JPS6114425Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

本考案は浴槽やパンなどに用いて特に好適な大
理石状構造物に関する。 従来より大理石状の模様を表わした構造物は
種々提供され、例えば大理石模様の印刷された化
粧紙がガラス繊維強化プラスチツクの表面に積層
されたものや、不飽和ポリエステル樹脂と砕石及
び無機充填剤との混合物を注型成形したものなど
が知られている。しかし前者は極めて石質感に乏
しく又長期の使用中に印刷された模様が退色した
り化粧紙が剥離したりする欠点を有し、後者は一
般に前者よりは石質感に富むものの更にこの点に
おける一層の改良が必要とされ、又注型成形品で
ある為に工業製品としては例えば板状体の如き単
純な形状品しか得られていなにのが現状である。 本考案は上記従来の構造物の現状に鑑み、充分
な石質感があり且つ賦型性が良好でハンドルアツ
プ成形法などによる成形が可能な大理石状構造物
を提供することを目的としてなされたもので、そ
の要旨は繊維強化マグネシアセメント層と、大理
石状に着色された模様層と、透明又は半透明樹脂
よりなる表面層とがこの順に積層され、前記セメ
ント層の露出した表面が耐水性樹脂で被覆されて
なる大理石状構造物に存する。 以下本考案を図示した実施例に従つて説明す
る。 第１図は本考案構造物の一実施例を示す断面図
であり、イはその全体図、ロは要部拡大図であ
る。 浴槽として用いられる構造物の繊維強化マグネ
シアセメント層１は、酸化マグネシウムと塩化マ
グネシウム又は硫酸マグネシウムを主成分として
含有するマグネシアセメント組成物と水との反応
物２が４層の繊維３によつて強化されて形成され
ている。セメント組成物と水との混合割合は、こ
れらの全量に対して一般に水が10〜30重量％の範
囲とされる。 繊維３としては、ガラス繊維やアスベストなど
の無機繊維の他、ポリエステル繊維やポリアミド
などの有機繊維が好適に用いられ、夫々ローピン
グ、チヨツプトストランド、マツト、クロス等の
形状で使用され得る。 マグネシアセメント中には第３リン酸マグネシ
ウムなどの耐水性改善剤やその他の改質剤が含ま
れていてもよい。 セメント層１の厚さは特に限定されるものでは
ないが通常５〜15ｍ／ｍとされる。 模様層４は樹脂に紛末状色材が適宜に混入され
て大理石状に模様が施されている。紛末状着色材
としては、大理石紛末、シリカ紛末、炭酸カルシ
ウム紛末、ガラス紛末、各種無機願料、有機願料
等が用いられ、樹脂としては不飽和ポリエステル
樹脂などの熱硬化性樹脂や、ポリメチルメタクリ
レートなどの常温で液状の単量体から重合される
熱可塑性樹脂が好適に用いられる。 又模様層４に大理石状の模様を施すには、予め
大理石模様が印刷された繊維クロスや不繊布を樹
脂中に埋設してもよく又はこの方法と前記紛末状
着色材を用いる方法とを併用しても良い。又、模
様層４には単に補強の為にガラス繊維などを入れ
てもよい。但し大理石模様を施す為に該模様が印
刷されたものを樹脂中に埋設する場合は、次に詳
述する透明又は半透明の樹脂を用いるのが好まし
い。 表面層５は透明又は半透明な樹脂からなり、、
具体的には不飽和ポリエステル樹脂、エボキシ樹
脂などの熱硬化性樹脂やポリメチルメタクリレー
トなどのアクリル系熱可塑性樹脂が好適に用いら
れ、不飽和ポリエステル樹脂の内でもビスフエノ
ール系樹脂やイソフタル酸系樹脂は耐熱水性に優
れているので浴槽などに用いて特に好適である。
又表面層５の厚さは特に限定されるものではない
が、通常0.1ｍ／ｍ以上、好ましくは0.15〜0.6
ｍ／ｍとされる。表面層５と模様層４との屈折率
の関係にもよるが、一般に表面層５の厚さが0.1
ｍ／ｍ未満では模様層４の大理石状の色調に深み
が出ず、0.6ｍ／ｍを越えるとクラツクが発生し
易くなるからである。 上記セメント層１の裏面及びセメント層１と模
様層４との側面は耐水性樹脂６に被覆されてい
る。耐水性樹脂６の好ましい例としては、不飽和
ポリエステル樹脂、エボシキ樹脂及びシリコン樹
脂のような湿式積層成形法が可能な熱硬化性樹脂
やウレタン樹脂の他、常温で液状の単量体から製
せられるメチルメタルクレート樹脂、スチレン樹
脂等が挙げられる。耐水性樹脂６は表面層５の側
面を被覆していてもよく、又、耐水性樹脂層６の
厚味分だけセメント層１と模様層４のフランジ部
分の寸法を短くして該部分を被覆した耐水性樹脂
６の外表面と表面層５の側面とを面一になしても
よい。 本考案構造物を製造するには、例えば、所望の
構造物の形状に適合した凸型に表面層５を形成す
る樹脂と硬化剤及び硬化促進剤との混合物を吹付
けるかハケ塗りした後30〜50℃で硬化した後、同
様にして、即ちハンドレアツプ法又はスプレーア
ツプ法によつて模様層４、セメント層１及び耐水
性樹脂６の層を形成する。この際模様層４とセメ
ント層１との密着性を良好にする為、模様層４の
全部又は１部とセメント層１とを同時に硬化せし
めるのが好ましいが、一方、耐水性樹脂６の硬化
は、繊維強化マグネシアセメント層１の強度が充
分発現するように該セメント層１の硬化、養生が
終了してから行うのが好ましい。 本考案構造物は上述の通り構成されており、充
分な石質感と実用に供し得るに充分な強度と耐水
性とを有し、ハンドレアツプ法やスプレーアツプ
法、即ち湿式積層成形法により所望の形状に成形
成能なものであり、擬似大理石として有用性の高
いものである。 次に本考案の具体的な実施例について説明す
る。 単に部とあるのは重量部を意味する。 実施例 １ 第２図に示されるようにその外形が浴槽の内面
の形状に適合した樹脂型７の上に、下記組成の透
明な樹脂混合物をスプレーガンで0.3ｍ／ｍの厚
さに吹き付けた後40℃で20分間要して硬化せしめ
表面層５を形成した。

