JPS6113424B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の利用分野〕 本発明は画像の量子化方式、更に詳しく言えば
フアクシミリ等の走査で得られたアナログ画像信
号をしきい値と比較して量子化信号に変換する量
子化方式に関するものである。

〔発明の背景〕

フアクシミリなどにおいて、たとえば白地に黒
く書かれた文しを電気信号に変換する場合には、
まず走査を行ない、これを０、１の２値に変換す
る場合が多い。このとき第１図ａに示すように輪
郭部を走査すると、走査出力としては白と黒の中
間の値が得られ、これを０、１の２値に量子化す
ると、微妙な濃淡の差や雑音などにより０、また
は１に量子化される。その結果、第１図ｂに示す
ように水平方向ならびに垂直方向の輪郭にギザギ
ザが発生する（ただし、垂直方向のギザギザは走
査出力を標本化する場合に顕著に発生する）。

これを解決するため、ある標本値のまわりの標
本値をみて、値が最も近いものが０と量子化され
ているか、により量子化の値を判定する方式が提
案されている（昭50信学全大No.1004、２値画像
の２値量子化の一方式）。

〔発明の目的〕

本発明は、このように最も近い値をみるのでは
なく、簡易な手段によつて、量子化された信号か
ら再生される画像の輪郭部におけるギザギザ（凹
凸）を減少する手段を実現することである。

〔発明の概要〕

本発明は上記目的を達成するため、走査して得
られたアナログ画像信号をしきい値回路に加えて
量子化信号に変換する量子化回路において、上記
しきい値回路の入出力特性が過去の量子化信号に
よつて、しきい値が量子の量子化信号と同一量子
化を行う方向（極性）に変る、すなわち履歴特性
を持つように、上記しきい値回路の出力のうち少
なくとも１標本前の量子化信号に対応する信号を
上記しきい値回路の入力部に帰還するようにした
ものである。

〔発明の実施例〕

以下、本発明を図面を用いて詳細に説明する。

第１図は説明を容易にするために、原画像ａ量
子化された信号を再生した画像（従来技術によ
る）ｃ、および２本の走査信号の標本点の位置を
示す。同図ａに示すように走査線を平行ならびに
垂直な輪郭部分（斜線部）を持つ画像は従来の回
路ではｂ図に示すようにギザギザになる場合があ
ることは前に説明した通りである。

第２図は本発明による画像量子化方式を実現す
る一実施例の構成を示す図である。

入力端子１から、今量子化しようとする第１図
ＣのＸで示す位置のアナログ標本信号が加えられ
る。このアナログ画像信号は、後述の信号Ｃおよ
びＡと共に抵抗Ｒ１，Ｒ２，Ｒ３を介して加算さ
れ比較回路に加えられ、出力端子２から量子化
（２値化）された信号として出力される。比較回
路の出力の一部は１標本化周期の遅延を行なう遅
延素子３を介してしきい値回路（上記比較回路７
と抵抗Ｒ１，Ｒ２，Ｒ３を含む回路）の入力部に
信号Ａとして帰還される。又他の一部は１水平走
査周期の遅延を行う遅延素子４を介して上記しき
い値回路の入力部に信号Ｃとして帰還される。信
号ＡおよびＣは第１図Ｃの画像位置、すなわち、
画像Ｘのすぐ上（１走査線前）のＣに対応する。

この結果、入力端子１と出力端子２の間の特
性、すなわち、しきい値回路の入出力特性は第３
図に示す如く過去の量子化信号による履歴特性を
持つ。更に詳しく言えば、過去の量子化信号がＣ
＝０、Ａ＝０（白）であるときはしきい値が高く
なり、信号Ｘを量子化しようとするときＸ＝０と
量子化する可能性が高くなり、又逆にＡ＝１、Ｃ
＝１のときはしきい値は低くなり、Ｘ＝１と量子
化する可能性が高くなる。

この結果、中間的な値をとる信号に対して、た
とえば一たん１と量子化された場合にはその後も
“１”と量子化される場合が多くなり、また一た
ん“０”と量子化されるとその後は“０”と量子
化されることが多くなる。そして、前述した如き
ギザギザが発生することが少なくなり、画質が向
上する。なお、第３図において、点線の部分は量
子化された信号Ａ，Ｃの一方が０で他方が１の場
合を示す。

以上、本発明を一実施例によつて説明したが、
本発明は上記実施例に限定されず、種々の実施能
様によつて実現される。例えば次のような実施形
態がある。

(1) 出力は２値として説明したが、必ずしも２値
に限定される必要はなく、ある複数のレベルに
量子化する場合にも同様に適用できること。

その場合は当然フイードバツクする信号は必
ずしも２値に限らない。

(2) 本発明の実施例における如く２値の場合にお
いてもフイードバツクする信号は必ずしも２値
に限らない。

(3) フイードバツクする信号は必ずしも線型加算
によらず、各種の非線型処理によつてもよい
（例えば抵抗R₂，R₃を異ならせて、Ｃ＝１、Ａ
＝０の場合Ｃ＝０、Ａ＝１の場合のしきい値を
異なるものとする）。

(4) 回路の簡単化のために、垂直方向のギザギザ
の除去はあきらめ水平方向のみのギザギザを除
くため、１水平走査周期の遅延を行う遅延素子
４を除く。

(5) 第２図の実施例では信号Ｘ，Ａ，Ｃを加算し
た信号を比較回路７に加えて、第３図のような
特性を得ているが、負入力端子を正入力端子を
持つ演算増幅器を用いて、正入力端子への信号
Ａ，Ｃを加えたり、入力信号、出力信号の極性
に応じて、種々の回路形式がとり得ることは自
明である。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の方式における問題点を示す説明
図であり、ａは原画像と走査線の関係、ｂはその
量子化の結果を示す。第２図は、本発明の一実施
例における構成図を示す。第３図は第２図の動作
説明図である。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 画像を走査して得られたアナログ画像信号を
   しきい値回路に加えて量子化信号に変換する量子
   化方式において、 上記しきい値回路の入出力特性が過去の量子化
   信号によつて、しきい値が過去の量子化信号と同
   一量子化を行なう方向に変る履歴特性を持つよう
   に上記しきい値回路の出力のうち少なくとも１標
   本前の量子化信号に対応する信号を上記しきい値
   回路の入力部に帰還することを特徴とする画像の
   量子化方式。