JPS61135068A - 溶融炭酸塩燃料電池とその製造方法 - Google Patents

溶融炭酸塩燃料電池とその製造方法

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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は熔融炭酸塩燃料電池、一層詳細には、このよう
な燃料電池に使用するための電解質に係る。
背景技術 溶融炭酸塩燃料電池は、室温では固体であるが、一般的
に500℃と700℃との間の範囲の作動温度では液体
又は熔融状態である電解質を使用する。これらの電解質
は二成分アルカリ金属炭酸塩、例えば二成分炭酸リチウ
ム−炭酸カリウム(Li 2CO3−に2CO3)組成
を含んでいる。
一つの組成の例は本質的に62モル%(m%)Li2c
O3−38モル%(m%)K2CO3から成る一般に使
用されている共融組成である。
たいていの用途では複数個の燃料電池が燃料電池スタッ
クを形成するように積み重ねられている。燃料電池はス
タックの電力出力を増大し且つスタックの出力電圧を量
大化するべく直列に接続されている。スタックを形成す
る結果として、スタックの一端から他端へスタックに沿
って電圧勾配が存在する。この電圧勾配はスタックの負
の端に向かうリチウムイオン及びカリウムイオンの泳動
とスタックの正の端に向かう炭酸塩イオンの泳動とを惹
起し得る。共融組成のなかのリチウムイオンとカリウム
イオンとの間の移動度の相違のため、リチウムイオン及
びカリウムイオンはスタックに沿って異なる速度で移動
する傾向があり、従ってリチウムイオンとカリウムイオ
ンとの間のモル比がスタックの長さに沿って変化する。
もしモル比の変化が大きければ、いくつかの電池のなか
の電解質はスタック内の他の電池のなかの電解質の性質
から著しく異なる性質を存し得る。
一つの電池のなかの電解質は定常的作rI11中の電池
の性能に対して有害な反応物溶解度、イオン伝導性、融
点及び他の性質を存し得る。加えて、融点の変化は温度
を下げられた決悪でのスタックの作動中及びスタック機
能停止のような非定常的作動中に有害な影響を生ずる。
従って、リチウムイオン対カリウムイオンのモル比の大
きな変化を避けるべく且つ電池スタックに沿ってモル比
を均等に保つべく、リチウムイオン及びカリウムイオン
の移動度がほぼ等しい電解質を開発することが重要であ
る。
発明の開示 本発明によれば、熔融炭酸塩燃料電池に使用するための
電解質組成は本質的に約72m%のLi2co3及び2
8m%のに2C○3がら成っており、作動条件下で燃料
電池スタック内の電圧勾配に沿って均等なリチウム対カ
リウムモル比を呈する。
本発明の一つの実施例によれば、熔融炭酸塩燃料電池に
使用するための電解質組成は本質的に70〜74m%の
L i2 CO3及び27〜30m%のに2CO3から
成っており、作動条件下で燃料電池スタック内の電圧勾
配に沿って均等なリチウム対カリウムモル比を呈する。
本発明によれば、熔融炭酸塩燃料電池の電解質組成を確
立するための方法は、燃料電池の作動中に安定な化合物
を形成するべく反応し且つ定常状態への到達以前に二成
分電解質のモル比を変化させるであろうリチウムの第一
の量を決定する過程と、本質的に(1)第一の量のリチ
ウムを含む量のl、12cO3と(2)第二の量の70
〜73 m%l、12cO3及び27〜30m%K 2
 Co 3との混合物から成る2000時間にわたる作
動の後に熔融炭酸塩電解質が本質的に70〜73m%L
i2c03及び27〜30m%K 2 Co 3がら成
る熔融炭酸塩を燃料電池のなかに配置する過程とを含ん
でいる。
本発明によれば、互いに隣接して配置されており、各々
隣接する電池とイオン連通している複数個の電池を有す
る燃料電池を作動させるための方法は、(1)各燃料電
池の正極(cathode elecLrode)と負
極(anode electrode)との間に電荷を
通すべく本質的に70〜73m%Li2cO3及び27
〜30m%K2CO3から成っており電池の構造の結果
として存在する不可避の通路を通して隣接電池の電解質
とイオン連通している電解質を使用する過程と、(2)
電池の作動中に電池を横切って電圧勾配を与える過程と
、(3)燃料電池スタックの長さに沿って均等なリチウ
ム対カリウムのモル比で燃料電池スタックを作動させる
過程とを含んでいる。
本発明の第一の利点は、スタックの長さに沿って均等な
組成の電解質で作動しており且つ共融組成のリチウム含
有量よりも大きいリチウム含有量を有する電解質で作動
している電池を有する燃料電池スタックの性能が優れて
