JPH0615550Y2 - 床置用の浴槽 - Google Patents

床置用の浴槽

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JPH0615550Y2
JPH0615550Y2 JP16362588U JP16362588U JPH0615550Y2 JP H0615550 Y2 JPH0615550 Y2 JP H0615550Y2 JP 16362588 U JP16362588 U JP 16362588U JP 16362588 U JP16362588 U JP 16362588U JP H0615550 Y2 JPH0615550 Y2 JP H0615550Y2
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JP16362588U
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健治 太田
秀幸 安藤
三行 井野
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株式会社イナックス
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【考案の詳細な説明】 「考案の目的」 (産業上の利用分野) 本考案は、レジンコンクリートにより形成されて深みの
ある渋い透明感を醸し出した、床置用の浴槽に関するも
のである。
(従来の技術) 本出願人は、無機又は有機の充填剤を合成樹脂で固めた
レジンコンクリート(以下、レジコンという)が、基礎
成形材として用いられて成る浴槽を開発して、この浴槽
と該浴槽を製造する方法とを特許出願(特公昭60-49426
号)し、特許(特許第1418683号)された。この先願に
係る浴槽(以下、先願浴槽という)は、第4図に部分断
面図で示す如く、その断面構造が四層に積層されて成る
ものであった。すなわち、浴槽1の上縁面1a部分におい
て説明すれば、その上方側から下方側へ向かって、表面
層2,表面側補強層3,中核体層4,裏打補強層5の順
で形成されていた。前記表面層2は、耐熱性,防水性,
表面円滑性を保持させるためのものであって、合成樹脂
より形成されていた。前記表面側補強層3は、引張強
度,曲げ強度を増強させ、且つ寸法精度を高めるための
ものであって、ガラス繊維などが混入された強化プラス
チックにより形成されていた。前記中核体層4は、浴槽
1の外形を形成するための骨格を成すものであって、前
記したレジコンにより形成されていた。そして、前記裏
打補強層5は、前記表面側補強層3と相俟って強度上,
精度上の向上を図るためのものであって、該表面側補強
層3とは異質の強化プラスチックにより形成されてい
た。前記表面層2,表面側補強層3,中核体層4は、い
ずれも透明乃至半透明(着色透明を含む)に形成されて
いたので、その表面層2側から見ると恰も大理石の如
く、深みのある渋い透明感を醸し出すものであった。な
お、前記裏打補強層5だけは着色された不透明なもので
あり、浴槽1の周囲に施される各種の設置備具(図示省
略)が、その内側面1cをとおして見えることはない。そ
してこれら各層2,3,4,5を総合した肉厚は7mm前
後に抑えられており、浴槽全体としてかなり軽量化され
たものであった。のみならず、引張強度,曲げ強度,寸
法精度及び経年劣化の防止などに関する品質特性につい
ては、それまでの樹脂製浴槽に持たれていた概念を完全
に打ち破る画期的なものであった。
(考案が解決しようとする課題) 先願浴槽において、その表面層2見たときに深みのある
渋い透明感が得られた理由は、一つには、裏打補強層5
を着色不透明にした点が挙げられる。すなわち、表面層
2側から見ると、表面層2,表面側補強層3,中核体層
4による各透明色がだぶってぼやけた感じになり、その
下層側の裏打補強層5の色(例えば乳白色)がいかにも
自然石らしく反射するからである。ところが、浴槽1の
外面部1bは、裏打補強層5がむき出した状態となってい
るから外観上はとても高級なものとは思えず、結局、先
願浴槽は、第5図に示す如き埋込型又は据付型の浴槽1
について実施せざるを得ない状況であった。この種浴槽
1は、その設置後においてエプロン6(第4図中に二点
鎖線で示す)などが付設されるものであり、前記外面部
1bは視覚的に遮断されるからであった。すなわち、先願
浴槽は、第2図に示す如き床置用のエプロン無し洋風浴
槽7へそのまま実施することは避けざるを得なかったの
である。
本考案は、上記の如き事情に鑑みてなされたものであっ
て、床置用の浴槽に対しても、レジコンを基礎成形材と
して用いることで軽量化することができ、且つ強度上,
寸法精度上,経年劣化の防止などに関する品質特性の向
上が図られ、更に深みのある渋い透明感をも得られるよ
