＜ＰＺＴ等からなるＡＥ信号
変換器４が取付けられる。レベル設定器５は擬似折損信
号の駆動レベルを調整するものであって、使用工具の大
きさ２種類に応じて所定の駆動レベルを設定し駆動回路
６に伝える。駆動回路６は工具の折損時のＡＥ出力波形
と相似で且つ同一のパワースペクトル分布を持つ擬似折
損信号を発生してその出力をアナログスイッチ７に与え
る。

又レベル設定器８はＡＥセンサの動作を確認するための
信号レベルを設定する設定器であって、その出力は駆動
回路９に与えられる。駆動回路９は所定の周波数、例え
ば５０ＫＨｚの単一の周波数を有する信号を断続的、例
えば１０秒毎に微小期間発生させるバースト波発生器で
あって、その出力をアナログスイッチ１０に与える。ア
ナログスイッチ７及び１０は選択的に切換えられ、その
出力はワーク１上のＡＥ信号変換器４に与えられる。

さてワークｌが配置される工具の近傍、例えば第１図に
示すようにベース２上にＡＥ倍信号検出するＡＥセンサ
１１が設けられる。ＡＥセンサ１１はドリル３等の工具
のＡＥ倍信号擬似折損信号、又は動作確認信号により駆
動されるＡＥ信号変換器４のＡＥ倍信号検出する広帯域
のＡＥセンサであって、その出力はアナログスイッチ１
２に与えられる。アナログスイッチ１２は外部の出力に
よってアナログ信号を断続するもので、その出力は増幅
器１３に与えられる。増幅器１３は可変抵抗器１４の調
整により増幅率を任意に設定することができる増幅器で
あって、その出力を二つのバンドパスフィルタ１５．１
６及び切削レベル表示器１７に与えるものである。バン
ドパスフィルタ１５は中心周波数３００　Ｋ　ｌｌｚ　
、バンドパスフィルタ１６は中心周波数５０　Ｋ　ｌｌ
ｚのフィルタであって、夫々の中心周波数付近の信号の
みを次段の検波器１８゜１９に伝える。検波器１８．１
９は夫々その入力信号を検波し振幅に応じた出力を得る
ものであって、検波器１８の出力は微分回路２０及び比
較器２１に与えられ、検波器１９の出力は比較器２１゜
２２に与えられる。ここでバンドパスフィルタ１５．１
６、検波器１８．１９及び比較器２１により折損時のＡ
Ｅ倍信号識別する周波数識別手段を形成しており、又検
波器１９及び比較器２２は動作確認信号を識別する識別
手段を形成している。

さて微分回路２０は入力信号の急峻な変化分のみを次段
のレベル判定器２３に伝える。レベル判定器２３は所定
の基準レベルと入力信号を比較するものであり、入力信
号が大きければ出力を折損検出回路２４と異常切削検出
回路２５に伝える。又比較器２１は検波器１８．１９の
出力を比較し、・検波器１８の出力が大きい場合にのみ
出力を折損検出回路２４に伝える。折損検出回路２４は
これらの入力の論理積をとって工具の折損を検出する論
理回路であって、検出信号によってアナログスイッチ１
２を閉成すると共に出力回路２６を介して外部に出力す
る。又異常切削検出回路２５はレベル判定器２３の出力
に基づいて異常切削を検出するものであって、その出力
を出力回路２７を介して外部に伝えるものである。又比
較器２２は検波器１９の出力を所定レベルで弁別するも
のであって、検波器１９の出力が所定以上である場合に
は計時回路２８を動作させる。計時回路２８は例えばＣ
Ｒから成る充放電回路とし比較器２２の出力によってコ
ンデンサを放電させるものとする。

そしてそのコンデンサの端子電圧が所定以上となれば異
常出力が異常表示器２９に伝えられる。異常表示器２９
は例えば発光ダイオード等の表示器であってＡＥセンサ
系の異常を表示するものである。

ｅＡＥセンサ感度設定動作） 次に本実施例による工具折損検出装置を工作機械、この
場合はボール盤に設置する際の操作について説明する。

まずＡＥセンサ１１を所定位置に取付けた後アナログス
イッチ７をオン、アナログスイッチ１０をオフとし、レ
ベル設定器５を用いられる工具に対応した所定のレベル
に設定し駆動回路６を介してＡＥ信号変換器４を駆動す
る。そして切削レベル表示器１７の表示を監視しつつレ
ベル設定器５の設定に応じて定められたレベルとなるよ
うに可変抵抗器１４を調整し、増幅器１３の増幅率を変
えて切削加工時に信号処理部に適切なレベルのＡＥ倍信
号与えられるようにする。こうすれば工具とＡＥセンサ
１１間の取付状態によりＡＥ倍信号減衰率が不明であっ
ても折損時と同一レベルの信号を信号処理部に与えるこ
とが可能となる。

