JPS6117286Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は電熱装置を備えた高周波加熱装置に関
するものである。

高周波加熱装置においては、食品自体が発熱す
るので、焦げ目が付かないという欠点がある。従
来より、上記欠点を改善する為に、電熱装置を加
え、高周波加熱と同時、もしくは交互に加熱する
いわゆる「オーブンレンジ」が普及している。一
般には、上記目的の電熱装置としては、金属パイ
プ内に電熱コイルを充てん絶縁剤と共に内蔵する
シーズヒーターが採用されている。シーズヒータ
ーは、電熱コイルが金属パイプに覆われているの
で高周波が電熱コイルに悪影響を及ぼすことが無
く、安全性においては適したものであるが、一方
食品を焦がす能力としては、赤外線輻射可能程度
の高温に達するのが遅い為、充分では無かつた。
この欠点を改善する為近年、電熱コイルを石英管
等の赤外線透過性の耐熱絶縁物に内蔵していわゆ
る石英管ヒータが採用されている。石英管ヒータ
ーは、電熱コイルから生ずる赤外線が石英管を透
過し食品に直接輻射されるので加熱スピードが速
く、効率が向上する。しかし、高周波を直接電熱
コイルにさらさないように特別に遮へい板を必要
とし、この遮柄板は高温になる為、長時間使用さ
れると局部的に変形し、ひいては破れ等の破損事
故が生じる場合があつた。

以下第１図〜第３図と共に従来例を説明する。

マグネトロン１から発生する高周波により、被
加熱物２は内部から加熱され、その後、電熱コイ
ル３に通電される。電熱コイル３はただちに赤熱
し、赤外線透過性の耐熱絶縁物４を透過して被加
熱物２を輻射加熱する。５は被加熱物２を収納す
る加熱室６と、電熱ヒーター７を収納する副加熱
室８を仕切る仕切網であり、高周波を遮閉し、か
つ赤外線は透過する程度の穴を数多く有してい
る。かゝる構成において、上記仕切網５は電源ヒ
ーター７に近接しており、輻射を強く受ける為、
熱膨張が激しく生じる。特に電熱ヒーター７の
ON−OFFによる膨張収縮の繰り返しによつてＡ
部のように局部的な変形を起こし、長時間運転に
おいては、破れ事故となる場合もあつた。仕切網
が破れれば、高周波が副加熱室８に侵入し、前記
電熱コイル３がスパーク断線するばかりでなく、
外部へも高周波が漏洩するという極めて重大な問
題であつた。

そこで、本考案は上記問題点を極めて簡単な構
成により一挙に解消するものであり、以下第４図
第５図と共に説明する。被加熱物２の加熱に関す
る動作は従来例と同様である。ここで副加熱室８
と加熱室６を仕切つている仕切網５は、電熱ヒー
ター７の長手方向にそつて波状に屈曲させてい
る。すなわち、電熱ヒーター７の熱により、熱膨
張を生じかつ両端を加熱室６の両壁にて固定され
ているので、仕切網５には曲げ応力が加わるが、
この応力は、多くの屈曲部に分散され、それぞれ
の屈曲部における変形は極めて微少にとどめるこ
とができた。この結果、電熱ヒーター７のON−
OFF動作の繰り返しにおいても、仕切網５の破
れ等は全く無くなり、ひいては、電熱ヒータ７の
動作温度を高めた設計を可能とし、さらに調理ス
ピードを早めに省エネルギーになるという効果も
生じた。なお、上記仕切網の屈曲部成型加工は、
他の加工工程と同時に行なわれるので全くコスト
アツプにはならないものである。

以上説明したように、本考案は極めて簡単な構
成で調理能力を高め、省エネルギーとなると共に
安全性の高い安価な電熱装置付高周波加熱装置を
実現したもので極めて有用である。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来例を示す高周波加熱調理器の正面
図、第２図は同断面図、第３図は同要部の拡大断
面図、第４図は本考案の一実施例を示す高周波加
熱調理器の断面図、第５図は同要部斜視図であ
る。 ３……電熱コイル、４……耐熱絶縁物、５……
仕切網、６……加熱室、７……電熱ヒータ、８…
…副加熱室。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 被加熱物を収納する加熱室と、上記被加熱物を
   誘電加熱する為の高周波発生手段と、上記被加熱
   物を電熱加熱する為の電熱ヒータと、この電熱ヒ
   ーターを収納する副加熱室を具備し、上記電熱ヒ
   ーターは、電熱コイルを赤外線透過性の耐熱絶縁
   物に内蔵する構成とし、上記加熱室と副加熱室を
   仕切る仕切網は、赤外線を透過し、かつ高周波を
   遮断する程度の孔を数多く有すると共に、少なく
   とも上記電熱ヒーターの長手方向にそつて周期的
   な屈曲部を設けたことを特徴とする高周波加熱調
   理器。