JPS6112981B2 - - Google Patents
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- JPS6112981B2 JPS6112981B2 JP6455181A JP6455181A JPS6112981B2 JP S6112981 B2 JPS6112981 B2 JP S6112981B2 JP 6455181 A JP6455181 A JP 6455181A JP 6455181 A JP6455181 A JP 6455181A JP S6112981 B2 JPS6112981 B2 JP S6112981B2
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Landscapes
- Rigid Pipes And Flexible Pipes (AREA)
Description
本発明は、時効後の常温延性および曲げ加工性
にすぐれた耐熱鋳造合金製異形管に関する。 石油工業におけるリフオーマチユーブやクラツ
キングチユーブは、加熱炉内で通常約500〜1100
℃の温度に曝されるので、高温度域においても高
いクリープ破断強度を有することが必要であり、
このためHK40(0.4%C−25%Cr−20%Ni)や
HP50(0.5%C−25%Cr−35%Ni)、あるいはこ
れらにNbを添加したものなどが用いられてい
る。 しかし、上記従来材は、いずれもC含有量が高
いために、一度加熱炉内で上記温度に加熱される
と、二次炭化物が過剰に析出する結果、常温から
約650℃の温度における延性が著しく劣化する。
この時効による脆化は、特に800〜900℃の温度に
曝された場合に最も短時間かつ顕著に現わされ
る。このため、従来のクラツキングチユーブ等
は、わずかな曲げ、引張変形、あるいは熱衝撃な
どによつて容易に破損するという欠点がある。し
かも、従来前記チユーブは置注ぎ法による鋳造管
であるので、鋳巣のない健全な鋳造管とするには
肉厚を厚くせねばならず、それに伴つて結晶粒の
粗大化、管内外面温度差の増大などにより、時効
後や鍜造後の延性が悪化する結果、上記欠点は一
そう顕著となる。従つて、例えば、新設加熱炉の
稼動開始時、あるいは既設加熱炉での新品チユー
ブとの取替えの場合、スタートアツプ(火入れ)
から数百時間のあいだ、該チユーブの種々の残留
応力(例えば、製管工程における溶接または鋳造
などに由来する残留応力)や配管系におけるなじ
み(熱膨張による寸法安定化)を伴うため、炉の
運転に際し、チユーブにこのような無理がかから
ぬよう細心の注意を必要とする。しかし、かかる
立上りの時期に何らかのトラブルにより運転を緊
急停止するような場合にはチユーブの破損を回避
することは極めて難しい。 また、前記チユーブは異形管として用いられる
ことが多く、例えばエチレン製造用クラツキング
コイルには、リターンベンド(180゜曲り管)や
90゜エルボ(90゜曲り管)が使用されるが、上記
従来材は曲げ加工性に劣るため、高周波曲げ加工
などの熱間加工において管の内外表面に微細割れ
が発生するという問題がある。特に、置注ぎ法に
よる管材は、前記のごとき厚肉に製管されること
に伴う材料特性上の制約により、管径の5倍以上
の曲率半径をもつリターンベンドの製造は極めて
困難であつた。 本発明者等は、上記問題点を解決すべく、Nb
を含む高Ni−高Cr耐熱合金の成分組成について
鋭意研究を重ねた結果、前記従来材では、C、Si
およびNb含有量のバランスが悪いため、結晶粒
界近傍に変形能の小さいNb、Siの偏析帯が生成
して曲げ加工性が悪くなること、および該偏析帯
が高温度域で二次炭化物の析出を加速するため
に、常温延性が著しく悪化するという事実が判明
した。本発明は、この知見にもとづき、C、Siお
よびNb量のバランスを適正化した化学成分組成
を特定することにより、結晶粒界近傍における上
記偏析帯の生成を抑制し、もつて曲げ加工性を高
め、かつ常温延性を改善するとともに、従来の置
注ぎ法に代え、遠心鋳造管とすることにより、苛
酷な曲げ加工においても割れを生ずることなく任
意形状の異形管を得ることに成功した。 すなわち、本発明は、C約0.12〜0.33%(重量
%、以下同じ)、Si約1.2%以下、Mn約1.5%以
下、Cr約23〜25%、Ni約37〜40%、Nb約0.5〜
1.8%、N約0.04〜0.15%、残部実質的に鉄および