いることである。
本発明の他の利点は、燃料電池スタックの長さに沿って
均等なモル比を保つことにより電池の性能に影響する電
解質の性質の大きな変化を避けることの結果としての性
能の安定性(すなわち時間に関しての電圧−電流特性の
安定性)である。
本発明の前記及び他の目的、特徴及び利点は以下にその
好ましい実施例を図面により詳細に説明するなかで一層
明らかになろう。
発明を実施するための最良の形態 第1図には、本発明の例である燃料電池発電プラント1
0が示されている。この発電プラントは燃料電池スタッ
ク12を含んでいる。この燃料電池スタックは長手方向
に延びている面14a及び14bの第一の対と長手方向
に延びている面16a及び16bの第二の対とををする
反応ガスマニホルドL8a及びL8bの第一の対が、長
手方向に延びている面14a及び14bの第一の対を覆
っている。マニホルド18aは燃料入口マニホルドであ
り、またマニホルドI8bは燃料出口マニホルドである
。マニホルド22a及び22bの第二の対が、長手方向
に延びている面16a及び16bの第二の対を這ってい
る。マニホルド22aは酸化付人ロマニホルドであり、
またマニホルド22bは酸化打出ロマニホルドである。
ここに示されている実施例では、燃料電池は水素であり
、また酸化材は二酸化炭素が追加されている空気中に含
まれている酸素である。
各マニホルドはその周縁の回りに延びているフランジ2
4を有する。ジルコニア(酸化ジルコニウム)布から成
るガスケットのようなシール26がフランジと燃料電池
スタックの組合わされている長手方向に延びている面と
の間に配置されている。複数個のバンド28がマニホル
ドの回りに周縁方向に延びており、マニホルドの内部か
らの反応ガスの逃げを阻止するべくマニホルドをシール
に密に押付けている。
各燃料電池スタック12は複数個の繰り返し燃料電池ユ
ニット32を含んでいる。燃料電池ユニットは互いに隣
接して配置され且つ燃料電池スタックを形成するべく上
下に積み重ねられている。
燃料電池スタックは第一の端34、第二の端36及び端
の間を延びている長手方向寸法りを存する。第一の端に
配置されている第一の端@38及び第二の端に配置され
ている第二の端板(図示せず)は、燃料電池ユニットに
長手方向又は軸線方向に向けられた荷重をかけるべく圧
縮手段(図示せず)により互いに押付けてられている。
スタックは数個の電池しか含んでいfi <てもよいし
、数百間の電池を含んでいてもよい。各電池は、システ
ムの用途に関係して、1m2あたり数am 2に過ぎな
い活性(触媒化)表面を有していてよい。本発明は比較
的多数の燃料電池を含んでいるスタックと共に使用する
のに特に通している。
しかし、本発明は、任意の特定のサイズのいくつかの燃
料電池を有する燃料電池スタックにも応用され得る。
各燃料電池ユニット32は燃料電池40及びセパレータ
板42を含んでいる。セパレータ板は平らであり、また
反応ガスと電池内に使用されている電解質との双方に対
して実質的に非多孔性である。セパレータ板は1.3m
mよりも厚くないことが好ましく、0.76ないLi.
02mmであることが最も好ましく、またシート金属か
ら形成されていてよい。
各燃料電池40は薄いシート状の負極44及び薄いシー
ト状の正極46を含んでいる。。電解質を含むマトリッ
クス48が負極と正極との間にサントイフチ状に挟まれ
ている。1¥i解質マトリツクスは、本質的に70〜7
3m%炭酸リチウム(Li2CO3)及び27〜30m
%炭酸カリウム(K2CO3)から成っている電解質を
内部に配置されているアルミン酸リチウム(LiA10
2)マトリックスから形成されていてよい。電解質マト
リックスは、本願の穣受入と同一の嬢受入に譲渡された
“溶融炭酸塩燃料電池用の電解質マトリックス”という
名称の米国特許第4,322,482号明細書に記載さ
れている形式のものであってよく、その内容を参照によ
りここに組み入れたものとする。湿り毛管シールが、燃
料電池からの反応ガスの逃げを阻止するべく燃料電池の
周縁の回りに延びている。このような毛管シールの例は
、本願の壌受入と同一の壌受入に譲渡された ガスシー
ルを有する液体電解質燃料電池”という名称の米国特許
第3.855,002号明細書に記載されており、その
内容を参照によりここに組み入れたものとする。
負極44は電解質マトリックス48に比較して厚く、ま
た電解質と両立性を有する材料から成る多孔性の構造で
ある。このような材料の例は多孔性ニッケルである。負
極は約2.23 龍の厚みを有し、電解質を含むマトリ
ックス48と面する第一の平らな面54ををする約0.
