JPS6114033Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は防水カメラの裏蓋開閉装置に関するも
のである。

普通のカメラでは、裏蓋とカメラボデイとの間
から光が入つてくるのを防止すればよく、カメラ
ボデイにはモルトプレーンが貼着されているか
ら、従来の裏蓋開閉装置は、裏蓋が外れないよう
にこれを保持するだけで充分であつた。

しかし、防水カメラでは、裏蓋とカメラボデイ
の嵌合部分に、ゴムパツキンが介在されるから、
裏蓋の閉鎖時にこれを強く挾み付ける必要があ
る。しかし従来の裏蓋開閉装置では裏蓋の締付力
が弱いため、充分な防水効果を得ることができな
い。

また、水中で裏蓋が不用意に外れるのを防止す
るため、ロツク部材を設けた防水カメラが知られ
ているが（例えば実公昭48−35782号）、このロツ
ク装置はロツク部材が摩擦力だけでロツク位置に
保持されるようになつているので、水中で取扱中
に不用意にロツクが外れるおそれがある一方、外
れにくくするため摩擦力を大きくするとロツクを
外すときにこの摩擦力に抗してロツク部材を動か
さなくてはならないため大きな力が必要となると
いう実用上の不便がある。

この安全性は特に防水カメラでは重要な要素で
あり、このため安全性を優先すれば上記のように
操作性が悪くなり、実用上難点がある。

本考案はこれら従来技術における欠点を解決す
るもので、裏蓋とカメラボデイとを強く挾み付け
ることにより充分な防水効果を得るとともに、裏
蓋を閉じた位置に確実にロツクする一方、ロツク
解除が容易にできるようにした防水カメラの裏蓋
開閉装置を提供することを目的とするものであ
る。

本案装置は、自由端がカメラボデイの前面に係
合するコ字形のグリツプを裏蓋に設け、その内側
にバネを取り付けて、裏蓋をカメラボデイに強く
押しつけ、パツキンを強く挾み付けるようにする
とともに、このグリツプがカメラボデイに係合さ
れた際、バネ板と係合してグリツプを係合位置に
保持するロツク部材をカメラボデイに設け、さら
にこのロツク部材を解放する操作部材をグリツプ
近傍に設けて、ロツクを確実にするとともに、ロ
ツク解除を容易にしたことを特徴とするものであ
る。

以下、図面を参照して本案装置の実施例につい
て詳細に説明する。

第１図および第２図において、カメラボデイ１
の前面にレンズ鏡胴２が設けられている。このレ
ンズ鏡胴２は、カメラボデイ１と一体の固定鏡胴
３と、その前端に螺合された可動鏡胴４とから構
成されている。この可動鏡胴４の前面には透明ガ
ラス５が取り付けられている。前記レンズ鏡胴２
のほぼ中央に撮影レンズ６が配され、その上にフ
アインダ窓７がまた下に測光窓８がそれぞれ配さ
れている。

カメラボデイ１の上面には、巻上げレバー９、
レリーズボタン１０、フイルム感度設定ダイヤル
１１、巻戻しノブ１２が取り付けられている。

カメラボデイ１の両側部には、右グリツプ１
３、左グリツプ１４とが設けられており、撮影時
にカメラを保持し易くている。前記グリツプ１３
は、全体がコ字形をしており、その一端が裏蓋１
５に枢着され、その自由端がカメラボデイ１の前
面に係合する。

第３図に示すように、右グリツプ１３は、その
外周にゴム１６がライニングされ、また内側にバ
ネ板１７が取り付けられている。このバネ板１７
は、その先端１７ａが彎曲され、それにより強い
バネ性が与えられている。またバネ板１７は、先
端の中央に切欠き１７ｂが形成され、その下にロ
ツク孔１７ｃが形成されている。

第４図に示すように、カメラボデイ１の右側部
と、これに連なる前面には、Ｌ字形の金属板１８
が取り付けられており、右グリツプ１３の嵌合に
より傷が付くのを防止している。また、この金属
１８の下方に、ロツクピン１９が出没自在に配さ
れており、ロツク解除ボタン２０を押すことによ
りロツク孔１７ｃから外れる。なお、符号２１は
切欠き１７ｂに嵌合する突起である。

前記左グリツプ１４はカメラボデイ１の側部に
固着されており、これに裏蓋１５の一端が枢着さ
れている。また、この裏蓋の外周に溝２２が形成
されており、この溝２２にゴムパツキン２３が収
納されている。このゴムパツキン２３の前面に
は、カメラボデイ１に形成した突条２４が圧接
し、それにより裏蓋１５とカメラボデイ１との嵌
合部から水が入るのを防止している。

つぎに上記構成を有する本案装置の作用につい
て説明する。左グリツプ１４を支点にして裏蓋１
５を枢動してこれを閉める。つぎに右グリツプ１
３を枢動してその自由端をカメラボデイ１の前面
に係合させる。こときに、裏蓋１５の内側に設け
たバネ板１７の先端１７ａが金属板１８に強く圧
接する。このバネ板１７により、裏蓋１５とカメ
ラボデイ１とが強く挾み付けられる。したがつ
て、裏蓋１５の外周に設けたゴムパツキン２３
が、カメラボデイ１の突条２４によつて強く押し
けられる。これにより裏蓋１５とカメラボデイ１
との嵌合部から水が内部に入るのが防止される。

この右グリツプ１３をカメラボデイ１に係合す
ると、ロツクピン１９がロツク孔１７ｃに嵌合す
る。したがつて、右グリツプ１３は不用意に開く
ことがない。そして右グリツプ１３を開く場合に
は、ロツク解除ボタン２０を押せば、ロツクピン
１９が引つ込んでロツク孔１７ｃから外れる。

上記構成を有する本案装置は、コ字形をした枢
動自在なグリツプを設け、このグリツプの自由端
をカメラボデイの前面に係合した際に、その内側
に配したバネでカメラボデイと裏蓋とを挾み付け
るようにしたから、良好な防水効果が得られる。
また、このグリツプは、指掛けとして利用するこ
とができるから、カメラを保持する場合に便利で
ある。さらに、グリツプをロツクするロツク手段
１７ｃ，１９と、これを解除する解除手段２０が
設けられているので、グリツプを確実にロツクす
るとともに、容易にロツクを解除することができ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案による防水カメラの前方斜視
図、第２図は後方斜視図、第３図はグリツプの斜
視図、第４図はカメラボデイの部分正面図、第５
図は右グリツプを閉じた状態の断面図である。 １……カメラボデイ、２……レンズ鏡胴、１３
……右グリツプ、１４……左グリツプ、１５……
裏蓋、１７……バネ板、１７ｃ……ロツク孔、１
８……金属板、１９……ロツクピン、２０……ロ
ツク解除ボタン、２３……パツキン、２４……突
条。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 一端が裏蓋に栓着されており、他端がカメラボ
   デイの前面に係合するコ字形のグリツプを有する
   防水カメラにおいて、このグリツプの内側に取り
   付けられ、このグリツプがカメラボデイに係合さ
   れた際に裏蓋をカメラボデイ側に押しつけるバネ
   板がこのグリツプの内側に設けられ、このグリツ
   プがカメラボデイに係合された際前記バネ板と係
   合してグリツプを係合位置に保持するロツク部材
   がカメラボデイの外側に設けられ、このロツク部
   材の上記保持を解放する操作部材が前記グリツプ
   の近傍に設けられていることを特徴とする防水カ
   メラの裏蓋開閉装置。