不純物からなり、かつCとSiの含有量を相互の関
係において後記第1図に示す一定範囲に特定した
耐熱合金製遠心鋳造管を曲げ加工してなる異形管
を提供する。 本発明の化学成分限定理由は次のとおりであ
る。 Cは、本発明異形管の用途に要求される高温度
でのクリープ破断強度を確保するのに必要であ
る。1000℃以上でのクリープ破断強度を確保する
には少なくとも約0.12%を要するが、約0.33%を
こえると、二次炭化物の過剰の析出により、時効
後の常温延性が低下する。従つて、約0.12%を下
限とし、約0.33%を上限とする。 Siは耐浸炭性を高める効果を有するが、多量に
加えると、時効後の延性を損なうので、約1.2%
を上限とする。 CおよびSi含有量は上記規定に加え、両者の相
互関係において、さらに第1図に示すごとく制限
される。同図は、Nbを含む高Ni−高Cr耐熱合金
について、常温延性の最も顕著な劣化を引起こす
800℃または900℃にて100時間保持する時効後の
常温引張伸び値(%)(破断伸び)とCおよびSi
含有量の関係を示す。図中、「〇」は伸び値10%
以上、「×」は同10%未満を示す。一般に、時効
後の常温延性は、C量が少ないほど高くなると考
えられるが、Nbを含む本発明の高Ni−高Cr系合
金においては図示のように、CとSi量の相互関係
によつて特異な傾向を示し、曲線で画成される領
域aを逸脱すると、常温延性の低下が大きくな
る。これは、前記のとおり、時効の過程で、結晶
粒界近傍において、C、SiおよびNb量のバラン
スがくずれ、Nb、Siの偏析帯が生成し、これが
二次炭化物の析出を著しく加速することによる。
よつて、本発明は、CおよびSi量を領域a内に限
定する。この領域aは、A(0.12,1.01)、B
(0.21,1.18)、C(0.31,0.96)、D(0.33,
0.90)、E(0.33,0)およびF(0.12,0)の各
点を結ぶ直線分で画成される内側の斜線部領域で
ある。CおよびSi量をこのように限定することに
より、結晶粒界近傍でのNb、Siの偏析帯の生成
が抑制され、後記実施例にも示されるように、曲
げ加工性が高められ、かつすぐれた常温延性が与
えられる。 Mnは、溶湯の精錬工程での脱酸剤として有効
であるが、多くなると耐酸化抵抗が低くなるので
約1.5%以下とする。 Crは、耐酸化性の改善のために加えられる。
但し、約23%未満では1000℃以上での耐酸化性が
十分でなく、一方約25%をこえると、時効後の常
温延性が低下するほか、溶接性も悪くなる。従つ
て、約23〜25%とする。 Niは、耐浸炭性、耐酸化性を改善し、またク
リープ破断強度、機械的性質を高める効果を有す
る。但し、約37%に満たないと、耐浸炭性が不十
分である。含有量の増加とともに上記諸性質は向
上するが、約40%をこえて加えても、クリープ、
機械的性質および耐酸化性の改善効果はほぼ飽和
するので不経済である。よつて、約37〜40%とす
る。 Nbは、炭化物、炭窒化物を形成してクリープ
破断強度の改善に寄与するが、約0.5%に満たな
いと、その効果が十分でなく、また前記C量範囲
において時効後の延性を確保することができな
い。但し、約1.8%をこえると、上記化合物の析
出が過剰となるため、却つてクリープ破断強度の
低下を招き、また耐酸化性も悪くなる。従つて、
約0.5〜1.8%とする。 Nは、Cとともに、前記Cr、Nbなどの炭窒化
物を形成しクリープ破断強度を高める。このため
少なくとも約0.04%を要するが、約0.15%をこえ
ると、溶接性の劣化を引起こすので、約0.04〜
0.15%とする。 P、S、その他の不純物は、この種合金に通常
許容される範囲内で存在してかまわない。 本発明の異形管は、遠心鋳造にて、上記成分組
成を有する管を鋳造し、ついでこれを曲げ加工す
ることにより得られる。従来の置注ぎ法による鋳
造管は、前述のように鋳造欠陥(鋳巣など)を防
ぐために設計肉厚を大きくしなければならず、そ
のため組織の粗大化などにより延性の低下を避け
得なかつたが、遠心鋳造管とすることにより、肉
厚をうすくでき、上記欠点が解消されることと、
前記化学成分組成にもとづく延性や加工性の改善
効果とが相まつて、後記実施例にも示されるよう
に、苛酷な曲げ加工に耐え、90゜エルボの加工は
もとより、リターンベンドの曲率半径に制限はな
く、例えば管径の5倍以上の曲率半径をもつリタ
ーンベンドの製作も容易である。さらに、このほ
