JPS6113750B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は感光性印刷版上に形成された画像の不
要部分を除去する平版印刷版用画像消去剤に関す
る。特に平版印刷版上の不要画像を除去し該版面
を親水性とする画像消去剤に関する。

感光性平版印刷版の製版工程において露光、現
像による画像形成に次いで不要画像を除去する所
謂消去作業を行うことは周知である。特にポジ型
平版印刷版においてはフイルム原版のエツジ跡、
ゴミ等の異物による不要画像が発生し易く消去作
業は不可欠である。

平版印刷版の消去作業においては不要画像の除
去と同時に画像が除かれた支持体の表面を親水性
とし印刷時にインキを受容しない様にしなければ
ならない。それ故有効な消去方法として知られる
ものは僅かである。公知な方法としては例えば、
石棒で物理的に不要画像を削り落す方法あるいは
強アルカリ液で画像及び支持体を腐食して除去す
る方法又は特公昭41−4937号又は特公昭46−
16047号公報に記載されているような画像を溶解
し得る有機溶剤と弗化水素酸等の酸性物質を含有
する溶液によつて不要画像を溶解すると同時に支
持体と腐食し親水性とする方法などが知られてい
る。これ等の方法は有効ではあるがいくつかの欠
点を有しているため必ずしも満足すべき方法では
ない。例えば石棒で物理的に画像を削り落すこと
は小さな画像面積の場合には容易であるが大きな
面積を消去することは極めて困難である。また画
像を削り落すことによつて版面の砂目、親水層等
を破壊する結果となりそれが逆に印刷時の汚れを
生ずる原因となることもある。又強アルカリ剤あ
るいは弗化水素酸等の薬液による処理では広い面
積を消去することが可能であるが逆に微細な部分
に対しては薬液の滲み等により必要画像をそこな
うことがある。また人体、皮フ等に付着し極めて
危険であり取扱いに細心の注意を要する。さらに
消去後の排水は水質汚濁の源となり公害防止上大
きな問題となる。

本発明の目的は上述した既成の画像消去法の欠
点を改善し完全な不要画像の消去を可能とし且つ
取扱いが完全で公害の点からも全く害を及ぼさな
い改良された平版印刷版用画像消去剤を提供しよ
うとするものである。

本発明者等は鋭意研究を行つた結果下記組成の
平版印刷版用画像消去剤を用いることによりこれ
らの目的を達成することができることが見出され
た。

ａ 有機溶剤 50〜90重量％ ｂ 界面活性剤 ３〜20重量％ ｃ アラビアガム 0.3〜５重量％ ｄ リン酸 0.5〜15重量％ 本発明で用いられる有機溶剤としては本消去剤
が適用される感光層を溶解又は膨潤させるもので
ケトン類例えばアセトン、メチルエチルケトン、
メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、
シクロヘキサノン等、エーテル類例えばメチルグ
リコールエチルグリコール、ブチルグリコール
等、エステル類例えばメチルグリコールアセテー
ト、エチルグリコールアセテート等、芳香族炭化
水素例えばベンゼン、トルエン、キシレン等、ア
ルコール類例えばプロピルアルコール、ブチルア
ルコール、ベンジルアルコール、エチレングリコ
ール等、又はジメチルホルムアミド、ブチロラク
トン等の有機溶剤が単独あるいは混合して用いら
れる。これらの有機溶剤のうち、ジメチルホルム
アミド、シクロヘキサノン、キシレン、エチルグ
リコールアセテート等が好ましい。有機溶剤は画
像消去剤全量の50〜90重量％の範囲内で用いら
れ、又更に60〜80重量％の範囲内で用いられるこ
とが好ましい。

本発明で用いられる界面活性剤としては公知の
アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、ノニ
オン界面活性剤、両性界面活性剤のうちから使用
する有機溶媒に溶解あるいは分散するものを適宜
選択して使用するとができる。特に好適なものは
ノニオン界面活性剤で例えばポリオキシエチレン
アルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキル
アリルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエ
ステル、ポリオキシエチレンソルビタンアルキル
エステル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピ
レン共重合体等が掲げられる。界面活性剤の含有
量は画像消去剤全量の３〜20重量％であり更に好
ましくは５〜15重量％である。

