JPS6116539Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案はシンチレーシヨンカメラ、シンチグ
ラムの撮影とシングルフオトンCTとをなすこと
ができるラジオアイソトープCT装置などの核医
学装置における放射線検出器の支持装置に関して
いる。

〔従来の技術〕

核医学装置、たとえばラジオアイソトープCT
装置では、放射線検出器が被検体のまわりに回転
でき、しかもこの回転軸に直交する軸のまわりに
揺動しうるように支持されている。

第１図はこのような放射線検出器支持装置を示
している。放射線検出器ａは揺動可能なアームｂ
の一端に回動可能に支持され、つり合いおもりｃ
がアームｂの他端に取り付けられている。アーム
ｂの支点は回転台ｄにあり、さらに回転台ｄは回
転可能に基台に保持させられている。放射線検出
器ａは、回転台ｄを回転させることによつて、被
検体の体軸まわりに回転することができ、アーム
ｂを揺動させられることによつて、被検体との間
隔を調整することができる。

〔考案が解決しようとする問題点〕

この放射線検出器支持装置では、放射線検出器
ａの移動距離ｈを確保するには、アームｂの揺動
中心と放射線検出器ａとの間の距離を大きくしな
ければならなず、きわめて高い剛性がアームに要
求される。さらに、使用に際して、アームｂが揺
動されたときに、放射線検出器ａがかなりの距離
ｘの水平移動をなしてしまい、撮影位置の位置決
めにあたつて、アームｂの揺動と被検体の移動と
を繰り返して行なつて、計測しようとする部位を
検出器視野内にいれなければならず、また全身イ
メージングからCT撮影を連続してなす際にある
いはこの逆をなすときに、被検体がアームｂに邪
魔されて回転台ｄを貫通させて移動させることが
できないため、被検体を載せたベツドを角度90度
動かさなければならないという不便がある。

本考案はこれらの問題を改善することできる放
射線検出器支持装置を提供するものである。

〔問題を解決するための手段〕

本考案の放射線検出器支持装置は、放射線検出
器を支持している手段が、回転台の回転中心軸か
ら距離を置いた位置で直交軸まわりの前記揺動を
なすように回転台に取り付けられているふたつの
アームと、アームに平行リンク機構を形成させる
ようにアーム間を連結する連結材とを有してい
て、一方のアームに放射線検出器を支持させら
れ、他方のアームにつり合いおもりを取り付けら
れていること、を特徴としている。

本考案によれば、放射線検出器を支持するアー
ムの揺動中心を回転台の回転中心軸から離して配
置して、被検体を配置する空間を放射線検出器の
下部に形成して、放射線検出器の昇降量を少なく
させると共に、アームを短くして、放射線検出器
の水平移動を小さくしているため、アームを何度
もくり返して揺動させたり、被検体の移動をほと
んど必要とせずに、放射線検出器の位置決めをな
すことができ、さらにアームの揺動中心にたいす
る前記配置によつて、回転台の回転中心軸付近に
貫通孔を設けることができるようにして、被検体
を回転台に回転中心軸にそつて配置し、放射線検
出器を被検体のまわりに回転させることでCT撮
影を、被検体を貫通孔を通つて移動させることで
全身シンチグラムの撮影を行なうことができるよ
うにしているため、全身シンチグラムの撮影と他
の撮影とを連続してなすことができる。

本考案による支持装置では、これらの操作上の
改善のみならず、放射線検出器を支持しているア
ームを短くすることができるので、従来装置にお
けるアームの剛性の問題も解決することができる
ものである。

〔実施例〕

本考案の放射線検出器用支持装置の実施例は、
以下に、添付図面にしたがつて説明する。

第１図および第２図は本考案による支持装置が
組み込まれた、シンチグラムの撮影とシングルフ
オトン・エミツシヨンCTとをなすことができる
ラジオアイソトープCT装置を示している。

