JPS6112745Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、側面視で前後方向の１箇所に駆動車
輪を設けた機体の後部に苗植付装置を連結すると
共に、前記苗植付装置の両側に、機体後方に向わ
せる状態で機体支持具を設けた乗用型田植機に関
する。

上記の田植機において、従来は、圃場での機体
前進時における施回性を良くするために、横移動
に対する泥抵抗の小なるソリ状の機体支持具を設
けているが、前記機体支持具を後押しする状態の
後進走行に際して、そのソリ状の機体支持具が大
なる推進抵抗となり、車輪の駆動反力が大になつ
て泥面かく乱の不都合を生じるものであつた。

また、路上走行が不能であり、路上走行を行な
うためには、別途用意の路上走行用車輪を着脱し
なければならず、作業性に欠けると共に車輪保管
の問題もあつた。

本考案は、上述の実情に鑑みて、極めて簡単な
改造により、上記欠点を解消すると共に、更に、
その為の構造を簡単なものに構成する事を目的と
する。

次に、考案の実施態様を例示図に基づいて説明
する。

側面視で前後方向の１箇所でかつ平面視におい
て機体左右方向の中央部に駆動車輪１を設けた機
体２の後部に、フロート３……によつて支持され
た前後向き軸芯まわりで左右揺動自在な苗植付装
置４を上下向き軸芯まわりで相対回動自在に連結
し、前記機体２を左右方向で安定的に支持するた
めの機体支持具５，５を機体後方に向わせる状態
で前記苗植付装置４の左右両側に設けると共に、
前記機体２の後部側に搭乗座席６を、かつ、その
前部に操縦部７を配置して、側面視で一輪構造の
乗用型田植機を構成してある。

前記機体支持具５を構成するに、第２図及び第
３図に示すように、前記左右フロート３，３の下
面側で上下揺動すると共に、フロート下面に接当
して前記苗植付装置４の左右揺動を阻止するソリ
状の接地部材８，８を、それらを連結する横向き
部材９まわりで一体的に揺動自在に苗植付装置４
に取付け、前記横向き部材９に左右に間かくを隔
ててリンク１０……を連設すると共に、このリン
ク１０の後部遊端に左右向き筒状連結部材１５を
枢支架設し、かつ、この筒状連結部材１５の両端
に、横軸まわりで転動自在な車輪１２を備えたリ
ンク１３，１３を機体後方に向けて延設すると共
に、一端側が前記苗植付装置４に枢支連結された
腰折れリンク１１の他端側に前記筒状連結部材１
５に固着してある。

更に、Ｌ字状の連結部材１６，１６の一端側を
前記筒状連結部材１５の両端に対して相対回転自
在に内嵌すると共に、前記連結部材１５の端部に
外嵌するカラー１７を連結部材１６に固着し、か
つ、その他端側を前記ソリ状接地部材８の中間部
に固着して、その接地部材８，８の対地反力を接
地部材８の枢支基部と中間部に分散させるように
し、そして、駆動装置の一例のシリンダ１４を前
記接地部材側連結部材９に枢支連結し、もつて、
リンク１０，１３及び腰折れリンク１１を主体に
するリンク機構Ａ並びに前記１個の駆動装置１４
により、第２図イ，ロに示すように、前記接地部
材８，８及び車輪１２，１２を背反接地させるよ
うにしてある。

尚、前記連結部材１６，１６の一端側を、前記
車輪側連結部材１５を枢支保持するリンク１０に
固着するも良い。

以上要するに本考案は、冒記した乗用型田植機
において、前記機体支持具５，５を、夫々横向き
部材９，１５で連結された上下揺動操作自在なソ
リ状の接地部材８，８と接地車輪１２，１２から
構成すると共に、前記接地部材８と車輪１２を１
個の駆動装置１４に連動のリンク機構Ａによつて
背反的に接地させるべく構成し、前記リンク機構
Ａを構成するに、前記接地部材側横向き部材９に
固着のリンク１０，１０の後端側に前記車輪横向
き連結部材１５を枢支架設すると共に、一端側が
前記苗植付装置４に枢支連結された腰折れリンク
１１の他端側を前記車輪連結部材１５に固着し、
前記ソリ状接地部材８の中間部と前記車輪側連結
部材１５あるいはそれの枢支リンク１０にわたつ
て連結部材１６，１６を設けてある事を特徴とす
る。

即ち、ソリ状接地部材８，８を接地させる事に
よつて、圃場での前進走行並びに施回走行を従来
通り良好に行なわせられ、そして、車輪１２，１
２を切換え接地させる事によつて、路上走行はも
とより圃場での後進走行を駆動反力の小なる状態
で泥面かく乱を生じさせないで良好に行なわせら
れるようになり、しかも、前記接地部材８，８と
車輪１２，１２を背反的に接地させるので、前記
前後進の走行形態の切換えを迅速に行なわせられ
ると共に、その背反接地の構造を１個の駆動装置
１４とリンク機構Ａを主体にして、構造簡単かつ
安価で故障しにくいものに構成でき、その上、背
反昇降の為の車輪側連結部材１５を有効に利用し
て、その連結部材１５あるいはそれの枢支リンク
１０と接地部材８にわたつて連結部材１６を設け
ることによつて、ソリ状接地部材８に対する対地
反力を分散させる事ができ、つまり前記接地部材
８，８に対する支持強度を高められ、全体とし
て、簡単な改造でもつて、実用上極めて優れた田
植機を提供できるようになつた。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る乗用型田植機の実施の態様
例示し、第１図は全体側面図、第２図イ，ロは接
地部材と車輪の背反接地切換え説明図、第３図は
機体支持具の斜視図であり、第４図はその要部を
破断した平面図である。 １……駆動車輪、２……機体、４……苗植付装
置、５……機体支持具、８……接地部材、９……
接地部材側連結部材、１０……リンク、１１……
腰折れリンク、１２……接地車輪、１４……駆動
装置、１５……車輪側連結部材、１６……連結部
材、Ａ……リンク機構。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 側面視で前後方向の１箇所に駆動車輪１を設け
   た機体２の後部に苗植付装置４を連結すると共
   に、前記苗植付装置４の両側に、機体後方に向わ
   せる状態で機体支持具５，５を設けた乗用型田植
   機であつて、前記機体支持具５，５を、夫々横向
   き部材９，１５で連結された上下揺動操作自在な
   ソリ状の接地部材８，８と接地車輪１２，１２か
   ら構成すると共に、前記接地部材８と車輪１２を
   １個の駆動装置１４に連動のリンク機構Ａによつ
   て背反的に接地させるべく構成し、前記リンク機
   構Ａを構成するに、前記接地部材側横向き部材９
   に固着のリンク１０，１０の後端側に前記車輪側
   横向き連結部材１５を枢支架設すると共に、一端
   側が前記苗植付装置４に枢支連結された腰折れリ
   ンク１１の他端側を前記車輪側連結部材１５に固
   着し、前記ソリ状接地部材８の中間部と前記車輪
   側連結部材１５あるいはそれの枢支リンク１０に
   わたつて連結部材１６，１６を設けてある事を特
   徴とする乗用型田植機。