か、S字曲げ管あるいは三次元的な曲げ管等の加
工製管も可能である。なお、曲げ加工は、通常高
周波曲げ加工などの熱間加工により行われるが、
冷間加工により行つてもよいことは言うまでもな
い。 かくして得られる本発明異形管は、曲げ加工に
伴う割れは全くなく、また時効後の延性にすぐれ
る。 次に本発明の実施例について説明する。 実施例 第1表に示す各種成分組成の含Nb高Ni−高Cr
合金を溶製し、これを遠心鋳造に付し、外径130
mm、長さ2550mm、肉厚21mmの遠心鋳造管を製造し
た。供試材No.1〜6は本発明耐熱合金、No.7〜13
は、Cおよび/またはSiの含有量が本発明規定の
範囲から逸脱した比較材である。 各遠心鋳造管より試験片を採取し、それぞれの
機械的性質を測定する一方、各鋳造管を高周波曲
げ加工に付して該加工に伴う管曲げ部内外表面に
おける微細割れ欠陥の発生状況を比較した。第2
表に鋳放し材の常温引張試験結果、第3表に、
700〜1000℃での時効(但し、処理時間はいずれ
も100時間)後の常温引張試験による破断伸び、
第4表に、曲げ半径4D(Dは管の直径)の曲げ
加工試験結果を示す(但し、曲げ加工時の管寸法
は、外径125mmφ、肉厚12.5mm、長さ2400mm)。
にすぐれた耐熱鋳造合金製異形管に関する。 石油工業におけるリフオーマチユーブやクラツ
キングチユーブは、加熱炉内で通常約500〜1100
℃の温度に曝されるので、高温度域においても高
いクリープ破断強度を有することが必要であり、
このためHK40(0.4%C−25%Cr−20%Ni)や
HP50(0.5%C−25%Cr−35%Ni)、あるいはこ
れらにNbを添加したものなどが用いられてい
る。 しかし、上記従来材は、いずれもC含有量が高
いために、一度加熱炉内で上記温度に加熱される
と、二次炭化物が過剰に析出する結果、常温から
約650℃の温度における延性が著しく劣化する。
この時効による脆化は、特に800〜900℃の温度に
曝された場合に最も短時間かつ顕著に現わされ
る。このため、従来のクラツキングチユーブ等
は、わずかな曲げ、引張変形、あるいは熱衝撃な
どによつて容易に破損するという欠点がある。し
かも、従来前記チユーブは置注ぎ法による鋳造管
であるので、鋳巣のない健全な鋳造管とするには
肉厚を厚くせねばならず、それに伴つて結晶粒の
粗大化、管内外面温度差の増大などにより、時効
後や鍜造後の延性が悪化する結果、上記欠点は一
そう顕著となる。従つて、例えば、新設加熱炉の
稼動開始時、あるいは既設加熱炉での新品チユー
ブとの取替えの場合、スタートアツプ(火入れ)
から数百時間のあいだ、該チユーブの種々の残留
応力(例えば、製管工程における溶接または鋳造
などに由来する残留応力)や配管系におけるなじ
み(熱膨張による寸法安定化)を伴うため、炉の
運転に際し、チユーブにこのような無理がかから
ぬよう細心の注意を必要とする。しかし、かかる
立上りの時期に何らかのトラブルにより運転を緊
急停止するような場合にはチユーブの破損を回避
することは極めて難しい。 また、前記チユーブは異形管として用いられる
ことが多く、例えばエチレン製造用クラツキング
コイルには、リターンベンド(180゜曲り管)や
90゜エルボ(90゜曲り管)が使用されるが、上記
従来材は曲げ加工性に劣るため、高周波曲げ加工
などの熱間加工において管の内外表面に微細割れ
が発生するという問題がある。特に、置注ぎ法に
よる管材は、前記のごとき厚肉に製管されること
に伴う材料特性上の制約により、管径の5倍以上
の曲率半径をもつリターンベンドの製造は極めて
困難であつた。 本発明者等は、上記問題点を解決すべく、Nb
を含む高Ni−高Cr耐熱合金の成分組成について
鋭意研究を重ねた結果、前記従来材では、C、Si
およびNb含有量のバランスが悪いため、結晶粒
界近傍に変形能の小さいNb、Siの偏析帯が生成
して曲げ加工性が悪くなること、および該偏析帯
が高温度域で二次炭化物の析出を加速するため
に、常温延性が著しく悪化するという事実が判明
した。本発明は、この知見にもとづき、C、Siお
よびNb量のバランスを適正化した化学成分組成
を特定することにより、結晶粒界近傍における上
記偏析帯の生成を抑制し、もつて曲げ加工性を高
め、かつ常温延性を改善するとともに、従来の置
注ぎ法に代え、遠心鋳造管とすることにより、苛
酷な曲げ加工においても割れを生ずることなく任
