JPS6115805Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 主ボタンを衣服の表面に縫い付けると同時に裏
側ボタン即ち補強ボタンを衣服の裏側に縫い付け
ることは公知であり、例えばドイツ国特許第
668456号および第699972号公報に記載されてい
る。主ボタンを収容するものとしては持ち上げる
ことが可能なボタンクランプが用いられ、一方裏
側ボタンを収容するものとしてはベツドに穴が設
けられている。その場合、双方のボタンは作業す
る人によつて整合され、収容体に挿入されなけれ
ばならない この様なミシンにおいては、衣服を載せるベツ
ドの上方には充分な空間があり、従つて主ボタン
を正しい姿勢で供給するための自動的に作動する
装置が開発され、例えばアメリカ合衆国特許第
3157311号明細書およびドイツ連邦共和国実用新
案第7538335号公報に記載されている。上記アメ
リカ合衆国特許明細書に記載の装置においては、
ボタンは振動器に結合されている貯蔵容器から出
発し、供給滑路を介して制動機に導かれ、該制動
機はボタンクランプを持ち上げることにより解放
され、それによつてボタン供給路が開放され、斯
くして供給滑路を通つて供給されるボタンの１箇
が、それ自体の重量により、旋回可能に支承され
ているストツパによつて定められている縫い付け
位置に滑りむ。しかし、このことは一定の形状を
持つたボタンの場合にのみ可能であり、その形状
とは、上記アメリカ合衆国特許明細書の場合のボ
タンの如く、ほぼ長方形の断面の突出部を有しそ
してそれに対応する如く形成された供給路によつ
て、供給の際に自動的に正しい姿勢に直されるも
のである。

上記ドイツ連邦共和国実用新案に記載された装
置ではボタンは整合兼供給装置により縫い付け位
置に送られる。

上記した様な装置により裏側ボタンを一緒に縫
い付ける場合には、該裏側ボタンは手働により正
しい姿勢に直されそして収容部分に挿入されなけ
ればならない。何故ならば、姿勢を正しく直しそ
して供給する装置を収容するのに必要な空間は、
衣服の下側では極端に制限されているからであ
る。しかし、裏側ボタンを挿入するためには衣服
はその都度ベツドの収容箇所から取り除かなけれ
ばならないから、必然的に時間の損失が生ずる。
更に縫い付けが終つた都度衣服を、２つのボタン
の間隔だけ自動的に推移させる様な時間を節約す
る送り装置を設けることも不可能である。

実用新案登録請求の範囲第１項に記載されてい
る考案の目的は、従来技術水準の欠点を除き、そ
して裏側ボタンも自動的にそれの収容箇所に送ら
れることである。本考案の有利な形成が、実用新
案登録請求の範囲第２項に記載されている。

添付図面には、本考案の実施例として、４箇の
孔を有する主ボタンおよび２箇の孔を有する主ボ
タンと一緒に縫い付けられる裏側ボタンのための
付加装置が示されており、以下にこれについて説
明する。

自動的に縫い付けた位置に供給される裏側ボタ
ンＫは、ほぼ正方形の輪かく形状を持ちそして４
箇の孔を有している。この裏側ボタンは、２孔ボ
タン、４孔ボタン、又は環状ボタンとして形成さ
れた主ボタンＨと一緒に、例えばプアフKl.3306
の如き公知構造のボタン縫い付けミシンで加工片
Ｗに縫い付けられる。

公知のボタン縫い付けミシンについては、往復
動する針棒１と糸を導く針２のみが示されてお
り、該針は針棒の往復運動に追従し、ミシンのベ
ツド３の内部に配置されている縫い目形成のため
の環縫い中がま４と協働する。４箇の孔を有する
主ボタンＨを裏側ボタンＫと一緒に衣服Ｗに縫い
付けるための布支えとして、ベツド３上に載せら
れている板５が設けられ、該板はねじ６とピン７
とによりボタン縫い付けミシンの操作装置に結合
した操作棒８に位置正しく取り付けられる。

