JPS6117191B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、多色画像表示装置、特に製版用カラ
ースキヤナに適用する製版条件設定用カラーモニ
ター装置もしくは色分解写真の段階で予測印刷結
果をシユミレート表示する電子色校正機等におい
て、表示画面を任意の位置で分割して、その一方
の色調−階調等について所望の修正を加えた画像
を表示し、他方にはこれらの修正を加えない画像
を表示して両画面を対照比較することにより、修
正効果を明瞭に確認できるようにした画面分割表
示装置に関する。

多色印刷用の色分解作業は、従前の写真的色分
解に代つて、近年では、電子色分解機すなわちカ
ラースキヤナを用いる色分解が主流となつてい
る。かかるカラースキヤナによつて、カラー原画
からたとえば、シアン、マゼンタ、イエロー、ブ
ラツク等の色分解版を作成するにあたり、作業条
件を適切に設定するため、あらかじめ色分解信号
に基いて、カラー受像管に最終的な印刷結果画像
と実質的に同等なカラー画像を表示し、設定条件
のチエツクを行うか、もしくは色分解写真画像を
入力して同様にカラー画像を表示し、いわゆる内
校を行うようにしたカラーモニター装置が実現し
ている。たとえば、本出願人が特願昭47−84634
号（特開昭49−40819号）として出願した「カラ
ー画像表示方法」は、その１例である。

かかるカラーモニター装置においては、色分解
信号を上記特許出願した方法等によつてカラー受
像管に表示した画像が、望ましい印刷結果画像に
合致しない場合は、カラースキヤナにおける色分
解条件、階調再現条件等を調節する操作と同等な
調節処理もしくは明度調節処理等を入力信号に加
えて、表示画像の色調、階調等を変化させるので
あるが、従来のカラーモニター装置は、これらの
調節結果が表示画面全体に一様に現われるため、
修正効果を未修正画像と直接対比して確認するこ
とはできなかつた。したがつて、作業者が修正操
作によつて変化した表示画像を対比すべき未修正
画像は、作業者の記憶にしか存在していないので
あつて、修正効果を正しく判断することは、きわ
めて高度な熟練と集中力が要求され、しかも現実
に２個の画面を対比する場合に比して、判断のミ
スも当然多いという欠点があつた。

本発明は、従来のカラーモニター装置における
かかる欠点を解消するもので、カラーモニター画
面を所要位置で分割し、作業者が修正操作を行つ
た場合、分割された画面の一方は修正操作に影響
されず引続いて未修正画像が表示され、分割画面
の他方のみに当該操作による修正効果が表示され
るようにして、未修正画像と修正を加えた画像を
同一画面に並列表示して、修正操作による画像の
変化状態を明瞭に確認できるようにしたものでか
つ比較的安価に上記機能を実現するものである。
以下図示実施例により本発明を説明する。

まず第１図は、周知のカラーモニター装置の要
部を示す概略図で、カラー原画を製版用カラース
キヤナで色分解走査するかまたは色分解写真を
TV走査する等の手段で得たマゼンタＭ、シアン
Ｃ、イエローＹ、ブラツクＫ等の記録用色分解画
像信号を、信号変換回路１により、カラーモニタ
ー２にカラー画像を表示せしめるための赤Ｒ、緑
Ｇ、青Ｂの３色信号に変換して、モニター２に所
望のカラー画像を表示させる。入力側画像信号
Ｍ，Ｃ，Ｙ，Ｋは、たとえばカラー原画をカラー
TVカメラで撮像して得たＲ，Ｇ，Ｂ信号を、カ
ラースキヤナと同様な色修正回路によりＭ，Ｃ，
Ｙ，Ｋ信号に変換するようにしてもよいし、ある
いは一旦、Ｍ，Ｃ，Ｙ，Ｋに色分解したフイルム
を作成し、これらを別個に単色TVカメラで撮像
してビデオ、レコーダに録画し、各録画信号を同
時に同期的に再生して入力信号とするようにして
もよいし、また４枚の色分解画像を同時走査する
ようにしてもよい。これらの手段については、前
記先願の明細書に詳述したところであるので、こ
こでは詳細な説明は省略する。