意形状の異形管を得ることに成功した。 すなわち、本発明は、C約0.12〜0.33%(重量
%、以下同じ)、Si約1.2%以下、Mn約1.5%以
下、Cr約23〜25%、Ni約37〜40%、Nb約0.5〜
1.8%、N約0.04〜0.15%、残部実質的に鉄および
不純物からなり、かつCとSiの含有量を相互の関
係において後記第1図に示す一定範囲に特定した
耐熱合金製遠心鋳造管を曲げ加工してなる異形管
を提供する。 本発明の化学成分限定理由は次のとおりであ
る。 Cは、本発明異形管の用途に要求される高温度
でのクリープ破断強度を確保するのに必要であ
る。1000℃以上でのクリープ破断強度を確保する
には少なくとも約0.12%を要するが、約0.33%を
こえると、二次炭化物の過剰の析出により、時効
後の常温延性が低下する。従つて、約0.12%を下
限とし、約0.33%を上限とする。 Siは耐浸炭性を高める効果を有するが、多量に
加えると、時効後の延性を損なうので、約1.2%
を上限とする。 CおよびSi含有量は上記規定に加え、両者の相
互関係において、さらに第1図に示すごとく制限
される。同図は、Nbを含む高Ni−高Cr耐熱合金
について、常温延性の最も顕著な劣化を引起こす
800℃または900℃にて100時間保持する時効後の
常温引張伸び値(%)(破断伸び)とCおよびSi
含有量の関係を示す。図中、「〇」は伸び値10%
以上、「×」は同10%未満を示す。一般に、時効
後の常温延性は、C量が少ないほど高くなると考
えられるが、Nbを含む本発明の高Ni−高Cr系合
金においては図示のように、CとSi量の相互関係
によつて特異な傾向を示し、曲線で画成される領
域aを逸脱すると、常温延性の低下が大きくな
る。これは、前記のとおり、時効の過程で、結晶
粒界近傍において、C、SiおよびNb量のバラン
スがくずれ、Nb、Siの偏析帯が生成し、これが
二次炭化物の析出を著しく加速することによる。
よつて、本発明は、CおよびSi量を領域a内に限
定する。この領域aは、A(0.12,1.01)、B
(0.21,1.18)、C(0.31,0.96)、D(0.33,
0.90)、E(0.33,0)およびF(0.12,0)の各
点を結ぶ直線分で画成される内側の斜線部領域で
ある。CおよびSi量をこのように限定することに
より、結晶粒界近傍でのNb、Siの偏析帯の生成
が抑制され、後記実施例にも示されるように、曲
げ加工性が高められ、かつすぐれた常温延性が与
えられる。 Mnは、溶湯の精錬工程での脱酸剤として有効
であるが、多くなると耐酸化抵抗が低くなるので
約1.5%以下とする。 Crは、耐酸化性の改善のために加えられる。
但し、約23%未満では1000℃以上での耐酸化性が
十分でなく、一方約25%をこえると、時効後の常
温延性が低下するほか、溶接性も悪くなる。従つ
て、約23〜25%とする。 Niは、耐浸炭性、耐酸化性を改善し、またク
リープ破断強度、機械的性質を高める効果を有す
る。但し、約37%に満たないと、耐浸炭性が不十
分である。含有量の増加とともに上記諸性質は向
上するが、約40%をこえて加えても、クリープ、
機械的性質および耐酸化性の改善効果はほぼ飽和
するので不経済である。よつて、約37〜40%とす
る。 Nbは、炭化物、炭窒化物を形成してクリープ
破断強度の改善に寄与するが、約0.5%に満たな
いと、その効果が十分でなく、また前記C量範囲
において時効後の延性を確保することができな
い。但し、約1.8%をこえると、上記化合物の析
出が過剰となるため、却つてクリープ破断強度の
低下を招き、また耐酸化性も悪くなる。従つて、
約0.5〜1.8%とする。 Nは、Cとともに、前記Cr、Nbなどの炭窒化
物を形成しクリープ破断強度を高める。このため
少なくとも約0.04%を要するが、約0.15%をこえ
ると、溶接性の劣化を引起こすので、約0.04〜
0.15%とする。 P、S、その他の不純物は、この種合金に通常
許容される範囲内で存在してかまわない。 本発明の異形管は、遠心鋳造にて、上記成分組
成を有する管を鋳造し、ついでこれを曲げ加工す
ることにより得られる。従来の置注ぎ法による鋳
造管は、前述のように鋳造欠陥(鋳巣など)を防
ぐために設計肉厚を大きくしなければならず、そ
のため組織の粗大化などにより延性の低下を避け
得なかつたが、遠心鋳造管とすることにより、肉
厚をうすくでき、上記欠点が解消されることと、
前記化学成分組成にもとづく延性や加工性の改善