うにした、新規な浴槽(以下、本案浴槽という)を提供
することを目的とする。
「考案の構成」 (課題を解決するための手段) 本案浴槽の要旨とするところは、浴槽中核体の外周形状
が透明乃至半透明なレジンコンクリートにより浴槽外形
に相似する如く形成されており、該浴槽中核体の内側
面,上縁面,底面及び外面部の全部に適宜合成樹脂より
成る透明乃至半透明なゲルコート層が形成されている点
にある。
また、前記浴槽中核体における内側面,上縁面,底面及
び外面部と、それら各面の全部に設けられる前記ゲルコ
ート層との間に、透明乃至半透明な強化プラスチックに
よる補強層が形成されているものであってもよいものと
してある。
(作用) 浴槽中核体をはじめ、その内側面,上縁面,底面及び外
面部に設けられたゲルコート層や補強層は、いずれも透
明乃至半透明(着色透明を含む)となるものが用いられ
ている。すなわち、先願浴槽は、複数が重ね合わされた
透明又は半透明な重合層に対して、その最深奥層で反射
した色を見るようにしたものであったが、本案浴槽はこ
れとは根本的に異なり、重合層の向う側にある情景又は
陰影などを、該重合層を透かして見ることによって得ら
れる美しさを追求したものである。従って、本案浴槽
は、その内側面側から見た場合であると外面部側から見
た場合であるとを問わず、極めて高級な審美感が得られ
るものである。しかも、その見え方は、照明の点灯状況
や貯水の存否などに応じて、様々に変化するものであ
る。
(実施例) 以下、本考案を、その実施例を示す図面に基づいて説明
すると次の通りである。
第1図は、本案浴槽を示す部分断面図である。本案浴槽
の浴槽本体7は、その断面構造が三層に積層されて成る
ものである。すなわち、浴槽本体7の上縁面7a部分につ
いて言えば、浴槽中核体9の上下両面が、ゲルコート層
8によって被覆された如きものとなっている。そして、
このような断面構造が、内側面7c(外面部7b)及び底面
7dにもわたって連続的に形成されている。
前記ゲルコート層8は、ビスフェノール又はイソフタル
酸などが原料中に混入されて成る不飽和ポリエステル樹
脂などを素材とするものであって、その硬化後には、不
純物が何等存在しない無色透明なものとなる。勿論、適
宜色の顔料を混入した着色透明又は半透明なものとなる
ものであってもよい。
前記浴槽中核体9にはレジコンが素材として用いられて
おり、浴槽本体7の外形に対して(若干小さめに)相似
する如く形成されている。本実施例では、屈折率が1.48
〜1.62の不飽和ポリエステル樹脂と、屈折率が1.50〜1.
60の無機質又はガラス質のフィラーと、更に、常温(20
℃)以上で硬化するように硬化剤に促進剤又は反応抑制
剤を組み合わせた加熱硬化系樹脂との三者を混練して成
るレジコンを用いた。該レジコンは、樹脂含有比率10〜
70%程度、25℃のときの粘度が300〜1000ポイズ程度で
あった。また、該レジコンには適宜の白色顔料を微量加
えてあり、その硬化後に半透明な乳白色を呈するように
した。
本案浴槽を製造するには、図示は省略するが、浴槽本体
成形用の雌雄型に対して、その各型の圧縮成形面へ前記
ゲルコート層8用の素材樹脂を塗布する。該素材樹脂を
塗布する方法には、ゲルコート用スプレーアップ装置を
使用して行う方法や、ハンドレイアップ方法(手作業)
などがある。そして、前記雌雄型の各圧縮成形面におい
てゲルコート層8,8が硬化したなら、両型を合型して
両者間に浴槽中核体9用の成形凹部を形成させ、該成形
凹部内へ前記レジコンを注入する。この状態でレジコン
におけるある程度の硬化(未成熟状態)を持ち、その後
適宜加熱して脱型すれば、本案浴槽が得られる。なお、
本実施例では、浴槽中核体9の強度を整えるため、その
肉厚寸法が5mm以上となるようにし、ゲルコート層8の
層厚が300μm以上となるようにした。
本案浴槽を見た場合に得られる感じの一例を挙げる。い
ま、本案浴槽において、浴槽本体7内へ湯を溜めて、そ
の水面をユラユラ揺らしたとする。水面上では、照明が
乱反射してキラキラと光るようになるが、浴槽本体7の
内側面7cや底面7dでは、その揺れる波状模様が筋状の明
暗となって映しだされるようになる。従って、これを浴
槽本体7の外面部7b側から見ると、光の波が揺らいでい
る様子がある程度ぼかされて(着色を伴うこともある)
見えるようになり、極めて審美的なものとなる。なお、
このような見え方は、ゲルコート層8や浴槽中核体9の
透明度,着色の有無,肉厚関係や、照明の強弱及び貯湯
量の増減などの関係によって様々に変化するものであ
る。
ところで、第3図は、前記浴槽中核体9における内側
面,上縁面,底面及び外面部と、それら各面の全部に設
けられる前記ゲルコート層8との間に、透明乃至半透明
な強化プラスチックによる補強層10を介設状に形成させ
た本案浴槽を示す部分断面図である。すなわち、同図に
示す本案浴槽は、その断面構造が五層に積層されて成