64 鶴の触媒層を含んでいる。各負極は、隣接セパレ
ータ板42と係合するべく負極と適合する第二の平らな
面56を有する。第二の平らな面内の複数個の平行な通
路58が長手方向に延びている燃料入口面14aに対し
て垂直に延びている。通路58はセパレータ板42によ
り境されており、また燃料入ロルニホルド18aの内部
と燃料出ロルニホルド18bの内部との間を延びている
燃料通路を形成する。
各正極は電解質マトリックス48と係合する第一の平ら
な面60を有する。また正極は、隣接セパレータ板42
と係合するべく正極と適合する第二の平らな面62を有
する6第二の平らな面62内の複数個の平行な通路64
はセパレータ板により境されている。これらの通路は酸
化材ガスの流路を形成するべく酸化付入口面16aに対
して垂直に延びている。代替的に、正極に隣接して配置
された多孔性媒体が、正極に構造的な丈夫さを加えるべ
く複数個の通路を置換し得る。流路は次いで多孔性媒体
を通って延びている。いずれの構造でも流路は酸化打入
ロマニホルドの内部から酸化打出ロマニホルドの内部へ
延びている。第一のコンジット66が、二酸化炭素及び
酸素を含む空気を酸素入口マニホルドに供給するため酸
化材人ロマニホルドの内部と連通している。第二のコン
ジフト68が、燃料を燃料入口マニホルドに供給するた
め燃料人口マニホルドの内部と連通している、各々出口
マニホルドの内部と連通している二つの排出コンジット
(図示せず)が排出されたガスを導き去る。電気接続線
72がスタックの一端から他端へ延びており、またスイ
ッチ74及び負荷76と直列に接続されている。
第2図は、第1図に示されている燃料電池スタックの線
2−2に沿う概要図であり、ジルコニア・ガスケット2
6、マニホルド22a及び燃料電池ユニット32の間の
関係を示している。各電解質マトリックス48はジルコ
ニア・ガスケットとイオン連通している。
燃料電池スタックは二つの端領域78.80内に配置さ
れた燃料電池ユニットと、中央領域82内に配置された
燃料電池ユニットと、中央領域と端領域との間に延びて
いる二つの中間領域84.86内に配置された燃料電池
ユニットとを存する。各端領域は燃料電池スタックの長
さしの10%(0,LL)を含んでおり、各中間領域は
長さしの20%(0,2L)を含んでおり、また中央領
域は長さしの40%(0,4L)を含んでいる。
燃料電池発電プラントの始動の間、高温ガスが熱を燃料
電池スタックに供給するべくコンジy h66を通して
流される。ガスは燃料電池内の材料と両立可能であり、
またスタックを500°Cないし700℃の範囲の作動
温度に加熱する。
燃料電池スタックが加熱され且つ電解質がその作動温度
に到達するにつれて、炭酸リチウム−炭酸カリウム電解
質のほとんどは解離する。電解質のこの解離された部分
は正に荷電されたリチウムイオン及びカリウムイオンな
らびに負に荷電された炭酸塩イオンを形成する。電解質
がその作動温度に到達した後、水素燃料が通路58を経
て各燃料電池の負極44にコンジット68を通して流さ
れる。酸素及び二酸化炭素は通128’64を経て各燃
料電池の正極44にコンジット66を通して流される。
負極に於て、下式のように水蒸気及び二酸化炭素を形成
し且つ二つの電子を解放するべく、負に荷電された炭酸
塩イオンが水素ガスと結合する。
H2+CO3’−−H20+CO2+2e−正極に於て
は、空気からの酸素が下式のように炭酸塩イオンを形成
するべく、二酸化炭素及び二つの電子と結合する。
Vlo 2 + 2 e−+CO2−−CO3”−これ
らの反応の結果として、各燃料電池内の正イオンの超過
が負極の付近に生じ、また負イオンの超過が正極の付近
に生ずる。これらのイオンは正極から負極への炭酸塩イ
オンの泳動を生じさせる。スイッチ74の閉路は、正極
に必要な電子を与え且つ負極に於て解放された電子を除
くべく、電流が外部回路に流れることを許す。電池の負
極及び正極の向きのために、スタックの端34は負であ
り、またスタックの端36は正である。このことはスタ
ックの一端から他端への電圧勾配に反映される。
マトリックス4日内の電解質は液体状であり、また湿り
毛管シールを形成するべくマトリックスの縁領域内へ延