（ＡＥセンサ系の確認動作） 次に本実施例の動作について説明する。切削加工時には
まずアナログスイッチ７をオフ、アナログスイッチエ０
をオンとした後、ＡＥ信号変換器４をドリル３に接触し
ない位置、例えば第１図に破線で示すようにワーク２の
側部に取付ける。次いでレベル設定器８をＡＥ信号変換
器４とＡＥセンサ１１との間隔等により定まる動作確認
信号の所定レベルに設定する。そしてドリル３をワーク
上に押下げて切削加工を行う。

さて駆動回路９を動作させればレベル設定器８によって
設定されたレベルによって所定周期の動作確認信号がＡ
Ｅ信号変換器４よりワーク１に伝えられ、ベース２を伝
播してＡＥセンサ１１に加わる。第２図はこの動作確認
信号の一例を示す波形図であり、周期Ｔ毎にｔ−の時間
幅を持った周波数５０　Ｋ　ｌｌｚの信号がワーク１に
与えられる。この信号が与えられたときにバンドパスフ
ィルタ１６の出力が検波器１９によって検波され、比較
器２１及び２２に伝えられる。この信号には周波数３０
０Ｋ　ｌｌｚの成分がないので比較器２１は出力を出さ
ないが、比較器２２は第２図（ｂｌに示すように動作確
認信号に対応した方形波出力を計時回路２８に与える。

計時回路２８ではこの信号に基づいてＣＲの充放電回路
のコンデンサを放電する。従って第２図（Ｃ）に示すよ
うに駆動回路９より連続して所定周期毎に動作！認信号
が与えられていれば計時回路２８の出力は低いレベルに
保たれ、スレッシュホールドレベルｖｔｈを越えること
はない。

しかしながらＡＥセンサ１１が何らかの理由でベース２
に確実に固定されていない場合がある。

このときには動作確認信号はＡＥセンサ１１に伝えられ
ないので、比較器２２より出力が得られず計時回路２８
のコンデンサがリセットされない。

又ケーブルが断線してＡＥ倍信号信号処理部に与えられ
なくなることもある。これらの場合には計時回路２８の
出力は徐々に上昇しスレッシュホールドレベルｖｔｈを
越えることとなる。そうすれば異常表示回路２９によっ
てＡＥセンサ系の異常が表示される。

（工具折損監視動作） さて通常の切削加工時にＡＥセンサ１１より与えられる
ＡＥ倍信号パワースペクトルの分布は第３図の曲線すに
示すように周波数５０ＫＨｚ付近に集。

中しており、それより高い周波数領域では単調に減衰す
る分布となっている。又多くの実験より知られるように
工具の折損時のパワースペクトルの分布は第３図の曲線
ａにより表され、周波数３００ＫＨｚ付近にピークを持
つことが明らかとなっている。これは信号源が機械的振
動を原因とするものでなく、工具の非可塑性破壊時に生
じる超音波特有の現象が起こるためと考えられる。従っ
て二つのバンドパスフィルタ１５．１６により夫々の周
波数成分付近のＡＥ倍信号みを取出して検波器１８．１
９により検波し、その出力レベルを比較すれば通常時と
工具折損時とを明確に識別することが可能である。比較
器２１はこれらの出力を比較して工具の折損時にのみ信
号を折損検出回路２４に与えている。

一方切削加工時に生じる切屑と工具やワークとの接触、
摩擦によって第３図の曲線ａで示されるパワースペクト
ル分布と似た信号が発生する場合がある。そこで本実施
例では工具の折損時に見られるＡＥ倍信号時間領域の波
形にも着目し、これらの信号を分離している。即ち工具
の折損時に得られるＡＥ信号波形は第４図（ａｌに示す
ように折損時に鋭い立上りを有する信号となっており、
一方切屑と工具やワークの接触、摩擦によって発生する
ＡＥ倍信号第４図（ｂ）に示すように鋭い立上りを示さ
ず所定期間信号が継続する波形となっている。

