JPS6116450Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は例えばケーシングの内部に内容器を装
填し、ケーシングと内容器との間に断熱材を充填
した大型保温容器等に取り付けて内容物を排出す
るようにした注水コツクに関するものである。

現在大型保温容器に用いられている注水コツク
はケーシングと内容器にそれぞれ設けられた貫通
孔にコツク本体の受水管を挿通し、受水管外周に
嵌合したリング状パツキングを受水管外周のナツ
トにより内容器の内面に圧接するように構成して
いるが、リング状パツキングをナツトの締付けに
より受水管の外周面に圧接することができず、そ
のためにリング状パツキングと受水管との間より
内容物が漏洩することがあつた。

しかしケーシングと内容器との間に硬質の介在
物がない状態でナツトを締付けているから内容器
やケーシングが変形することがあるばかりでな
く、受水管をケーシングと内容器に完全に固定で
きずがたつきが生じる等の欠点があつた。

そこで本考案は、受水管の内方部に設けたナツ
トを締付けることにより、受水管外周のパツキン
グが受水管外周のテーパーに沿つて喰込みながら
拡大して、その内外周面を内容器内面と受水管外
周及び貫通孔、リング状スペーサーの双方に強力
に圧接して内容物の漏洩を防止するとともに、内
容器やケーシングの変形をも防ぎ得る注水コツク
の提供を目的とする。

以下本考案の一実施例を図面に基づいて詳述す
る。

図面において１は注水コツクである。

２は容器であり、ケーシング３の内部に内容器
４を装填したものであり、ケーシング３と内容器
４の下部側壁にそれぞれ相対向した貫通孔５，６
を設け、上面中央には補給口７を設け、該補給口
７には蓋８を螺着している。

そしてケーシング３と内容器４との間には、発
泡スチロールより成る断熱材Ｓを介装している。

９は硬質樹脂より成るリング状スペーサーで、
外周に溝１０を有しており、貫通孔５．６の外周
部におけるケーシング３と内容器４との間に介装
している。

そして溝１０をケーシング３の貫通孔５より内
側の位置に突設された舌片１１の上端の円弧状部
１２に係合させてリング状スペーサー９を所定位
置に位置保持している。

このように舌片１１上端の円弧状部１２でリン
グ状スペーサー９を所定位置に保持するので、リ
ング状スペーサー９は確実に位置決めされ、組立
作業において後述する筒状パツキング１３やコツ
ク本体１６の挿嵌時にもずれ動くことがなく、保
温容器の使用中に衝撃が加わつても位置ずれを生
じさせない作用を果たす。

１３は合成ゴムより成る筒状パツキングであ
り、両端外周にフランジ１４，１５を有してい
る。

この筒状パツキング１３は、リング状スペーサ
ー９に挿通するとともに内側のフランジ１４をリ
ング状スペーサー９に対し内容器４を挟んで相対
向するように設け、他方のフランジ１５をリング
状スペーサー９に対しケーシング３を挟んで相対
向するように設けている。

１６はコツク本体であり、通路１７の途中に開
閉弁１８を設け通路１７の入口１９側の受水管２
０を筒状パツキング１３に挿通するとともに、受
水管２０の外周に突設した鍔２２をリング状スペ
ーサー９に対しケーシング３とフランジ１５を挟
んで相対向するように設けている。

受水管２０の外周面２３は、出口２１へいくほ
ど外径が増大するようなテーパーに形成してい
る。

２４は筒状パツキング１３の内側端部を鍔２２
側に押圧するためのナツトであり受水管２０の内
端部外周に螺着している。

２４′は座金である。

上記のように構成した注水コツク１はナツト２
４を締付けて筒状パツキング１３の内側端部２５
を鍔２２側へ押圧することにより、フランジ１４
を内容器４の内面２６に圧接し、同時に長手方向
への圧縮作用により、受水管２０の外周テーパー
面２３に沿つて喰込みながら筒状パツキング１３
の肉厚が拡大して楔効果のように筒状パツキング
１３の内周面２７と外周面２８がリング状スペー
サー９の内周面２９と受水管２０外周の外周面２
３に強力に圧接して封鎖しているから内容器３の
内容物の漏洩は完全に防止されている。