効果とが相まつて、後記実施例にも示されるよう
に、苛酷な曲げ加工に耐え、90゜エルボの加工は
もとより、リターンベンドの曲率半径に制限はな
く、例えば管径の5倍以上の曲率半径をもつリタ
ーンベンドの製作も容易である。さらに、このほ
か、S字曲げ管あるいは三次元的な曲げ管等の加
工製管も可能である。なお、曲げ加工は、通常高
周波曲げ加工などの熱間加工により行われるが、
冷間加工により行つてもよいことは言うまでもな
い。 かくして得られる本発明異形管は、曲げ加工に
伴う割れは全くなく、また時効後の延性にすぐれ
る。 次に本発明の実施例について説明する。 実施例 第1表に示す各種成分組成の含Nb高Ni−高Cr
合金を溶製し、これを遠心鋳造に付し、外径130
mm、長さ2550mm、肉厚21mmの遠心鋳造管を製造し
た。供試材No.1〜6は本発明耐熱合金、No.7〜13
は、Cおよび/またはSiの含有量が本発明規定の
範囲から逸脱した比較材である。 各遠心鋳造管より試験片を採取し、それぞれの
機械的性質を測定する一方、各鋳造管を高周波曲
げ加工に付して該加工に伴う管曲げ部内外表面に
おける微細割れ欠陥の発生状況を比較した。第2
表に鋳放し材の常温引張試験結果、第3表に、
700〜1000℃での時効(但し、処理時間はいずれ
も100時間)後の常温引張試験による破断伸び、
第4表に、曲げ半径4D(Dは管の直径)の曲げ
加工試験結果を示す(但し、曲げ加工時の管寸法
は、外径125mmφ、肉厚12.5mm、長さ2400mm)。
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
上記試験結果に示されるように本発明異形管は
時効をうけたのちにも、すぐれた常温延性を有
し、しかも時効温度の高低にかかわらず安定した
高延性を呈する。特に、脆化傾向の最も強く現わ
れる800℃ないし900℃における時効をうけたのち
の常温延性は比較材とくらべて極めて高い。 また、第4表から明らかなように、比較材No.7
〜13はいずれも、高温でのわずかな引張変形をう
けても割れが発生している。これはC、Si、Nb
量のバランスが悪く、変形能の小さいNb、Siの
偏析帯が生成していることによる。特にNo.12およ
び13は高炭素材であるため、Si量が低いにもかか
わらず、大きな割れが発生している。これに対
し、本発明管は割れの発生は全く認められず、健
全な表面性状を備えている。 以上のように、本発明異形管は、表面割れ欠陥
がなく、また時効後の延性にすぐれるので、リフ
オーマチユーブやクラツキングチユーブとして用
いれば、炉の立上り時期のように、各種応力や歪
みをうけ、あるいは運転緊急停止などの突発事態
に際しても、従来材のように容易に破損すること
がなく、安定した耐久性を発揮する。本発明異形
管は、このほかにラジアントチユーブなど、各種
熱交換用配管として適用でき、上記と同様の効果
が得られることは言うまでもない。
時効をうけたのちにも、すぐれた常温延性を有
し、しかも時効温度の高低にかかわらず安定した
高延性を呈する。特に、脆化傾向の最も強く現わ
れる800℃ないし900℃における時効をうけたのち
の常温延性は比較材とくらべて極めて高い。 また、第4表から明らかなように、比較材No.7
〜13はいずれも、高温でのわずかな引張変形をう
けても割れが発生している。これはC、Si、Nb
量のバランスが悪く、変形能の小さいNb、Siの
偏析帯が生成していることによる。特にNo.12およ
び13は高炭素材であるため、Si量が低いにもかか
わらず、大きな割れが発生している。これに対
し、本発明管は割れの発生は全く認められず、健
全な表面性状を備えている。 以上のように、本発明異形管は、表面割れ欠陥
がなく、また時効後の延性にすぐれるので、リフ
オーマチユーブやクラツキングチユーブとして用
いれば、炉の立上り時期のように、各種応力や歪
みをうけ、あるいは運転緊急停止などの突発事態
に際しても、従来材のように容易に破損すること
がなく、安定した耐久性を発揮する。本発明異形
管は、このほかにラジアントチユーブなど、各種
熱交換用配管として適用でき、上記と同様の効果
が得られることは言うまでもない。
第1図は、Nbを含む高Ni−高Cr耐熱合金の時
効後の常温引張伸び値とC−Si含有量の関係を示
すグラフである。
効後の常温引張伸び値とC−Si含有量の関係を示
すグラフである。
Claims (1)