操作棒８には、ボタンクランプ９として形成さ
れた主ボタンＨの収容体が配置されている。ボタ
ンクランプ９は、公知の整合兼供給装置により主
ボタンを装入されることが可能になつている。該
クランプは、作業位置から装入位置に持ち上げら
れる。４箇の孔を有する主ボタンが裏側ボタンと
一緒に衣服に縫い付けられる際、操作棒８は板５
とボタンクランプ９と共に、第１番目の一対の孔
の所の縫い付けが終了した後で２つの孔対の間隔
だけ推移させられ、第二番目の一対の孔の所の縫
い付けに移る。

板５は、一緒に縫い付ける裏側ボタンＫを収容
する部分としての凹部１０を有する。この凹部１
０は、誘導溝１１により弾性ワイヤを巻いて、形
成された裏側ボタンＫの供給滑路１２の出口に結
合し、該滑路は振動器に結合したボタン貯蔵容器
に接続されている。供給滑路１２の出口は、板５
に設けられた弧状の溝１３に差し込まれ、そして
ねじ１４により板５の表面にねじ止めされている
押圧片１５により板５に締め付けられている。供
給滑路１２の針金の自由端１６は曲げられ、そし
て押圧片１５に設けられた孔１７に差し込まれて
いる。誘導溝１１の上部は両側から突出する板１
９，２０によつて覆われ、中央に見透しのための
スリツト１８が残されている。

誘導溝１１には、圧縮空気源に接続された導管
２１が、凹部１０のすぐ近くの、準備位置にある
裏側ボタンＫの前方の位置に接続され、かくして
凹部１０にボタンを供給するための空気が、凹部
１０の前方に準備されている裏側ボタンＫに吹き
付けられることが可能になつている。

凹部１０の中に存在する裏側ボタンＫが、供給
滑路１２の中を滑り動く次のボタンの重量によつ
て、凹部１０から上方に押し出されない様にする
ため、弾性を有する２つの確保板２２，２３が設
けられ、これらの確保板は板５に設けられた溝２
４又は２５に挿入され、そして端部に近い所で、
ねじ２６により板５に固定されている。確保板２
２，２３の自由端は、凹部１０の中に存在してい
る裏側ボタンＫの縫い付け位置を定める凹部１０
のストツパ縁２７に平行になつている。ストツパ
縁２７は、板５の前縁に平行になつている。確保
板２２，２３の自由端は凹部１０の一部を覆つて
おり、かくして凹部１０の中に存在する裏側ボタ
ンＫは上方に押し出されることがないが、縫い付
けが終りそして糸を切断した後で衣服Ｗを取り除
く場合には、凹部１０から容易に持ち上げること
が可能であり、その際確保板２２，２３は上方に
彎曲して回避する。

２つの孔を有する主ボタンを裏側ボタンＫと一
緒に縫い付けるため、ボタン縫い付けミシンは唯
一回の縫い付けを行う様に切り換えられ、そして
板５は板２８と交換される。供給滑路１２の出口
および導管２１は板から取り外され、供給滑路１
２の出口は、板２８の前方の縁に対してほぼ45゜
の角度をなして走行している溝２９の中に挿入さ
れ、そして板２８にねじ３０で固定されている押
圧片３１により板２８に締め付けられている。更
に圧縮空気導管２１は、板２８に設けられた孔に
差し込まれそして固定されている。

裏側ボタンＫを収容する部分として、板２８は
凹部３２を所有し、該凹部は裏側ボタンＫの縫い
付け位置を定めるストツパ縁を有しており、該縁
は板２８の前縁に対して約45゜の角度をなしてい
る。凹部３２は、誘導溝３４により供給滑路１２
の出口に結合し、該供給滑路を通つて振動器に結
合したボタン貯蔵容器から送り出される裏側ボタ
ンＫが、それの自重によつて凹部３２に供給され
る。誘導溝３４の上部は両側から突出する板３
６，３７によつて覆われ、中央に見透しのための
スリツト３５が残されている。

凹部３２の中に存在している裏側ボタンＫが、
供給滑路１２の中を滑り動く次のボタンの重量に
よつて、上方に押し出されない様にするため、弾
性を有する２つの確保板３８，３９が設けられ、
これらの確保板は板２８に設けられた溝４０又は
４１の中に配置され、そして端部に近い所で、ね
じ４２により板２８に固定されている。確保板３
８，３９の自由端は凹部３２の一部を覆つてお
り、かくして凹部３２の中に存在する裏側ボタン
Ｋは上方に押し出されることはないが、縫い付け
が終りそして糸を切断した後で衣服Ｗを取り除く
場合には、凹部３２から容易に持ち上げることが
可能であり、その際確保板３８，３９は上方に彎
曲して回避する。

