JPS6112872Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、浴室洗い場等における床仕上モルタ
ル内に浴槽側壁下端部を強固に定着させることが
できる浴槽に関するものである。

浴室洗い場を床仕上モルタルで仕上げて形成す
る場合、上記床仕上モルタルは、通常、浴槽を、
コンクリートを打設して形成した浴室土間部上に
設置した後該浴室土間部上に塗られるため、浴室
洗い場に面する浴槽側壁の下端部の内側まで充分
に入り込み難い。その結果、上記浴槽側壁の下端
部が上記床仕上モルタル内に強固に定着され難い
ため、上記浴槽側壁が移動し易く、上記浴槽側壁
の下端部と上記床仕上モルタルとの間に目地割れ
等の問題を来たすことが多かつた。

本考案は上述の問題に鑑みなされたもので、少
なくとも一側壁下端部に床仕上モルタル内に埋設
されるアンカー部を一体的に形成した浴槽を提供
することにより、上記アンカー部を介して上記側
壁の下端部を強固に上記床仕上モルタル内に定着
させるようにし、上記問題を解消したものであ
る。

以下、本考案を図面に示す一実施例について説
明する。

第１図は、本考案の浴槽の一実施例を浴室内に
設置した状態を示す斜視図であつて、同図におい
て１はその三側面を浴室側壁２，２（右側の側壁
は図示せず）に固定し浴室内に設置した浴槽、３
は浴室洗い場である。

浴室洗い場に面する浴槽１の一側壁１０は、浴
槽内側壁を頂部において屈曲させて浴槽外側壁１
１を該浴槽内側壁の外側に連設させた、所謂二重
壁構造をなしており、本考案の一実施例において
は、かかる浴槽外側壁１１の下端部に第２図に詳
細を示す如くアンカー部１２を一体的に形成して
ある。

アンカー部１２は、後述のように床仕上モルタ
ル４内に埋設されるもので、第２図に示す如く、
上記一側壁１０、詳しくは上記浴槽外側壁１１の
下端部に垂下連設した起立部１３と、起立部１３
の下端部に上記一側壁１０の外方へ略水平に傾斜
させて屈曲連設した傾斜部１４と、傾斜部の下端
部に屈曲連設した垂下部１５とから構成してあ
る。

尚、第２図において１６は、アンカー部１２の
内側に位置させて浴槽外側壁１１の下端部に設け
たインサートナツト嵌着部で、浴室洗い場を後述
する態様と異なり防水パンで構成する場合、アン
カー部１２を切り落した上で、インサートナツト
嵌着部１６内に嵌着したインサートナツトにビス
を下方から螺合することにより、上記防水パンを
上記浴槽外側壁の下端部に固定できるようになし
たものである。

而して上記浴槽１を浴室内に固定して浴室洗い
場３を形成するにあたつては、まず浴室土間部５
（第２図参照）上に浴槽固定用モルタル６を打設
して、その上に浴槽１を水平に載置した後、前記
一側壁１０を除く浴槽１の三脚壁の上縁部及び浴
室洗い場３に面する側縁部に亘り形成された固定
片１７を、調整材を介し浴室側壁構造材にステン
レス釘により固定する。浴室側壁構造材表面に
は、次いで、上記固定片１７も被覆させて、防水
シート、ラス等を貼着し、さらにその表面にモル
タルを塗つてタイルを貼着し、タイルと浴槽１と
の境界部にはコーキングを施して浴室側壁２，２
を形成する。

一方、上記浴槽１の設置後、浴室洗い場３を形
成するため、浴槽１前方の浴室土間部５上には床
仕上モルタル４を打設する。床仕上モルタルの打
設は、第２図に示す如くアンカー部１２を完全に
埋設するように行なうことが肝心であり、このよ
うに埋設することにより、アンカー部１２の形状
と相俟つて浴槽１の一側壁１０の下端部は床仕上
モルタル４内に強固に固着され、特にその外側壁
１１の移動が防止され、且つ浴槽１も強固に浴室
内に固定される。打設した床仕上モルタル４上に
は次いでタイル７を貼着し、最後にタイル７と浴
槽１の一側壁１０下端部との間にコーキング８を
施して浴室洗い場３を形成する。

尚、上述の実施例では、アンカー部１２を板状
体で形成してあるが、これを柵状態で形成し、ア
ンカー部１２内側への床仕上モルタル４の充填を
更に容易にすることもできる。又、アンカー部１
２としては図示の如き形状のものが望ましいが、
勿論この形状に限定されるものではない。もつと
もアンカー部１２の洗端部は、通常浴槽１の底面
の平均レベルよりも低く、且つ浴槽１の一側壁１
０の外面より外方に突出させて位置させる。又上
述の実施例ではアンカー部１２を一側壁１０の下
端部にのみ設けてあるが、浴槽１の他の側壁の外
方にも浴室洗い場等を形成する場合には、かかる
浴室洗い場に面する他の側壁の下端部にも設ける
のが好ましい。

叙上の如く、本考案の浴槽によれば、浴槽の少
なくとも一側壁下端部に床仕上モルタル内に埋設
されるアンカー部を一体的に形成してあるから、
該アンカー部を介して、或はアンカー部と共に上
記一側壁下端部を床仕上モルタルに強固に定着で
き、従つて上記一側壁の移動による目地割れ等の
問題を解消できる効果が奏せられる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の浴槽の一実施例を浴室内に
設置した状態で示す斜視図、第２図は第１図の要
部の拡大断面図である。 １……浴槽、４……床仕上モルタル、１０……
一側壁、１２……アンカー部、１３……起立部、
１４……傾斜部、１５……垂下部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 浴槽の少なくとも一側壁下端部に床仕上モル
   タル内に埋設されるアンカー部を一体的に形成
   したことを特徴とする浴槽。 (2) 上記アンカー部が、上記一側壁下端部に垂下
   連設した起立部と、該起立部の下端部に上記一
   側壁の外方へ傾斜させて連設した傾斜部と、該
   傾斜部の下端部に連設した垂下部とからなる、
   実用新案登録請求の範囲第(1)項記載の浴槽。