かかるカラーモニター装置においては、入力信
号Ｍ，Ｃ，Ｙ，Ｋの信号レベルをそれぞれ適宜変
換することにより、カラーモニター２に表示され
るカラー画像の色調等を変化させ、色分解作業に
おける設定条件の変化が結果印刷画像に及ぼす効
果を視認するものであるが、本発明は、前述の如
く表示画面を任意位置で分割して、その一方のみ
を変化させ、設定条件を変化させた場合の効果の
確認を容易ならしめることを目的としている。

第２図及び第３図は、本発明の１実施例装置の
ブロツク図で、第２図はＭ，Ｃ，Ｙ，Ｋの各色分
解画像信号を処理する回路で、マゼンタ版信号用
回路３Ｍ、シアン版信号用回路Ｃ、イエロー版信
号用回路３Ｙ及びブラツク版信号用回路３Ｋを併
置してある。これらはすべて同一の構成であるた
め、マゼンタ版用回路３Ｍについて説明する。

入力したマゼンタ版色分解画像ビデオ信号Ｍは
増幅器４で増幅した後、２路に分岐し、それぞれ
クランプ回路５，６に入つて、基準信号レベルを
安定させ、スイツチング回路７，８に入る。スイ
ツチング回路７，８は、ゲート信号Ａ，Ｂによつ
て制御され、画像信号の１走査周期を分割して、
当該周期の前半と後半に分けて信号を通過させ
る。

第３図は、上記ゲート信号Ａ，Ｂを発生させる
ための１実施例回路のブロツク図で、ブランキン
グ信号発生回路１３により、画像信号Ｍ，Ｃ，
Ｙ，Ｋの１走査周期と同期させてブランキング信
号を発生させ、のこぎり波回路１４でのこぎり波
信号に変換し、クランプ回路１５により所要レベ
ルでスライスし、走査周期の後半部のみ出力のあ
るパルス信号を作る。さらにこのパルス信号を２
路に分岐し、その一方は反転回路１６を通して、
走査周期の前半部に出力のあるゲート信号Ａと
し、他方はそのまま出力させて走査周期の後半部
に出力のあるゲート信号Ｂとする。

かくして得たゲート信号Ａは、第３図示の如く
スイツチング回路７に、ゲート信号Ｂはスイツチ
ング回路８に制御信号として入力させる。本実施
例では、スイツチング回路７，８は、ゲート信号
が入力したときに画像信号が遮断され、ゲート信
号がないときに画像信号が通過するように構成し
てあるが、これは逆の関係にしても差支えない。

ゲート信号Ａ，Ｂがスイツチング回路７，８に
交互に入力する結果、スイツチング回路７は、走
査周期の後半部の画像信号のみを通過させ、一
方、スイツチング回路８は、走査周期の前半部の
画像信号のみを通過させる。そして、２個の信号
のうち一方（第３図ではスイツチング回路７を通
過する画像信号）を信号レベル調節回路９を通し
て、また他方（同じくスイツチング回路８を通過
する画像信号）はそのままとして、加算回路１２
に入力させる。

信号レベル調節回路９は、画像信号のレベルを
全体的に上昇または下降させるもので、たとえば
マゼンタ版信号についてレベルを上昇させると、
モニターに表示された画像のマゼンタ色成分の輝
度が上るため、多色印刷物においてマゼンタイン
キ量を減少させる場合に相当する。逆にマゼンタ
版信号のレベルを下降させることは、マゼンタイ
ンキ量を増加させる場合に相当する。

この調整回路を通つて変換された画像信号は、
加算回路１２に入力して変換されない画像信号と
合成され、カラーモニターに送られる。この場
合、前記の如く変換された画像信号は、走査周期
の後半部のみの信号であり、一方、変換されない
画像信号は走査周期の前半部のみであるため、モ
ニターTVの水平方向の走査周期についてスイツ
チングを行つた場合には、モニターに表示される
画像は垂直線で分割される。

第４図は、その状態を示すグラフで、原画像信
号イを２個のスイツチング回路により交互に出力
させることにより、前半部と後半部に分割して信
号ロを作り、その一方（後半部）のみを変換した
信号ハを変換しない前半部の信号と合成して信号
ニを作る。