る。前記補強層10を形成する強化プラスチックは、前記
ゲルコート層8の素材樹脂(不飽和ポリエステル樹脂な
ど)に対して、更に、ガラス繊維の織布又は不織布を30
0g/m2以上混入して成るものである。この強化プラスチ
ックを用いて前記補強層10を形成させるには、次のよう
にする。まず、雌雄型の各圧縮成形面へゲルコート層
8,8を形成させておくことは、第1図に示した本案浴
槽の場合と同様である。そして次に、雌雄型におけるそ
れぞれのゲルコート層8,8に対して、その全表面に、
ガラス繊維の織布又は不織布を被着させる。そして、そ
の上から、前記ゲルコート層8と同様の素材樹脂を、ス
プレーアップ法又はハンドレイアップ法により塗布す
る。この強化プラスチックによる補強層10がある程度硬
化した後は、雌雄両型を合型してレジコンを注入し、適
宜方法により加熱する。このような手順を踏むと、レジ
コンによる浴槽中核体9が未成熟状態から完全に硬化す
る状態へ至る過程で、該浴槽中核体9を表裏から挟むよ
うになった補強層10,10が既に硬化した状態となってい
る。そのため、浴槽中核体9の硬化時に生じ得る応力
は、補強層10,10によって拘束且つ矯正されるようにな
るから、得られる製品は歪がなく寸法精度も高いものと
なる。従って、浴槽中核体9の肉厚を5mm程度に抑える
ことが可能となり、浴槽本体7の全体重量も軽量化が図
れるものとなる。
(別態様の検討) ゲルコート層8を形成する合成樹脂,補強層10を形成す
る強化プラスチック,浴槽中核体9を形成するレジコン
のうち、いずれか一つにだけ適宜色の顔料を混入させ、
他を無色透明なものとすることができる。また、全部に
顔料を混入させることもできる。なお、第5図に示した
如き埋込型又は据付型の浴槽1に対して本案浴槽を実施
することは、決して禁じられるものではない。すなわ
ち、浴槽1を設置するにあたり、該浴槽1の周囲に施さ
れる各種の設置備具を外観に耐えられるように適宜保護
したり、又は浴槽1の周囲から強い照明を当てたりする
措置を採ればよいのである。このように、本案浴槽の構
成及び形状は、実施の態様に応じて適宜変更可能であ
る。
「考案の効果」 以上の説明で明らかなように、本考案によれば、先願浴
槽により奏し得られた画期的効果、すなわち、樹脂製浴
槽としては格段と軽量化できることをはじめ、強度上,
寸法精度上,経年劣化の防止などに関する品質特性の向
上及び深みのある渋い透明感が得られるという利点が、
床置用のエプロン無し洋風浴槽に対しても実現されるこ
とができた。のみならず、上記した画期的効果のうちの
外観上の利点については、照明又は自然光が入射した場
合に、先願浴槽では得られなかった動きを伴った審美性
を有するものである等、幾多の優れた利点を有してい
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本案浴槽の断面構造を示す部分断面図、第2図
は床置用の浴槽を示す斜視図、第3図は本案浴槽の別の
断面構造を示す部分断面図、第4図は先願浴槽の断面構
造を示す部分断面図、第5図は埋込型又は据置型の浴槽
を示す斜視図である。 1…埋込型又は据付型の浴槽 7…床置用浴槽の浴槽本体 7a…上縁面、7b…外周面部 7c…内側面、7d…底面 8…ゲルコート層、9…浴槽中核体 10…補強層

Claims (2)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】浴槽中核体の外周形状が透明乃至半透明な
    レジンコンクリートにより浴槽外形に相似する如く形成
    されており、該浴槽中核体の内側面,上縁面,底面及び
    外面部の全部に適宜合成樹脂より成る透明乃至半透明な
    ゲルコート層が形成されていることを特徴とする床置用
    の浴槽。
  2. 【請求項2】浴槽中核体の外周形状が透明乃至半透明な
    レジンコンクリートにより浴槽外形に相似する如く形成
    されており、該浴槽中核体の内側面,上縁面,底面及び
    外面部の全部に透明乃至半透明な強化プラスチックによ
    る補強層が形成されており、該補強層の設けられた部分
    の全表面に適宜合成樹脂より成る透明乃至半透明なゲル
    コート層が形成されていることを特徴とする床置用の浴
    槽。
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JP2844759B2 (ja) * 1989-12-05 1999-01-06 松下電器産業株式会社 積層構造からなるfrp成型体およびその製造方法
JP2006230625A (ja) * 2005-02-23 2006-09-07 Matsushita Electric Works Ltd 浴槽成形品

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