びている。湿り毛管シールは負極44及び正極46から
垂直面14a、14b、16a及び16bを通じて隣接
マニホルド領域内への反応ガスの逃げを阻止する。第2
図に示されているように、ガスケット26はスタックの
面と接触しており、従ってまた各燃料電池ユニットのマ
トリックスと接触している。電解質に作用する毛管力が
リチウムイオン、カリウムイオン及び炭酸塩イオンをガ
スゲット内へ吸引する。スタックに生じている電圧勾配
はこれらのリチウムイオン及びカリウムイオンをスタッ
ク34の負端に向けて移動させ、また炭酸塩イオンをス
タック36の止端に向けて移動させる。これらのリチウ
ムイオン及びカリウムイオンは次いで電池の内部から吸
引された等しいイオンにより置換される。リチウムイオ
ン及びカリウムイオンは共に、リチウムイオン対カリウ
ムイオンのモル比が均等になるように、すなわちスタッ
クのすべての領域内のリチウムイオン対カリウムイオン
の平均モル比がスタックの中央領域82内のリチウムイ
オン対カリウムイオンの平均モル比の15%以内になる
ように移動する。
第3図は20個の燃料電池ユニットから形成された燃料
電池スタックの長さに沿う二種類の電解質組成に対する
リチウムイオン対カリウムイオンのモル比を表すグラフ
である。第一の電解質組成は本質的に72m%l、12
cO3及び28m%K2C03から成る組成を有する電
解質である。曲線Aは、z、ooo時間の作動後のこの
組成に対するリチウム対カリウムのモル比がスタ・ツク
の長さに沿って均等であることを示している。この曲線
かられかるように、端領域78.80に於けるリチウム
対カリウムのモル比は燃料電池スタックの中央領域82
内のモル比の10%以内である。
第二の電解質組成は本質的に62m%1.12co3及
び38m%K2CO3から成る共融電解質である0曲線
Aは、わずか660時間の作動後には、この電解質に対
するリチウム対カリウムのモル比がもはや燃料電池スタ
ックの長さに沿って均等でないことを示している。試験
は燃料電池スタックの性能劣化のために660時間で終
了された。性能劣化は一部は、イオンの移動度がスタッ
クの性能に与える影響に起因するものであった。曲線B
かられかるように、端領域のモル比は中央領域82のモ
ル比から15%以上異なっている。実際、端領域80内
のスタックの止端に於ける燃料電池に対する平均モル比
はスタックの中央領域82に沿うモル比の平均値よりも
20ないし30%高い。スタックの負の端領域78に於
ては、平均モル比はスタックの中央領域に沿う平均モル
比よりも20ないし30%低い。リチウムイオン対カリ
ウムイオンのモル比のこの変化は電解質の性質に著しい
変化を惹起し、また燃料電池スタック内の燃料電池の間
の性能の変化及び燃料電池の性能の経時的な変化を惹起
する0例えば、リチウム対カリウムのモル比の高いレベ
ル及び低いレベルは、燃料電池の電気的出力を低下させ
る部分的な電解質凝固を惹起する。
従って、第3図の曲線Aに示されているように燃料電池
スタックの長さに沿って比較的均等なリチウムイオン対
カリウムイオンのモル比を有することが望ましい。この
比較的均等なモル比が得られる理由は完全には理解され
ていないけれども、下記のように考えられる。72%以
上の電解質内の炭酸リチウムの量の増大(及び28%以
下の電解質内の炭酸カリウムの量の減少)はカリウムイ
オンにくらべて電解質内のリチウムイオンの移動度を増
大させる。その結果、リチウムイオンは隣接カリウムイ
オンよりも速く電圧勾配に沿って移動し、リチウムイオ
ン対カリウムイオンのモル比を(中央領域に比較して)
正の端領域80内で減少させ、また負の端領域78内で
増大させる。他方、72%以下の電解質の炭酸リチウム
の減少(及び28%以上の炭酸カリウム含有量の増大)
はカリウムイオンの移動度をリチウムイオンの移動度を
大きくする。その結果、リチウムイオン対カリウムイオ
ンのモル比は(中央領域82に比較して)正の端領域8
0内では増大し、また負の端領域78内では減少する。
70ないし73m%Li2CO3及び27ないし31m
%K2CO3の狭い範囲内の組成を有する電解質に対し
ては、イオンの移動度はほぼ等しく、またリチウムイオ
