JPS6112502Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、横流翼車を有する送風機構によつて
室内の空気の循環を行なうものであつて且つ吐出
口から吐出される風の向きを変化させる風案内板
を有するサーキユレータに関する。

従来よりサーキユレータには、ケーシングの上
部に吸入口を下部に吐出口を設けると共に、該ケ
ーシングの内部に横流翼車及びノーズ部材を配設
し、この横流翼車の回転によつて室内の空気を吸
入口から吸入し吐出口から吐出して室内空気の循
環を行なうものであつて、猶且つ吐出口の前部に
風案内板を回動可能に設けて吐出口から吐出され
る風の外きを調節例えば前方向・下方向・後方向
等へ選択的に変化させるようにしたものがある。
しかしながらこのものによれば、風案内板を前方
向あるいは下方向へ向くように回動させて前記風
を前方向あるいは下方向へ吐出させる場合は特に
問題はないが、例えば風を後方向へ吐出すべく風
案内板を後方向へ向く傾斜状態になさしめると、
吐出口の開度が風案内板にて減小されること、及
び風案内板が風の抵抗体として大きく作用するよ
うになること等によつて送風量が低下するといつ
た欠点を呈していた。

本考案は上記事情に鑑みてなされたものであ
り、従つてその目的は、風向きを如何なる向きに
変化させても送風量の低下を来たすことがなく、
さらには全体的な送風性能を高め得るサーキユレ
ータを提供するにある。

以下本考案の一実施例につき第１図乃至第３図
を参照して説明する。まず第１図及び第２図にお
いて、１は室壁の鴨居上部分Ｗに掛け保持したケ
ーシングで、これは上面に吸入口２を有し、下面
に吸入口２より前後幅の狭い吐出口３を有してお
り、而して該ケーシング１の内面中後部には円弧
状の送風壁部１ａが曲成されていてその下縁を吐
出口３の後縁に連ねている。４はケーシング１内
に配設した横流翼車で、これはモータ５に直結さ
れていてこのモータ５により矢印Ａ方向へ回転さ
れる。６はノーズ部材で、これをケーシング１内
の横流翼車４の前側やや下部に近接する部位に配
設している。７はケーシング１の前面部の前記ノ
ーズ部材６の下方及び若干上方部分を開放して形
成した切除部で、この切除部７のノーズ部材６よ
り上方つまり吸入口２側の部分を補助吸入口８と
しており、この切除部７は吐出口３に連通してい
る。９は切除部７中でも補助吸入口８の左、右両
側部に上下に延びるように形成した摺動凹部（左
側のもののみ図示）、１０は切除部７を閉塞し得
る大きさの形状をなす風案内板で、これの左、右
両端上部には軸１１，１１を突設していて、この
軸１１，１１にゴム製のブツシユ１２，１２を嵌
着せしめた上でこの軸１１，１１を摺動凹部９に
摺動可能に嵌入している。斯くして風案内板１０
を、補助吸入口８を含む切除部７に回動可能であ
つて且つ上下摺動可能でもあるように設けてお
り、この摺動によつて補助吸入口８を開閉するよ
うになつており、又、風案内板１０の高さ位置及
び回動位置はブツシユ１２，１２の摩擦力によつ
て保持されるようになつている。

さて上記構成において、横流翼車４を回転させ
ると、室内の空気が吸入口２からケーシング１内
に吸引され吐出口３から吐出され、斯くして室内
の空気が循環される。

さて、吐出口３から吐出される風を前方向ある
いは下方向へ調節したい場合には第２図の如く風
案内板１０の軸１１を摺動凹部９の最上部に位置
保持しておき、この高さ状態の軸１１を中心とし
て風案内板１０を第２図中実線で示す前方への傾
斜状態あるいは同図中二点鎖線で示す下方への状
態にまで回動しその位置に保持する。而して風案
内板１０を実線の位置に保持すれば風は第２図中
矢印Ｂで示すように前方へ向けて吐出され、一方
二点鎖線で示す位置に保持すれば風が矢印Ｃで示
すように下方へと吐出される。

ところで風を後方向へ向けて吐出して、サーキ
ユレータの存する部屋と、これと隣合う部屋との
両方の空気循環を図る場合には、第３図に示すよ
うに風案内板１０を下方へ摺動させることにより
補助吸入口８を開放せしめ、そして該風案内板１
０を後方への傾斜状態にまで回動しその位置に保
持する。すると吐出口３から吐出される風は第３
図中矢印Ｄで示すように後方向へ案内され、斯く
して周知の如く二部屋の空気循環が行なわれる。
ここで補助吸入口８が開放されている現状態で
は、室内空気が矢印Ｅ，Ｆで示すように、吸入口
２の他該補助吸入口８からも本体ケース１内に吸
引され、総じて吸気量が増大する。