本発明の画像消去剤にはこれらの有機溶剤及び
界面活性剤による洗い残しをなくすためアラビア
ガムとリン酸が用いられる。

本発明で用いられるアラビアガムは10〜40重量
％の水溶液とした後他の成分と混合することが好
ましい。アラビアガム成分としては画像消去剤全
量の0.3〜５重量％が用いられ更に好ましくは１
〜３重量％の範囲で用いられる。

本発明の画像消去剤にはリン酸が画像消去剤全
量の0.5〜15重量％の範囲で用いられ更に好まし
くは２〜10重量％で用いられる。

本発明の画像消去剤には上述した成分の他に少
量の染料（例えばクリスタルバイオレツト、サフ
ラニン、ブリリアントブルー、マトカイトグリー
ン等）又は粘稠剤（例えば珪酸微粉末、メトキシ
セルローズ、メトキシプロポキシセルローズ等）
等を加えることが好ましい。

本発明の画像消去剤は、上述の諸成分を混合す
ることによつて容易に得られる。得られた消去剤
は筆などにふくませて画像の除去が必要な個所に
途布した後水洗することによつて容易にその目的
を達成することができる。

このようにして得られた平版印刷版をその後放
置する場合にはガム引きを行うことが必要であ
る。又この画像消去剤はネガ型、ポジ型の平版印
刷版のいずれにも用いることが出来るがそれらの
うちポジ型の平版印刷版に用いた場合に好ましい
結果が得られることが判明した。

このようにして本発明の消去剤を用い平版印刷
版の不要の画像を安全確実に消去することができ
た。すなわち人体に対する刺激毒性等の危険がな
く、また消去された画像が印刷中に再度汚れる等
の問題も全く解消された。更に消去作業による排
水は弗素イオン除去等の特別の処理を行う必要も
なく公害対策上極めて有利となつた。

以下実施例をもつて本発明を説明する。

実施例 １ ジメチルホルムアミド46重量部とシクロヘキサ
ノン24重量部にメトキシセルローズ２重量部を溶
解した後、ノニオン界面活性剤（ポリオキシエチ
レン−ポリオキシプロピレン共重合体、旭電化(株)
製商品名プロロニツクP85）13重量部を加えた。
これに30％アラビアガム水溶液７重量部を加えよ
く混合した。次に85％リン酸を５重量部と着色染
料（サフラニン）0.01重量部を加えた後珪酸微粉
末３重量部を分散し粘稠な平版印刷版用画像消去
剤を得た。

次に特公昭51−33444号の実施例１に記載され
た方法によつて得られるポジ型感光性平版印刷版
を準備した。

すなわち砂目立て及び陽極酸化されたアルミニ
ウム板上にジアゾオキサイド樹脂とフエノール樹
脂の混合物を感光層として塗設することによりポ
ジ型の感光性平版印刷版が準備された。次に網ポ
ジフイルムを通して画像露光した後アルカリ現像
液で現像することによつて印刷版上に画像が形成
された。この画像の一部に上述の消去液を毛筆で
適当量塗布し２分間放置した。その後流水で塗布
された消去液を洗い流し、水切り後ガム引きを行
つた。この印刷版を用い５万枚の印刷を行なつた
が、画像消去液が塗布された画像部分は全く印刷
インキを受け付けず画像の消去が良好に行われて
いることが確認された。

実施例 ２ ジメチルホルムアミド60重量部とキシレン５重
量部にノニオン界面活性剤（商品明プロロニツク
P85）15重量部を加えた後30％アラビアガム水溶
液５重量部、85％リン酸５重量部を加えて撹拌混
合した。この混合液を用い実施例１と同様に画像
の消去を行つたところ良好な消去性能を有してい
ることが確認された。

実施例 ３ シクロヘキサノン65重量部にアニオン界面活性
剤（コハク酸エステルナトリウム塩アメリカンシ
アナミド社製商品名エアロゾルOT）15重量部を
加えたものに30％アラビアガム水容液10重量部、
85％リン酸10重量部を加えて撹拌混合した。この
混合液を用い実施例１と同様に画像の消去を行つ
たところ良好な消去性能を有することが確認され
た。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 感光性平版印刷版上に形成された画像の消去
   剤として ａ 有機溶剤 50〜90重量％ ｂ 界面活性剤 ３〜20重量％ ｃ アラビアガム 0.3〜５重量％ ｄ リン酸 0.5〜15重量％ を含有することを特徴とする平版印刷版用画像消
   去剤。