JPS6112867Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は壁面をタイル貼りとした溶室に設け
られる成形浴槽に関する。

溶室の壁面仕上げには様々なものがあるが、中
でもタイル貼り仕上げはその清潔感と優れた装飾
性により広く一般に普及している。ところで浴槽
と壁面が接する場合に、壁面を構成するタイルの
幅が浴槽の幅、又は高さの整数分の一になつてい
る時にはタイルの目地と浴槽の縁が一致するが、
タイルの幅が整数分の一でない時にはタイルの目
地と浴槽の縁が一致しないことになる。そこで従
来は、このような時に、浴槽まわりのタイルを浴
槽の縁に合わせて切断して貼り付けているが、タ
イルを切断する作業には手間がかかるものであ
る。また、最近においては浴槽の美的配慮から第
１図に示すように浴槽１の外側壁１ａを傾斜させ
た浴槽１が普及しているが、このような浴槽１に
おいては、浴槽１まわりのタイル２…を浴槽１の
縁１ｂに合わせて必ず切断しなくてはならない
が、このため上記のように切断作業に手間どる上
に、切断したタイル２…によつて浴槽１の壁面へ
の納まりが悪くなるという問題が生じる。

この考案は上記背景に基づいてなされたもの
で、その目的とするところは浴槽本体に垂直見切
部を一体に形成することによつて、タイル貼りさ
れた壁面に納まりよく浴槽を接合して据え付ける
ことができる上に、タイル貼り作業を簡略化する
ことのできる成形浴槽の提供にある。

以下この考案を図面を参照して説明する。

第２図ないし第４図はこの考案の一実施例を示
すもので、１０は浴槽本体であり、この浴槽本体
１０は、水槽部１０ａと、この水槽部１０ａの上
部の周囲に形成された縁部１０ｂと、上記水槽部
１０ａの長手方向の両側に上記縁部１０ｂより上
方にこれと一体に突出して形成された基台部１０
ｃ，１０ｃと、上記水槽部１０ａの後部側（第２
図と第３図における左側部）に上記縁部１０ｂよ
り上方に突出しかつ上記縁部１０ｂおよび上記基
台部１０ｃ，１０ｃに一体に形成された基板１０
ｄとから成つている。上記基台部１０ｃ，１０ｃ
の前側の外側部１０ｅ（第２図における右側部）
は、上記縁部１０ｂ下方のエプロン部１０ｆの表
面より外方に突出して形成されるとともに、この
外側部１０ｅは外方に向つて下広がりとされてお
り、この外側部１０ｅの下端部１０ｇは凹面状に
形成される一方、上記エプロン部１０ｆと上記下
端部１０ｇの下端には鍔部１０ｈが一体に形成さ
れている。

そして、上記基台部１０ｃの外側部１０ｅの側
縁には上記水槽部１０ａの長手方向と直角な方向
に突出する垂直見切部１２が設けられており、こ
の垂直見切部１２はその先端辺１２ａが浴室壁１
３を構成するタイル１４…の目地１５と同一直線
上に位置するようになつている。また、上記基台
部１０ｃと基板１０ｄと垂直見切部１２の上面１
６は同一高さに揃えられており、これら上面１６
の外縁部１６ａと上記垂直見切部１２の外側縁に
は係止耳片１７が上方と横方に突出して設けられ
ている。

しかして１８の浴室の床となるタイル材、１９
は上記基台部１０ｃの上面部に形成された水切
溝、２０は排水孔である。

次に上記のように構成されたこの考案に係る成
形浴槽の据え付け方、および作用について説明す
る。

まず、浴室の所定位置に浴槽本体１０を設置す
る。そして、基台部１０ｃと基板１０ｄと垂直見
切部１２との上面１６にタイル１４…を垂直に、
かつ、上記タイル１４…の裏面が係止耳片１７に
当接するようにそれぞれ位置させて壁面にタイル
１４…を貼り付けてゆき、続いて垂直見切部１２
の外側縁と上記係止耳片１７にそわしてタイル１
４…を貼り付けてゆく。以上のように浴槽本体１
０のまわりのタイル１４…を貼り付け、続いて壁
一面にタイル１４…を貼り付けてゆく。また、壁
面のタイル１４…の貼り付けと並行して床にタイ
ル材１８…の貼り付けも行なう。上記のように浴
槽本体１０のまわりのタイル１４…を貼り付ける
際に、垂直見切部１２が設けられていて、タイル
１４…の目地１５と垂直見切部１２の縁が一致す
るため、浴槽本体１０を納まりよく浴室に据え付
けることができる。また、このように、垂直見切
部１２の縁がタイル１４…の目地１５と一致する
ことにより、従来のように浴槽まわりのタイルを
浴槽の縁に合わせて切断する必要がない。

以上説明したように、この考案の成形浴槽は浴
槽本体のタイル貼り浴室壁との接合部にタイル目
地と同一直線上に位置できる垂直見切部を設けた
構成になつているため、浴槽本体をタイル壁の浴
室に納まりよく据え付けることができる。また、
この考案の浴槽本体を浴室に据え付けることによ
り、浴槽本体の垂直見切部の縁がタイルの目地と
同一直線上になるため、従来のように浴槽まわり
のタイルを切断する必要がない。したがつて従来
の浴槽が設けられる浴室壁のタイル貼り作業に比
べてタイル貼り作業を簡単に、しかも迅速になす
ことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の浴槽を据え付けた浴室を示す斜
視図、第２図はこの考案に係る成形浴槽を据え付
けた浴室を示す斜視図、第３図は同成形浴槽を示
す平面図、第４図は同成形浴槽を示す断面略図で
ある。 １０……浴槽本体、１２……垂直見切部、１３
……浴室壁、１４……タイル、１５……目地。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 溶槽本体のタイル貼り溶室壁との接合部にタイ
   ル目地と同一直線上に位置できる垂直見切部を一
   体に形成したことを特徴とする成形浴槽。