ン対カリウムイオンの均等なモル比が燃料電池スタック
の全長に沿って示される。
本質的にほぼ72m%Li2CO3及び28m%K 2
 Co 3から成る電解質組成、すなわち72m%より
も少し上(例えば74m%)又は少し下(例えば69m
%)のLi2cO3を含をする組成はモル比にほぼ同一
の均等性を示し、もし他の作動特性がイオンモル比の均
等性よりも重要であるならば望ましいであろう。実際、
場合によっては、このような組成が燃料電池スタックの
長さに沿って均等なモル比を示し得る。しかし、もし電
解質がほぼ72m%l、12cO3及び28m%K2c
o3ではなく、69〜74m%l、12cO3及び26
〜31m%K2GO,の範囲外にあれば、移動度の変化
率は鋭く増大する。
この仮定は第4図、第5図及び第6図に示されている実
験データに基づいている。このデータは、二つのアルミ
ナブロックの間に保持されたlOlの長さの試験リグを
使用して得られた。二つの通常の燃料電池正極がガスケ
ットの二つの端に於けるノフ千のなかに置かれた。成る
量の電解質が、スタック作動中に経験されるガスケット
飽和の度合を整えるべくガスケットに加えられた。リグ
は650℃に加熱され、電解質平衡に到達するまでの時
間にわたりこの温度に保たれた。電位差が二つの電極の
間に与えられ、またリグが電流が時間的に一定になるま
でモニタされた。電流が一定値に到達した後、リグが電
解質を冷凍するためにまだ与えられている電圧により冷
却された。試験後の解析が、ガスケットに沿っての電解
質含有量及び組成の変化及び電極内の電解質含有量及び
組成の変化を決定するべく行われた。この解析は、ガス
ケットを全領域にわたりI C1mの長さに(第6図)
、また中央及び中間領域にわたり10の長さに(第4図
及び第5図)端領域よりも短い長さに切断し、電解質内
のモル比を決定するべくガスケットの各長さを解析する
ことにより行われた。
第4図に示されているように、本質的に62m%l、1
2cO3及び38m%K2CO3から成る電解質組成は
、シミュレートされたスタックのガ′スケットの長さに
沿ってリチウムイオン対カリウムイオンのモル比に大き
な変化を示した。端領域78内の電解質のモル比ば中央
領域82内のモル比に対して少な(とも40%の減少を
示した。電解質全体は底の電池から頂の電池までほぼ1
50%の変化を示した。モル比が底から頂へ減少するた
め、またカリウムイオン及びリチウムイオンが燃料電池
スタックの頂へ向かって移動するため、カリウムイオン
はリチウムイオンよりも大きな移動度を有していなけれ
ばならない。
第5図には、本質的に75m%Li2CO3及び25m
%K2CO3から成る電解質ををするシミュレートされ
たスタックのガスケットの長さに沿うモル比の変化が示
されている。第5図の曲線は、シミュレートされたスタ
ックの負の端に於て。
リチウムイオン対カリウムイオンのモル比が増大するた
めに、この組成内のリチウムイオンの移動度がカリウム
イオンの移動度よりも大きいことを示している。実際、
シミュレートされたスタックの端領域78は中央領域8
2のモル比に比較して少なくとも25%のリチウムイオ
ン対カリウムイオンのモル比の増大を示している。
第6図には、本質的に71m%Li2CO3及び29m
%K2GO,から成る電解質を有するシミュレートされ
たスタックのガスケットの長さに沿うモル比の変化が示
されている。リチウムイオン対カリウムイオンのモル比
はシミュレートされたスタックの長さに沿って次第に減
少しており、またシミュレートされたスタックの中央領
域の平均モル比の15%以内である。このことは、この
組成内のカリウムイオンがリチウムイオンよりも少し大
きな移動度を存することを示唆する。それにもかかわら
ず、均等なモル比がスタックの長さに沿つて存在する。
燃料電池に最初に与えられた電解質組成は、もし活性リ
チウムイオンが安定なリチウム化合物を形成するべく燃
料電池の組成と反応するならば、定常的な組成が到達さ
れる以前の初期作動時間中に急速に変化する。このよう
な反応が生起する電池内では、定常状態組成は一般に2
,000時間の作動以前に到達され、またそのリチウム
含有量をこれらの反応を通じて次の20,000時間の