従って第１図に示すように検波器１８の出力を微分回路
２０に与え、折損時等の急峻な信号のみを分離してレベ
ル判定器２３に与える。そしてその入力レベルを所定の
基準値と比較し、急峻な立上りのＡＥ倍信号得られたと
きにレベル判定器２３より折損検出回路２４に信号を与
える。折損検出回路２４はこれらの論理積信号によって
工具の折損を検出する。このように周波数領域の折損検
出と時間領域の折損検出の両者を組み合わせることによ
って確実に工具の折損のみを検出することが可能となる
。

尚本実施例は計時回路としてＣＲの充放電回路を用いて
いるが、所定クロックを計数する発振器及びカウンタを
設は比較器２２より動作確認信号が得られれば、そのカ
ウンタをリセットするようにしてカウンタのオーバフロ
ー信号によって異常表示を行わせることも可能である。

又本実施例は信号処理部として周波数領域の折損検出と
時間領域の折損検出との論理積により折損を検出するよ
うにしているが、これらのいずれか一方によって折損を
検出するようにしてもよく、又他の折損検出方式を用い
たり組み合わせることも可能である。

更に本実施例はボール盤のドリル折ｍ検出装置について
説明しているが、本発明は他の工作機械、例えば旋盤や
フライス盤等の種々の工作機械を対象とした工具折損検
出装置に適用することができることはいうまでもない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明による工具折損検出装置の全体構成を示
すブロック図、第２図は駆動回路９の動作確認信号とそ
の処理を行う各部の波形を示す波形図、第３図はＡＥセ
ンサ１１より得られるＡＥ倍信号パワースペクトルを示
す図、第４図（ａ）は工具折損時に得られるＡＥ信号波
形、第４図（ｂｌは切屑が生じる場合に得られるＡＥ信
号波形を示す図である。 １−−−−−−−ワーク　　２−・・・ベース　　３−
・−・・−ドリル４−・−ＡＥ信号変換器　　５．８−
・−・・レベル設定器　　６　、　９−−−−−−一駆
動回路　　？、１０．１２・−・−アナログスイッチ　
　１１−・−ＡＥセンサ１３−−−−−−一増幅器　　
１５　、　１６−−−−−−−バンドパスフイルタ　　
１８．　１９−−−−−−一検波器　　２０−−−−−
−一微分回路　−２１、２２−−−−−・−比較器　　
２３−・−レベル判定Ｓ　　　２４−−−−−−一折損
検出回路　　２６゜２７・−一−−−−出力回路　　２
８−−−−−・−計時回路　　２９−・−・異常表示器 特許出願人　　　立石電機株式会社 代理人　弁理士　岡本宜喜（化１名） 第２図 第３図

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. （１）工作機械の工具近傍に設けられたＡＥセンサを有
   し、工具の折損時に得られるＡＥ信号に基づいて折損を
   検出する工具折損検出装置において、 前記ＡＥセンサより得られるＡＥ信号に基づいて工具の
   折損を識別する信号処理部と、 工具の折損時に得られるＡＥ信号の周波数を含む擬似折
   損信号を発生する擬似折損信号発生手段と、 前記擬似折損信号と識別可能な周波数を有する周期的な
   動作確認信号を発生する動作確認信号発生手段と、 工作機械の工具近傍に設けられ前記擬似折損信号発生手
   段及び前記動作確認信号発生手段の各出力を選択的に機
   械振動に変換するＡＥ信号変換器と、 前記ＡＥセンサの出力に基づいて前記動作確認信号を識
   別する動作確認信号識別手段と、 前記動作確認信号識別手段より前記動作確認信号がその
   周期を越えて得られないときに前記ＡＥセンサの異常を
   表示する異常表示手段と、を具備することを特徴とする
   工具折損検出装置。
2. （２）前記動作確認信号発生手段は、所定周期のバース
   ト波信号を発生する信号発生器であることを特徴とする
   特許請求の範囲第１項記載の工具折損検出装置。
3. （３）前記ＡＥセンサの異常表示手段は、前記識別手段
   の出力によってリセットされる計時回路を含むものであ
   ることを特徴とする特許請求の範囲第１項記載の工具折
   損検出装置。
4. （４）前記信号処理部は、工具の折損時に得られるＡＥ
   信号の周波数成分に強い相関を持つ周波数成分のＡＥ信
   号が与えられたときに出力を出す周波数識別手段と、前
   記ＡＥセンサより急激に立上る信号が与えられたときに
   出力を出す立上り検出手段と、該周波数識別手段及び立
   上り信号検出手段の論理積出力に基づいて工具の折損を
   識別する論理出力手段と、を有することを特徴とする特
   許請求の範囲第１項記載の工具折損検出装置。