支持装置は回転台１２、回転台の回転中心軸Ｂ
に直交する軸のまわりに揺動しうるように回転台
に取り付けられているアーム１５，１７および連
結材２１からなる支持手段、揺動中心をはさんで
支持手段に取り付けられている放射線検出器２２
およびつり合いおもり２４、そして支持手段を揺
動させる駆動手段２５を具備していて、放射線検
出器２２が支持手段の揺動によつて昇降をなすと
共に、回転台１２の回転によつて軸Ｂのまわりに
回転するようにさせている。

回転台１２は円板状の形態を有していて、周面
を基台１１にある軸受に保持されていて、この基
台に設置された電動機によつて歯車あるいはチエ
ーンもしくは摩擦車のような伝動機構を介して駆
動されることで、軸Ｂを中心に基台上で回転する
ことができるようになつている。

アーム１５は一対のサイドメンバとこれらを結
合するいくつかのクロスメンバとからなつてい
て、端部が回転台１２にある透孔を通つて回転台
１２の反対面に延びているように配置されている
と共に、サイドメンバの側面にある軸１６を回転
台上の軸受部材１３に保持されている。アーム１
７も同様に構成されていて、サイドメンバの側面
にある軸１８を回転台１２の裏面に設けられた軸
受部材１４に保持されている。これらの軸受部材
１３，１４はアーム１５とアーム１７の揺動中心
となる軸１６，１８が回転台１２の回転中心軸Ｂ
から等距離Ｌ，L′はなれた位置にあるように回転
台１２に設置されている。連結材２１はアーム１
５における回転台１２の背面に延びた部分とアー
ム１７とにピンによつて連結されて、アーム１
５，１７と一緒に平行リンク機構を形成させら
れ、アーム１５，１７がつねに平行を保ちつつ軸
１６，１８を中心とする揺動をなせるようにして
いる。

放射線検出器２２とつり合いおもり２４とがこ
の平行リンク機構に揺動中心をはさんで取り付け
られている。放射線検出器２２はたとえばアンガ
ー形カメラからなつていて、アーム１５のサイド
メンバの間に配置されかつピン２３を中心にして
回転しうるようにこれに取り付けられている。つ
り合いおもり２４もアーム１７のサイドメンバに
取り付けられていて、平行リンク機構をバランス
させている。

平行リンク機構の揺動はアーム１５の延長部分
と基台１１との間に配設されている駆動手段２５
によつてなされている。駆動手段自体は、たとえ
ば、ケースおよびロツドとを有し、ケースの内部
に収容された電動機によつてねじ軸を回転させ、
ねじ軸につながるロツドを伸縮させるようにした
パワーシリンダからなつていて、ケースおよびロ
ツドを回転台１２およびアーム１５にそれぞれピ
ンによつて連結されている。

この支持装置では、シリンダ２５を作動させる
と、アーム１５がシリンダ２５のロツドの伸縮に
よつて軸１６を中心とする揺動をなし、アーム１
７が連結材２１によつて軸１８を中心とする揺動
をなして、放射線検出器２２に昇降をなさせるこ
とができ、放射線検出器２２が所定高さに達した
ところで、シリンダ２５の作動をとめることで、
放射線検出器２２をその位置で停止させることが
できる。また、回転台１２が基台１１に設置され
た電動機によつて回転させられることで、放射線
検出器２２を軸Ｂのまわりに回転させることがで
きる。