作動にわたり5%以下だけ変化する。従って、予め選定
された組成ををする電解質を供給されるべき各燃料電池
はLi2C○3の形態で追加的な量のリチウムをも供給
される。追加的な量のLi2co3は初期作動時間の間
に燃料電池内の組成と結合するリチウムの量を補償する
0例えば、第3図の曲線Aに示された電解質は、初期組
成が本質的に78m%r、r2co、及び22m%K2
C03から成るように追加的な量のl、 i 2 CO
3を含有した。
Li2CO3の追加的な量を決定するための一つの経験
的な方法は、予め選定された電解質の炭酸リチウム対炭
酸カリウムのモル比よりも大きい初期のモル比を有する
電解質でスタックの電池を満たすことを含んでいる。モ
ル比の初期tV定は電池の寸法及びリチウム消費組成の
存在に基づいている。次の過程は、定常状態条件に到達
するまでの時間(通常は2.000時間以内)にわたり
スタックを作動させることである。次いで、スタックの
冷却を許し且つ電池から電解質を除いた後、例えば電解
質マトリックスを希薄な酢酸溶液で洗浄することにより
、安定な化合物を形成するべく反応したリチウムイオン
の量が決定される。作動中に安定な化合物を形成するこ
とにより失われたリチウムイオンの量を決定した後、安
定な化合物を形成するリチウムを補償する追加的な量の
リチウムを含有する新たな電解質組成が形成される。
新たな電解質組成が同−設計の燃料電池を満たすのに使
用される。上記の過程が、実際の定常状態組成が予め選
定された定常状態組成と等しくなるまで繰り返される。
こうして、初期電解質組成を確立するための方法は、燃
料電池の作動中に安定な化合物を形成するべく反応する
リチウムの第一の量を決定する過程と、次いで、2,0
00時間にわたる燃料電池の作動後に溶融炭酸塩電解質
が本質的に70〜73m%l、12cO3及び27〜3
0m%K2CO3から成るように、本質的に(1)第一
の量のリチウムを含をする澄のLi2CO3と(2)予
め選定された混合物(すなわち典型的に7’0〜73m
%Li2CO3及び27〜30m%K2CO3)とから
成る熔融炭酸塩電解質を各燃料電池内に配置する過程と
を含んでいる。
この定常状態組成は共融組成に比較してリチウムに冨ん
でおり、また試験の際に他の利点が得られることを示し
た。
一つの利点は、それにより得られる燃料電池の性能であ
る。第7図は1気圧に於ける電池温度の関数として、1
60A/f t 2(172mA/cm2)で作動する
燃料電池に対する燃料電池電圧を示すグラフである。電
池は、51.0%H2,9゜6%Co、10.6%co
2及び28.8%H20の入口組成を有しH2及びCO
の利用率が81%である燃料を使用した。電池は、11
.7%o2、l7.1%co2.64.1%N2及び7
゜1%H20(7)入口組成を有しCO2の利用率が3
0%である酸化材を使用した。72m%Li2CO3及
び28m%K2CO3のリチウム含有量が一層高い電解
質組成を使用する燃料電池の性能は、本質的に62m%
Li2CO3及び38m%K2CO3から成る共融電解
質を使用する燃料電池の性能よりも良好である。加えて
、電池温度が低下するにつれて、共融電解質を使用する
燃料電池に比較してリチウムに富む電解質を使用する燃
料電池の性能上の利点は大きくなる。同一の電圧を発生
する燃料電池に対して、リチウムに富む電解質を使用す
る燃料電池は共融電解質を使用する燃料電池よりも低い
温度で作動する。電解質の腐食性は温度と共に増大し、
そして増大した腐食性は電池の寿命を短縮するので、一
層低い温度で作動することは電池の寿命を延長する。同
一の作動温度に於て、リチウムに冨む電解質の腐食性は
共融電解質の腐食性よりも悪くない、実際、予備試験の
結果は、正極からのNIOの喪失は共融電解質の場合の
喪失よりも小さい。
以上に於ては本発明を特定の好ましい実施例について説
明してきたが、本発明はこれらの実施例に限定されるも
のではな(、本発明の範囲内にて種々の実施例が可能で
あることは当業者にとって明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の燃料電池システムを一部切り欠いて、
また図面を見易くするため一部の寸法は誇張して示す簡