上記した装置の作動態様は、次のとおりであ
る。

衣服Ｗの表面に縫い付ける主ボタンＨをその都
度１箇宛供給するためには、公知であり従つて図
示されていない整合兼供給装置が使用され、該装
置により、孔が針の動きの方向に整列させられた
１箇の主ボタンがその都度ボタンクランプ９のク
ランプ顎の中に挿入される。振動器に取り付けら
れた貯蔵容器から出発し、衣服Ｗの裏側に縫い付
けられる裏側ボタンＫ，K′等は、下方に向つて
傾斜している供給滑路１２の中をそれ自体の自重
によつて滑り、凹部１０又は３２の内部にある裏
側ボタンＫの縫い付け位置を決めるストツパ２７
又３３に向つて滑り動く。その際導管２１から吹
き出され誘導溝１１又は３４の中に到達する圧緒
空気の流れによつて縫い糸を切断しそして衣服を
取り除くことにより前もつて縫い付けられた裏側
ボタンを取り除いた後で、凹部１０又は３２の中
への次のボタンK′の供給が助長される。このこ
とにより、特別高価な補助装置を使用することな
く、裏側ボタンを凹部１０又は３２から取り除い
た直後、何時も新らしい裏側ボタンが縫い付けの
ために準備されている。ボタンクランプ９に別の
主ボタンが挿入されると、衣服Ｗは次の縫い付け
位置に移され、そしてボタンクランプ９は衣服Ｗ
の表面に降ろされ、ボタン縫い付けミシンは次の
縫い付け過程を実施するため運転開始される。

すでに述べた様に、４箇ね孔を有する主ボタン
と裏側ボタンを縫い付ける作業から、２箇の孔を
有する主ボタンと裏側ボタンを縫い付ける作業に
移行する場合には、板５は交換され、その際供給
滑路１２の出口を導管２１とのみを取りはずし、
そして板２８に接続すればよく、かくしてボタン
縫い付けミシンは切り換えられる。

【図面の簡単な説明】

第１図は主ボタンと裏側ボタンの収容部分を有
するボタン縫い付けミシンのベツドの正面図、第
２図は４箇の孔を有する主ボタンと一緒に縫い付
ける裏側ボタンの収容部分の配置を示すベツドの
平面図、第３図は２箇の孔を有する主ボタンと一
緒に縫い付ける裏側ボタンの収容部分の配置を示
すベツドの平面図である。 ５，２８……板、８……操作棒、１０，３２…
…凹部、１１，３４……誘導溝、１２……供給滑
路、２１……導管、２２，２３，３８，３９……
確保板、Ｋ……裏側ボタン。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 主ボタンを縫製物の表側に縫い付けると同時
   に、整合に役立つ少くとも１つの側縁を有する
   補強ボタン即ち裏側ボタンを縫製物の裏側に縫
   い付けるため、両ボタンが整合された位置でそ
   れらの縫い付け位置を定めている収容部分に送
   り込まれるボタン縫付けミシンのための付加装
   置において、裏側ボタンＫの収容部が、ミシン
   の制御装置と結合された移動可能な制御棒８に
   交換可能に固定され縫製物担持体として用いら
   れる板５，２８に設けた凹部１０，３２によつ
   て形成され、且つ前記板５，２８に設けた裏側
   ボタン誘導溝１１，３４によりボタン供給滑路
   １２と結合していることと、裏側ボタン誘導溝
   １１，３４に通じる圧縮空気ノズル２１が設け
   られ、該圧縮空気ノズル２１は、裏側ボタン供
   給方向にして裏側ボタン誘導溝１１，３４の、
   前記凹部１０，３２の直前の領域に向けられて
   いることを特徴とする付加装置。 (2) 裏側ボタンＫ収容部１０，３２が弾性を有す
   る確保板２２，２３，３８，３９により部分的
   に覆われていることを特徴とする、実用新案登
   録請求の範囲第１項に記載の付加装置。