【表】 その後下記組成の樹脂混合物をハケ塗りで0.5
ｍ／ｍの厚さに途布し、40℃で20分間要して硬化
せしめ模様層４の一部を形成した。

【表】 更に230ｇ／m²のガラス繊維のチヨツプトスラ
ンドマツト８と下記粗成の樹脂混合物とにより、
未硬化の厚さ0.3ｍ／ｍの層を形成し結局厚さ0.8
ｍ／ｍの模様層４を得た。

【表】 〓

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 繊維強化マグネシアセメント層と、大理石状
   に着色された模様層と、透明又は半透明樹脂よ
   りなる表面層とがこの順に積層され、前記セメ
   ント層の露出した表面が耐水性樹脂で被覆され
   てなる大理石状構造物。 ２ 繊維がガラス繊維である第１項記載の構造
   物。 ３ マグネシアセメントが酸化マグネシウムと塩
   化マグネシウムもしくは硫酸マグネシウムと水
   とを主成分とする第１項又は第２項記載の構造
   物。 ４ セメント層が無機質紛末と不飽和ポリエステ
   ル樹脂とを含有する第１項、第２項又は第３項
   記載の構造物。 ５ 無機質紛末が大理石紛末である第４項記載の
   構造物。 ６ 模様層が大理石模様ご印刷したガラス繊維ク
   ロス又はガラス繊維マツトと不飽和ポリエステ
   ル樹脂とを含有する第１項乃至第５項何れか１
   項に記載の構造物。 ７ 表面層が厚み0.1ｍ／ｍ以上の不飽和ポリエ
   ステル樹脂よりなる第１項乃第６項何れか１項
   に記載の構造物。