- 1 C0.12〜0.33%(重量%、以下同じ)、Si1.2
%以下、Mn1.5%以下、Cr23〜25%、Ni37〜40
%、Nb0.5〜1.8%、N0.04〜0.15%、残部鉄およ
び不純物からなり、かつCとSiの相互の含有量が
第1図に示す、A(0.12,1.01)、B(0.21,
1.18)、C(0.31,0.96)、D(0.33,0.90)、E
(0.33,0)およびF(0.12,0)の各点を結ぶ
直線分で画成される内側の領域a内にある耐熱合
金製遠心鋳造管を曲げ加工してなる耐熱鋳造合金
製異形管。
Priority Applications (6)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6455181A JPS57177958A (en) | 1981-04-27 | 1981-04-27 | Profile tube made of heat resistant cast alloy |
US06/370,197 US4444589A (en) | 1981-04-27 | 1982-04-21 | Heat resistant alloy excellent in bending property and ductility after aging and its products |
CA000401357A CA1190771A (en) | 1981-04-27 | 1982-04-21 | Heat resistant alloy excellent in bending property and ductility after aging and its products |
GB8211687A GB2100284B (en) | 1981-04-27 | 1982-04-22 | Ductile heat-resistant iron chromiumnickel alloys |
FR8207171A FR2504555B1 (fr) | 1981-04-27 | 1982-04-26 | Alliage resistant a la chaleur, possedant des proprietes de deformation et une ductilite excellentes apres vieillissement, et ses produits |
DE19823215677 DE3215677A1 (de) | 1981-04-27 | 1982-04-27 | Hitzebestaendige legierung und daraus hergestellte gebogene rohre |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6455181A JPS57177958A (en) | 1981-04-27 | 1981-04-27 | Profile tube made of heat resistant cast alloy |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS57177958A JPS57177958A (en) | 1982-11-01 |
JPS6112981B2 true JPS6112981B2 (ja) | 1986-04-11 |
Family
ID=13261464
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6455181A Granted JPS57177958A (en) | 1981-04-27 | 1981-04-27 | Profile tube made of heat resistant cast alloy |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS57177958A (ja) |
-
1981
- 1981-04-27 JP JP6455181A patent/JPS57177958A/ja active Granted
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS57177958A (en) | 1982-11-01 |
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