シンチグラムの撮影は体軸が回転台１２の回転
中心軸Ｂに一致するように被検体をベツド２６に
載せて、全身イメージングは被検体を同様に配置
し、ベツド２６を第１図にて右側に向つて移動さ
せて、またCT撮影は体軸が回転台１２の回転中
心軸Ｂに一致しかつ診断部位が放射線検出器２２
の下部に位置するように被検体をベツド２６に配
置すると共に、回転台１２を回転させて、放射線
検出器２２に被検体に投与されたラジオアイソト
ープからの放射線を放射線検出器２２に検出させ
ることによつてなすことができる。が、この支持
装置では前述のように二組のアーム１５，１７が
回転中心軸Ｂから距離Ｌ，L′を離間して平行に配
置され、空間をこれらのアームの間に形成するこ
とができるようにして、被検体を通過させるうる
貫通孔１２Ａを回転台１２の中心に設けることが
できるようにしてあるので、体軸が回転台１２の
回転中心軸Ｂに一致するように被検体をベツド２
６に載せ、ベツドを移動させることで全身イメー
ジングをなすことができ、またベツド２６をもど
し、診断部位を放射線検出器２２の下部に位置さ
せたあと、回転台１２を回転させることで、全身
イメージングからCT撮影にただちに移ることが
できる。これに加えて、アーム１５の揺動中心１
６，１８を回転台１２の回転中心軸Ｂから離して
配置してあるということは、被検体を配置するた
めの空間を放射線検出器２２の下部に空間を生じ
させて、放射線検出器２２の昇降量を少なくさ
せ、しかもアーム１５の長さを短くさせて、放射
線検出器２２の水平移動量を小さくさせることが
できるため、アーム１５を揺動させて、診断部位
を放射線検出器２２の視野にいれると共に、放射
線検出器２２と被検体との距離を設定する位置決
め作業を行なうときに、アーム１５を何度もくり
返して揺動させたり、すくない被検体の移動でも
つてなすことができる。

〔考案の効果〕

本考案の放射線検出器支持装置は、以上述べた
ように、放射線検出器を支持する手段が回転台の
回転中心軸から距離を置いた位置に揺動中心をも
つように回転台に取り付けられているふたつのア
ームと、アームに平行リンク機構を形成させるよ
うにアーム間を連結する部材とを有し、一方のア
ームに放射線検出器を支持させられ、他方のアー
ムにつり合いおもりを取り付けられていて、放射
線検出器を回転半径の小さなアームによつて支持
させることができるようにしているので、従来の
支持装置に比較して、アームの剛性上の問題を軽
減することができ、しかも放射線検出器の水平移
動が少なくなつて、放射線検出器の位置決め作業
を容易かつ迅速になすことができ、そして被検体
を通過させる貫通孔を回転台の回転中心付近に設
けることができるので、全身イメージングとCT
撮影との間の転換を、被検体の向きを変えること
なくなすことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は公知の放射線検出器の支持装置の構成
を示す説明図である。第２図および第３図は本考
案の放射線検出器の支持装置の一実施例を示して
いて、第２図は本考案による支持装置を具備する
ラジオアイソトープCT装置の正面図、第３図は
側面図である。 １２……回転台、１５，１７……アーム、２１
……連結部材、２２……放射線検出器、２４……
つり合いおもり、２５……駆動手段、Ｂ……回転
台の回転中心軸、Ｌ，L′……支持手段と回転台の
回転中心軸との距離。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 回転台と、回転台の回転中心軸に直交する軸の
   まわりに揺動しうるように回転台に取り付けられ
   ている支持手段と、支持手段の一端側に支持させ
   られている放射線検出器と、支持手段をつり合せ
   るために支持手段の他端側に取り付けられている
   つり合いおもりと、支持手段を揺動させるために
   支持手段に連係されている駆動手段とを具備して
   いる該医学装置の放射線検出器支持装置におい
   て、支持手段が回転台の回転中心軸から距離を置
   いた位置で直交軸まわりの前記揺動をなすように
   回転台に取り付けられているふたつのアームと、
   アームに平行リンク機構を形成させるようにアー
   ム間を連結する連結材とを有していて、一方のア
   ームに放射線検出器を支持させられ、他方のアー
   ムにつり合いおもりを取り付けられていること、
   を特徴としている核医学装置の放射線検出器支持
   装置。