またケーシング３と内容器４との間にリング状
スペーサー９を介在させているからナツト２４の
締付けによるケーシング３と内容器４の変形が確
実に防止されている。

そのうえナツトを強力に締付けることによりコ
ツク本体１６をケーシング３と内容器４に強固に
固定できてがたつきが生じない。

以上実施例に示すように本考案の注水コツクに
よれば、ケーシング３内部に内容器４を装填した
容器のケーシング３と内容器４にそれぞれ相対向
した貫通孔５，６を設け、両貫通孔５，６の外周
部におけるケーシング３と内容器４との間にはリ
ング状スペーサー９を介装し、該リング状スペー
サー９の外周には溝１０を設け、前記ケーシング
３の貫通孔５より内側位置には上端を円弧状部１
２に形成した舌片１１を設けて前記溝１０と係合
させ、該リング状スペーサー９内には筒状パツキ
ング１３を挿通するとともに、筒状パツキング１
３の内端外周に突設したフランジ１４をリング状
スペーサー９に内容器４を挟んで相対向するよう
に設け、開閉弁を備えたコツク本体１６の受水管
２０を筒状パツキング１３に挿通して受水管２０
外周に突設した鍔２２をリング状スペーサー９に
ケーシング３を挟んで相対向するように設け、筒
状パツキング１３を挿嵌する外周面２３は前記鍔
２２部に至るほど外径が増大するテーパーに形成
して内端部外周には筒状パツキング１３の内側端
部を鍔２２側に押圧するためのナツト２４を螺着
し、該ナツト２４の押圧作用によりフランジ１４
を内容器４の内面に圧接させるとともに、筒状パ
ツキング１３の内周面と外周面をリング状スペー
サー９の内周面と受水管２０の外周面に圧接させ
て構成したので次のような効果が期待できる。ナ
ツトの締付けにより筒状パツキングをコツク本体
の受水管外周面と内容器内面へ強力に圧接するこ
とができて完全にシールできて内容器と受水管と
の接続部からの内容物の漏洩を確実に防止でき
る。

しかもリング状スペーサーを設けているから内
容器及びケーシングの変形を防止できるばかりで
なくコツク本体を内容器及びケーシングに強固に
固定できてがたつきを生じることがない等の効果
を有している。またリング状スペーサーは外周に
溝を設けて、貫通孔５の内側位置に突設させた舌
片の上端円弧状部に係合しているので、組込み時
にずれ動くことがなく、使用中衝撃等が加わつて
も常時確実に所定位置を保持し、上記効果を発揮
させることができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示し、第１図は使用
状態を示す側面図、第２図は第１図の要部拡大断
面図、第３図は分解斜視図である。 １……注水コツク、２……容器、３……ケーシ
ング、４……内容器、５，６……貫通孔、９……
リング状スペーサー、１３……筒状パツキング、
１４……フランジ、１６……コツク本体、１８…
…開閉弁、２０……受水管、２２……鍔、２３…
…テーパー面、２４……ナツト、２６……内容器
の内面、２７……筒状パツキングの内周面、２８
……筒状パツキングの外周面、２９……リング状
スペーサーの内周面。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ケーシング３内部に内容器４を装填した容器の
   ケーシング３と内容器４にそれぞれ相対向した貫
   通孔５，６を設け、両貫通孔５，６の外周部にお
   けるケーシング３と内容器４との間にはリング状
   スペーサー９を介装し、該リング状スペーサー９
   の外周には溝１０を設け、前記ケーシング３の貫
   通孔５より内側位置には上端を円弧状部１２に形
   成した舌片１１を設けて前記溝１０と係合させ、
   該リング状スペーサー９内には筒状パツキング１
   ３を挿通するとともに、筒状パツキング１３の内
   端外周に突設したフランジ１４をリング状スペー
   サー９に内容器４を挟んで相対向するように設
   け、開閉弁を備えたコツク本体１６の受水管２０
   を筒状パツキング１３に挿通して受水管２０外周
   に突設した鍔２２をリング状スペーサー９にケー
   シング３を挟んで相対向するように設け、筒状パ
   ツキング１３を挿嵌する外周面２３は前記鍔２２
   部に至るほど外径が増大するテーパーに形成して
   内端部外周には筒状パツキング１３の内側端部を
   鍔２２側に押圧するためのナツト２４を螺着し、
   該ナツト２４の押圧作用によりフランジ１４を内
   容器４の内面に圧接させるとともに、筒状パツキ
   ング１３の内周面と外周面をリング状スペーサー
   ９の内周面と受水管２０の外周面に圧接させたこ
   とを特徴とする注水コツク。