JPS6233421Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、階調画像送信のための画像処理装置
に関し、特に画像の性質を硬調若しくは軟調に変
化させる画像処理装置に関する。

階調画像の帯域圧縮の一方式としてDPCMとし
として知られ、第１図に示すように、隣接面素間
の階調差分Saが小さい範囲では細かく対応させ
た変換差分Sbを送出し、階調差分Saが大きい範
囲では粗らく対応させた変換差分Sbを送出する
方式が知られている。

第１図に示す差分変換特性は、３１段階差分
Saを11段階の変換差分Sbに対応させ、且つ絶対
値において階調差分Saよりも変換差分Sbが大き
い場合と小さい場合とをほぼ均等にした特性であ
る。この差分変換特性によれば、差分変換による
総体的誤差が小さく、元の画像信号を比較的忠実
に再現することができる。しかしながら、原画像
の性質によつては硬調に或いは軟調に再現した方
がよい場合がある。例えば、細かい白黒の線から
なる画像を光電変換した場合、画素の細かさが階
調に現われ、なだらかな脈動波として光電変換さ
れる傾向があるため、階調の差を強調するように
即ち硬調に変換することによつて、むしろ原画像
をよりよく再現することになる。また輪郭が不明
瞭な画像においては、硬調に変換することによつ
て原画像よりも見易くなる場合がある。他方、風
景画等においては、階調の差を弱め即ち軟調に再
現した方が見易い傾向がある。

よつて本考案は、複数の差分変換器を備え、こ
れらを切り換えることによつて硬調及び軟調に再
生できるようにしたものである。

第２図は本考案の一実施例を示すブロツク図で
あつて、１１は入力画像信号の階調値Scの系列
と先行画素の再生階調値Sdとの差を取る引算
器、１２〜１５はそれぞれ差分変換器、１６は差
分変換器１２〜１５の変換差分出力Sba〜Sbdの
系列の一つを選択する切換スイツチ、１７は選択
された変換差分Sbと先行画素の再生階調値Sdと
の和との和とを取つて、当該画素の階調値Seを
再生する加算器、１８はその再生階調値Seを後
続画素処理のために記憶する階調メモリである。

第３図〜第６図は、それぞれ差分変換器１２〜
１５の差分変換特性を示すものである。第３図の
特性は、３１段階の階調差分Saを11段階の変換
差分Sbへ変換するものであり、｜Sa｜≦２の範
囲ではSa＝Sb、｜Sa｜＞２では｜Sa｜≦｜Sb｜
となつており、差分の小さい階調差に対しては画
質を変化させず、差分の大きい階調差に対しては
差分を強調するものである。従つて、この差分変
換器１２を選択した場合には、例えばなだらかな
階調変化の画像の中の文字部分を強調でき、文字
の判読性を向上させることができる。また、第４
図〜第６図に示した特性の差分変換器１３〜１５
の一つを選択して、硬調あるいは軟調に変化させ
ることによつて、画像の輪郭等を強調させ、或い
は視覚上柔らかい効果を得ることができる。な
お、１次元前値予測方式を適用した場合について
示したが、２次元予測誤差を変換させることによ
つても同様の効果が生じる。

以上の説明から明らかなように、本考案は簡単
な装置で画像を処理でき、視覚効果等を向上でき
る利点があるので、フアクシミリ、OCRテレビ
ジヨン、写真、映画の特殊効果に利用することが
できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は差分変換特性の一例を示す特性図、第
２図は本考案の一実施例を示すブロツク図、第３
図〜第６図は第２図における差分変換特性を示す
特性図である。 １１……引算器、１２〜１５……差分変換器、
１６……切換スイツチ、１７……加算器、１８…
…階調メモリ、Sa……階調差分、Sb……変換差
分、Sc……階調値、Sd……再生階調値。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 隣接画素における階調差分の系列を非線形特性
   に従つて変換差分の系列に変換する差分変換手段
   を複数個備え、変換差分の複数の系列から一つを
   選択して画像出力として取り出す画像処理装置に
   おいて、複数の前記差分変換手段が全て異なる非
   線形特性を有し、少なくとも一つの前記差分変換
   手段が絶対値において階調差分と同一か若しくは
   階調差分よりも大きい変換差分へ変換するもので
   あり、且つ少なくとも他の一つの前記差分変換手
   段が絶対値において階調差分と同一か若しくは階
   調差分よりも小さい変換差分へ変換するものであ
   ることを特徴とした画像処理装置。