第５図は、上述操作により表示されるモニター
画像の１例を示したもので、垂直分割線１７の左
右に未修正画像ｘと修正ずみ画像ｙが併置して表
示される。なお、逆にｘの側に修正ずみ画像、ｙ
の側に未修正画像を表示することも、スイツチ操
作で可能なことは云うまでもない。この場合、垂
直分割線１７の位置は、クランプ回路１５のスラ
イスレベルを調節することにより、画面中の任意
の位置に設定できるので、画像の状態に応じて最
も重要な部分を分割するように移動させて、当該
重要部の修正効果を容易にかつ適確に確認するこ
とができる。しかも本発明の装置は、比較的安価
な回路を追加するだけでこの機能を実現できるの
で、実用上きわめて有利である。

なお、上述説明は図示実施例の構成と作用効果
に基いて記載したが、本発明は上記内容に止まら
ず種々の変形が可能である。たとえば、図示実施
例では、ゲート信号Ａ，Ｂは、水平方向の１走査
周期に相当するブランキング信号に基いて作つて
いるため、未修正画像と修正ずみ画像を分割する
線が垂直方向に表示されるが、これは垂直方向の
１走査周期に相当する信号を変換してゲート信号
を作るようにしてもよく、この場合は分割線は水
平方向に表示される。あるいは、水平方向、垂直
方向の双方の走査周期に基いてゲート信号を作れ
ば斜方向の分割も可能である。

また、図示実施例では調整回路として前記信号
レベル調節回路９のほかに、画像のコントラスト
や特性曲線等を変化させる特性調整回路１０、リ
ミツト回路１１を図示しているが、カラースキヤ
ナで作成した複数種の色分解フイルム画像から
Ｍ，Ｃ，Ｙ，Ｋ信号を得るようにする場合には、
上記特性調整回路１０等は省略する方が実際的で
ある。その理由は、本発明装置を使用した結果に
基いて色分解フイルムに所要の修正を追加する場
合、フイルム画像は、補力、減力等の操作によつ
て全体的にあるいは局部的に濃度を増減させるこ
とは可能であるから、各色分解画像信号のレベル
変化に相当する修正を色分解フイルムに加工する
ことは比較的容易であるが、階調特性、コントラ
スト等を変化させることはきわめて困難であり、
かかる修正を要する場合にはカラースキヤナの設
定条件を変えて再度色分解作業をやりなおす必要
があるので、既に色分解されたフイルムから入力
信号を得る場合には、特性調整回路１０等の存在
価値はあまり高くないからである。

【図面の簡単な説明】

第１図は、周知のカラーモニター装置の要部を
示す概略図、第２図は、本発明の１実施例を示す
ブロツク図、第３図は、画像信号を切換えるゲー
ト信号発生装置の一例を示すブロツク図、第４図
は、本発明に係る画像信号の要部波形図、第５図
は、本発明によつて表示するモニター画像の一例
を示す図である。 １……信号変換回路、２……カラーモニター、
３Ｍ……マゼンタ版信号回路、３Ｃ……シアン版
信号回路、３Ｙ……イエロー版信号回路、３Ｋ…
…ブラツク版信号回路、５，６……クランプ回
路、７，８……スイツチング回路、９……信号レ
ベル調節回路、１０……特性調節回路、１１……
リミツタ回路、１２……加算回路、１３……ブラ
ンキング信号発生回路、１４……のこぎり波回
路、１５……クランプ回路、１６……反転回路、
１７……垂直線分割線。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ カラー原画を光電走査して得た複数個の色分
   解信号もしくは複数個の色分解画像を光電走査し
   て得た複数個の信号に基いて、前記カラー原画の
   複製カラー画像をカラーCRTに表示するように
   した多色画像表示装置において、前記複数個の信
   号をそれぞれ２個の経路に分岐する手段、該分岐
   した２個の経路にそれぞれ設置したスイツチング
   回路、該分岐した２個の経路の一方に設置した信
   号量調節手段、該２個の経路の信号を合成する加
   算回路、及び前記カラーCRTの走査周期を所望
   の比率で分割する前半部と後半部にそれぞれ相当
   するゲート信号発生手段を備え、前記ゲート信号
   発生手段からのゲート信号により、前記複数個の
   信号の対応するスイツチング回路を制御して、前
   記複数個の信号をそれぞれ前半部と後半部に分割
   して２個の経路に分離して通過させることによ
   り、前記カラーCRTの表示画像を前記走査周期
   の分割比率に対応して分割し、その一方には前記
   信号量変換手段により変換された画像を、他方に
   は変換されない画像を並列的に表示するようにし
   た多色画像表示装置における画面分割表示装置。