単化された斜視図である。 第2図は第1図の燃料電池スタックを線2−2に沿ワて
見た概要図である。 第3図は20個の燃料電池ユニットを有する燃料電池ス
タックの長さに沿う電池位置の関数として二種類の炭酸
リチウム−炭酸カリウム電解質組成のリチウム対カリウ
ムのモル比を示すグラフである。 第4図は二成分共融炭酸リチウム−炭酸カリウム電解質
(62m%Li2COx及び38m%K2 C,03)
に対するシミュレートされたスタックの長さに沿う位置
の関数としてリチウム対カリウムのモル比の変化を示す
グラフである。 第5図は本質的に75m%1t2cO3及び25m%K
2CO3から成る二成分の電解質組成に対するシミュレ
ートされたスタックの長さに沿う位置の関数としてリチ
ウム対カリウムのモル比の変化を示すグラフである。 第6図は本質的に71m%l、12cO3及び29m%
K2CO3から成る二成分の電解質組成に対するシミュ
レートされたスタックの長さに沿う位置の関数としてリ
チウム対カリウムのモル比の変化を示すグラフである。 第7図は1気圧に於て共融電解質組成で作動する燃料電
池と1気圧に於てリチウム含有量の高Li同一の燃料電
池とについて電池電圧を電池温度の関数として示すグラ
フである。 lO・・・燃料電池発電プラント、12・・・燃料電池
スタック、18a・・・燃料入口マニホルド、18b・
・・燃料出口マニホルド、22a・・・酸化打入ロマニ
ホルド、22b・・・酸化打出ロマニホルド、24・・
・フランジ、26・・・シール(ガスケット)、28・
・・バンド、32・・・燃料電池ユニット、42・・・
セパレータ板、44・・・負極、46・・・正掘、48
・・・電解質マトリックス、58・・・通路、60.6
2・・・平らな面、64・・・通路、66.68・・・
コンジフト、72・・・電気接続線、74・・・スイッ
チ、76・・・負荷、78.80・・・端領域、82・
・・中央領域、84.86・・・中間領域 特許出願人  ユナイテッド・チクノロシーズ・コーポ
レイシゴン

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)電解質マトリックスを有し、燃料電池の作動中に
    熔融している二成分アルカリ金属炭酸塩と、電解質マト
    リックスと接触している負極と、電解質マトリックスと
    接触している正極とを含んでいる溶融炭酸塩燃料電池に
    於て、電解質として本質的に70〜73m%Li_2C
    O_3及び27〜30m%K_2CO_3から成る電解
    質を使用していることを特徴とする燃料電池。
  2. (2)イオン連通しており且つ電圧勾配の存在下にある
    互いに隣接して配置された複数個の燃料電池を有する燃
    料電池スタック内に使用するための本質的に炭酸リチウ
    ム及び炭酸カリウムから成る溶融炭酸塩電解質に於て、
    電解質が燃料電池スタックの長さに沿って作動条件のも
    とに均等なリチウム対カリウムのモル比を示し、また本
    質的に70〜73m%炭酸リチウム及び27〜30m%
    炭酸カリウムから成っていることを特徴とする溶融炭酸
    塩電解質。
  3. (3)二成分Li_2CO_3−K_2CO_3電解質
    を使用する溶融炭酸塩燃料電池の定常状態に於ける電解
    質組成を確立するための方法に於て、 燃料電池の作動中に安定な化合物を形成するべく反応し
    且つ定常状態への到達以前に二成分電解質のモル比を変
    化させるであろうリチウムの第一の量を決定する過程と
    、 2000時間にわたる作動の後に溶融炭酸塩電解質が本
    質的に70〜73m%Li_2CO_3及び27〜30
    m%K_2CO_3から成るように、本質的に(i)第
    一の量のリチウムを含む量のLi_2CO_3と(ii
    )第二の量の70〜73m%Li_2CO_3及び27
    〜30m%K_2CO_3との混合物から成る溶融炭酸
    塩を燃料電池のなかに配置する過程と を含んでいることを特徴とする方法。
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