即ち、横流翼車４の回転により送風するサーキ
ユレータにあつては、ノーズ部材６と横流翼車４
との関係によつて本来的に効果的な吸気範囲が略
定められるもので、その範囲は、第３図中Ｇで示
す如くであるが、其処にはケーシング１の前面板
１ｂが存するから、吸入口２が広域であるという
もののこの吸入口２において吸気が実際に良好に
行なわれる範囲としては第３図中Ｈで示すぐらい
の狭いものであつた。ところが本実施例の場合、
吸気がなされる範囲つまりケーシング１のノーズ
部材６よりも吸入口２側に位置した部位に補助吸
入口８を形成し、この補助吸入口８を風案内板１
０の一部本実施例の場合上部によつて開閉調節し
得るようにしたので、この補助吸入口８の開放に
て吸気量を増大させ得るのである。従つて補助吸
入口８の無い構造であつた従来のものに比し、風
を後方へ向けて吐出する場合にも風量の低下を確
実に防止できる。又、風向の調整にかかわらず補
助吸入口８を開放すれば、風量を所望に増加でき
送風性能を高め得る。

尚、風案内板１０を回動可能であるだけでなく
摺動可能でもあるようにし且つその摺動により補
助吸入口８を開閉するようにした本実施例におい
ては、風案内板１０を摺動変位分長くしているか
ら、従来の風案内板による場合よりも吐出風に対
し強い指向性を付与でき、よつて風向変換を確実
に行なわしめ得る。

第４図は本考案の他の実施例を示し、同図に示
すものは次の点が上記実施例と異なる。即ち、風
案内板１３は、摺動可能ではなくただ単に回動可
能であるだけあり、ただしその回動中心は風案内
板１３の上部寄りの部位にあり、該風案内板１３
はその回動によつて該風案内板１３の一部この場
合該回動中心より上方の部分が補助吸入口８を開
閉するようになつている。この実施例において
は、上記実施例の基本的効果を奏するのに加え、
風案内板１３を摺動させずに回動という簡単な操
作で補助吸入口８を開閉調節でき、しかも風を後
方に指向させる（吐出口３の開度減少）につれて
該補助吸入口８を大きく開放されることになり風
量の減少を効果的に防止できる等一層便利ならし
め得るという効果を奏する。

その他本考案は上記し且つ図面に示す実施例の
みに限定されるものではなく、要旨を逸脱しない
範囲で種々変形して実施できることは勿論であ
る。

本考案は、以上説明したように、吸入口及び吐
出口を有するケーシングの内部に横流翼車及びノ
ーズ部材を配設し該横流翼車の回転によつて前記
吸入口から吸気し前記吐出口から吐気するもので
あつて且つ前記吐出口から吐出される風の向きを
変化させる回動可能な風案内板を有するサーキユ
レータにおいて、前記ケーシングの前記ノーズ部
材より前記吸入口側の部位に補助吸入口を形成
し、この補助吸入口を前記風案内板の一部によつ
て開閉調節し得るようにしたことを特徴とするも
のであり、これにより、風案内板による風向の変
化に際して送風量の低下を防止でき、又、全体的
な送風性能を高め得るという極めて優れた効果を
奏するサーキユレータを提供できるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第３図は本考案の一実施例を示し、
第１図は風案内板を取外した状態の全体の斜視
図、第２図は全体の縦断側面図、第３図は第２図
と異なる使用状態を示す第２図相当図であり、そ
して第４図は本考案の他の実施例を示す第２図相
当図である。 図中、１はケーシング、２は吸入口、３は吐出
口、４は横流翼車、６はノーズ部材、８は補助吸
入口、１０，１３は風案内板である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 吸入口及び吐出口を有するケーシングの内部に
   横流翼車を収納するとともに、この横流翼車と前
   記ケーシングの前面部との間にノーズ部材を設
   け、前記横流翼車の回転によつて前記吸入口から
   吸気し記吐出口から吐気するものであつて、且つ
   前記吐出口の前部にこの吐出口から吐出される風
   の向きを変化させる回動可能な風案内板を有する
   ものにおいて、前記ケーシングの前面部で前記ノ
   ーズ部材よりも前記吸入口側に偏位する部位に補
   助吸入口を形成し、この補助吸入口を前記風案内
   板の前記ケーシングの前面部に沿う方向の摺動動
   作、若しくは回動動作により開閉することを特徴
   としたサーキユレータ。